ダウンの革命児。水沢ダウンはなぜ大人に愛されるのか

ダウンの弱点を克服し、ダウンそのものの定義を一新させた水沢ダウン。当記事では「水沢ダウンとは?」というそもそも論や魅力を、代表モデルの紹介とともに掘り下げます。

ダウンの革命児。水沢ダウンはなぜ大人に愛されるのか

水沢ダウンとは

水沢ダウン。この名称は、ダウン好きならずとも一度は耳にしたことがあるでしょう。それもそのはず。ダウン人気が過熱する昨今のファッションシーンでもっとも注目されているアイテムなのですから。

とはいえ、なぜこれほどまでに水沢ダウンが支持されているのでしょうか。当記事ではゆるやかに、かつていねいに水沢ダウンの魅力を解説します。

そもそも水沢ダウンとは、岩手県奥州市(旧水沢市)の“水沢工場”で作られたダウンのこと。工場を手がけるのは、スポーツブランドとしておなじみの『デサント』が打ち出す『デサント オルテライン』です。『デサント オルテライン』がコンセプトに掲げる“デザインはすべて機能性に従事したものである”という言葉にもとづき生まれたのが、水沢ダウン。2010年にバンクーバーで開催された第21回オリンピック冬季競技会にて、日本代表選手団オフィシャルスポーツウエアとして採用されたのが革命のはじまりでした。

機能美を追求する『デサント オルテライン』。そのポリシーは、水沢ダウンの見た目に表れています。むだな装飾を省き、唯一のデザインともいえるロゴもボディと同色。シンプルの極みともいえるルックスは、大人の男性にとって何よりも好印象なのでは?

ちなみに、水沢ダウンという名称は、水沢工場で働く職人達の意匠に対する『デサント オルテライン』からの賞賛が込められたものだそう。そんなエピソードを耳にすると、魅力を感じずにはいられないのが男の性ですよね。

大人の男性を魅了して止まない水沢ダウンのルックスは、着こなしの特効薬としても◎。程良くボリュームがありつつも洗練されたシルエットは、どんなファッションにもマッチします。むしろ、水沢ダウンを着るだけで都会的で今らしいムードに早変わり。

そんな見た目にやられてしまいそうですが、いよいよ本題。水沢ダウンを一躍有名にした“革命”について、話題を移しましょう。

ダウンの天敵。“水”を克服した水沢ダウン、3つの革命

水沢ダウンがファッションシーンに起こした変革は、ダウン唯一の弱点といえる“水”を克服したこと。まずは、なぜダウンにとって水が弱点なのか、水沢ダウンは難題をどのように解決したのかをご紹介。

革命1

欠点を解消する、熱圧縮ノンキルト加工

従来のダウンといえば、暖かさこそが命。表地と裏地の間に中綿(羽毛)を入れ、その三層を縫い合わせる(=キルティング)することで程良くボリューム感のある、暖かなウェアとして幅広い世代に愛され続けてきました。

しかし、この“縫い合わせる”という行為にこそダウンの弱点があったのです。そもそも、縫うという行為には、生地に穴を空ける工程が含まれます。小さな穴ではありますが、水分が侵入することで中綿が劣化します。またステッチ部分の隙間からダウンが抜け落ちてしまうということも……。つまり、ダウン特有のキルティングにこそ、ダウンを劣化させる可能性があったのです。

しかし、水沢ダウンはこの問題を“熱接着ノンキルト加工”という技法で解消。一見するとなにやら難しそうな名称ですが、ふたを開けてみれば簡単です。要は、縫わずに表地と羽毛、そして裏地の三層を重ね合わせることに成功し、穴を排除したのです。スゴい……、スゴすぎるぞ水沢ダウン。そう連呼したくなるのは私だけではないでしょう。

向かって右側は従来のダウンの多く、つまりキルト加工を施したもの。雨や風を通過させてしまっていますよね。一方、向かって左側の水沢ダウンは“熱接着ノンキルト加工”(Non-Quiltedって書いてありますね)によって雨や風を見事に、それはもう見事に防いでいます。でも、これだけじゃないのが水沢ダウンのニクいところなんですよ。

