ライター3人に聞いた!俺のファッションバイブル

+CLAP Menをはじめ、雑誌などで活躍しているライター3人に、ファッションのバイブルについて聞いてみました。服を好きになってから今に至るまでのファッション観をご紹介。

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ライター3人に聞いた!俺のファッションバイブル

平 格彦氏のファッションバイブルとは

約20年間メンズファッション業界に携わり続けている平格彦氏。変わらず好きなブランド、ブレない軸をベースにした、昔から今に至るまでのファッションについて聞きました。

出版社を経て独立し、雑誌『Men's JOKER』などで定期的に執筆。All About メンズファッション ガイド。JAPAN MENSA会員。活動の詳細は→ www.pop-jpn.com

平 格彦氏のファッションバイブルとは

▼ファッションに目覚めたのは、雑誌『ホットドッグプレス』のスナップ掲載がきっかけ

「高校生の頃に、雑誌「ホットドッグプレス」のスナップに掲載されたのがファッションに目覚めたきっかけかもしれません。プレゼントしてもらった時計が個性的でたまたま撮影されたのですが、それを機におしゃれに一層気を使うようになりました。

2003年に閉店しましたが、当時は人気店だった原宿の『プロペラ』などに通い、アウトドア系のアイテムをよく取り入れていました。

1つのスタイルに傾倒するということはなく、古着屋やセレクトショップ、原宿から渋谷、代官山などに通っていろいろなテイストやブランドに挑戦していましたね」

20代の頃、最も愛用していたブランドは『ソフ』と『F.C.R.B』

「就職して「ファインボーイズ」編集部にいた頃、よく愛用していたブランドは『ソフ (現在のソフネット)』と『F.C.R.B』です。

『ソフ』は画期的なギミックや、アートなファブリックを取り入れたデザインが当時としてはかなり斬新でした。『F.C.R.B』は、架空のサッカーチームがモチーフというコンセプトが衝撃的。サッカー好きとしては興味を持たざるをえませんでした(笑)。現在コラボは終了してしまいましたが、2000〜2016年春夏まで『ナイキ』がオフィシャルサプライヤーだったというのも大きな魅力でした」

▼今のスタンダードは、動きやすさと大人っぽさを兼ね備えるスポーツミックススタイル

「『ソフネット』や『F.C.R.B』が好きになってから高機能素材を活用するようになったのですが、そこに上質な天然素材を用いた定番ブランドを合わせるのがスタンダードな着こなしです」

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チェスターコート

「とりあえず羽織るだけで大人なムードになるのがチェスターコートの大きな魅力。また、シンプルなデザインで着回しやすいのも特徴的です。若い頃は必需品とはいえないコートかもしれませんが、大人になったら必須のアウター。オーバーサイズ気味のシルエットを選んでラフに羽織るのが今の気分です」

スタイリングサンプル1

「スポーツミックスではありませんが、チェスターコートのエレガントな魅力を生かしてこんなコーディネートにまとめることも。白いタートルネックニットで上品なカジュアルスタイルに落とし込んでいます。定番アイテムばかりでおもしろみに欠けると思ったときはヘッドウェアをアクセントに」

スタイリングサンプル2

「スニーカーで着崩すパターンも多用しています。チェスターコートやパンツはネイビーを選ぶことが多いのですが、それはスポーツミックスの爽快感が最も活きるから。スニーカーは圧倒的に黒ベースのモノトーン系が好きです」

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グレーのプルオーバーパーカー

「上品なアウターと着崩すのに便利なのが気に入っているところ。スポーティーな印象があるので爽やかなイメージも演出できます。厚手のスウェット地や『ナイキ』のテックフリースを選べば保温性も高く、真冬のインナーとしても重宝するんです。ラフな印象になりすぎないよう、定番カラーのシンプルなデザインを選ぶのが原則。個人的に愛用しているのは、『ナイキ ACG (エーシージー)』などのスポーツブランドです」

スタイリングサンプル1

「上品なアウターのインナーにパーカーを差して、程よくカジュアルダウンしたスタイリング例。足元もスポーティーなスニーカーですが、全体をモノトーンで統一してシックにまとめているのが大きなポイントです」

スタイリングサンプル2

「春になったらこんなコーディネートに。上品な表情のパンツを合わせることで、大人っぽい着こなしに仕上げているのがポイントです。上のサンプルと同じく、全身をモノトーンでまとめてモダンなムードを醸し出しています」

