
横須賀発祥、世界基準。スカジャンのコーデとブランドを、今こそ知るときだ
日本発のアメカジ服であるスカジャンが人気復活の兆し! 特有のやんちゃさを味方につければ、被りやすいアメカジコーデに一撃で違いをもたらすことが可能なんです。
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日本のアメカジのど真ん中。スカジャンの骨太さが、今面白い
2021年に開催された東京五輪では、発祥の地である横須賀で公式ライセンス商品が製作され、話題を集めたスカジャン。シリア出身の競泳選手がそのスカジャンを着用した姿をSNSにポストし、バズったことが世界の注目を浴びるきっかけにもなったようです。一方で巷ではアメカジコーデ人気再燃の煽りを受け、日本発信のアメカジアイテムであるスカジャンに熱視線が注がれています。オリエンタルテイスト全開の刺繍が持ち味ゆえ、着ること自体にハードルの高さを感じるアウターであることは紛れもない事実ですが、時代のムードを味方につけられる今こそ、思い切って挑戦するには絶好のタイミングといえそうです。
ドブ坂通り発のスーベニアジャケット、スカジャンはここが面白い
スカジャンとは、第二次世界大戦後の横須賀で生まれたもの。いわゆるスーベニアジャケットの一種で、日本に駐留していた米軍の兵士たちが母国に帰る際、故郷の家族や恋人に持って帰るお土産として横須賀のドブ板通りでジャケットをオーダーメイドする文化があったことから生まれたものです。ベトナムにもベトジャンと呼ばれる同様のものが存在することからもわかるように、スーベニアジャケットにはその土地ならではの伝統や風土を物語る意匠を盛り込むのが特徴。米国人から見た東洋を象徴する虎や龍といったモチーフがアメリカを象徴する鷲など一緒に刺繍されているのは、これが理由。光沢のあるサテンが使われているのは、かつてパラシュートに使われていたシルク生地を使って兵士たちがジャケットをオーダーメイドしていたことの名残だという説が有力です。
スカジャンを特徴付ける技巧的かつ鮮やかな刺繍は、日本の刺繍職人の技術力を象徴するディテールでもあります。職人たちは上質な素材を使っていなくても豪華さや思い出深さを感じられる意匠としてこうした刺繍の技術を高め、スカジャンを世界的に認知されるアイテムへと押し上げたのです。横須賀の職人たちの技術を結集させた刺繍は兵士たちに高い評価を得ていたようで、かつてはスタジャン以外にもクッションカバーやネクタイ、ハンカチといったさまざまなスーベニアアイテムに、同様の刺繍を施していたようです。
アメカジ色強めのスカジャンを、今っぽくコーデに取り入れるなら
今っぽい装いに落とし込むうえで意識したいのは、全身アメカジ野郎にならないこと。軸足はいつものカジュアルコーデに置きながら、強めのアクセントとしてスカジャンを一点投下するのがポイントです。こうすることでコスプレ感なく着用でき、スカジャンならではの強い個性を味方につけることができます。
コーデ1
ベーシックな装いの抜け作りに本格派スカジャンを活用
このコーデで纏っているスカジャンは、背中のみならずフロントに刺繍を描いた本格派。ですが、ベースになっている装いはともに無地を選んだヘンリーネックとチノパンといったベーシックな服ばかりです。ゆえに、スカジャン自体の押し出しの強さが定番コーデに抜け感をもたらす効果を発揮しているんです。足元のプレーントゥの革靴も、スカジャンのアク抜き作用を発揮。
コーデ2
刺繍控えめなスカジャンで、ひと味違うストリートコーデに
こちらのコーデで着用しているスカジャンは、前述のものより刺繍の主張が控えめなタイプ。こうしたスカジャンの場合、アメカジ服に合わせても強面感なしで着こなすことが可能です。なので、ワーク系のチノパンにキャップといったストリートに寄せた装いに投下しても雰囲気良くまとまり、それでいて周りとの違いも印象付けられます。刺繍が放つやんちゃさはスケーターっぽい世界観とも親和性が高く、スケシューっぽいスニーカーとも好相性。
コーデ3
シルクならではの光沢感で、着こなしを自然にモードへ誘導
スカジャン特有の光沢感は、やり方によってはモードに寄せることも可能。その成功パターンといえるのが、このコーデです。合わせているのは、落ち感がきれいなワイドパンツに白ロンTというモノトーンの装い。これに対し、黒スカジャンの光沢感が意外と自然に溶け込んでくれて、特徴的な刺繍がちょうど良い塩梅のアクセントになっています。パンツは細身よりも、これくらいゆったりしていたほうがスタイリッシュな印象に落とし込めますよ。
男らしい1品からモード色漂うモノまで。おすすめブランドから厳選したスカジャン12着
ここにきてスカジャンの選択肢は、ますます豊富に。ルードな雰囲気を纏った本格派もあれば、アク抜きしてモードに寄せたものもあり、かつて感じていたハードルの高さに尻込みすることなく気軽に着用できる環境が整いつつあります。その中から即戦力候補をご紹介しましょう。
ブランド1
『ヒューストン』スカジャン 50904
日本発信のアメカジブランド『ヒューストン』が手がけた本作は、サテンとはまた違う柔らかな肌触りがたまらない別珍仕立て。スカジャン特有の和柄刺繍も施されてはいますが、白頭鷲やアラスカの地図といったアメカジ路線のモチーフも混在させているのが特徴です。これによりやんちゃさがグッと抑えられているので、はき込んだジーンズにもスッと馴染んでくれます。
ブランド2
『テーラー東洋』リバーシブル スカジャン
『テーラー東洋』といえば、1950年代にスカジャンやアロハシャツをはじめとする衣類を米軍基地に納入していた「港商商会」を前身とする老舗。まさにスカジャンの草分け的なブランドです。ボディにアセテートレーヨンツイルを採用した本作は、その伝統を現代に受け継ぐ本格派の1着。ですが、裏返すと黒ボディにゴールド刺繍が浮かぶ、色違いのスカジャンとして着用できるリバーシブル仕様にアップデートされています。
ブランド3
