
大人の必需品。オックスフォードシャツの着こなし方と注目ブランド
オーセンティックなアイテムこそ奥が深いのがメンズファッション。男の定番服であるオックスフォードシャツも、その特徴と選び方を知っておけばより品良く着こなせます。
知っているつもり……かも? オックスフォードシャツのこと
オックスフォードシャツとは、オックスフォードクロスで作ったシャツのこと。そして、オックスフォードクロスとは生地の名前です。最近はオックス生地などと略して呼ばれることもあります。19世紀にスコットランドの紡績会社が、オックスフォード、ハーバード、ケンブリッジ、エールという名門大学の名前をつけてシャツ地を売り出したのが起源。その中のオックスフォード生地が現在、主流として残っているのです。
オックスフォード生地とは、2本かそれ以上の糸を引き揃え、タテヨコ同数の糸を打ち込んだ平織り(斜子織り)の生地です。厚手で丈夫なのでシワになりにくく、織り目に少し隙間を設けているため通気性が高めで比較的ソフトな触感になっています。織り目(織目、綾目)が目立ち、立体的な表情であることも特徴です。
比較的カジュアルな印象で、同じくややカジュアルなボタンダウンカラー(ポロカラー)のシャツに使用されるのが定番。オックスフォード生地のボタンダウンシャツはアメトラ(アメリカントラッドスタイル)を象徴するアイテムとして広まり、今でもそのイメージが強固です。つまり、上品なカジュアルスタイルの定番品として定着しているということ。正統派のアイテムだからこそ、モダンな要素を意識したアイテム選びや着こなしで個性を加味するのもおすすめです。
オーソドックスだからこそ。オックスフォードシャツ選びのポイントを押さえよう
オックスフォードシャツはオーセンティック。正統派だからこそ、きちんとポイントを押さえてアイテムを選ぶことで、持ち前の魅力とモダンな要素を同時に取り入れることができます。主なポイントを3つに絞って解説しましょう。
ポイント1
着丈は2WAYに対応するジャスト丈、シルエットはちょうど~ややゆるめで
ジャケットの着用を前提としたタイプやビジネス向きのシャツは、動いてもパンツに入れたシャツの裾が出ないように着丈は長め。裾を出して着ると不格好です。また、ショート丈だと若作りしている印象になりかねませんし、裾をタックインするアレンジに対応できません。当然、重宝するのはタックイン・アウトのどちらでも着られる1枚。それを可能にするためには、お尻が半分くらい隠れる丈感を目安に、シャツの裾を出しても入れてもサマになるモノを選びましょう。身幅は適度にゆったりしているのが今どき。ただし、極端なオーバーサイズは野暮ったくみえかねないので避けたほうが無難です。
ポイント2
押さえておくべきは汎用性が高い白・ブルー・ペールカラー
オックスフォードシャツはホワイトが王道。さらに、サックスブルーも定番です。着回しやすいという意味ではネイビーもおすすめですが、清涼感を求めるならばペールトーンがイチ推し。ただし、淡いカラーは汗ジミが目立ちやすいので、自分は汗かきだという人はホワイトとネイビーがおすすめです。
ポイント3
こなれた印象を作り出すボタンダウン仕様を基本に
オックスフォードシャツはオックスフォード生地を使ったシャツのことですが、襟型はボタンダウンが主流です。また、生みの親である『ブルックスブラザーズ』が“ボタンダウンカラー”のことを“ポロカラー”と呼んでいるように、襟先をボタンで留める仕様はポロ競技のユニフォームが発想元。つまり、ボタンダウンカラーはもともと、スポーティでカジュアルな仕様なのです。今となってはあまりにも広まり過ぎてスポーティなムードは薄れていますが、こなれた抜け感を感じさせる意匠であることは確実。オックスフォード生地でボタンダウンカラーのシャツこそ、上品過ぎずラフ過ぎない着こなし作りに最適です。
おしゃれな大人に見る、オックスフォードシャツのコーデサンプル
アイテム選びの次は、実際に着こなす際のポイントを実例とともにご紹介します。さまざまなスタイルに対応し、大人なカジュアルスタイルには欠かせない定番のシャツだからこそ、自分らしい着こなしを確立して周囲と差をつけましょう!
