メンズ中折れハット 選び方とかぶり方、コーデを指南

メンズ中折れハット 選び方とかぶり方、コーデを指南

軽装になる春夏の着こなしをブラッシュアップさせるなら、昨季からの流れをくんだハットの利用は賢い選択。そこで、スタイルにどう組み込むべきかを改めてここで徹底解説。

大中 志摩

2016.03.27

帽子
ハット
春の着こなし・コーデ

階級の象徴を経て実用的な道具へと発展

クラウン中央にクリースの入ったソフトハットの1つが中折れハット。大半はフェルト地が用いられ、コットン地のものはミルキーと呼ばれる。また、欧米では人気舞台の主人公にちなみ、フェドーラと呼ばれることも。イタリアの『ボルサリーノ』はあまりにも有名。

中折れハットの特徴-機能編-

目、頭、肌を強烈な日差しから守ってくれる

まぶしさで目にストレスを与え、日射病を誘発する原因にもなりえる強烈な日差しは常に我々を悩ませてきた。もっとも注意すべきは紫外線による肌へのダメージ。ただ、クラウンの周囲にブリムを備えたハットなら、日よけとしての効果を十分に担ってくれる。

額から滴る汗を未然に防ぐ内側への配慮

デザインにばかり目がいきがちだが、内側へも「かぶっていてよかった」と思わせるちょっとした機能的ディテールがある。たとえば汗取りバンド(スベリ)。スウェット地やコットン地であれば額にかいた汗を吸収してくれ、革製ならハットへ染み込むのを未然に防いでくれる。

頭と体の均衡を保つ巧妙なバランサー

中折れハットは、ブリム(つば)がついている分幅と奥行きをもたせたることができる。だから、大きさや丸顔など、頭や顔にコンプレックスをもっている人だろうと、選ぶ形や大きさに配慮したアイテムを選べばそのイメージをやわらげ、小顔効果にも期待がもてる。

ヘアスタイルを気にしなくてもOK

誰もがヘアスタイルを整えられずに家を出た、なんてケースを経験したことがあるだろう。そんな時、サッとかぶるだけで簡易的にケアできる中折れハットの存在が頼もしい。そのうえ、見た目もシュッとするため、まさに一石二鳥!?

中折れハットの特徴-見た目編-

持ち手にもなる気の利いたくぼみ

前述した逸話から派生したディテールで、高めのクラウン中央へ入ったクリース(つまみ)、クラウンの周囲を取り囲むブリムがデザインされたものを中折れハットという。その名のとおり手でハットがつまみやすく、スタイリッシュさをプラスできるといううれしい利点が。

威厳と機能性を備えたラウンドブリム

第二次世界大戦前まではジェントルマンのたしなみとして上流階級を中心に広く浸透していたハット。容姿端麗なルックスには気品があふれ、ダンディな印象をもたらしてくれる。それを可能にしているのがエレガントなツバで、日よけや雨よけとしても活躍する意匠。

さり気なく、でも重要なハットの装飾

身分の格やみずからの威厳を保つ狙いもあり、フェザーをはじめとする装飾が昔は多く見られたが、今はシンプルにリボンを巻くスタイルが主流。微妙な形の差こそあれ、ベースはほぼほぼ変わらないハットにおいて、オリジナリティを打ち出す重要なデザインといえる。

間違えない。中折れハットを選ぶコツ

中折れハット選びで重要なポイントは主に3つ。まずは季節感。夏にもなればやはり涼感は必要で、蒸れを防止するための対策も講じる必要がある。さらには、カラーリングやフォルム(サイズ感)、ツバの広さなどを心得ておけば、選択で失敗することもないはず。

選び方1活用するシーズンにそったマテリアル選びを

従来、ハットではフェルト地が一般的だ。しかし、それではいざ夏にかぶろうとしても蒸れが気になり不快に思うだろう。これからのシーズンを考えて選ぶなら、コットン製のミルキーかヘンプ混の生地のもの、もしくはわらで編まれたストローハットがいいだろう。

選び方2ツバとクラウンのバランスを考えて

中折れハットの特徴的なパーツといえば丸みを帯びたクラウンとその周りを囲むようにつけられたブリムだろう。両者のバランスによって印象も変ってくる。クラウンがそこまで深くなく、かつブリムが80年代を思わせるような広いものを選べば今っぽさを演じられる。

選び方3大人びた雰囲気をいかすシックなお色で

中折れハットは、アイテム自体が持つ品のよさが持ち味。この雰囲気を生かすならば、色みのセレクトにもこだわりたいところ。モノトーンやグレーもいいが、濃紺であればよりトレンド感をアピールすることができる。

これが最旬! 中折れハットのかぶり方

中折れハットはただかぶればいいというわけではない。コーディネート、トレンド、時代性、バリエーションによって、もっとも適したかぶり方というものがある。まずはそれをマスターしたい。浅くかぶればより快活に見え、深くかぶれば大人っぽい。そのバランスが重要だ。

