
意外と知らないセミフォーマル。基本からメンズ流の着こなしまで徹底レクチャー
結婚式や子供の入学式など、セミフォーマルが求められる場面は意外と多いもの。改めてその基本をおさらいしつつ、メンズ用のコーデ法やおすすめアイテムをご紹介します。
セミフォーマルとは。どんなシーンで求められるドレスコード?
セミフォーマルは日本語で「準礼装」のことで、フォーマルに次いで格式高い服装を指します。男性であれば、昼はディレクターズスーツ、夜はタキシードが基本スタイル。また、ブラック・ネイビー・チャコールグレーなどのダークスーツもセミフォーマルとして着用できます。求められるシーンとしては、結婚式や二次会、子供の入学式や卒業式などの学校行事、高級レストランでの会食やパーティなど。“そこまで堅苦しくないフォーマルさ”が求められるシーンで活用できるスタイルといえるでしょう。
セミフォーマルとその他のドレスコードの違いを再確認
セミフォーマルをはじめ、ドレスコードにはさまざまな種類があります。それぞれに準じた服装と着用が求められるシーンを知っておくのは、大人としてのマナー。ここでは各ドレスコードについて改めておさらいしておきましょう。
▼フォーマル
もっとも格式が高いドレスコードで、そのシーンは主賓として出席する結婚式や披露宴、国歌式典など。モーニングコートや燕尾服、タキシードが基本。
▼セミフォーマル
フォーマルの次に格式高いセミフォーマル。昼と夜で着用する服装が異なりますが、ブラックスーツであれば昼夜問わず着用可能です。
▼インフォーマル
略礼装とも呼ばれ、招待状などに「平服で」と書かれていたらインフォーマルを指す場合が多いです。主にブラックスーツやダークスーツが当てはまります。
▼ビジネスアタイア
ビジネスアタイアは仕事で着る服装を指し、上下揃ったビジネススーツが基本。想定されるシーンは企業主催のパーティなどで、小物で華やかさを出すのがおすすめ。
▼スマートカジュアル
きちんと感のあるジャケットスタイルが当てはまり、ホテルやレストランでのディナーなどが着用シーン。フォーマルな場において必須であるネクタイやチーフは省いてもOK。
セミフォーマルの着こなしにおける、3つの基本形
セミフォーマルの服装とされているのは、ディレクターズスーツ・タキシード・ブラックスーツ・ダークスーツ。それぞれの特徴を深掘りしつつ、スタイリングの基本も伝授します。
基本1
「ディレクターズスーツ」は昼の準礼装
ディレクターズスーツは欧米では重役の執務服であり、ブラックのジャケットにブラック×グレーストライプのスラックスを合わせた服装のこと。その着こなしには、ブラックあるいはグレーやクリーム色のベストが必須。シャツは胸にプリーツなどがない、ウイングカラーかレギュラーカラーのダブルカフスが好ましいです。さらにネクタイは明るい色を合わせ、白のポケットチーフはスリーピークスで挿すのが◎。また、足元はブラックの革靴で、穴飾りのないストレートチップかプレーントゥを。
基本2
「タキシード」は夜の準礼装
午後6時以降に着用するものとされているタキシード。ジャケットはピークドラペルかショールカラーが基本となっており、色はブラックか限りなくそれに近いミッドナイトブルーが一般的です。そしてパンツは側章入り、さらにはベストもしくはカマーバンドも必須アイテム。Vゾーンはプリーテッドブザムの白無地シャツとブラックの蝶ネクタイで華やかに仕上げるのがベストです。足元はブラックのストレートチップやプレーントゥに加え、華やかさをプラスできるオペラパンプスもおすすめ。
基本3
「ブラックスーツ」&「ダークスーツ」は昼夜問わず活躍
ブラックスーツやダークスーツ(ネイビーやチャコールグレー)はインフォーマルとされていますが、セミフォーマルとしても着用できます。レギュラーカラーの白シャツはどちらのスーツにも対応し、ダークスーツならサックスブルーや淡いピンクという選択もアリ。ネクタイは、着用シーンによって変える必要があり、例えば結婚式やパーティなどの華やかな場ではシルバーや白、シャパンゴールド、子供の学校行事ではブルー系やボルドーを合わせるのがおすすめです。あくまでも主役は新郎新婦や子供たちなので、過度な華やかさは避けるのがベストです。
シーン別に詳しく解説。セミフォーマルを実際に着こなすうえでのポイントとコーデ例
セミフォーマルの基本がわかったところで、実際に着こなしを見ていきましょう。ここでは結婚式・学校行事・取引先主催のパーティなど4つのシーン別に、スタイリングのポイントやコーデ例を紹介します。
▼シーン1:友人の結婚式に参列するなら
結婚式はどの立場で招かれたかによってスタイリングは変わってきますが、ここでは友人の結婚式に参列する際のコーデ例をピックアップ。基本的にスーツは、昼夜問わず対応するブラックスーツ&ダークスーツをセレクトすると間違いありません。さらにネクタイやポケットチーフで、やりすぎ感がない程度の華やかさを持たせるようにしましょう。
コーデ1
お祝いの場にふさわしい正統派コーデ
