メンズのワークキャップ講座 かぶり方からコーデまで

デニムを筆頭に、ワークウェアはメンズカジュアルにおいて常に重要な存在だった。かぶり物でもそれは同じこと。ワークキャップの男らしさはきっと今季の武器になる。

メンズのワークキャップ講座 かぶり方からコーデまで

ワークキャップとは

ヘビーワーカーたちの必携ツール

ゴールドラッシュや西部開拓時代を経て迎えた1900年代初頭、アメリカにて誕生したのがワークキャップだった。当初は鉄道作業員のかぶり物として生まれたため、別名“レールキャップ”とも呼ばれる。労働者の制服とセットで使用され、当時作業着を生産していた会社が好んで作っていたのがこの形だったのだ。

ワークキャップの特徴−機能編−

作業員、または技術者のキャップとして次第に認知度を高めていったワークキャップ。好まれた理由としては、頭の保護やへこたれない生地など、気軽に取り入れられ、しかも便利だったことが多分に影響を与えたそう。その特徴が現行品にも残っている。

何度でも洗えて、ラフに使える耐久性

今でこそさまざまな素材で作られているワークキャップだが、以前は主にヘビーなデニム地やコットンキャンバス地で製作し、耐久性を維持していた。たとえ汚れたとしても何度でも洗え、雑に扱ったとしてもくたびれない。今でもその名残を残すアイテムは数多くある。

日差しから守る最低限の前ツバ

ワークキャップだけにとどまらず、かぶり物は日射病などを引き起こす強い陽の光から頭を保護するためのアイテムだ。しかも、ツバを付けることで陽光のまぶしさやホコリなどから目を守る役割も担っている。ワークキャップにおいては、ワーカーたちが仕事が行いやすいよう、機動力なども意識して作られていることからツバを前に限定しているのもポイント。

汗を吸収、発散させ快適性を確保

激しい労働ともなれば、やはり大量の汗はかくもの。そこでワークキャップが大きな役割を果たす。内側には汗取りパッドを仕込み、噴き出る汗をしっかりと吸収。クラウンの両側にはエアホールが搭載され、帽子内の蒸れを防ぐためにひと役かっている。

ワークキャップの特徴−見た目編−

労働者のためのキャップと聞けば、粗野感のある武骨なアイテムを想像するかもしれない。確かにタフではあるが、もとをたどれば鉄道作業員のユニフォーム(制服)に付随するかぶり物。だからちょっとしたきちんと感もある。その見た目の特徴を3つのポイントに集約。

トップがフラットになった円筒型クラウン

ツバつきのアイテムといえば、BBキャップをいちはやく思い浮かべる人は多いかもしれない。それと一線を画す特徴が、トップに1枚の共布を加えフラットにした円柱型のクラウン。ツバも控えめに仕上げられていることから、どこか大人っぽい表情を生み出している。

耐久性を強めるさり気ない配慮

丈夫な生地が用いられてきたことからもわかるように、強度がひとつの重要項目だったアイテム。その一端がディテールにも垣間見られる。たとえばクラウンの縁にあしらわれたコシと呼ばれる細長い共布の生地。それにより負荷のかかりやすい部分をしっかり補強している。

見た目は大きく分けて2つのタイプがある

円筒型に短めのツバが付いたタイプが一般的だが、こちらはドゴールワークキャップといい、フランスの陸軍将校、シャルル・ド・ゴールがかぶっていたとされる形だ。もう1つは、エンジニアたちが愛用していたもので、トップ部に8か所ほどのタックが付いている。

間違えない。ワークキャップを選ぶコツ

ワークキャップは逆三角や四角の顔型の人が似合うとされてはいるが、フラットなクラウンの天井部で顔型をごまかせることから汎用性の高さにも定評がある。では、どのアイテムを選ぶべきのだろうか。それはクラウンの深さ、素材、デザインを基準にすることが重要といえる。

クラウンの深さとツバの大きさがポイント

もっとも一般的なのはクラウンが浅めでツバがタイトに設定されている形。程よいアクセントに最適で、気軽に合わせられる。オリジナリティをプラスしたければ深めのエンジニアキャップがおすすめ。キャスケットのような風貌で、しっかりと主張することができる。

素材の違いで表情や印象も一変する

デニム地のアイテムであれば、ダイレクトにワーク風の見た目を作ることができる。最近では、軽やかなコットン地のものも多く、それによりライトかつカジュアルな趣を作ることが可能だ。また、ツイードやウール生地であればグッと大人っぽいルックスに仕上がる。

さまざまなデザインでコーデにアクセントを

最近ではさまざまなデザインがちまたをにぎわせているため、それらを基準に選んでみるのもいい。たとえば、最近トレンドといえるミリタリーを表現すべく、カモ柄のアイテムを取り入れるのもあり。また、ヒッコリーストライプを選べば、クラシカルなワーク顔を作れる。

ワークキャップのかぶり方は「どんな印象に見せたいか」で変えよう

ワークキャップのかぶり方は、デザインやスタイリングによって実にさまざま。自由にかぶっても問題はないが、ここでは“かぶり方によって見え方が異なる”という点をレクチャーする。スマートさを、もしくは男らしさを伝えたい場合は、それぞれに適した方法があるため、顔型をフォローするかぶり方も含めてしっかりと押さえていただきたい。

