
今またネルシャツが新鮮だ。選びのポイントと人気ブランドの魅力を知ろう
長らくファッションのトレンドから見過ごされてきたネルシャツですが、実は今こそ着るべきアイテム。その理由から選び方、着こなしまでネルシャツの魅力を解説します!
アメカジの復権に合わせて注目度アップ。今こそネルシャツを着こなしたい
古くは1960年代のアイビーブーム、2010年代のアメトラブームと何度も繰り返されてきたアメカジブーム。そして2020年の秋頃からハイブランドやラグジュアリーストリートブランドからアメカジ要素を取り入れたアイテムが急増しています。実は今、戦後6回目といわれるアメカジブームの真っ最中なんです。
その盛り上がりを受けて、野暮ったいイメージが先行して、長らく日の目を浴びてこなかったネルシャツが再注目されています。トップスとしてもインナーとしても活躍する万能選手をコーディネートの主役として取り入れてみましょう。
そもそもネルシャツの“ネル”って? 知っておきたい、その背景
ネルシャツとは「フランネルシャツ」の略であり、コットンやウールを起毛させたフランネル生地を用いたシャツのことを指します。保温性や通気性、耐久性に優れていたことから、1930年代のアメリカでロガー(森林作業員)や炭坑夫、ハンターといった野外で作業する人たちのワークウェアとして広がりました。ネルシャツといえばチェック柄が定番ですが、作業で付いた汚れを目立たないようにするための工夫だったともいわれています。その後1970年代に入りアウトドアアクティビティが流行すると、アウトドアウェアのスタンダードアイテムとしても親しまれるようになりました。
ネルシャツならではの押さえておきたい3つのディテール
ネルシャツを選ぶ際に登場することの多いワードをピックアップしました。正統派のネルシャツなのかアレンジが効いたアイテムなのかを見分ける一助になるはず。さっそくチェックしていきましょう。
ディテール1
山ポケ
正式名称はフラシポケット。通称・山ポケと呼ばれる名前の通り、左胸のポケットが山の形を思わせる五角形になっているものを指します。ボタン留めの先端を尖らせることで片手でも簡単にボタンの開け閉めができるように配慮されたことから生まれた形状です。
ディテール2
猫目ボタン
1960年代以前のネルシャツに頻繁に使われていた、歴史あるデザインが猫目ボタンです。糸を通す穴の周囲を凹ませることによって糸が擦り切れるのを防ぐというもの。ボタンが4つ穴ではなく2つ穴の縫製であっても、タフさを保てるように工夫されています。
ディテール3
コットン素材とウール素材
フランネル生地には、コットンとウールの両方が存在します。コットン製のネルシャツを得意とするのは『ビッグヤンク』や『ファイブブラザーズ』といったワークシャツメーカーで、主に汗をかく労働者の普段着として親しまれてきました。対して、ウール素材の場合は『ペンドルトン』や『ウールリッチ』といったアウトドアブランドが代表格。どちらかといえばハンターやロガー(森林作業員)など、寒い時期に野外で活動する人々の防寒着という印象が強いでしょう。
ネルシャツをおしゃれに着こなすためには、サイズ感と柄選びを大切に
ネルシャツの弱点といえるのが、ともすると野暮ったく見えがちなところでしょう。そこで、ネルシャツの魅力であるチェック柄のパターンに応じた、おしゃれなコーディネートをピックアップしました。サイズ感や合わせるアイテムの選び方をチェックしてみましょう。
スタイリング1
正統派チェックもビッグシルエットで今どきなアメカジスタイルに
ネルシャツにロゴキャップ&スウェット、そして『クラークス』の「ワラビー」という正統派のアメカジコーデですが、肩が落ちたビッグシルエットのネルシャツと次世代イージーパンツとして注目されるコックパンツをチョイスし、トレンド感ある着こなしにまとめています。パンツとキャップのカラーを合わせることで、大ぶりな柄使いでもスッキリとした印象です。
スタイリング2
バッファローチェックでアウトドアMIX
1970年代のへビーデューティブームの頃からバッファローチェックのネルシャツとベストの組み合わせは大本命。こちらのコーデでは、赤×黒の柄に合わせて黒のアイテムを中心に選びつつ、リュックやニットキャップといった小物使いでアーバンアウトドアなスタイルに仕上げています。
スタイリング3
オンブレチェックでストリートスタイル
オンブレチェックはストリートの定番柄として親しまれていきたからこそ、スケーターファッションなどとも相性◎。裾がボックス型のシャツをオーバーサイズに着こなすのが定番です。ちなみに1990年代のファッションアイコンであるカート・コバーンが愛用していたのも、オンブレチェックで薄手のプリントネル&ボックス裾のネルシャツでした。
スタイリング4
オールブラックコーデの挿し色として
鮮やかなタータンチェックの存在感を生かし、オールブラックのコーディネートの裾からチラリと見せて挿し色に。多色使いのネルシャツを選ぶことで、より印象的なアクセントとなってくれるでしょう。
スタイリング5
モノトーンな着こなしにカジュアルさを添える
カジュアルさが魅力のネルシャツだからこそ、モノトーンのコーデにも肩の力を抜いたこなれ感を加えてくれます。とはいえ、色の強すぎるネルシャツだとチグハグな印象になってしまうため、ホワイトのパンツ、ベージュのスニーカーといったチェック柄の色を拾ったカラーでまとめるのがポイントです。
鉄板ブランドからトレンド系まで。ネルシャツのおすすめ10選
ネルシャツといえば、な老舗ブランドはもちろん、トレンドを意識したショップオリジナルまで、注目アイテムをピックアップ。幅広いシーズン活躍するお気に入りを見つけましょう。
アイテム1
『ファイブブラザー』×『バックドロップ』フランネルシャツ
1890年に創業したヘビーフランネルシャツの老舗『ファイブブラザー』に、アメカジの名店『バックドロップ』が別注。1970年代から80年代に実在した知る人ぞ知る名チェック柄のネルシャツをベースに、真鍮製の猫目メタルボタンを採用するなど、細かなところまでこだわりが感じられます。
