
ローテクスニーカーの名作、今ならどう履く? ハズさない10足と旬コーデ
シューズ界の顔として、時代を超えて愛され続けるローテクスニーカー。衰えの知らない名作モデルは、今どきなファッションとも十二分に高い親和性を持ち合わせている。
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そもそもローテクスニーカーとはどんなスニーカー?
現在のスニーカーブームの礎は遡ること1990年代。「ナイキ エア マックス」などを筆頭に、いわゆるハイテクスニーカーが台頭し始めた時代だ。ハイテクとは“ハイ・テクノロジー”、つまり先端技術や独創的機能を搭載したものを指し、対してそれまでスニーカーシーンをけん引してきた、機能性が付加されていないスニーカーが“ロー・テクノロジー”と呼称されるようになった。そして現代においても“ハイテク”、“ローテク”の棲み分けは当たり前のようになされているが、スペックの云々ではなく、時代を超越するような普遍性やシンプルさが重視されるのがローテクスニーカーだ。そして、それらの中には老若男女誰もが知る、歴史的名作までに上り詰めるほど長く愛され続けているモデルも多く存在しているのである。
ローテクスニーカー、その魅力について改めて考える
ローテクとだけ聞くと言葉としてはややネガティブに感じられるかもしれない。しかし、それはあくまでハイテクと比較した際の機能性や技術面に関する部分のみであり、時代を超えて愛され続ける理由は他に明確にある。名作と名高いモデルをご紹介する前に、巷でローテクと呼ばれる多くのスニーカーたちに共通する3つの魅力について、改めて確認していこう。
魅力1
シンプルなデザインなので手持ちの着こなしと合わせやすい
最新技術や機能性はソールやアッパーに搭載されることが多いため、ハイテクスニーカーはその機能に応じた形状やデザインに独自性を感じさせるものが多い。対してローテクスニーカーはファンクショナブルなディテールがない分、グッとシンプルな顔立ちに落ち着くことが多いというのが特徴として挙げられるだろう。その見慣れたベーシックさはスタイリングを選り好みすることなく、日常的に履きこなしやすいため、ファッションにおいて圧倒的な万能感を誇る。また、シンプルゆえに清潔感や品の良さを携えられるモデルが多いため、カジュアルだけでなくセットアップのドレスダウンなど幅広い用途での活躍に期待できる点も魅力だ。
魅力2
色や柄などバリエーションが豊富なものが多い
ローテクスニーカーは必要最小限のパーツで作られており、デザインの施しやすいアッパーやサイドパートが広めに取られていることが多い。そのため、各メーカーが新作を考える際に新たな色や柄を取り入れやすいということもあり、ローテクスニーカーは特にバリエーションが豊富になっているのだ。さらに、デザイナーズブランドやセレクトショップ、スニーカーショップなどとのコラボも多く、そこでしか生まれない柄や色、素材などローテクだからこそ楽しめるモデルが誕生するところもまた魅力。ベーシックな色柄でないものは限定販売品のことも多く、スニーカー愛好家のコレクション欲を揺さぶる大きな要因にもなっている。
魅力3
色で遊んでもデザインがシンプルなので馴染みやすい
コーディネートに遊び心を表現するテクニックの1つ、挿し色使い。この挿し色テクニックは意外とバランスを取るのが難しいのだが、そこで活躍してくれるのがローテクスニーカーだ。そのシンプルな佇まいはウェアのデザインやシルエットを選ばないため合わせやすく、全身に対してスニーカーの面積は小さいため悪目立ちせずに挿し色として扱いやすい。他のアイテムをシンプルにしつつ、足元や小物で遊ぶくらいがラフになりすぎず、大人の抜け感を表現できるアプローチとなる。手持ちに挿し色アイテムがないのであれば、1足はスパイスカラーのローテクスニーカーを持っておいて損はないだろう。
ローテクスニーカーを履くならこの10足。今狙うべきモデルと旬の着こなし例
シンプルなデザインだけにどこでも手に入るのが魅力でもあるが、あまりにも数多く世に出ているため何を選ぶべきかに悩んでしまうこともあるだろう。そこで、定番や名作と名高いおすすめの10足を厳選。選りすぐりの逸品だらけなので、この中から手に取ればまず間違いはないはずだ。さらに、各モデルを使った旬の履きこなしサンプルも提案するので、参考にしていただきたい。
アイテム1
『アディダス オリジナルス』スーパースター
『アディダス』の中で「スタンスミス」と双璧を成す名作。その誕生は1969年にまで遡り、バスケットボール用シューズとして開発され一時はNBA選手の大半が履くほどメジャーな存在に。その後、ヒップホップユニット、ランDMCが愛用していたことでストリート人気にも火が付き、現在ではファレル・ウィリアムスやNIGOとのコラボモデルが登場するなど、50年以上の歴史を経てもなおファンを獲得し続けている。
