
リラックスコーデの要。クライミングパンツのおすすめ&着こなし術
楽ちんパンツの人気が継続中の現在。その元祖といえば機動力抜群のクライミングパンツです。タウンユースに寄せた進化系モデルや、今どきコーデのキモをご紹介します。
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楽ちんパンツの代名詞。クライミングパンツがやっぱり鉄板です
楽ちんにはけるパンツ“楽パン”がワードローブにおける一軍の座を独占している昨今。ですが、こうしたトレンドが生まれるはるか昔から、快適志向のパンツの代名詞として地位を確立していたのがクライミングパンツです。
元祖楽パンともいえるこのパンツが日本の街を席巻し始めたのは、アウトドアMIXコーデが脚光を浴び始めた1990年代のこと。クライミングにおける運動量の高さに対応すべく、開脚をアシストするガゼットクロッチやワンアクションで快適なフィット感を得られるウェビングベルトを搭載。その革新性から、ジーンズやスウェットに飽きたらないアクティブ派の選択肢として大歓迎されました。そして、その価値は、リラックス感が重要視される昨今のファッションにおいてかつて以上に高まっています。
山着由来の快適さが売り。クライミングパンツってどんなパンツ?
クライミングパンツ自体が誕生したのは、1980年代のこと。そのオリジネーターに関しては諸説ありますが、現在のクライミングパンツの多くがその元ネタとしているのが、1980年代当時から品質と信頼性の高さで他を凌駕していた『グラミチ』です。
ロッククライミングの聖地・ヨセミテ国立公園でクライミングに明け暮れていたマイク・グラハム氏が自身のガレージで生み出した『グラミチ』のクライミングパンツには、180度の開脚を可能にする股下の切り替えや、片手でサクッと調節できるウェビングベルト、足元の視認性を高めるテーパードシルエットといった現在のクライミングパンツの基本が備わっていました。なかでも股下の可動域を広げる切り替えはガゼットクロッチと呼ばれ、同社のパンツの代名詞となっています。ファッション目線のクライミングパンツにはこれを採用していないものもありますが、股の可動域は従来のパンツとは比べものならないほど高く、機動力に優れています。
クライミングパンツ自体のシルエットは、腰周りをたっぷりとさせた“ボン・キュッ”系のテーパードシルエットが基本。ですが、楽パンとして定着した現在はそのシルエットも多様化の傾向を見せています。ワイドパンツ型の極太系に加え、きれいめな装いにも対応可能なスラックス顔のすっきりテーパード系も各ブランドからお目見え。あらゆるコーデのボトムスを任せられるようになってきました。ファッションにおいてはリラックス感も重視したい、という人には吉報でしょう。
最近はビジカジだってお手のもの。クライミングパンツの着こなし、オンとオフ
ここからは、クライミングパンツを今はきこなすうえで良きお手本になってくれそうなスタイルサンプルを見てみましょう。前述のようにクライミングパンツ自体が多様化したことに加え、ビジネスの着こなしの幅が広がった昨今においてはオン・オフのどちらでもコーデの要になってくれます。
▼カジュアルに着こなす:街ではくなら、気持ち短めの丈感や“脱・ピタ”を意識すべし
カジュアルであれば、どんな装いでもクライミングパンツはハマる……というのは大前提。しかし、今街使いするなら少しの気遣いでグッと今っぽさを呼び込むことが可能です。まず意識したいのは、丈感。ワイド系であれば裾にたるみを作るのもありですが、都会感を出すならクロップド丈や9分丈といった気持ち短めが狙い目です。ワイド系でもクリーンに見せたければ、これくらいの丈がベターでしょう。シルエットは極端に太いとストリートにより過ぎてしまいますが、太腿や裾周りがもたつかない程良くゆったりしたモノを選ぶのが今の気分でしょう。
カジュアルコーデ1
裾周りすっきりなパンツで、ワンマイルコーデに抜け感を付与
裾周りをすっきり見せるテクとして、このコーデのように裾シャーリングを効かせたクライミングパンツを選ぶのも一つの手。クルーネックのスウェットを合わせただけのシンプルコーデですが、足元の軽快さによっていつものワンマイルスタイルとは異なるアクティブさ、抜け感をもたらすことに成功しています。
カジュアルコーデ2
ワイド系は9分丈に大人顔サンダルを投じて攻略
裾を絞っていないワイド系のクライミングパンツも、ご覧のような9分丈にすることでボリューム感が中和。軽快な印象に生まれ変わります。コーデ自体の配色をモノトーンに徹しているのも、クライミングパンツを街に馴染ませるうえで効果的です。グルカサンダルを合わせることによって、都会的な休日スタイルに引き寄せている点にも注目。
カジュアルコーデ3
クライミングパンツも極太をはきたいなら、くるぶし見せで軽快さを
どうしてもオーバーサイズをはきたい! という人は、このコーデのようにクライミングパンツをくるぶしが見えるくらいの丈感に設定するのがおすすめ。合わせたパーカーもたっぷりしたシルエットでありながら、足元の軽さによって野暮ったさを打ち消すことができます。アクティブなサイドラインが目を引くスニーカーを合わせれば、コーデ全体がのっぺりと見えないアクセントを添えることも可能ですよ。