革命2

防水性を高める、シームテープ

いかに“熱接着ノンキルト加工”が優れているとはいえ、縫製が必要な場所も数多く存在します。「ダメじゃん」と思われた方、落ち着いてください。水沢ダウンには、水に対するもうひとつの革命である“シームテープ加工”もそなえられているのです。

シームテープとは、名前のとおり防水のためのテープです。レインウェアの縫い目に採用されることが多いのですが、水沢ダウンでも縫製が必要な、たとえば脇のあたりにはこのテープが施されています。

革命3

水の流れをコントロールする、ストリームライン

“熱接着ノンキルト加工”と“シームテープ加工”だけでも興奮モノですが、水沢ダウンにはさらなる水対策が施されたモデルもあるのです。それが、こちらのストーム。はじめて同モデルを見たときの私ときたら「この線は、何?」と疑問符ばかりが頭をよぎりました。しかし、『デサント オルテライン』が意味のないデザインを施すわけがありません。

ストームに施された印象的な胸のラインは“ストリームライン”と呼ばれる立派な意匠のひとつ。これは、表地に付着した雨の流れを抑制し、ポケットへの水の流れを軽減するためのもの。同モデルのフードにも施されていて、雨天時の視界の確保に有効です。いやー、どうですか。スゴすぎますよね、水沢ダウン。

……え? 「水に強いのはわかったけど、ダウンならではの暖かさはどうなの」、「水を防ぎまくったら暑いだけじゃないの」ですって!? もちろん、その点も抜かりありません。抜かりないのは私じゃなくて水沢ダウンですが、続いて“熱”に対する水沢ダウンの機能も見ていきましょう。

“熱”に対する工夫も必見。水沢ダウンの機能とは?

ダウンの本質ともいえる、暖かさ。そして、水を防水したことによる体温調整の機能。ふたつの“熱”に対する水沢ダウンの工夫を見ていきましょう。

チェック1

光を熱に変える、“ヒートナビPT2”

中綿として使用する羽毛そのものの暖かさはもちろん、水沢ダウンでは裏地にも暖かさを確保するための工夫が施されています。それが、“ヒートナビPT2”。繊維を透過した光を熱へと変換する光発熱と、身体から発する水分を熱に変える吸湿機能により、優れた発熱力を有しているのです。

暖かさはダウンの真骨頂。だからこその機能ともいえますが、発熱力に長けた製品というのはどうも苦手なんですよ、私。極寒の地では話が別ですが、端的に説明すると暑がりのため、あまりにもポカポカしてしまうのがちょっと……。とはいえ、前のジッパーを開けるとお腹が冷えるし。ただのワガママですが、そんなワガママのニーズをも満たす機能も水沢ダウンには搭載されています。

チェック2

湿度&体温調整に効く、ベンチレーションシステム

「ベンチレーションシステムって、あれでしょ。換気でしょ」という方、正解です。ベンチレーションシステムとは、温度の上昇を防ぐために施された換気機能のこと。登山愛好家の方が着用するジャケットの多くには、脇下にジッパーが取り付けられています。ジッパーを開閉することで脇から外気を取り入れ、体温を調整してるんですね。

水沢ダウンは、フロントにもベンチレーションシステムを搭載。2列のフロントジッパーと、内側のメッシュ素材によって微細な体温調整を可能にしているのです。寒いときはフロントジッパーを閉め、「ちょっと暑いな」という場合にはメッシュから外気を取り入れる。もちろん「めっちゃ暑いぞ」というシーンではフロントジッパーを全開にすればOKです。なんと、暑がりにも寒がりにもうれしい機能ではございませんか!