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ジョガーパンツ

「2〜3年前からかなりのヘビーローテーションになっているアイテム。裾がスリムにまとまり、全身がすっきりした印象になるところが好きです。ウールやコーデュロイといった温かみと品格を兼備する素材を選んで大人っぽくまとめるのが定番。カラーも王道のネイビー、グレー、ブラックばかりです。ジョガーパンツを含めたウェア類はスタンダードなデザインを選び、小物やバッグで変化をつけるとまとめやすいと思います」

スタイリングサンプル1

「ジョガーパンツを含めてセットアップスタイルも気に入っています。なぜなら、スポーティーな印象と大人なムードが簡単に両立できるから。寒いときはインナーダウンで保温性を補完しています。モノトーンのスニーカーで適度にカジュアルダウンすることが多いですね」

スタイリングサンプル2

「ジョガーパンツならではの裾周りをポイントにするため、白いスニーカーをアイキャッチにして足元に視線を集めたコーディネート。スニーカー以外はダークトーンに揃えることで足元の存在感を強調しています。上半身は品よくまとめるのも大人な印象を生むポイント」

▼メンズファッションに関わり続けて約20年。その集大成を形にしたい!

「おしゃれをすることは昔から好きなので仕事を通じておしゃれを学べることが楽しい部分。その一方で、ウンチクばかりの“ファッションおたく” にならないように気をつけています。得た情報を取捨選択したり編集したりして、多くの人のわかりやすく伝えられるとやりがいを感じますね。

また、常に多くのアイテムをチェックしているため、必要以上に物欲をそそられてしまう環境はちょっとつらいかもしれません(笑)。

メンズファッションに関わり続けて約20年。その集大成を何らかのコンテンツとしてまとめたいと考えています。今後の展開に関しては、こちらのサイト でお知らせしますので、たまにチェックしてみてください!!」

CANADA氏のファッションバイブルとは

幼い頃からファッションに囲まれた生活を送ってきたCANADA氏。ジャンル問わず、さまざまなファッションに挑戦してきたからこそ、ブランドやテイストにとらわれない今の自分スタイルがある、これぞCANADA氏流です。

メンズファッション誌編集長を経て、現在フリーランスエディター/ライター。好きなものは海、雑誌、パン。

CANADA氏のファッションバイブルとは

▼ファッション好きの母親の影響で、幼い頃からファッションに興味を持つ

「母親がファッションが好きだったので、その影響が大きいと思います。ファッション誌が自宅にたくさんあったので幼いながら読んでいましたし、よく買い物にもついて行っていました。小学校高学年の頃には「○○の服が欲しい」とブランドも指名するようになっていたので、当時としては結構マセてたかも。中学生のときに買ってもらった『メンズビギ』のTシャツや『ポールスミス』の白シャツなどは、20年以上たった今でもどういうデザインだったか思い出せます」

あらゆるテイストのブランドにハマった高校時代

「高校生の頃は、友達との会話はほぼファッションの話題が中心。学年ごとに服の好みもガラッと変わって、高校一年生のときは『ヒステリックグラマー』や『アンダーカバー』などのストリート系、高校二年生のときは『アバハウス』や『トランスコンチネンツ』などのきれいめ系、高校三年生のときは『W&LT』や『ヴィヴィアン・ウエストウッド』などのモード系と、とにかくいろんな格好をしてました。そのどれもが印象に残っているので、どれか1つには絞れないですね」

▼ジャンル問わず気に入ったものを着る、それが今の気分

「仕事柄、毎日私服ですしTPOを考えないといけないようなシーンも少ないので、学生の頃の服装のまま大人になってしまった、といったところです。ジャンル問わず気になったものを買うだけで、ポリシーやこだわりは特にないですね。ポリシーやこだわりがなさすぎるので、買ったはいいものの合わせる服がない、なんてこともありますけど(笑)」

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クルーネックTシャツ

「イン&アウトで1年中着るので、ワードローブの中で一番数の多いアイテム。中でも、特に気に入って着ている『フィルメランジェ』のTシャツは、とにかく滑らかで着心地がいいのに耐久性があって何度洗濯してもへたれないところがポイント。糸にあえてムラ感を残してあるので、きれいになりすぎていないところもデイリー使いにぴったりなんです。カラバリも豊富なので、季節や気分に合わせて各色を取り揃えておくのもいいかも。Tシャツが入っているパッケージも凝っているので、贈り物にも使えると思います」

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「昨年辺りから、Tシャツの裾はパンツINが定番。大人がTシャツ一枚でいてもだらしなく見えないので、そうしています。夏のコーデはシンプルになりすぎることもありますが、ベルトでポイントをきかせられるので、さり気ないおしゃれを楽しんでいます」

スタイリングサンプル2

「Tシャツの存在自体がカジュアルなので、コーデはできるだけきれいめに傾けられるように心掛けます。そんなときにワントーンコーデはとても便利で、ただ同系色で揃えるだけでコーデはまとまってくれるし、Tシャツを大人化してくれます」