コーデ1
オックスフォードシャツなら1枚でもサマになる
ホワイトのオックスフォードシャツを選びつつ、黒で揃えたイージースラックス&ローファーで引き締めたスタイリング。セレクトしたアイテムはすべてベーシックだからこそ、左胸の刺繍がワンポイントのアクセントとして効いています。適度にリラクシングなシルエットも今っぽくておしゃれ。
コーデ2
シャツのチラ見せが見事なこなれ感あるレイヤード
ボタンで固定できるボタンダウンカラーは襟先がバタつかず、ニットやスウェットなどのインナーとしても重宝。このコーディネートは上にざっくりしたニットを重ねていますが、ネックや裾から覗く白いオックスフォード地が清潔感や品格を醸しています。シャツの明るい挿し色が効いているため、他のアイテムがダークトーンでも軽やかな印象です。
コーデ3
カジュアルなジャケットスタイルのインナーに最適
堅過ぎずカジュアル過ぎないのがオックスフォードシャツの魅力。したがって、同じようなテイストのコーディネート作りにも適しています。その筆頭がカジュアルなジャケットスタイル。セットアップスタイルを含め、オフ向きなテーラードジャケットのインナーとしても最適です。特に今なら、ブレザーを合わせてオックスフォードシャツのトラッド感を強調するのもおすすめ。タイドアップしてプレッピー調にまとめてもおしゃれです。
コーデ4
シャツを軽快なアウターとした使った好サンプル
大きめなオックスフォードシャツを選び、アウターのような感覚で活用。少しカジュアルな生地感だからこそ、ボタン全開でもサマになります。このコーディネートはラギッドなムードのアイテムばかりを選んでいますが、シャツのサックスブルーは爽やか。全体としては軽快な印象です。袖をまくることでルーズな印象を緩和しつつ、こなれ感も演出!
コーデ5
シンプルなシャツだからこそパンツで遊んでもOK
オックスフォードシャツのボタンをすべて留め、上品な印象を最大限に強調。その一方、オーバーサイズのホワイトジーンズを合わせ、シルエットで少しヒネっています。シャツに品があるからこそ、パンツで遊んでも大人っぽく仕上がるというお手本。全体的に明るいトーンでまとめ、爽快な印象を打ち出しているのもポイントです。
コスパ抜群の1枚を厳選。注目ブランドのオックスフォードシャツ10選
コーディネートのポイントが把握できた後は、今季のための1枚を。オックスフォードシャツは毎シーズン買い足しても良いくらいの定番品なので、リーズナブルな価格で手に入るアイテムをピックアップしました。産地、着心地、ワンポイントなど、自分なりにこだわって選んでみましょう!
