
一周まわってノームコアがやっぱり良い。目指すのは究極の“普通”
2015年前後にトレンドとして台頭したノームコアファッション。あれからさまざまな流行を巡って再び脚光を浴びつつあります。その定義や必須アイテム、コーデ術を総ざらい!
“普通”のファッションを突き詰める。ノームコアとは?
かつて世界的なトレンドとなっていたノームコア。その言葉は標準や普通という意味を持つ「ノーマル」に、中核・核心部を意味する「ハードコア」を掛け合わせた造語です。 “究極の普通”と訳せることからもわかる通り、周囲と調和するシンプルなアイテムを取り入れるのが基本線。スタイルアイコンとして有名なのは、かのスティーブ・ジョブズ氏でしょう。彼は『イッセイミヤケ』の黒いタートルネック、『リーバイス』のジーンズ、『ニューバランス』のスニーカーを常に愛用していました。シンプルなだけの服装がノームコアなのではなく、彼のように選択肢が多数ある中であえて“普通”を選ぶ主体的な姿勢こそが、ノームコアファッションの本質といえます。
東海岸を中心として2014年ごろから流行しはじめたノームコア。その後さまざまなトレンドを経て、今再びファッションシーンでの注目度を高めています。実践するには格好の時期ではありますが、大きな失敗が少ない半面、着こなし次第では退屈な印象に映ってしまう恐れも……。それを回避するには、今っぽいサイズ感だったり、あるいは上質な素材感だったりと、大人らしいこだわりを反映することも忘れないようにしましょう。“シンプルな服を無難に着るだけ”という、受動的なコーディネートはNGです。
まずはここから。ノームコアファッションの鉄板3アイテム
いざ普通を突き詰めるとなると、意外と何を選んで良いかわからなくなるもの。もちろん自分なりの解釈で普通を目指して良いのですが、悩んだらまずはここで紹介する3つのアイテムを取り入れてみましょう。それぞれ単体で使っても良いですし、組み合わせてもOKです。
アイテム1
無地のクルーネックTシャツ
まさにキング・オブ・ベーシックともいえるトップス。どんなアイテムとも合わせられるオールラウンダーですが、それだけにシルエットや素材、機能性などで自分らしさを落とし込みたいところです。また、ベーシックがゆえに誤魔化しが効かず、安っぽいものは悪目立ちしやすいのでご注意を。カラーはホワイトやブラック、ネイビーといった定番色を選ぶのが良策ですが、派手さを抑えた発色であればカラーTシャツを選んでもOKです。
昨今はこれくらいのゆったりとしたフォルムがTシャツのトレンド。ボトムスも同じくワイドシルエットで呼応させ、リラックスムード満点な装いを作り出しています。足元にはスエードのビットローファーを持ってきて、品行方正なアクセントとして機能させました。
アイテム2
すっきりシルエットのジーンズ
トップスの王道がTシャツならば、ボトムスはやっぱりジーンズでしょう。近年は膝下がテーパードしたデザインが主流となっていて、その中でもややスリムですっきりとしたタイプがおすすめ。ときにカジュアルに、ときにきれいめにと、さまざまな着こなしに対応できるからです。スマートな濃色or程良く抜け感ある淡色は、好みでチョイスして問題ありません。
すらりとしたレッグラインのジーンズを軸にコーデすれば、簡単に洗練されたニュアンスを創出可。適度にボリューム感のあるアウターと合わせ、シルエットでメリハリを演出するのも今どきらしいアプローチです。上手に白を挿して、適度にトーンアップするテクニックもぜひ取り入れたいところ!
アイテム3
シンプルなモノトーン系スニーカー
足元は大人っぽさとコンフォートさを手軽に両立できるモノトーン系スニーカーをレコメンド。上でご紹介したジーンズや無地Tとの親和性にも長けています。デザインは『ヴァンズ』の「オーセンティック」に代表されるシンプルなローテク系が合わせやすいですが、ボリューミーすぎないフォルムならばハイテク系を持ってくるのも大いにアリです。
ジップパーカーにVネックの白T、ボトムスはベージュチノというノームコアなアメカジファッション。その足元には、スタンダードな『ヴァンズ』のローテクスニーカーがベストマッチします。シュッとシャープなシルエットの1足ゆえに、ボトムスのゆったり感がより際立っていますね。
シンプルだけどおしゃれ。ノームコアファッションのコーデサンプル15選
ここからは、上でご紹介したアイテムを駆使したスタイルサンプルを一挙見せ! どのコーディネートも、シンプルながらスタイリッシュな雰囲気を感じさせます。ハイセンスな大人たちが見せる理想的な“普通”コーデをとくとご覧あれ。
コーデ1
クリーンさを醸し出すホワイトコーデ
上下をホワイトでまとめたカジュアルコーデによって、クリーンなイメージを描き出すことに成功。クルーネックTシャツとスラックスで少しトーンを変えたり、足元をブラックで引き締めたりと、各所に小技を取り入れて単調に見えないようにしているのもさすがです。普通な中にも、センスの良さをしっかりと感じさせます。
コーデ2
ノームコアにシルエットでリズムをプラス
すらりとした脚線のスリムデニムをボトムスに抜擢する一方で、トップスにはゆるっとルーズなフットボールTシャツを選択。旬度の高いVラインシルエットを形成し、ノームコアファッションをリズミカルに彩っています。ウォッシュドデニムの風合いが引き立つよう、スニーカーはトップスと同じく黒をピックアップ。
コーデ3
好印象を呼び込む爽やかなカラーパレット
クルーネックT&カーディガンをブルー系カラーで同調させたことで、爽やかな印象に。どちらも適度にくすみのある派手すぎない色味なので、大人らしさもちゃんとキープできています。白スニーカーで爽快な雰囲気を盛り上げつつ、グレーのウールパンツで全体を上手く落ち着かせました。
コーデ4
チラっと覗く白Tがスパイスとして奏功!