スリーピースのブラックスーツをコーデの主役にセレクトしていますが、注目するべきはVゾーン。ウイングカラーの白シャツにシルバーの蝶ネクタイを合わせることで、さりげなく華やかな雰囲気を演出しています。さらにフラワーホールに挿したブートニエールとパフドクラッシュで挿したポケットチーフで、結婚式にふさわしい華やかさを倍増させたところも技アリ。
コーデ2
インパクトと華やかさを両立させたVゾーンに注目
ネイビースーツを結婚式で取り入れるなら、ビジネススタイルといかに差別化を図れるかが重要になります。特に蝶ネクタイならまだしも、ネクタイは注意が必要。この着こなしのポイントは、ポルカドットのネクタイとクラッシュで挿したチーフ。どちらもカジュアルな位置付けではありますが、クラシカルなスリーピースと組み合わせることで華やかに昇華させています。
▼シーン2:子供の入学式や卒業式に参列するなら
たまにジャケパンで参列している父兄も見かけますが、入学式や卒業式もセミフォーマルな場なのできちんと感のあるスーツがおすすめ。ただ、結婚式のような華やかさは必要ありませんので、ポケットチーフなどの小物で、普段の着こなし+αの華やかさをプラスするのが良いでしょう。
コーデ1
センスの良さも光るネクタイのチョイスがお見事
ブラックスーツ×レギュラーカラーの白シャツというベーシックな合わせを、ペイズリータイで上品かつドレッシーに。ブルーとグリーンで構成されたペイズリー柄は、洒脱なムードも醸し出しています。ネクタイとリンクさせたポケットチーフをパフドで挿し、さらに華やかさをプラスしたところにも注目を。
コーデ2
親としての品格も漂う配色が決め手
一見すると、普段のビジネススタイルと変わらないと思うかもしれません。ただ、ポケットチーフを華やかに挿すことで、入学式や卒業式にふさわしい着こなしへ導いています。チャコールグレーとブラウン、ホワイトの配色で、エレガントさと洒脱なムードを両立させたところもお見事。
▼シーン3:取引先が主催するパーティに招待されたなら
仕事関係のパーティの場合、いつものビジネススタイルで良いのでは? と思う人も多いですよね。しかし、あくまでもお祝いの場なので、華やかさも必要です。会場や内容などによって異なりますが、ブラックスーツ&蝶ネクタイだったり、いつもはTVフォールドのチーフをパフドで挿したり。ここでは格式別におすすめの着こなしをセレクトしました。
コーデ1
格式あるパーティはブラックスーツでドレスアップ
取引先の創立記念などの格式あるパーティでは、きちんとドレスアップして臨むのが礼儀というもの。そこでチョイスしたのが、ブラックスーツの着こなしです。ダブルブレストで大人の貫禄を演出しつつ、ベルベットの蝶ネクタイとオペラパンプスでドレッシーさも味付け。そんな正統派コーデが逆に新鮮です。
コーデ2
レセプションパーティは+αの華やかさを
取引先からレセプションパーティに招かれた際におすすめのコーデがこちら。ストライプのネイビースーツに、シックな配色で構成したストライプタイが洒脱な印象。シャツとポケットチーフをライトグレーで揃え、いつものビジネススタイルとは違った華やかさを醸し出しているところにも注目です。
▼シーン4:高級ホテルでの同窓会に出席するなら
同窓会はセミフォーマルの中でも服装の自由度は高いですが、高級ホテルで開催されるならジャケット着用がベターです。また、他のシチュエーションと違い、ネクタイはマストではないのでノータイでもOK。バンドカラーシャツやスカーフなどを取り入れて、自分らしいおしゃれを楽しむのも手です。
コーデ1
おしゃれと華やかさを両立させたスカーフ使いが巧み
ネクタイの代わりにスカーフを取り入れたテクニックに脱帽。Vゾーンにボリュームが生まれるので、ポケットチーフがなくても十分華やかな印象を与えられます。ストライプ・オン・ストライプで、スーツやシャツに存在感を持たせているのも◎。会場でもパッと目を引くこと請け合いです。
コーデ2
バンドカラーシャツでこなれた着こなしに
グレーのスーツにバンドカラーシャツをスタイリング。かなりシンプルな組み合わせではありますが、どこか洗練された都会的な雰囲気を醸し出すことに成功しています。ポケットチーフはあえてのTVフォールドで、着こなしの雰囲気を崩さない程度に華やかさをプラスしているのも巧み。
セミフォーマルで活躍するおすすめアイテム7選
備えあれば憂いなしということで、セミフォーマルにおすすめのアイテムを見ていきましょう。ここでは、レンタルすることが多いディレクターズスーツやタキシードは省き、ブラックスーツ&ダークスーツ、そのスーツと相性が良いシャツや小物をピックアップしました。
アイテム1
セミフォーマルのさまざまなシーンに使える「ブラックスーツ」
失礼がなくセミフォーマルの正式な装いであるブラックスーツ。結婚式からパーティまで幅広いシチュエーションで活躍するので、1着持っていると何かと重宝します。より華やかな印象を与えるピークドラペルも良いですが、華やかさはVゾーンなどでプラスできるので、一番ベーシックで使いやすいノッチドラペルの1着をセレクトするのがおすすめ。
アイテム2
ブラックに次いでフォーマル度が高い「チャコールグレースーツ」