▼ビジカジで着こなす:素材はクリーン。基本はリブなしで、シルエットはすっきりと
クライミングパンツは驚きの進化を遂げ、ビジカジ~オフィスカジュアルなスタイルに対応可能なモデルも多数お目見えしています。狙い目なのは、スラックスに寄せた細身テーパードシルエットを採用したタイプ。シルエット自体はナローで、股下がもたつかないものがベターです。ガゼットクロッチにはあまりこだわらず、シャツを合わせたときに違和感のないすっきり感を重視しましょう。素材については、コットンの場合、地厚過ぎるものや綾目が際立ったものはワーク感が強いので避けるのが賢明。薄手で張りのある生地感の1本のほうがシャツやジャケットにも馴染みやすいのでおすすめです。化繊系でも高密度で表面が滑らかな生地であれば、オフィスでも浮かずにはけるはず。レングスは9分丈か、フルレングスでもクッションの出ないジャスト丈。スポーティに見えがちなリブやシャーリングでない1本を選ぶのが吉です。
ビジカジコーデ1
細身テーパード系なら、足元の革靴にも違和感なくマッチ
こちらのコーデの主役は、腰周りのゆとりを抑え、膝下を強めに絞ったクライミングパンツ。化繊ながら天然素材風の質感を実現した生地により、シャツにもローファーにも自然とマッチしています。もちろん、これでもイージーウエストや脚を広げやすい裁断は健在ゆえ、オフィスでも快適に過ごせるわけです。
ビジカジコーデ2
ジャケットレスのオフィスカジュアルも、普段着見えさせない柄使い
リモートワークのさなかオフィスに出社した際は、ジャケットを伴わないオフィスカジュアルでこなす場合もあるでしょう。そんなときに活躍するのが、柄モノのクライミングパンツ。ウールスラックスのような風合いのグレンチェック素材を選ぶことで、ニットオンシャツのクリーンな着こなしをグッとトラッドに引きつけています。足元にあえてスエードの「ワラビー」を選んで、程良いリラックス感をプラスしている点も洒脱です。
ビジカジコーデ3
ライトめなロールアップなら、さらなる軽快さに寄与してくれる
テーパード系のクライミングパンツを選びつつ、その裾をきちんと折り返した足元にご注目。こうすることでシングル折り返しのスラックスのような見え方にもなり、まとまりのある色合わせの中に程良い軽快さを呼び込みます。インナーはタートルネック、足元にはビットローファーを合わせることで洒落感を残しつつ適度なドレスダウンを図っている点も見どころです。
鉄板中の鉄板から、コスパブランドまで。おすすめクライミングパンツ10本
ここからは、即戦力が期待できるクライミングパンツをご紹介。歴史がそのはき心地の良さを証明するカジュアル向けの定番モデルに加え、ビジカジ~オフィスカジュアル対応を可能にした進化系やガシガシとはき倒せるコスパモデルも網羅。
1本目
『グラミチ』ニューナローパンツ ジャストカット
クライミングパンツというジャンルを確立し、世界に知らしめたブランドして押さえておきたいのが冒頭でもご紹介した『グラミチ』。同社の代表作といえば、旧型の「ナローパンツ」から腰周りをすっきりさせたこちらの「ニューナローパンツ」です。いくつかバリエーションが存在しますが、これは裾上げいらずのジャストレングス仕様。裾を余らせることなくはけて、ロールアップをする必要のないレングスも使い勝手良好です。今っぽさの演出にも一役買ってくれることでしょう。
2本目
『ロックス』ライトトレックパンツ
『ロックス』は、命知らずのクライマー集団としてヨセミテ国立公園で名を馳せた「ザ・ストーン・マスター」の中心人物であるマイク・グラハム氏が2000年に立ち上げたクライミングウェアブランド。クライミングパンツにストレッチ素材をいち早く取り入れた同社の代表作である本作も、伸縮性を高めたコットンナイロンが動きに追従してよく伸び、激しい動きにも対応してくれる1本です。股下のガゼットクロッチと膝の立体裁断が備わった同社の基本仕様で、本作はブーツを履いたときにも被せやすいよう裾ジップがセットされています。
3本目
『ブラックダイヤモンド』ノーションパンツ
イヴォン・シュイナード氏が『パタゴニア』創業前にピトンなどを製造していたシュイナードイクイップメント社を前身とし、信頼性の高いクライミングギアを作り続けてきた『ブラックダイヤモンド』。同社が手がけた本作は、ウェビングベルトの代わりに動きに追従して伸びるエラスティックウエストバンドを採用しつつ、膝周りを二重の生地で補強した設計が特徴です。ボルダリングやジムでのトレーニング中の足さばきをスムーズに行えるよう、絞り込んだ裾にもエラスティックバンドが仕込まれています。
4本目
『クリフメイヤー』9分丈 デニム クライミングナローパンツ
ヴィンテージスタイルのアメカジを得意とする一方、“こんな1本があったらいいな”というキャンプウェアも叶えてくれる『クリフメイヤー』。本作は、きれいめさとリラックス感のいいとこ取りを狙ったワイドテーパードフォルムが絶妙な9分丈で、いつものアメカジにすんなり馴染んでくれるデニム仕立てな点が魅力です。デニム自体はライクラファイバー混紡ゆえ、動きやすさも申し分なし。
5本目
『グラミチ』×『シップスエニィ』ルーズ テーパード パンツ