もちろん、脇下のベンチレーションシステムも健在。前方からの風当たりが強い日には、脇下のジッパーで体温を調整しましょう。自転車やバイクなどに乗る時も便利ですよね。

“水”と“熱”。ベクトルが異なるふたつの要素に対応する水沢ダウンには死角なし。それでもちょっと言わせてください。こうした機能美をトータルして考慮すると、ダウンそのものの定義が変わりそうですよ。

“水”と“熱”。二大要素に強い水沢ダウン最大の長所とは

従来のダウンは、暖かいことが最大の長所でした。しかし水に対する弱さや体温調整の面で多少の難があったことは否めない事実です。

こうした壁を乗り越えた水沢ダウン。その良さを端的に表すならば「ずっと快適」という言葉が適当かと。寒い日には暖かく、少し暑くなれば簡単に体温が調整できる。そんな機能こそ、水沢ダウンが起こした革命なのです。当たり前のようですが、実はスゴいことですよね。

シンプルこそ至高。水沢ダウンを着て街へ出かけよう

機能の解説ばかりにはしってしまいましたが、水沢ダウンは大人らしいルックスも魅力。その良さをおしゃれな大人がどのように着こなしているのかをリサーチしました。

カーキパンツと革靴でクリーンなミリタリーを構築。そのうえでシンプルな水沢ダウンを着用することで、足元で演出したスタイリングのムードを十分に発揮しています。

カジュアルな着こなしにも水沢ダウンはマッチ。ロールアップしたジーンズと『コンバース』のスニーカー、ニット帽という合わせにダウンをプラス。ダウンでもカジュアルに偏ることはなく、品良く見えるのは水沢ダウンならでは。

モノトーンで仕上げたクールな着こなし。ただし、着用するアイテムがすべてスポーティーなテイストというあたりがポイントです。ノンキルト加工の水沢ダウンにより、アーバンライクなスタイリングに。

茶系のグラデーションは大人らしさ抜群のカラーパレット。“おじさん感”が出ないよう水沢ダウンで引きしめているのもGOODですね。白のソックスをパンツの裾からのぞかせることで、ちょっとした爽やかさを取り入れているのもニクい演出。

水沢ダウンの定番、マウンテニアに『ジャーナルスタンダード』が別注をかけたモデルを着用。通常よりも着丈が長いモデルは、上品なムードを高めるのに有効です。白のスニーカーで、着こなしを軽やかに見せるテクも参考になりそう。

ラインアップを紹介。水沢ダウンのメンズダウンジャケット6選

ディテールが異なるモデルを展開する水沢ダウンのラインアップをご紹介。防寒着としての役割はもちろん、ファッションアイテムとしての好みも考慮して、この冬最高の一着を選んでみては?

モデル1

マウンテニア

マウンテニアは、水沢ダウンのなかでも快適性と機能性を高めたハイスペックモデル。フードをコンパクトに収納できる“パラフード”システムをはじめ、良好な着用感を楽しみ続ける工夫が施されています。複数の機能を感じさせない洗練されたルックスも◎。

モデル2

シャトル

水沢ダウンのなかでも軽量モデルに位置づけられるシャトル。水沢ダウンの“らしさ”がもっとも楽しめる一着として、ファンが絶えないモデルです。

モデル3

アンカー

着脱可能なフード付きのアンカーは、伸縮性・軽量性ともに優れておりとても着心地の良い作りが魅力。脇下のベンチレーションをはじめ、通気性が加味されているため冬の気温調整も簡単。シンプルながらも機能美がふんだんに盛り込まれたダウンジャケットです。

モデル4

ストーム

ストームは、フロントに施された“ストリームライン”が特徴。都会的なデザインながら機能も最高峰の一着です。

モデル5

ステルス

ダボっとしたゴワつきをなくし、シンプルに着用できるよう考案されたステルス。ファッションに気軽に取り入れることができ、かつ雨の日のポケットへの流水を防ぐ構造となっています。デザインも機能面も優れたダウンジャケットとして注目されているモデルです。

モデル6

エレメント

着丈の長い水沢ダウンといえば、エレメントがおすすめです。着丈が長いダウンジャケットはやぼったく見えがちですが、そんな不安を排除するシルエットが至高。もちろん、水沢ダウンならではの機能性も十分な一着です。

ダウンの革命児ともいえる水沢ダウン、いかがだったでしょうか? 「この冬こそは、最高のダウンジャケットを手に入れたい」という方にも、そうではない方にも全力でおすすめします!

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