知っているようでわからない。パンツの基礎知識

知っているようでわからない。パンツの基礎知識

普段何気なくはいているパンツについて知ってるようで実は知らなかったりするもの。今回は、おしゃれを楽しむためにも知っておきたいパンツの基礎知識についておさらい。

大中 志摩

2016.02.04

ボトムス

ガイド1:基本となる種類を知る

まずは、誰もがご存じであろうパンツの基本となる種類を振り返る。ここでピックアップしたのは、メンズファッションにおける定番といえる5本。着こなしの幅が広がるのでどれも一本ずつはワードローブに加えておきたいアイテムだ。

パンツの定番1:ジーンズ

デニム生地を使用した作業用のパンツ。1871年にヤコブ・デイヴィスが『リーバイス社』のリーバイ・ストラウスから仕入れたキャンバス生地を用いて、銅リベットでポケットの両端を補強したパンツがベース。その後、素材がキャンバス生地からインディゴ染めのデニム生地に変わった。

パンツの定番2:カーゴパンツ

貨物船で荷物の積み下ろし作業を行う労働者たちがはいていたパンツが起源とされている。太もも部分や、バックポケット、ひざ下などにあしらわれたマチ付きの大きなポケットが特徴。もともと作業着として使用されていたので、しゃがんでもポケットから物を出し入れしやすい。

パンツの定番3:チノパン

チノクロスと呼ばれる綿やポリエステルの生地で作られたパンツの一種。チノクロスは綿のツイル生地を使用し、厚く丈夫に作られているので作業着などにも使われている。チノパンはプレーンなデザインが特徴で、どんなスタイルにもハマる使い勝手のよさが魅力だ。

パンツの定番4:スラックス

スラックスとは英語で「ゆるい」を意味しており、ゆとりのあるロング丈のパンツのこと。ビジネスのほか、フォーマルや制服などにも用いられている。股上が深く、太もも周辺にゆとりがあるのが特徴。また、はきやすさを考慮して前股部が開くように作られている。

パンツの定番5:クライミングパンツ

名前の通り登山の時に使用されるパンツ。防寒対策のためほとんどのアイテムが二重構造になっている。物の出し入れがしやすいようにポケットの開口部が広く、着脱しやすいようにベルトではなく、ゴムバンドになっているのもクライミングパンツならではの特徴だ。

ガイド2:理解しておくと便利なパンツ用語

ショップスタッフと会話していてパンツ用語で何を言ってるのかわからなかったという経験はないだろうか? ここでは、ショップスタッッフとの会話を想定し、覚えておくと便利なパンツ用語をいくつか紹介する。

ショップスタッフとの会話でよくあるケース ~ジーンズ編~

「いらっしゃいませ! こちらのジーンズは適度にテーパード(※1)がかかったタイプで、ユーズド加工(※2)がデザインのアクセントになっています。日本製の生地(※3)を使用したセルビッチデニム(※4)で、バックポケット(※5)の刺繍など細かい部分にもこだわって作られているんです。一度試着してみてください。……いかがですか? 細身のシルエットですがストレッチ(※6)が利いているので動きやすくないですか? はい、裾上げですね。こちらのパンツでしたら、ワンクッション(※7)させて仕上げるのいいかと思います」

※1テーパード:裾に向かって細くシェイプされたシルエット
※2ユーズド加工:使用感のある状態をあえて表現した加工
※3日本製の生地:最も有名なのが岡山県倉敷市児島産のデニム生地
※4セルビッチ:ほつれ止めが施されたデニム生地の端のこと
※5バックポケット:お尻の位置に配されたポケット
※6ストレッチ:縦方向、横方向、両方向に伸びる織物生地のこと
※7ワンクッション:裾が靴の甲にしっかりとあたる位置

ショップスタッフとの会話でよくあるケース ~スラックス編~

「いらっしゃいませ! スラックスをお探しですね。ジャケパンでの使用がメインでしたらベーシックなレギュラー(※1)タイプがオススメです。センタープレス(※2)がしっかりと出ているので足のラインを美しく見せてくれます。さらに、ワンタック(※3)入りなので程良くゆとりのある仕上がりです。サイドポケットは、ベーシックなフォワードセットポケット(※4)を採用しています。一度試着なさいますか?……いかがですか? 程良くテーパードさせているのでスッキリとしたシルエットです。ジャケパンでの使用がメインであれば裾はダブル(※5)仕上げでノークッション(※6)がよろしいかと思います」

※1レギュラー:ベルトを締める時、ウエストにあたる位置
※2センタープレス:スラックスの中央に施された折り目
※3ワンタック:腰回りにゆとりを作るためのタックがひとつのもの
※4フォワードセットポケット:前身頃に向かって斜めに配置されたポケット
※5ダブル:裾上げの仕上げを外折にもうひと曲げ加えた状態
※6ノークッション:裾が靴の甲にあたらない状態の長さ

ガイド3:パンツにまつわる素朴な疑問5

パンツでよく聞く名称や複数ある呼び方の違いなど、何となく理解しているけどはっきりとは知られていないような素朴な疑問を5つ紹介。パンツを選ぶ際に知っておくとよさそうなウンチクをチョイスした。

疑問1:デニムに表記されているオンスって数値が高い程良いの?

オンス=生地の厚さと認識されがちだが、本来は1平方ヤードあたりの生地の重さを表す時に用いる単位のこと。一般的なジーンズは14オンス程度だが、10オンス未満のライトンオンスは体にぴったりとフィットし、夏場でも涼しいのが特徴。20オンス以上のヘビーな生地はゴワゴワとした質感で武骨な印象が楽しめる。

疑問2:カーゴパンツと軍パンって何が違うの?

ミリタリーパンツ(軍パン)といえばカーゴパンツを思い浮かべる人も多いはず。もともと、カーゴパンツはワークウェアの一種として誕生したもの。当時、ミリタリーパンツにはチノパンのようなプレーンなデザインが採用されていたものを、戦時中にアメリカ軍がカーゴパンツのディテールを採用し、製作したものが現在のカーゴパンツの元祖となる。

疑問3:インディゴってそもそも何?

デニムアイテムでよく聞くインディゴとは、青よりも濃く、深みのある藍色染料のこと。主にジーンズやデニムに使用されている。現在では合成染料で染色することが多いが、もともとインド産の藍が使われていたことからインディゴという名称になった。繊維に強く定着しないため経年変化として色の変化を楽しむことができる。

疑問4:ジッパーとチャック、ファスナーの違いは?

衣類などを止める留め具、ジッパーやチャック、ファスナーなどさまざまな呼び方があるがすべて同じものを指している。正式名称はファスナーで、ジッパーはファスナーを閉める時の擬音語からアメリカのグッドリッチ社が名付けたもの。チャックは和製英語で巾着の“ちゃく”をもじった日本ならではの呼び方だ。

疑問5:最近見なくなった腰ばき。そもそも原点って何?

HIPHOP音楽が日本でもブームになったのをきっかけに流行した腰ばき。原点には諸説あるが、囚人服に由来する説が有力とされている。囚人服は大きいサイズが用意されることが多く、自殺防止や武器としての使用を防ぐためにベルトの着用が禁止されていた。そのため、自然と腰までパンツが落ちて腰ばきが誕生したとか。

都内の編集制作プロダクション所属。メンズファッション・ライフスタイルを中心に雑誌、webにて編集・執筆を行っている。
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