『シップスエニィ』が『グラミチ』に別注をかけた本作は、ウール見えするトロピカルストレッチ素材で描いたワイドテーパードシルエットが特徴。きれいな落ち感を楽しめる9分丈のレングスは、スニーカーはもとより革靴とも親和性が高く、都会的なアウトドアMIXを簡単に叶えられます。通常ラインのモノは前ポケがベイカーポケットですが、本作はそれをサイドシームに沿わせたスラックス仕様に変更。ドレス感を高めています。
6本目
『グラミチ』×『417 エディフィス』ウェザーストレッチパンツ
『グラミチ』のクライミングパンツをスリムテーパードに変更し、フロントジップを備えたスラックス型に落とし込んだのが本作。採用した生地はリネンライクでシワになりにくいストレッチ素材で、共地のテーラードジャケットのセットアップ使いに対応しています。ガゼットクロッチは健在ゆえ、しゃがんだり自転車に乗ったりといったアクションも苦になりません。
7本目
『フランクリン クライミング』焚き火タフオックスパンツ
オレゴン生まれのクライミングギア&ウェアブランドが放つ本作はキャンプでの使用を想定し、脚の動きに干渉しない高めの位置に多機能ポケットをプラス。地厚でタフなツイル生地には難燃加工が施されており、焚き火や料理の際の安心感も担保されています。ポケットのフラップは、焚き火グローブを装着した状態でも開閉しやすいよう、ボタンではなく面テープで開閉する設計に。
8本目
『ジェリー』タック入り デニム クライミング バルーンワイドパンツ
アメリカ登山隊のエベレスト登頂の際の装備として、ダウンジャケットが採用された実績を誇る『ジェリー』。ですが、90年代以降はストリートにおいても親和性の高いブランドとして認知されています。それゆえか、こちらの新作クライミングパンツもストリート映えするバルーンシルエットのデニム仕立て。フロントはタックを効かせたジップフライ仕様で、トップスをタックインしても絵になります。
9本目
『ディッキーズ』×『アーバンリサーチ ドアーズ』ナロークライミングパンツ
『ディッキーズ』の代名詞といえば、ポリエステル65%、綿35%の割合で混紡し、強靭さとイージーケアを担保したT/Cツイル素材。これを使ってクセのないテーパードシルエットを描き、街顔のクライミングパンツに落とし込んだのが本作です。ウェビングベルトに加えてベルトループも付いており、前ポケもスラッシュポケット仕様なので、同社のワーク顔チノパン感覚ではくことも可能。裾上げなしではけるジャストレングス設計に加え、伸縮性のあるナローシルエットによりジャケットスタイルにも違和感なく合わせられます。
10本目
『ファイブブラザー』デニムベイカークライミングパンツ
質の高いネルシャツに定評があり、年代別にタグや仕様が異なる1930年代から90年代にかけてのヴィンテージ品が古着界隈でも人気が高い『ファイブブラザー』。ワークやアウトドアといった世界観に根ざしたブランドゆえ、新作クライミングパンツもベイカーパンツ型、かつ11オンスの地厚デニムで仕立てられています。見た目こそ武骨ですが、腰ゴムが入ったイージーウエスト仕様でデニム自体にもストレッチが入っているためはき心地は楽パンそのものです。
この記事の掲載アイテム一覧(全10商品)
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『グラミチ』 ニューナローパンツ ジャストカット
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『ロックス』 ライトトレックパンツ
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『ブラックダイヤモンド』 ノーションパンツ
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『クリフメイヤー』 9分丈 デニム クライミングナローパンツ
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『グラミチ』×『シップスエニィ』 ルーズ テーパード パンツ
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『グラミチ』×『417 エディフィス』 ウェザーストレッチパンツ
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『フランクリン クライミング』 焚き火タフオックスパンツ
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『ジェリー』 タック入り デニム クライミング バルーンワイドパンツ
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『ディッキーズ』×『アーバンリサーチ ドアーズ』 ナロークライミングパンツ
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『ファイブブラザー』 デニムベイカークライミングパンツ
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