ウェアからスニーカーまで一貫してブラックでまとめたクールなカジュアルスタイル。その中で、裾からチラリと覗かせた白Tが絶妙なスパイスとなっています。シンプルなアイテムだけでコーデメイクしても、合わせ方次第でスタイリッシュなムードを出せるという好例!
コーデ5
アースカラーを用いてこなれ感をアップ
クルーネックTと巾着バッグでアースカラーを取り入れていて、”Tイチ”の着こなしながらもこなれ感たっぷり。Tシャツは吸水速乾素材が使われており、快適性も同時に叶えています。ジャージ素材のスラックスだったり、楽ちんなスリッポンだったりと、動きやすさをフォローしているのも心ニクいですね。
コーデ6
旬なアウトドアMIXをノームコア目線で!
トレンドとして人気継続中のアウトドアMIX。ミニマルなブラックの撥水ナイロンジャケットにスリムデニムを合わせた、ノームコア的なアプローチが実に秀逸です。足元にはあえて革靴を持ってきて、アウトドア感が強くなりすぎないように上手くバランスを調整。この辺りのサジ加減は洒落者ならではです。
コーデ7
カーキコーデに白スニーカーでワンアクセント
オープンカラーシャツ×スラックスのセットアップに加えて、インナーもカーキで足並みを揃えた今季らしいワントーンスタイル。ストイックに着こなしをまとめながら、ホワイトを纏った足元の「スーパースター」でハズしているのがお見事です。スニーカーでのハズしは初心者でも実践しやすいテクニックなので、一度お試しを。
コーデ8
品良いカーデスタイルを足元でドレスダウン
ロンTにカーディガンを羽織って、ほんのりと上品なスタイルに。ウール使いのテーパードパンツも大人びたムードを盛り上げます。きれいめのウェアとは対照的に、足元にはスポーツ感を振りまく『ニューバランス』のランニングシューズをセレクト。ローテク系ではなくあえてハイテク顔な1足を選び、アイキャッチ効果を強めています。
コーデ9
機能素材を使ってシック&コンフォートにスタイルメイク
モノトーンを基調としたシックな雰囲気のコーデですが、魅力はそれだけにあらず。速乾&UVカット機能を持つスウェットやハイストレッチなジーンズなど、機能的なウェアで快適性にも同時に訴求しています。これぞまさに、理想的な才色兼備。ホワイトの挿し色での緩急付けも巧妙です。
コーデ10
スポーティな装いをタックインで都会的に料理
ヘビーウェイトなビッグTシャツにイージーパンツを合わせたスポーティな着こなし。ニットキャップやハイテク顔なスニーカーもアクティブなイメージを加速します。それでいて都会的なムードに帰結しているのは、裾をインすることできっちり感を打ち出しているから。タックインは簡単でいて効果的なテクニックですので、トライする価値は大です。
コーデ11
ジャケットコーデをジーンズ&スニーカーで着崩す
テーラードジャケットとニットによる端正なレイヤードスタイルがベース。となるとボトムスはスラックスがお約束といえますが、この着こなしではスリムジーンズをピックし、コーデを程良く着崩しています。足元もレザーシューズではなくスニーカーを選択。カジュアルに偏りすぎないよう、ジーンズは色落ちしたものではなく濃紺の1本を合わせています。
コーデ12
素材感で緩急を出したGOODサンプル
一見するとごくシンプルですが、スウェット素材のTシャツやリネン混のイージーパンツなど、ニュアンスのあるアイテムを用いることで“単調見え”を防いでいます。スニーカーは『リーボック』×『ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ』の別注「クラシックレザー」を採用。まっさらな色味がスタイリングを軽快に見せてくれます。
コーデ13
色落ちデニムをシャツでピリッと引き締め
Tシャツとウォッシュドジーンズ、スポーツサンダルからなるラフコーデに、引き締め役としてストライプシャツを投入。着こなしにひとさじの凛々しさをトッピングしています。ただし、シャツの袖は無造作にロールアップして、あくまでも気負いなく。ユルすぎずカタすぎない、良い塩梅なスタイルに仕上がっています。
コーデ14
オケージョンを跨げるスマートスタイル
オン・オフどちらのシーンにも違和感なく馴染んでくれそうな、汎用性の高いノームコアコーデ。セットアップは表情豊かなシアサッカー素材で、精悍さがありつつも堅苦しい雰囲気はありません。シューズは『ヴァンズ』の「オーセンティック」を起用し、巧みに抜け感を演出。
コーデ15
タックインでボトムスの存在感を強調!
クルーネックTをタックインで着こなすことで、ベージュパンツのワイドなシルエットが浮き彫りに! トップスを主役ではなく引き立て役として活用した好例です。総柄のお茶目なハットをオンして、ささやかに遊び心を出しているのも頭脳的。Tシャツとスニーカーを『アディダス』でリンクするなど、アイテムチョイスにもこだわりが光ります。
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