ブランド1
『ジャーナル スタンダード トライセクト2』
セレクトショップ『ジャーナル スタンダード』のサブレーベルは、ドレス、カジュアル、コレクションの要素を交錯させたデザインが絶妙です。このシャツは英国の老舗シャツ地メーカー「トーマスメイソン」のドレスなオックスフォード生地を起用。ゆったりとしたビッグシルエットでカジュアルな雰囲気もMIXしています。
ブランド2
『ユナイテッドアスレ』
無地のTシャツが人気の『ユナイテッドアスレ』ですが、他の定番アイテムもコスパが高くて優秀。このオックスフォードシャツも、コットン100%の生地や本格的なディテールを採用していますが、5,000円を切る価格設定です。ハリのある生地感やクラシックな縫製仕様などから、品質の良さが漂っています。
ブランド3
『アーバンリサーチ ロッソメン』
毎シーズン『アーバンリサーチ ロッソメン』で人気を集めている定番が、この「ハイパフォーマンスオックスシャツ」。抗菌&形状安定に加え、今回から消臭機能まで追加されています。コットン100%ながらナチュラルストレッチが効いている生地で着心地は快適。豊富な色柄も魅力で、無地7色、ストライプ柄2色、チェック柄4色がラインアップされています。
ブランド4
『エムエックスピー』
汗や加齢臭といった自分では気づきにくいニオイを抑える効果が期待できるFINE DRY WOVENシリーズからの1枚。『ユナイテッドアローズ』が別注したコチラは通常よりも襟を小さくしてよりラフに着られるようにアレンジ。抗菌加工が施された圧縮袋が付属する点も見逃せないポイントです。
ブランド5
『ジェイプレス』
アメリカントラッドを体現するブランド『ジェイプレス』。そのアイコンの1つが「アービングシャツ」です。2代目の社長、アービン・プレス氏が考案したデザインで、フラップ&ボタン付きの左胸ポケットが特徴的。適度なカジュアル感があり、幅広いコーディネートで使えます。風合い豊かな生地感、好バランスなシルエットも人気の理由。
ブランド6
『ワイルドライフテーラー』
ボタンダウンカラーはカーブを描く“ロール”が美しいほど上品だと言われていますが、襟先を長くすることでロール感を強調。その一方、厚みのあるオックスフォード生地はタフなムードを放っています。つまり、エレガントなムードと『ワイルドライフテーラー』らしい男らしさが両立した逸品。超柔軟加工、ナチュラルストレッチ、大きめなシルエットにより、リラックスな着心地を楽しめる1枚です。
ブランド7
『ベースコントロール』
カジュアルな中にもどこかクールなムードが欲しいなら、グレーという選択もおすすめ。しっかりとした質感のオックスフォード生地はストレッチ性も備えているので動きやすい着用感を実現。ややスリムなシルエットと適度にスマートな小襟によってモダンな印象に仕上げられています。左胸のロゴ刺繍が、ほんのりアメリカントラッドなムードも演出。
ブランド8
『スティーブン・アラン』
シンプルな中に個性も光る『スティーブン・アラン』らしいシャツです。ミニマルな裏前立てを採用しつつ、最高級ドレスシャツの象徴といわれる縫製仕様“シングルニードル”で仕立てられています。その半面、ルーズなシルエットと厚手の生地感はカジュアル。ペールカラーも絶妙で、イエロー、ライム、ナチュラルの3色から選べます。
ブランド9
『ダントン』
ボタンダウンのオックスフォードシャツといえば、胸にワンポイントが入ったデザインも定番。『ダントン』の1枚はひし形のアイコンがアイキャッチになっています。ワークウェアブランドらしい大きめなシルエットやプランサーボタン(樹脂製スナップボタン)も特徴的。ドライタッチな生地は接触冷感性を備えていているので、暑い季節にも活躍してくれますよ。
ブランド10
『シップス エニィ』
このシャツも左胸のワンポイント刺繍がおしゃれ。◯△□を組み合わせたブランドのアイコンが描かれています。アクセントになりながら存在感は控えめなので、シンプルなコーディネートも邪魔しません。他の仕様は現在進行形のベーシック。コットン100%のドライタッチな生地を使いつつ、適度にゆとりあるシルエットで仕上げられています。

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この記事の掲載アイテム一覧(全10商品)
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『ジャーナル スタンダード トライセクト2』 オックス FAT ボタンダウン シャツ
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『ユナイテッドアスレ』
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『アーバンリサーチ ロッソメン』 ハイパフォーマンスオックスボタンダウンシャツ
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『エムエックスピー』 別注オックスフォード ボタンダウンシャツ
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『ジェイプレス』 アービング シャツ / ボタンダウン
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『ワイルドライフテーラー』 ハイロールカラー ワッシャーOXシャツ
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『ベースコントロール』 BCオックス 長袖シャツ
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『スティーブン・アラン』 G/DYE PIN OX SINGLE NEEDLE SHIRT-LOOSE/シャツ
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『ダントン』 プランサーボタンダウンシャツ
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『シップス エニィ』 ベーシック ボタンダウン エンブロイダリー オックス シャツ
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