かぶり方1天板にヘッドが当たらない程度が目安

深めにかぶると特徴的なくぼみ部分の形が崩れてしまい、そのまま長時間継続すれば変形する危険性も高まる。深くかぶらなければ不安定と感じる場合は、頭囲が大きすぎる可能性が高い。その際は、詰め物をする、またはワンサイズ小さめを買うなどで対応しよう。

かぶり方2中折れハットは水平にかぶればグッと大人っぽくなる

前下がり、前上がりのベースとなるフォルムによっても変わってくるが、基本的には前後にふらずフラットにかぶったほうがシックに決まる。後ろへ比重を置いてかぶればややカジュアルな印象になり、若々しく映る。また、逆に前気味にかぶれば艶っぽさが加わる。

かぶり方3左右にずらしてかぶればさらにこなれる

前後だけでなく左右にずらしてかぶるのもあり。それによってさらにこなれ感が増す。こちらの場合は、やや浅めにかぶると幼いイメージを助長する場合がある。前傾を意識しながらずらすことでおしゃれ感が増し、全体がグッとシックな趣になるのでお試しあれ。

コーデから考える。中折れハットに好相性なアイテム

大人っぽさ、クラシック感が高まる中折れハット。となれば、やはり合わせるアイテムにも相性というものがある。ハットのよさを損なわず、かつ全体へすんなりなじませることも可能なアザーアイテムをここで厳選。これからのコーディネートの参考にぜひ!

トレンチコート

大人っぽいアイテム同士なら、引かれ合うのも当然。しかし、シックなロングコートではクラシックなムードが出すぎてしまう場合もある。そこで、元ネタがミリタリーのトレンチコート。特にベージュは、適度なヌケ感と品の良さのバランスが絶妙なためハマりやすい。

ポロシャツ

夏に活躍するトップスとして真っ先にあがってくるアイテムといえばポロシャツ。カジュアルなアイテムでありながら、襟付きの清楚な一面も見せられる万能アイテムだ。その絶妙なニュアンスは、春夏素材のカジュアルさと紳士な一面を備えた中折れハットと相性ピッタリ。

レザーシューズ

ハット特有の容姿端麗な趣をキープするうえで、足元は革靴がベストなチョイスといえるだろう。フォーマルよりは外羽根式でブローギングが施されたようなカジュアルなもの。さらには上下で色を合わせれば、お堅い印象にならずすんなりまとまるはずだ。

即実践。中折れハットのコーデ参考集

もはやファッション小物としてお馴染みとなった中折れハット。コーデの格上げを図るうえで取り入れたいキーアイテムだが、コーディネートする際のポイントを知っておけば、より効果的に使用することが可能だ。ここではその好例を披露しながらヒケツを伝授する。

ジージャンとジーンズを合わせたデニム・オン・デニム。粗野感が先立ちそうな合わせでも、デニムの色にブラックを選び、内側に白シャツ、さらにハットを加えることですっかりアカ抜ける。

クリーンな白とソリッドな黒をハーフ&ハーフで合わせたスタイリッシュなモノトーンスタイル。やや難解な白のワントーンでも、黒を巧妙に使うことで違和感なく合わせられナチュラルに合わせる方法のひとつがる。

ミリタリージャケットとジーンズをフィックスし、今っぽさと男らしさを両取り。街着として着るには少々タフかもしれないが、ハットをかぶることでこなれた印象になる。

ゆったりめなジャケットとリブパンツの組み合わせがリラックス感たっぷり。そのなかにあってインナーに白シャツ、小物に革靴やハットを選ぶなど“シめ”と“ヌけ”の掛け合いが巧妙。

清楚な白パンをナチュラルに合わせる方法の1つが、武骨なアイテムとの併用によるコーディネート。随所に差しこんだシャープなブラックが、モダンさをさらに助長する。

セットアップにハットを加えたドレス風。キザになりがちだが、インナーへリラックス感たっぷりのカットソー、そして足元の素足見せによって自然なカジュアルダウンを実践。

シャツとチノパンのこの上なくシンプルなスタイリングには、小物の味付けが重要になる。こちらで威力を発揮しているのがハット。それによりグッと渋めなビジュアルへ進化。

ロングコートにハイネックニット、さらにスラックス顔のパンツと、選んだアイテムはどれもがドレッシー。それを足元のロールアップやツバ広のハットによる引き算で街っぽくシフト。

春先から初夏の休日には、ポロシャツとハットでリラクシングなムードを楽しむのも◎。足元はローファーで大人らしく。

ブラックのMA-1やスニーカー、オーバーサイズのインナーに見る80年代ストリートを意識した今風な合わせ。白パンの採用やツバ広のハットによって、大人感がアップした印象。

ベージュコートとバイカラーで表現したインナー、そして幅広のブリムが印象的なハットでモードっぽさを演出。それをあえて、色落ちが顕著なジーンズでハズすバランス感が◎。

都内の編集制作プロダクション所属。メンズファッション・ライフスタイルを中心に雑誌、webにて編集・執筆を行っている。
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