カジュアルもきれいめも。夏も活用したいスラックス

カジュアルもきれいめも。夏も活用したいスラックス

リラックスはしたいが面目も保ちたい大人の夏コーデ。スラックスは、そんな歯がゆい状況を打破するうえでまたとないアイテム。狙うべきブランドや目指したいコーデとは。

菊地 亮

2016.07.13

ボトムス
スラックス
夏の着こなし・コーデ

知らなかった……。スラックスの真実

スラックスを、フォーマルコーデの定番として認知している人も多いだろう。しかしスラックスは、“ゆるい”の意味を含むことから、元はタックを入れレングスにゆとりを持たせたパンツの総称。軍隊で使用されていたこともあり、和名では軍袴とも呼ばれる。ちなみに、英国では上質なものをトラウザーと呼び、カジュアル向きの一本をスラックスと差別化している。

カジュアルとドレッシーで差別化する、スラックスの着こなし

自然としっかりなイメージを与えられるスラックス。ゆえに、その利点に安住し、何でも合わせてしまえばせっかくの品行方正なたたずまいも台無し。大人としての威厳を保ちながら着崩すのであれば、トーンの足並みを揃え、ネイビーやブラックといった落ち着きのあるアイテムを。そうすれば、ご覧のようにサンダルを合わせてもビシッとキマる。

元々ドレスコードのひとつだけに、ドレッシーな着こなしには難なくハマる。ただ、“まんま”合わせてはビズシーンとの差別化を図れず、お堅い印象を周りに振りまきかねない。そこで、適度な抜け感を取り入れたい。ジャケットからハイゲージのカーディガンへ鞍替えし、パンツの裾は九分丈のものを選び足元を軽やかにアレンジすればこなれ具合も上々に。

スラックスを買う前に、シルエットと色みの違いをチェック

普遍的なディテールやたたずまいから、多くの人々に親しまれてきたスラックス。とはいえ、シルエットはほかのパンツと同じくさまざまで、カラーバリエーションも目を見張る。それらのベースを知っておけば、選びの指針となってくれるに違いない。

シルエットは3種類。それぞれの印象を解説

時代性が顕著に表れる要素のひとつとしてシルエットがあげられる。数cmの違いではあるものの相手に与える印象はことさら大きいのは言わずもがな。中でも、今の空気を読んだこちらの3種類のシルエットはぜひとも押さえておきたいところ。

その時々のトレンドに左右されない、抜群の安定感から多くの人々に重用されてきたのがトップから裾まで太さに差のないストレート。見た目が煙突的なことから“パイプド ステム”と呼ぶ場合もある。程よいゆとりと認知度の高さから、ほかのシルエットと比べ冠婚葬祭などのフォーマルな場でも、安心して選べる一本だ。

“細くした”“先細った”という意味からも推測できるように、ウエストにゆとりを持たせ、裾へ向かって徐々に細く仕上げていったシルエット。ストレートが一般的だけに、やや個性的に見えるかもしれないが、人間の脚の形状をもっとも意識した形のためフィットしやすく、上下で違いを出したことで脚長効果も期待できる。

英語表記は“skinny(骨と皮の)”。その名もずばり、はいた時にまるで骨や皮の一部かのように脚へタイトにフィットする。レングスのシルエットで下半身のフォルムを形成するタイプと異なり、脚の形をそのまま描き出すことで美脚効果を演出することが可能。非常にタイトなため、大半はストレッチ混などで柔軟性を高めている。

汎用性抜群。買うべきスラックスの色みはこの3色

夏にもなればカラフルなアイテムに手を伸ばしやすい。が、大人に必要な一本は、個性を主張したモノよりも合わせるアイテムを選ばず、トレンドにも左右されない汎用性に飛んだモノが何より好ましい。カラーなら、グレーやネイビーが第一選択肢となる。

夏っぽさを取り入れたいが大人っぽさもキープしたい。そんな時こそ、ライトグレーの出番となる。グレーはビジネスシーンでも定番のカラーとして以前から定着しているが、明るめなグレーなら、さらに軽やかさがプラス。若々しさを取り戻すことができる。

前述したように、グレーは大人たちにとって以前からなじみのあるカラー。とくにトーンを落としたダークグレーは、シックな趣をカジュアルの場でも発揮することができる。また、落ち着いた印象が漂うだけにトップスや足元で遊んでもワル目立ちさせないストッパー的役割も担える。

グレー同様、ネイビーもまたスーチングでは顔なじみのカラー。容姿端麗な趣はスマートさをあおり、さらに都会的な雰囲気をアピールすることができる。すがすがしさを感じさせるため、夏のスタイリングにも格好のカラーで、全体を引き締める際にも頼りになる存在だ。トップスなどへホワイトアイテムを取り入れながら、マリンな雰囲気に合わせて。

ジャンル別に探る。スラックスを使ったメンズコーデ

スラックスを合わせる際、考えられるアプローチは主に2つ。それはドレス的にはきこなすか、それともカジュアルにはきこなすか。ここではそれぞれのコーディネートを自分のものにするための簡単なポイントをまとめた。