フェイスラインが気になる人は……

顔型にちょっとしたコンプレックスがある人は、まず浅めにかぶり、髪を外側へ出すことを意識したい。これまで髪と顔で全体のバランスをとってきたものが、いきなり帽子の中へすっぽり隠れてしまうと違和感が先に立ってしまう。ツバを上げ気味にかぶるのも効果的だ。

スタイリッシュに見せたい人は……

全体のバランスをとりながらも、顔周りをすっきりさせることが先決。ワークキャップは比較的クラウンが浅めに作られているため、前髪や後ろ髪が出やすい。前述したような、髪で全体のバランスをコントロールしながら、極力フラットにかぶるのがおすすめ。

男らしさをアピールするには……

浅めにかぶればややカジュアルに見えるため、男らしさをアピールするならば懐の深いワークキャップを選び、深めにかぶりたい。それにより男らしく、クールなイメージを周りに与えることができる。または、ラフにかぶるのも1つの手。ツバを左右にふることで、あか抜けたムードを演出することができる。

コーデから考える。ワークキャップに好相性なアイテム

アイテム名からも推測できるように、ワークウェアとは抜群の相性を誇る。ただ、それだけではないところがワークキャップのいいところ。たとえば、ジャケパンの自然なカジュアルダウンにも威力を発揮してくれる。その際はクラシックに合わせればすんなりハマるはず。

ワークキャップ×カバーオール

知ってのとおり、ワークウェアの代表的なアウター。デニム地が基本で、色の落ち具合ですっきりもシブくも見せられる。粗野っぽさが気になる人はぜひ濃紺のアイテムを。さらに、ワークキャップも濃紺のデニム地のものを選べばまとまりよく合わせられる。

ワークキャップ×チノパン

もともとはミリタリーパンツの類だが、ここではベージュの品のある一本をすすめたい。ワーク系で合わせるとどうしても武骨さが先走ってしまうため、見た目もマイルドで上品なベージュのチノパンが存在感を発揮する。ワークキャップとの相性も申し分ない。

ワークキャップ×ポストマンシューズ

ハードなブーツもワークキャップとは好相性だが、大人としての品格をさり気なく見せたい時は黒革靴が引き締まっていい。ドレス調の革靴ではややギャップが強すぎるが、郵便配達員の靴が出どころのポッテリとした表情が特徴的なこちらなら難なくフィットする。

即実践。ワークキャップのコーデ参考集

選び方やかぶり方、相性のいいアイテムなどを交えワークキャップを説明してきたが、ちまたのファッショニスタたちは、それをどのように組み込んでいるのか。その気になるコーデの一部をピックアップ。彼らの巧みなコーデから、使えるテクをスティールしたい。

セットアップやシャツ、革靴と、ドレス調で固めつつも、シャツはデニム地を選びワークキャップで息を抜くなど、巧みなハズしが秀逸。ジャケットをバッグにかけたさり気ない一手もさえている。

太ピッチのストライプをあしらったシャツが存在感を発揮。その分、濃紺のジーンズとワークキャップでサンドしながらバランスをとっている。そんなさり気ない配慮が光る上級ワントーンスタイル。

定番のM-65にカーゴパンツ、さらにはワークキャップという武骨なミリタリースタイル。それでも重たく見えないのは、インナーへ加えたペールトーンのシャツと、全体をアースカラーでまとめたおかげ。

クリーンなニットに漂う甘さを、インナーのデニムシャツや土っぽいボトムスで適度に中和させたセンスが光る。足元へ加えたカラフルな差し色や、かぶり物にワークキャップを使うなど、力の抜き具合も絶妙。

ストリートを意識したデニムオンデニムの好サンプル。トップスに淡いカラーを選ぶことにより粗野感をいなし、春らしさを演出。黒のワークキャップで全体の印象を引き締めた。

カバーオールとオーバーオール、ワークキャップでワークスタイルを追求。古着を選ぶことで味わいを加えている。その中にあって、パープルのキャップとイエローのトップスが全体の印象をほどよく和らげる妙手に。

パーカーやスニーカーでリラックス&スポーティーに見せつつ、ショップコートやスラックスで大人らしくアップデート。その足し引きが巧みで、ワークキャップをさり気ない遊びとして追加している。

スウェットパンツをダラしなく見せないため薄ブルーのシャツを起用。フロントラインからチラ見せさせた爽やかなボーダーTや、シャツの裾にあしらったデザイン、ワークキャップのアシストが有効打。

スウェットにジーンズ、そして足元に『コンバース』のオールスターを加えたストリート気質なスタイリングでも、ブルーにまとめたことで清々しく大人っぽいビジュアルに。シャツの柄やキャップでさり気ない変化も誘発。

ラフな着こなしながら、キャップやシューズを含めてグレーを着地点にすることで統一感を高め、大人然としたシックなコーディネートに。サングラスやラフに腰巻きしたパーカーもポイントになっている。

カバーオールやビンブーツでワーク感を漂わせながら、ショールカラーのジャケットで品のよさもプラス。インナーに合わせた白Tシャツにより胸元へ奥行きを作り、ワークキャップのハズしも効果的。

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