『カンビオ』タイガーエンブロイダリー コットンツイル スーベニアジャケット
高密度で張りのあるコットンツイルをボディに採用し、光沢なしのマットな風合いに仕上げられた本作。前身頃には虎の和柄をあしらいつつ、背中には日本の東京タワーを筆頭にフランス、イタリア、アメリカ、チリ、エジプトといった世界各国のシンボルが刺繍で描かれています。袖の配色を切り替えていないデザインも相まって、スカジャンとしては極めて着こなしやすい1着に仕上がっています。
ブランド4
『ヴァンキッシュ』シブヤ スーベニアジャケット
横須賀発のスカジャンを、あえて渋谷テイストに持ち込んだ1着。前身頃の刺繍は虎ではなく忠犬ハチ公で、背中の刺繍も渋谷の地図をイラスト化したものという遊び心を感じる仕上がりです。しかも裏返すと、MA-1としても着用できる2WAY仕様。MA-1として着る際は刺繍なしの黒単色となり、2つの顔を楽しめるというお得感も魅力です。
ブランド5
『ショット』ベロア スーベニア ジャケット
本作も、表裏で2つの顔を楽しめるリバーシブル仕様。表側は別珍で、裏側は王道感のあるサテン仕立てとなっています。刺繍も和柄ではなく、『ショット』の世界観に落とし込んだものを採用。別珍の面は前身頃も後ろ身頃もスカル系で、サテンの面はフロントのみの刺繍で生命力や男女を意味するモチーフとして太陽と月が描かれています。
ブランド6
『ローター』別珍スカジャン
別珍ボディを採用した本作に描かれた刺繍のモチーフは、老舗醸造所をイメージしたもの。伝統的に作られてきた“郎酒”を崇めるように囲む双竜とともに、勝利や栄誉を意味する月桂樹が温故知新なタッチの刺繍で描かれています。ほんのり光沢を放つ別珍に対し、アクセントカラーのリブが爽やかな抜け感をもたらす配色も絶妙です。
ブランド7
『レアセル』リトルタイガー SKA-1
スカジャンならぬ、「スカエー1」というモデル名が物語るように、本作はオリーブドラブ色のベロアを使い、デザインも袖ポケ付きのMA-1という変化級デザインが新鮮。刺繍自体も王道の虎と思いきや、虎は虎でもサーカスをモチーフにした虎という遊びが散りばめられています。ドロップショルダーを採用した今どきのゆったりシルエットのおかげもあって、イージーパンツなどに合わせて気楽に着こなせそうです。
ブランド8
『グラム』ジェイシーエイチカメラマンスカジャケット
スタジャンに寄せたリブ使いが印象的な本作は、外国人ウケも良さそうな“東京”刺繍が特徴的。後ろ身頃は刺繍なしの無地ですが、裏地に浮世絵テイストのイラストがプリントされており脱ぎ着する際の見せどころに。加えて、前身頃の“京”の文字のところにコンパクトカメラの収納を想定した縦ポケットも用意。フォトグラファーであるデザイナーらしいこだわりですが、ツーリストの良き相棒にもなってくれそうです。
ブランド9
『ダブルジェイケイ』スーベニアジャケット
2016年に人気を博した前作に続き、めでたいモチーフとして松竹梅の刺繍を採用。美しい光沢を放つボディは、上質なシルクを贅沢に使っています。サテンとはまた違う、蕩けるような着心地を楽しめるのもサテンならではのメリットでしょう。こちらもリバーシブル設計で、裏返すと刺繍なしで袖の配色だけを切り替えたシルク製スタジャンとして着用可能。
ブランド10
『クライミー』リバーシブル スカジャケット
ヴィンテージのレーヨンコットン生地を使い、左右の前身頃にだけフェニックスが躍動する刺繍を描いた1着。裏面には滑りの良いポリエステル生地を採用し、ここには同じフェニックスを全面に散りばめたデザインを採用しています。裏返すと、かつてない総柄のスカジャンとして着こなすことが可能です。
ブランド11
『テーラー東洋』アセテート スーベニアジャケット
スカジャンの“正統”を今に伝える『テーラー東洋』では、虎や龍といった王道柄とひと味違う和柄の表現力も多彩。前身頃に富士山と桜を描き、背中に富士山や五重塔をあしらった本作も、その1つです。裏返すと黒白ボディのスカジャンとしても着こなせる設計で、この裏面に描かれた咆哮する虎は1950年代に採用されていた絵柄を再現したものなのだとか。
ブランド12
『ジャクソン マティス』スーベニアジャケット
サーフィンやスケートボードといった西海岸カルチャーを背景に持つブランドらしく、スカジャンもカリフォルニア一色。背中にはスケーターや波とカリフォルニアの地図が一緒に描かれ、前身頃の刺繍も星条旗とカリフォルニアの州旗が鎮座。光沢感のあるボディにはウォッシュ加工が施され、ヴィンテージ感のある風合いを最初から楽しめる点も魅力です。
この記事の掲載アイテム一覧(全7商品)
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『ヒューストン』 スカジャン 50904
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『テーラー東洋』 リバーシブル スカジャン
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『ヴァンキッシュ』 シブヤ スーベニアジャケット
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『ローター』 別珍スカジャン
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『グラム』 ジェイシーエイチカメラマンスカジャケット
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『テーラー東洋』 アセテート スーベニアジャケット
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『ジャクソン マティス』 スーベニアジャケット
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