今履くならこんなふうに
「スーパースター」はベースのボディカラーとコントラストを効かせた別色のスリーストライプスで構成されたものが多いため、その2色を使ったコーディネートがおすすめ。また独特なぼってりとしたボリューム感はオーバーサイズのアイテムと相性が良いため、今どきなシルエットと合わせて履きこなしたい。コーデはシンプルでも異なる素材感で組み合わせるだけで洒脱に見えるはずだ。
アイテム2
『ナイキ スポーツウェア』コルテッツ
『ナイキ』としての初のスニーカーであり、永久定番ともいえるブランドを代表するローテクスニーカーがこの「コルテッツ」。シンプルかつ細身のシルエットに、象徴的なスウッシュロゴを大胆に配したアイコニックなデザインがレトロな雰囲気を漂わせる。特にトリコロールカラーは1972年の発売以降、復刻や再販を繰り返す人気作だ。
今履くならこんなふうに
「コルテッツ」はスリムなフォルムなのですっきりとしたパンツと好相性。そのため細身のスタイリングがバランスを取りやすいが、ビチビチなタイトコーデは今の気分ではないだろう。そこでパンツはスリムシルエットやテーパードタイプを用いつつ、ガバッと羽織れるオーバーめなコートをセレクトしたい。洗練された印象そのままに、こなれた雰囲気を纏うことができる。
アイテム3
『ヴァンズ』オーセンティック
『ヴァンズ』の歴史の中で初めに登場したモデルで、創業初期に本モデルをもとにカスタムオーダーの受注生産でスニーカーを製造していた背景を持つ。1970年代に入るとアメリカ西海岸のスケーターたちがこぞって愛用するようになり、一気にその知名度を上げていった。5ホールのミニマルなデザインと伝統的なバルカナイズ製法による底付けが特徴だ。
今履くならこんなふうに
『ヴァンズ』らしい西海岸の風情をストリートライクに落とし込んだ好例がこちら。「オーセンティック」によく似合うセンタープレス入りのストレートチノは9分丈を選択し、ソックス見せで軽やかにキメたい。また、プリントTシャツやベースボールキャップなど、合わせるアイテムもスニーカーと同じテンションを選ぶことで統一感を出すことができる。
アイテム4
『リーボック クラシック』クラブC
1985年にテニス専用コートシューズ「クラブチャンピオン」として誕生。発売当時からテニスシーンにとどまらずデイリーユースとしても親しまれた1足。また、武骨なフォルムとレトロな佇まいから『リーボック』を代表するファッションアイテムとして長く愛され続けている。誕生から35年が経った今もなお、ストリートスタイルの必須アイテムとして健在だ。
今履くならこんなふうに
丸みのあるボリューミーなフォルムとスエード素材が特徴的な「クラブC」は、味わい深い大人のカジュアルスタイルと好相性。淡いベージュカラーのモデルならブラウンのラバーソールとのコンビなため、ブラウン系を基調としたシンプルな装いと合わせるのがおすすめだ。なお、重厚感のある1足なので全体的にややオーバーサイズなアイテムでまとめるとスタイリングしやすい。
アイテム5
『コンバース』オールスター
言わずと知れた「オールスター」は1917年に生産されて以来、大きく変わることなく愛され続け、誰もが永久定番として認める1足といっても過言ではない。コットンキャンバスボディにゴムソールという極シンプルな作りで、手頃な価格帯なのも広く浸透した大きな理由だ。色や柄のバリエーションも豊富で、スニーカー選びの醍醐味を味わうことができる点も大きな魅力。なお、こちらは高い技術が落とし込まれたMADE IN JAPANのモデル。
今履くならこんなふうに
「オールスター」は普遍的なアイテムだけで合わせてしまうと、どうしても普通すぎる格好になってしまいがち。定番モデルだからこそ、トレンドを意識したスタイル構築がカギを握ってくる。今であれば洒脱に振り切れるノーカラージャケットのセットアップを軸に、ゆるい気分で履きこなしたい。センスあるブラウンカラーもインナーと足元の色さえ合わせれば、難なく着こなすことができる。
アイテム6
『プーマ』スウェード
1968年にバスケットボールシューズとして誕生した「スウェード」は、シンプルかつプレーンなデザイン。そこに上質なスエード素材を用いたことで、バッシュの域を超えファッションアイテムとしての地位も獲得した。また、スケートシューズではないながらもプロスケーターが愛用するなど、スケーターシーンを象徴するアイコンアイテムとして有名だ。
今履くならこんなふうに
