チノパンはトレンドに流されない万能パンツだ。選び方とおすすめ15本
いつの時代も男の万能パンツであり続けてくれているチノパン。トレンドに左右されず、オン・オフのどちらでも安心して任せられる抜群の安定感を見直してみませんか？
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メンズカジュアルの永世定番。僕らにはチノパンが欠かせない
ビズカジが定着した昨今は、きれいめにもカジュアルにもはける万能パンツとして、スラックス顔のイージーパンツなどが市民権を得ています。ですが、こうした時代の流れに左右されず、常に万能な存在であり続けているパンツがあることをお忘れではないでしょうか。それがそう、まさしくチノパンです。
一口にチノパンといってもワーク系からドレス系まで多彩な作り手が手掛けており、そのシルエットやテイストは多種多様。そして、選び方次第ではストリートな装いを完成させるパンツとなる一方で、きれいめな装いにもよく映え、ジャケットやシャツと合わせることによりビジネスの装いとしても通用します。ファッション業界においてアメカジ復権が叫ばれている昨今はチノパンをはきたい機運も高まっているようですが、時代の気分による浮き沈みがなく、男の良き相棒であり続けてくれるのがこのパンツの強み。いつ何時も安定の格好良さをもたらしてくれるチノパンの優秀さを見過ごしてしまうのは、実にもったいないことなのです。
チノパンの“チノ”とは？ ミリタリーに根差した、その定義
まずは、そもそもチノパンとはいったい何なのか、という基本の“き”のからおさらいを。一言でいうと、チノパンとはチノクロスという綾織りの綿生地で仕立てられたパンツのこと。現代のメンズ服の多くがそうであるように、チノパンの出自もミリタリーにあります。1890年代にインドに駐留していた英国軍が、白パンツを敵から目立たなくするためにカーキに染めた軍隊用パンツを採用したことが起源となっています。そこから時を経て、第一次世界大戦中にフィリピン駐屯のアメリカが作業着として採用。これが第二次世界大戦後に一般へと普及し、現在に至ります。
ちなみにチノパンの“チノ”というのは、中国の布地という意味合いを持つ呼称。かつてアメリカ軍が中国からこの生地を調達していた時代に、この呼称が使われるようになったようです。ちなみに現在のチノパンの定義自体はそれほど厳密なものではなく、チノクロス以外のコットン生地を用いたものも広義のチノパンに含まれる傾向にあります。ストレッチを効かせた生地もこれに含まれ、ベルトループに切りポケットといったトラウザーズの仕様を採用し、コットン系のカジュアル寄りの生地を採用したパンツであればチノパンと呼ばれるようなゆるいくくりとなっています。
チノパンの魅力は、変わらない。こだわるべき3つのセレクトポイント
チノパン自体はいつの時代も変わらない魅力を放つ普遍のアイテム。落とし込みたい着こなしの方向性によって、こだわるべきポイントは変わります。ここでは特に意識しておきたい3つのセレクトポイントをご紹介しましょう。
ポイント1
用途で選ぶ、丈。カジュアルならフルレングス、きれいめなら9分丈を
まず意識しておきたいのが、パンツの印象を大きく左右するレングスです。カジュアルな装いの場合は、シューズに対してワンクッションがあるくらいがベスト。ストリートに寄せてはく場合は、裾にちょっとたるみがあるくらいのラフさがあってもちょうどいいバランスに仕上がります。これに対し、きれいめな装いの場合は、クッションなしですっきりと。昨今のきれいめチノパンは裾幅が細めゆえ、写真のような9分丈でドレスシューズの上品なフォルムを強調するはき方も有効です。
ポイント2
1本目は基本色、2本目では挿し色を選ぶベし
定番色に加え、カラフルな配色も珍しくないチノパンですが、やはり最初はコーデに悩まない定番色を押さえておくのが賢明。ベージュ、ブラック、ネイビーといった配色がこれに当たり、手持ちの服にもスッと馴染んでくれます。そして、2本目以降はカーキやボルドー、ホワイトといった一歩踏み込んだ配色に移行し、気分転換やマンネリ回避に貢献してもらいましょう。
ポイント3
シルエットにハズレはなし。用途によって選ぶ、チノパンのフォルム
一口にチノパンといっても、シルエットは多彩。大別すると、代表的なものは細身、ワイド、テーパードの3タイプです。それぞれの印象は微差ではありますが、この微差を上手に使い分けることがチノパン巧者への近道となります。これら3タイプの違いとマッチする着こなしについては、後述したタイプ別カタログをご覧ください。
シルエット別に着こなしも指南。大人コーデの即戦力になる、15のチノパン
ここからは、代表的な3タイプのシルエット別に、一軍としての活躍が期待できるチノパンをピックアップ。映える着こなしやコーデの勘どころがひと目でわかるスタイルサンプルもご紹介しているので、ぜひ参考に。
▼タイプ1：迷ったらコレ。最初の1本にもふさわしい「細身のスリム」
迷ったときに選んでおけば間違いなしなのが、細身タイプのチノパン。いい意味でクセのなさが持ち味ゆえ、きれいめコーデの要としてもカジュアルな装いを完成させる1本としてもポリバレントに対応してくれます。チノパンの持ち味である普遍性を色濃く感じるベーシックな佇まいは、写真のようなシンプルコーデを輝かせる1本としても威力を発揮！
1本目
『ビームス』ストレッチテーパードチノ
こちらは、年間1万本を売り上げる『ビームス』オリジナルの売れっ子モデル。ワタリから裾に向かってゆるやかに細くなっていく自然なスリムシルエットが絶妙で、ポリウレタンの混紡によって担保したストレッチ性で締め付け感のないはき心地に仕上げられています。サイドシームが少しフロント側にくる特徴的な仕立ては、正面から見たときのすっきり感を追い求めたものなのだとか。