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サルエルパンツ

「腰や脚にピタッとまとわりつく細いパンツが苦手なので、サルエルパンツはこれまでいろいろなブランドのものを試してきました。中でも、『エィス』のサルエルパンツは、ちゃんとサルエルシルエットなのに変なパンツはいてる人≠ノならないオーラがあるので大人が楽しめるサルエルだと思います。『エィス』の定番アイテムで毎シーズンさまざまなタイプが発売されているので、これからも少しずつ集めていきたいですね」

スタイリングサンプル1

「サルエルパンツに中性的な雰囲気があるので、トップスにミリタリージャケットなどの男っぽいアイテムを合わせるとそれぞれの魅力がうまく混じり合ってバランスがよくなります。サルエルパンツ以外はベーシックにまとめるのが、大人がサルエルをはきこなすコツだと思います」

スタイリングサンプル2

「サルエルパンツはその形自体にインパクトがあるのに、さらに総柄となると着こなしが難しいと感じてしまいがち。ですが、足首が見えるクロップド丈を選べばそれがだいぶ軽減されます。総柄サルエルもシンプル服に合わせれば着こなしやすいですよ」

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ナイロンブルゾン

「春〜秋にかけては羽織として、冬にはインナーとしても着られる薄手のナイロンブルゾンは、1年中重宝しています。中でも、『パタゴニア』のナイロンブルゾンはかれこれ15年以上着ているのですが、今も現役。丸めるとコンパクトになるので、旅行のときは必ず持って行きます」

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「アウトドアアイテムを街で着るときは、まんまアウトドアにならにように色使いには気を配ります。手持ちのナイロンブルゾンは黒が多いので、ほかのアイテムもモノトーンで統一してきれいめに。どんなパンツとも合わせやすいのも魅力です」

スタイリングサンプル2

「薄手のナイロンブルゾンは価格がリーズナブルなものが多いので、赤などの冒険色もちゅうちょなく買えます。アウトドアシーンに映えるのはもちろんですが、いつもの街着にポイントとして入れるだけでぐっと新鮮に見えるので重宝しています」

▼“自分がやりたい”ではなく“自分を求めてくれる仕事”を大切に

「必ずしも自分の好きなジャンルのファッションばかりを扱うわけではないし、むしろそういう機会は少ないくらいなので、ファッションは好きですが仕事として割りきっています。そのほうが、独りよがりにならずに企画を立てられたり原稿を執筆できたりするのかなと思います。今後も、自分がやりたい仕事より、自分を求めてくれる仕事を大切にしていきたいですね」

菊地 亮氏のファッションバイブルとは

ファッションにおいて、偉大な影響力を与えてくれた姉の存在が大きいという菊地亮氏。脱・姉から始まったおしゃれへの道のり。そこから自然と行き着いた“らしさ”あふれる今のファッションについて語ってくれました。

メンズファッション各誌で編集・執筆を行うかたわら、WEBマガジンのディレクションも行うなどジャンルレスに活動。無類のスポーツ好きで、特にサッカーへは熱い情熱を注ぐ。

菊地 亮氏のファッションバイブルとは

▼我が道を行く妙におしゃれな姉のまねが、ファッションの始まり

「興味を持ち出したのはだいたい中学生の頃。姉の影響が大きいかもしれません。二人とも遠方の大きい街へ行かなければ服屋さんもない岩手の片田舎で育ったので、ファッションの情報源といえば雑誌。ただ、我が道を行く姉はどこか違っていました。雑誌をまねているわけでもないのですが妙におしゃれでカッコいい。彼女が買うアイテムはすべてカッコいいものだと、ずっと思っていました。今だからいえますが、姉の持っていた古着を拝借して友達と街へ出かけたこともあります。

ベースは、アメカジ、ワーク、スポーツ、アウトドアの古着。ヴィンテージのデニムやスウェットシャツ、パタゴニアのブルゾンやアディダスのトラックジャケットといったアイテムが軸でした。ほとんど姉のまねをしてましたね。以降、“脱・姉”が僕のテーマになりました」

ファッションの参考書は、音楽や映画がほとんど

『コム デ ギャルソン』、『A.P.C.』、『ナンバーナイン』はよく着ていました。ストリート人気もすごかったので『バウンティハンター』、『デビロック』も選択肢の1つでしたね。

足元は『ニューバランス』の574や、『コンバース』ジャックパーセルのグリーンがほとんど。また、音楽からも影響を受け、バンドTなどを古着屋で買い漁っていた時期もありました。映画も参考書の1つで、“スタンドバイミー”、“トレインスポッティング”、“ナイト・オン・ザ・プラネット”などを見ながら参考にしていました」