スケーターファッションをはじめ、ストリートをけん引してきた名作なだけに収まりが良いのはやはりストリートスタイル。とはいえ、年齢を重ねてきたのであれば独創的なデザインで攻め込むのではなく、往年のフーディやチノパンといったベーシックアイテムでまとめたい。ラフになりすぎないよう、レイヤードや小物使いなどで玄人感を出していこう。
アイテム7
『スペルガ』2750 クラシック
100年以上の歴史を持つイタリア発ブランド『スペルガ』の代表モデル。キャンバス生地のアッパーを使用したリラックス感の強いローテクタイプで、特にヨーロッパでは古くから支持されているアイテムだ。2000年以降、世界的に知名度が上がり日本でも多くの芸能人やモデルが着用したことで人気が爆発。タイヤメーカー傘下らしい天然のラバーソールも実に味があって魅力的に映る。
今履くならこんなふうに
最近では有名セレクトショップなどで、ドレスダウンの足元用としても扱い出されている本作。ミニマルな外観とワンカラーのシンプルさは、セットアップやタイドアップなどと合わせてもミスマッチにならない利点があるとされる。カジュアルシーンでのセットアップなら、淡いトーンにラフなTシャツ、そして「2750」と、着飾りすぎないことを意識するとおしゃれにまとまるはずだ。
アイテム8
『ムーンスター』エイトテンス キッチェ
福岡県久留米市に本社を構え、MADE IN JAPANを貫く『ムーンスター』。学生用や仕事用など多くの専門靴作りを経験してきた同社が、2019年に新しく生み出した「エイトテンス(810s)」ラインの1足をピックアップ。ロングセラーである食品・厨房シューズをもとに、コートシューズとスリッポンをMIXしたようなデザインでアップデートさせた、今注目のローテクスニーカーだ。
今履くならこんなふうに
機能素材を採用したスポーティなアイテムを使ったスタイルに、同じくスポーティなスニーカーを合わせてしまうとジムワーク感が強くなってしまう。そのため、同じローテクでも本作のようなシンプルさを求めたい。シンセティックレザーによる程良い光沢感はアクティブなスタイルでも品の良さを携えてくれるため、気楽に休日を過ごしたい大人コーデにしっくりとハマる。
アイテム9
『オニツカタイガー』メキシコ66
1961年発売の「リンバーアップ」の特徴と、1966年の世界的スポーツの祭典・メキシコ大会に向けて開発された“オニツカタイガーストライプ”を初めて搭載した「リンバー」のデザインとを掛け合わせて作られたシューズ。1960年代の雰囲気を残しながらも現代風にデザインされ、『オニツカタイガー』を代表するモデルとして展開中。レトロな佇まいと程良くスポーティなエッセンスが他にはない個性を放つ。
今履くならこんなふうに
「メキシコ66」の古き良きスポーティな面持ちとカラフルなラインアップはハズしや挿し色に最適。今年らしさを求めるなら、イエローやグリーンカラーを選んでMIXスタイルで落とし込みたいところだ。一見すると鮮やかすぎるように感じるイエローでも、他のアイテムをカーキなど渋色のアイテムにすれば悪目立ちもしなくなる。パンツはすっきりとしたシンプルなものをセレクトして、スマートさを演出したい。
アイテム10
『ジャーマントレーナー』ジャーマントレーナー
1970年代から1994年にかけて、ドイツ軍のトレーニングシューズとして支給されていたスニーカーが「ジャーマントレーナー」。『メゾン マルジェラ』をはじめ、多くのデザイナーズスニーカーのルーツにもなっており、今でもデッドストックやヴィンテージを探している人は多い。本モデルは、当時正式採用されていたものを忠実に復刻した意欲作。
今履くならこんなふうに
シンプルな顔つきなためあらゆるコーデにマッチしやすいが、軍由来のシューズなのでせっかくであればミリタリーアイテムと合わせたい。秋冬だと上半身がスタイル全体の印象に大きく左右するため、ファティーグパンツを用いたさりげないミリタリー感が大人らしいだろう。アウターには旬のボアブルゾンを選択し、インナーをタックインすることでボリューミーになりすぎないよう調整するとすっきりとした着こなしに。
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『ナイキ スポーツウェア』 コルテッツ
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『ムーンスター』 エイトテンス キッチェ
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『オニツカタイガー』 メキシコ66
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『ジャーマントレーナー』 ジャーマントレーナー
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