名作を攻略! ドクターマーチンのモデル別コーデ集

名作を攻略! ドクターマーチンのモデル別コーデ集

英国のワーカーやパンクスたちに愛され、日本でも人気の『ドクターマーチン』。アーカイブに並ぶ様々な名作をひも解きながら、それぞれの最適なコーデ術を探りたい。

菊地 亮

2019.10.14

ドクターマーチン(Dr.Martens)
レザーシューズ

名作揃いの『ドクターマーチン』。知っておきたい着こなしセオリー

堅牢にして万能な『ドクターマーチン』の靴。それゆえ異なるカルチャーを志向する様々な人間から愛され、各カルチャーのシンボリックな存在へと昇華されていった。それこそが偉大たらしめる所以である。各モデルにそのイズムは深く落とし込まれているため、基本的には同様のアプローチで着こなしても問題はない。ただ、モデルの違いで多少なりとも印象は変わってくるため、最善を目指すなら着こなしのセオリーを知るのも悪くない。

定番モデルを履きこなす。『ドクターマーチン』のコーデ攻略術

実用靴に端を発し、個性の発露として欠かせない存在となった『ドクターマーチン』のシューズ。背景に流れる歴史などを意識しつつ、様々な要素をミックスすれば、魅力を存分に活かした今っぽい着こなしへと仕上がる。

▼モデル1:8ホール(1460)ならテイスト不問で着こなせる

「1460」、通称“8ホール”は、『ドクターマーチン』の記念すべきファーストモデル。コードナンバーは、1960年4月1日に生産ラインに乗ったことに由来する。英国のワーカー、パンクス、ロッカーズたちから広く親しまれた名作。そんな英国カルチャーを背景に匂わせたコーディネートならすんなり取り入れることができる。

ダークトーンの配色の中、ひときわ輝くオレンジのロンT。そして細身の黒パンと、なんとも尖ったスタイリング。ただし、クラシカルなムードが漂うチェスターコートの懐の深さと『ドクターマーチン』の汎用性の高さとが相まってまとまりのある仕上がりに。

オイルドジャケットにオーバーオールと、武骨な英国ワーカー的アイテムチョイスに“マーチン”のブーツはハマりやすい。漂いがちな野暮ったさを、レッドを軸にしたVゾーンで引き締めている点も巧い。

モッズやパンクスを思わせる全体の合わせ。ただ、アウターはモッズコートではなく『ザ・ノース・フェイス パープルレーベル』のステンカラー、ボトムも『ワイルドシングス』と意外にも採用しているのは山系。アウトドアブランドのアイテムながらも、モッズ風のスタイリングに落とし込むことで『ドクターマーチン』と呼吸を合わせている。ブーツの入り口に合わせたボトムの丈も絶妙。

▼モデル2:3ホール(1461)はきれいめアイテムと好相性

セカンドモデルとして登場した「1461(3ホール)」は、発売当初からブルーワーカーたちに広く親しまれてきた。英国労働党の社会主義者、トニー・ベン氏はそれを履いた最初の有名人と言われている。デモの際、彼はグレースーツにボタンダウンシャツ、足元は3ホールという出で立ちだったとか。そんな彼の意志に倣うなら、どこかにきれいめなアイテムを取り入れたいところ。

ワーカーたちに愛されたとはいえ、いわば短靴。それだけにセンタークリース入りの清楚なグレースラックスとも惹かれあう。品性を損なわないよう取り入れた、黒ニットとジャケット代わりのシングルライダースがモダンかつ男らしい。

ツイード素材のブルゾンや編みでアーガイル柄を表現したニットに見るオーセンティックな表情。それを街着へと導くうえで黒のパンツは重要な役割を担う。それを巧みにフォローする“マーチン”の短靴も効果的。

ダブルライダースを羽織り、脚のラインにぴったり寄り添う細身のパンツを合わせたロッカーズ的装いに“マーチン”の1足が合わないわけがない。短靴をチョイスし、白シャツを挿せば途端に大人っぽくなる。試さない手はないだろう。

▼モデル3:サイドゴアはボトムスの丈感がカギ

定番の一足に数えられるのがサイドゴアブーツ。持ち前の堅牢さをキープしつつ、8ホールや3ホールといったレースアップとは違い着脱がイージー。しかもエアークッションによる履き心地の良さもポイントに。全体を覆い隠せば見た目はまるでプレーントゥ。ゆえにきれいめなスタイルにはフルレングスのボトムを、カジュアルにはゴアを見せるようなこなし方が理想だ。

黒&白のニットにグレーのスラックスに見る品を意識したアイテム選び。ただ、足元はプレーントゥのように見えて実はサイドゴアという仕掛けが面白い。あえてテーラードジャケットではなくシングルライダースを選び色気を足した点も好評価。

オイルドジャケットの土っぽさを感じさせないインナーのアシストが絶妙。大胆に裾から出した白Tも重たさをいなす要因になっている。さらにサイドゴアブーツのシャフトと同じくらいの細さで同系色のボトムなら脚長効果も期待できる。

MA-1のシルエットは往年のそれをイメージさせるラウンドフォルム。そこへ、パーカーやラインパンツを組み合わせながら、’90年代ストリートを彷彿させるスタイルに仕上げている。その中にあって、ワインレッドのサイドゴアブーツが大人っぽい印象。

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平 格彦

地方の出版社にて編集を経験した後、独立。フリーのエディター・ライターとしてメンズファッションを中心に、スポーツ、グルメ、音楽など幅広い分野で活動。現在は、生まれ故郷である岩手県、そして東北の魅力を発信すべく東奔西走中。
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