アイテム2
『ペンドルトン』ボードシャツ
ウールフランネルの雄『ペンドルトン』。その名作として知られるのが1950年代に登場した通称「ボードシャツ」です。それまでタックインして着るのが当たり前だったネルシャツを裾出しのボックスシルエット&開襟にアレンジ、古くはザ・ビーチ・ボーイズが着用したことでも人気を集め、西海岸のアイコンとして高い支持を得たアイテムです。
アイテム3
『マインデニム』ヴィンテージ フランネル チェックワークシャツ
「ヴィンテージにとらわれない時代性のあるデニムを作る」というコンセプトを持つ『マインデニム』。ジーンズ以外のアイテムもデニムにマッチすることを基準に作られています。こちらのネルシャツはアメリカというよりも、どこかヨーロッパ的な雰囲気を感じさせるチェック柄であり、泥臭さは皆無。サラリとジーンズに合わせるだけで今っぽくキマります。
アイテム4
『ザ・ノース・フェイス』ロングスリーブ ストレッチ フランネル シャツ
クラシックな印象のこちらは、アウトドアならではの快適性を備えたネルシャツの進化系ともいえる1枚。スナップボタンを採用することで着脱を容易にし、胸ポケットはフラップ仕様。ストレッチ性も忘れていません。『ザ・ノース・フェイス』らしい黄×黒のコンビも◎です。
アイテム5
『パーム・エンジェルス』フランネル カーブド ロゴ オーバー シャツ
昨今のラグジュアリー・ストリートブームをけん引する人気ブランド『パーム・エンジェルス』のネルシャツ。ビッグシルエットにネオンピンク×ブラックのバッファローチェック、フロントはボタンが見えない比翼仕立てと、さすがのヒネリ具合。お得意のカーブドロゴが、堂々と背中にプリントされています。
アイテム6
『シュプリーム』プレイド フランネル シャツ
ストリートを席巻する『シュプリーム』からも頻繁にネルシャツが登場しています。遠目では大柄のバッファローチェックに見えますが、目を凝らすと、実はフォーマルなスタイルで定番のグレンチェック柄になっています。こんなツボを押さえた遊び心たっぷりのツイストこそが、同ブランドの人気の秘訣です。
アイテム7
『ダブルアールエル』スイートオール ロングスリーブ スポーツシャツ
しゃれっ気のあるネルシャツは欲しいけど、ハイブランドやストリート系のアイテムはちょっと……という方におすすめなのが『ラルフローレン』のハイエンドカジュアルラインである『ダブルアールエル』。こちらは1871年に創業したワークウェアブランド『スイートオール』のヴィンテージをもとにシルエットなどを現代的に再解釈した一品で、気負わず羽織るだけでベーシックかつ品のある着こなしが可能です。
アイテム8
『ウエス』インディゴヘビーネルシャツ
チェック柄のないプレーンカラーのネルシャツをお探しならこちら。とはいえ単なる黒ではなく、限りなく黒に近いダークネイビーになるまでインディゴでロープ染色した個性ある一品です。ジーンズのように着込むほどに経年変化していく楽しみが味わえます。
アイテム9
『ハフ』×『プレイボーイ』モナーク ロングスリーブ フランネルシャツ
ストリートブランドとして存在感を増している『ハフ』が、雑誌『プレイボーイ』とコラボ。ポイントは左胸に施された見慣れたラビットヘッドだけでなく、バックピースを占拠するインパクト抜群のプリント。この位置にプリントするのは生地の取り都合や工数を考えるとかなりの手間が掛かるはずですが、意外にお値段控えめなのもうれしいところです。
アイテム10
『ヴェトモン』ダブル アナーキー ロゴ フランネルシャツ
新生『バレンシアガ』の快進撃を支える鬼才、デムナ・ウェザリアが手がけるハイストリートブランド『ヴェトモン』のネルシャツは、後ろ身頃を長めに取ってラウンド裾とボックス裾を組み合わせた独特のカッティングを採用。反転したアナーキストマークをネオンイエローでプリントするなど、一度見れば忘れられないインパクトを備えています。
この記事の掲載アイテム一覧(全10商品)
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『ファイブブラザー』×『バックドロップ』 フランネルシャツ
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『ペンドルトン』 ボードシャツ
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『マインデニム』 ヴィンテージ フランネル チェックワークシャツ
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『ザ・ノース・フェイス』 ロングスリーブ ストレッチ フランネル シャツ
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『パーム・エンジェルス』 フランネル カーブド ロゴ オーバー シャツ
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『シュプリーム』 プレイド フランネル シャツ
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『ダブルアールエル』 スイートオール ロングスリーブ スポーツシャツ
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『ウエス』 インディゴヘビーネルシャツ
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『ハフ』×『プレイボーイ』 モナーク ロングスリーブ フランネルシャツ
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『ヴェトモン』 ダブル アナーキー ロゴ フランネルシャツ
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