2本目
『ポロ ラルフローレン』スリムレッグ コットンチノズ
トップスをタックインした際にスッキリ見えるローウエストを採用。さらに、腰周りから裾に向かって脚のラインがきれいに見えるスリムシルエットなので、美脚効果も望める1本です。また、ストレッチも効いているため、細身であることを感じさせない快適なはき心地。右側のヒップポケットにあしらわれた”POLO”の織りネームにより、さりげなくブランドアピールもできます！
3本目
『グローン アンド ソーン』フェザー インディペンデント スリムフィット
『ラルフローレン』でメンズディレクターを務めていたロブ・マグネス氏が立ち上げたパンツ専業ブランドが『グローン アンド ソーン』。生地から縫製までアメリカ国内の生産にこだわっています。主軸のアイテムがチノパンツで、さまざまなタイプをラインアップ。このモデル「インディペンデント」は、定番の「レジェンド」よりもワタリを5cm細くし、スリムなシルエットに仕上げています。名前に「フェザー」とあるように、薄手の軽量な生地を採用。
4本目
『メンズメルローズ』ルディアナストレッチサンロクマルパンツ
上質なインドの超長綿ルディアナゴールドを使いつつ、360度方向のストレッチ性を実現したチノクロス、ルディアナストレッチサンロクマルを起用。圧倒的な伸縮性によってストレスフリーなはき心地を実現しています。シルエットは見ての通り、スリムでエレガント。あえてウォッシュアウトすることでカジュアルなコーディネートにもマッチしやすく仕上げています。
5本目
『シップス』コットンストレッチテーパードパンツ
『シップス』の定番パンツの中でもっとも人気が高い美シルエットのテーパードチノパンツをアレンジ。股上に適度な余裕を与えることで、はき位置が調整できるように配慮しています。また、他のスペックもシルエットが崩れないように計算しているため、上品にはきこなせます。リサイクルコットンを使ったツイル生地はストレッチも効いていて動きやすい着用感。適度な厚みで1年を通して使い回せる逸品です。
▼タイプ2：トレンドを加味するなら「ワイドシルエット」のチノパンが欠かせない
トレンド感を印象付けたい場合は、チノパンもワイドシルエットが頼れる存在に。いつものワイドパンツと同じ感覚ではけるのでコーデのローテーションにも組み込みやすく、それでいてチノパン特有のオーセンティックな佇まいを味方につけられます。レングスは好みが分かれるところですが、ストリートに寄せるならクッションあり。ルーズ見えを予防して大人らしくはくなら、ジャストレングスか気持ち短めがベターでしょう。
6本目
『ビームス プラス』2プリーツ チノ パンツ
『ビームス プラス』でロングセラーを誇る、オリジナルのワイドチノ。採用したチノクロスは打ち込みがしっかりとした生地で、プリーツを生かした立体感のある極太シルエットをきれいに描き出しています。膝下を程良く絞り込んでいるのでルーズに見える心配がなく、裾上げなしでもはけるレングス設定（Mサイズで股下64cm）もうれしい要素に。
7本目
『ディッキーズ』別注 874
『ディッキーズ』が創業当時の1920年代から作り続けているワーク系チノパンの傑作といえば「874」。そんなマスターピースを通常より2インチほど大きいサイズ感で仕上げた『ナノ・ユニバース』の別注アイテムです。持ち前のタフな作りとシンプルな面持ちはそのまま継承しているので、ヘビーローテーションではき回すことが可能。『ディッキーズ』の100周年をイメージしたウエスト裏のモノトーンプリントもスペシャルな気分を盛り上げます。
8本目
『ゴールデンミルズ』×『ドアーズ』別注 M45 トラウザー
2022年にデビューしたばかりの『ゴールデンミルズ』は、日本人の企画制作チームが日本人のためのミリタリーウェアを生み出しています。そんなブランドに『アーバンリサーチ ドアーズ』が別注したチノパンは、M45カーキと呼ばれるミリタリーパンツを細部まで再現。サイズ感やレングスなどで日本人の体型に合うようにカスタムしつつ、今どきなリラックス感もプラスしています。
9本目
『サイ』コットンギャバジン 2プリーテッド トラウザー
ギャバジンもチノクロスもツイル生地の1種ということで、オーセンティンなチノパンツを思わせる雰囲気。英国クラシックをベースにしながら現代的視点で再構築したリアルクローズを提案している『サイ』だけに、風格と今っぽさが両立した1本に仕上がっています。見ての通りシルエットはワイドですが、2本のプリーツが入っているのでウエスト周りがさらにリラクシー。折り返したダブルの裾は重みがあってがストンと落ち、美しいシルエットを描いてくれます。
10本目
『ユナイテッドアローズ』ウェポン ノープリーツ ワイドチノ
アーミーパンツをモチーフにして製作したチノパン。ウエポンと呼ばれる打ち込みのしっかりした高密度なチノクロスを使っているため、光沢が豊かで耐久性にも優れています。シルエットはトレンドライクなワイドシルエットで、きれいめなコーディネートのハズしとして重宝。シンプルな面持ちに加えて生地感もシーズンレスで、ワードローブに1本あると1年中スタイリングの幅が広がります。
▼タイプ3：長くはきたいなら、実はコレ。「テーパードシルエット」が大人に味方する
お腹周りのぽっこり感が気になるお大人の強い味方になってくれるのが、ウエストやヒップにゆとりを持たせつつ、膝下はすっきりさせたワイドベースのテーパードシルエット。腰周りをゆったりカバーできるのにだらしなく見えないという、大人にとって非常に都合の良いバランスが持ち味です。ジョッパーズ型にも近い緩急のあるフォルムは恰幅が良い大人にこそ映え、体型変化を気にせずはき続けることが可能です。