▼スラックスを使ったドレッシーなコーデのポイント

しっかり着てしまうと、活用シーンが限られてしまうだけに、適度な抜け感をどこかへ作ることが大切。ドレス系のアイテムを取り入れつつ、丈感や襟型といったディテールで遊びをさり気なく加えることで、かしこまらないドレッシースタイルが完結する。

タイドアップによりオンとオフの両シーンをカバーしたスタイリング。全体をグレーのワントーンで統一させた点がキモで、得てして漂いそうな生真面目感も、ナロータイやチェックシャツで軽妙にかわした点が好印象。

グレージャケットに濃紺のスラックスと、アイビーの王道を行くジャケパンスタイル。ただ、インナーのシャツにスタンドカラータイプを、パンツ裾は九分丈を、足元はキルトタン付きのものを選んだことで新鮮さを呼び込んだ。

ネイビーをベースに構成したキレイめリラックス。ビズスーツでおなじみのストライプをスラックスに選んでいるものの、ビズシーンと一線を引くカーディガンの採用やシャツのタックアウトが違いを生む。

スラックスへ合わせたのは、シャツや革靴といったドレスシーンでは顔なじみのアイテム。ただ、それを“いつもの”スタイルに見せないスタンドカラーシャツやイージースラックスに選びの機転が効いている。

セットアップはスラックスをドレッシーに合わせる常道。必要なのはビジネスとのスミワケだが、それを袖や裾のロールアップ、さらにはインナーのTシャツによって難なく実践。その適度なハズし加減がウマい!

▼スラックスを使ったカジュアルコーデのポイント

持ち前のしっかり感に見る懐の深さはスラックスの大きな魅了だ。となれば、合わせるアイテムも思いきった選択ができる。トップスにTシャツやニット、足元にはスニーカーと、そのカジュアルなアイテムがカジュアルダウンのポイントになる。

ベーシックな“グレスラ”をスポーティーなアイテムでカジュアルダウン。トップスへ採用したのは、クールビズが浸透したビジネスの場でも活躍するポロシャツ。協調性を高めるため、ネイビーを選んだ点もいい。

肩肘は張りたくないがダラっともさせたくない、そんな時、トップスに格好なのがニット。しかもマイルドな色みのバイカラーデザインであれば、品の良さをほんのり漂わせながら個性も主張できる。

容姿端麗なボトムスの代表でもあるスラックスであれば、トップスにTシャツを合わせ、足元にスニーカーを取り入れたとしてもシャンとする。キモは、トップスにオリーブ、足元にブラックと色のトーンを落ち着かせた点。

スラックスや革靴で下半身をカッチリ仕上げた分、トップスはシャツをラフに着込み、大きめなTシャツをチョイス。上下のメリハリにより難なくスラックスを街着へと導いた。ハットやメガネといった小物も有効。

ビジネスの場で実証されているように、シャツはスラックスときっても切り離せない関係。カジュアルダウンさせるなら、そのシャツに総柄を選ぶのもいい。モノトーンを着地点にすれば難なくワンコーデに収まる。

本格的なスラックスが見つかる。おすすめ5ブランド紹介

コーディネートをさらに次なるステージへ押し上げるのは、スラックスのことを熟知した百戦錬磨のブランドが提案する一本だ。世界的にもその実力を知られる彼らの一本を、今シーズンは手に入れたい。

1952年、イタリアのナポリ近郊に設立されたパンツ専門のサルトリア。イタリア伝統の仕立て技術を継承し、今もなお頑なにイタリアメイドにこだわる骨太なブランドだ。彼らが培ってきた技術と経験は、自然に包み込むヒップラインなどからもうかがえる。こちらも同様で、美しい仕立てはいわずもがな、ウォーターレバレント加工により撥水性も兼備。

ブランド2『GTA』

イタリアのパンツ専業ファクトリーとして1955年に設立し、1999年にはオリジナルブランドとして『GTA』を発表。当時から生地使いや精好な作りで話題を集め、今やイタリアを代表するパンツブランドとして存在感を高めている。その代表的モデルをベースに、より発展させた一本がこちら。腰回りの収まりがよりアップし、細身に仕上げられている。

ブランド3『ノット メン』

『ノット メン』は、『イヴ・サンローラン』のアシスタント、デザイナーも務めるなど、世界的にも知られるジャン・ポール・ノット氏と人気セレクトショップの『トゥモローランド』によるコラボライン。シンプルかつミニマルなデザイン性はこちらの一本にも落とし込まれ、ベルベット生地や、サイドにあしらった側章がことさらエレガントさを引き立てている。

アメリカのブルックリンで今もなお作り続けているパンツ専業メーカー。U.S.メイドの誇りを胸に製作されるアイテムは、ていねいな縫製によるキレイなアウトラインや抜群のはき心地が群を抜く。その魅力はこの一本からも感じ取れるはず。タイト過ぎず、野暮ったさもない絶妙のレングス幅を披露したノープリーツシルエットで、カジュアルにもうってつけ。

半世紀以上の歴史を誇る日本有数のニットファクトリー、『ウメダ ニット』が手がける『ラッピンノット』と、日本を代表するセレクトショップの『エディフィス』との共作によるブランド。こちらは、『ラッピンノット』定番のワイドテーパードシルエットをベースに、『エディフィス』らしいフレンチテイストをプラスした唯一無二の逸品で快適なはき心地を堪能できる。

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