▼いつのまにか自分流の着こなしが定番化

「最近では、@どこかに品を出す、A上下のシルエットに差をつける、B色を3色以上使わない、Cボトムはテーパードシルエットが、ルール化しているつもりはありませんがお決まりになっています。また、足元の大半は革靴。ジャケパンの願望はあるのですがアラフォー目前でもイマイチ着こなしに自信が持てず……。大半を足元で引き締めるパターンが多いように思います」

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『セバゴ』のローファー

「きっかけはファッション雑誌の取材。ブランドの特集をした際に、担当者の方からさまざまなお話を聞きました。歴史的なところからテクニカルな部分、そしてものづくりに対するマインドなどなど。さほど値段が高くないのですが、一足一足に込められている内容があまりにも濃厚。ローファーとはいえ革靴ですから、実際に足を通すまではややお堅い印象があったんです。ただ、履きやすく長時間歩いてもそんなに疲れない。それでいてシュッとする。革靴もいいかも、と足元の方向転換をするきっかけにもなりました」

スタイリングサンプル1

「ワントーンのスタイリングは割とよくするほうで、ブラックも好きな部類。ただ、統一する際はアイテムの濃淡に差をつけるか、どこかに抜け感を作ります。ボトムスがゆったり目なときは、トップをタイトにするのが基本路線ですね」

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「冬はだいたいこんなイメージの着こなしが多いかもしれません。ワイドなボトムスを合わせてはいますが、これだけ丈感がタイトなら野暮ったく見えない。トップはスウェットシャツもありですが、僕の場合はニットを選ぶことが多いです」

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『チャンピオン』のスウェットシャツ

「古着をしょっちゅう買っていたときからずっとワードローブの中に入っているアイテム。ヴィンテージのカレッジ系にハマり、だいぶお金を使いました(汗)。家族(姉以外)からはだいぶ冷ややかな目で見られましたが(なんでボロボロの服にそんなお金を使うのか、理解できなかったみたいです)。もちろん、リバースウィーブ仕立てで縦縮が少なく、脇下に入ったリブも動きやすさをフォローしてくれますから、とにかくラクチン。そのうえ、タッチもいいので今でもかなりお世話になっています」

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「以前はストリート風なスタイルが多かったですが、最近ではやはり年齢を考慮し、シャツと合わせてアイビーを意識した着こなしが多くなってきました。ややルーズな分、どこかで引き締めるのがポイントかと思います」

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「スウェットシャツとジーンズは昔から鉄板の組み合わせ。ただ、まんま着てしまうと中学時代に逆戻りしてしまうので、ロングコートや革靴で大人感を出す、または色みを抑え足元に抜け感を作りながら変化をつけるようにしています」

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『イッティビッティ』のボトムス

「昔からボトムスは、『リーバイス』のジーンズ、『ディッキーズ』のワークパンツがレギュラーでした。その中に最近割って入ってきたのが『イッティビッティ』です。ブランドコンセプトにもある“時代に左右されないものづくり”はボトムスの中にも存分に生かされていて、ていねいな仕立て、きれいなフォルムなどは、おそらく時間がたっても色あせないんだろうなと思わせます。実際ここ数シーズンずっとはいていて、まったく飽きない。しかもどんなアイテムとも相性がいい。はくだけでスマートに見える。時間がたつほどに“おいしいところ”が出てくるので今後もワードローブに残り続けていくような気がします」

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「『イッティビッティ』のボトムスをはく際は、ネイビーやグレーで落ち着いた印象に仕上げます。大柄なロングコートのインナーはニットが基本で、最近ではモックネックを選ぶケースが増えてきました。ただ肩がけはしませんが…」

スタイリングサンプル2

「ウールやギャバジンといった見た目にも上品な生地を使用しているので、程よくゆとりのあるボトムスでもダラッと見えないのがここんちの強みです。そのため、多少トップを崩してもしっかりフォローしてくれる。ミリタリーとミックスして“今”を装うのが定番です」

▼読者の日常がより豊かに。そんな手助けがしたい

「好きなことを仕事にできるのはつくづく幸せなことだなと感じます。自分の感性にしたがって企画を練り、形として表現した際に帰ってくる読者からの好意的な反応を聞くと、素直によかったと思えますね。しかし、好きなことを仕事にしている分、やはりごまかしはききません。また、自分の主観を押し付けてもいけないので、そのバランスの難しさに頭を悩ませるのはしょっちゅうです。それでも、みなさんの日常が豊かになる手助けが少しでもできれば僕としてはうれしいですね」

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