11本目
『エルエルビーン』ダブルエル・チノ
老舗アウトドアブランドの定番チノパンツは、どこから見てもベーシック。コットン100％の高品質なツイル生地にシミやシワを寄せ付けない加工を施し、上品な質感が長続きするように仕上げています。さらに、型崩れしないディテールも採用。布を重ねたウエストベルトや、裏打ちした開き部分など、『エルエルビーン』らしい丁寧な作りも見事です。股上はスタンダード、太ももから下がスッキリした美麗なシルエットも好バランス。
12本目
『ブルックスブラザーズ』エリオット
プリーツを2本入れたウエストのゆったり感に対し、程良くシェイプされた膝下はすっきりとした印象に仕上げた「エリオット」フィットを採用。ストレッチを効かせたコットンツイルにはシワになりにくい加工が施されており、洗濯後のアイロンがけなしではけるイージーケアな点も魅力です。
13本目
『ギャップ』ギャップフレックス ウォッシュウェル エッセンシャル プリーツ リラックスパンツ
チノパンが定番のアメカジブランドとして忘れられないのが『ギャップ』。見た目はオーセンティックですが、GapFlex（ギャップフレックス）ストレッチテクノロジーを採用し、優れた伸縮性による快適なはき心地を実現しています。裾に向かってナチュラルにテーパードするシルエットは汎用性が抜群で、どんなコーディネートにも対応。価格もリーズナブルなので、とにかくチノパンをはきこなしてみたいビギナーにもおすすめです。
14本目
『スティーブン・アラン』チノ イン 1プリーテッド スラックス
テーパードシルエットならではの上品で落ち着いたムードを最大限に生かすことができる1本。『スティーブン・アラン』らしいエレガントなフォルムを採用しています。さらに、スラックスのディテールである天狗やVスリットも採用し、フィット感をアップ。上品なムードを一層高めています。オリジナルのチノクロスはやや厚手ながらしっとりした触感で、滑らかな風合いが品格を上乗せ。
15本目
『ビューティ＆ユース ユナイテッドアローズ』チノ ノープリーツ スリム パンツ
こちらも美しいテーパードシルエットを生かして上品に仕上げたチノスラックスです。センタープレスを入れることでビジネスシーンでも使える品格を演出しつつ、生地感をマッチにすることで適度にカジュアルダウン。オンからオフまでオールマイティに使えるチノパンに仕上げています。素材はコットン×ポリウレタンで、ストレッチ性が抜群。ジャストサイズを選んでも窮屈に感じません。
この記事の掲載アイテム一覧（全15商品）
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『ビームス』 ストレッチテーパードチノ -
『ポロ ラルフローレン』 スリムレッグ コットンチノズ
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『グローン アンド ソーン』 フェザー インディペンデント スリムフィット
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『メンズメルローズ』 ルディアナストレッチサンロクマルパンツ
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『シップス』 コットンストレッチテーパードパンツ
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『ビームス プラス』 2プリーツ チノ パンツ
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『ディッキーズ』 別注 874
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『ゴールデンミルズ』×『ドアーズ』 別注 M45 トラウザー
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『サイ』 コットンギャバジン 2プリーテッド トラウザー
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『ユナイテッドアローズ』 ウェポン ノープリーツ ワイドチノ
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『エルエルビーン』 ダブルエル・チノ
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『ブルックスブラザーズ』 エリオット
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『ギャップ』 ギャップフレックス ウォッシュウェル エッセンシャル プリーツ リラックスパンツ
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『スティーブン・アラン』 チノ イン 1プリーテッド スラックス
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『ビューティ＆ユース ユナイテッドアローズ』 チノ ノープリーツ スリム パンツ
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