ライトグレー・ミディアムグレー・チャコールグレーとグレーにもさまざまな種類がありますが、セミフォーマルにふさわしいのはチャコールグレー。というのも、イギリスでは濃いグレーほどフォーマル度が高いとされているんです。もちろんビジネスにも使える色なので、ネイビーと一緒にワードローブに揃えておきたいところ。
アイテム3
格式高いシャツと位置付けられる「ウイングカラーシャツ」
襟全体が立ち上がり、襟先だけが前に折り返されたデザインが特徴のウイングカラーシャツ。タキシードに加え、ブラックスーツやダークスーツといったあらゆるセミフォーマルの服装に使える襟型です。主に蝶ネクタイを結ぶときに着用するシャツなので、蝶ネクタイとセットで購入しておくのが◎。
アイテム4
ダークスーツに合わせたい「サックスブルーのレギュラーカラーシャツ」
サックスブルーのレギュラーカラーシャツはビジネススタイルのイメージがありますが、セミフォーマルの服装にも活躍します。ただし、タキシードやブラックスーツなどと合わせるのはNG。ネイビーやグレーといったダークスーツに合わせるようにしましょう。爽やかで好印象なセミフォーマルスタイルが手に入れられますよ。
アイテム5
結婚式にふさわしい「シルバーネクタイ」
結婚式といえば白のネクタイと思っている人も多いと思います。しかし実は、日本においては親族が使用することが多い色。さらに世界共通のフォーマルカラーはシルバーなので、親族側と被ってしまうことを避けるためにも、ゲストとして結婚式に招かれた側はシルバーネクタイがふさわしい色といえるでしょう。また、より華やかなVゾーンを構築するべく、光沢感のあるシルク素材であることが好ましいです。
アイテム6
取り入れるだけでドレス度が高まる「蝶ネクタイ」
合わせるスーツやシャツを意外と選ばない蝶ネクタイは、取り入れるだけで即ドレッシーさを高められる、セミフォーマルにおいても欠かせないアイテムのひとつです。あらゆるシーンに活用できる黒無地が鉄板ですが、ドレスコードがゆるい場合はストライプやドット柄をチョイスするのもおすすめ。
アイテム7
+αの華やかさをプラスできる「ポケットチーフ」
着こなしのドレスアップに欠かせないポケットチーフですが、ビジネスと同じ選び方はいただけません。まず、素材はシルクかリネンであることが絶対。加えて色は、シルバーや白をセレクトすると間違いないでしょう。ネクタイや蝶ネクタイと色をリンクさせたり、ボリュームあるパフドで挿したり、さまざまなアレンジができるのもポイント。
最後に。知っておかないと恥をかく! セミフォーマルのNGアイテム
最近はビジネススタイルの多様化が進んでいますが、それをセミフォーマルにも取り入れるのは大きな間違い。同窓会や子供の卒業式など、そこまでドレスコードに厳格ではないシーンはあるものの、もちろんNGアイテムは存在します。いざというときに恥をかかないために、きちんと知っておきましょう。
NGアイテム1
スポーティな位置付けの「BDシャツ」
日本ではビジネスシャツとしても人気ですが、そもそもBDシャツはイギリスで人気のポロ競技のユニフォームに着想を得たもの。それゆえに海外ではスポーティなシャツという位置付けになっていることから、ビジネススタイルならまだしもセミフォーマルで取り入れるのはNGです。
NGアイテム2
カジュアルな「スニーカー」
今やビジネスシーンでも当たり前になっているスニーカーですが、こちらもセミフォーマルではNGです。確かにスニーカーで抜け感をプラスすると着こなしはおしゃれに見えますが、セミフォーマルの場においてはおしゃれよりも格式が重要。きちんと感のあるレザー製でも失礼に当たるので、絶対に避けること。
この記事の掲載アイテム一覧(全7商品)
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『ユナイテッドアローズ』 モヘア トロピカル 3ボタン スーツ S-MODEL
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『パーフェクトスーツファクトリー』 スーツ ウールライク ストライプ グレー
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『クラウデッド クローゼット』 ウィングカラーシャツ
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『ユナイテッドアローズ』 トーマスメイソン ブロード レギュラーカラーシャツ
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『クリケット』 セレモニー フォーマル ネクタイ
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『シップス』 SD: ソリッド ボウタイ (蝶ネクタイ)
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『グリーンレーベル リラクシング』 GLR シルク フォーマル ジオメトリック ポケットチーフ
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