
リーバイスの“スタプレ”。ノンデニムの名品、その現在をリサーチ
ジーンズ感覚で気負わずはけて大人っぽさはジーンズ以上。美脚効果も高く、アイロン不要でセンタークリースが持続する……「リーバイス」の“スタプレ”はやっぱり有能だ!
クリーン顔でお手入れ簡単。『リーバイス』の“スタプレ”を、今またはきたい
普段はジーンズひと筋。でも大人だし、たまにはきれいめなパンツをはきたくなることもある。といっても昨今のトレンドであるリラックス服にすっかり慣れ親しんでしまった身。アイロンによるプレスの手間も含め、必要な本格ドレスパンツはちょっぴり気が進まない……。
そんなときにうってつけのパンツが”スタプレ”である。デニム界の王者『リーバイス』の名作のひとつに数えられるこのスタプレが誕生したのは、1964年のこと。1960年代は全米に家庭用洗濯機が普及した時期で、洗っても縮んだりシワになったりしない衣類が求められていた。
『リーバイス』はそこに目をつけた。縮みにくく、シワになりにくい素材へ、加工によって耐久性のあるセンタークリースを施した新型パンツの開発に成功したのだ。これが「STA-PREST(ステイ・プレスト)」、通称・スタプレである。
同社のスタッフは、洗濯機を積み込んだ車でアメリカ中をセールスして回ったという。スタプレは大好評を博し、1960年代後半にはアイビーリーガーたちがこのパンツを愛用したことをきっかけに全米のティーンエイジャーたちのマストアイテムに。その後、日本でもアイビーブームを追い風に、定番パンツの地位を確立した。ジーンズ感覚ではけるのに、ジーンズよりも上品に見えてかつケアもイージー。大人にとっても、これほどちょうどいいパンツは他にそうそうなかったのだ。
『リーバイス』のスタプレは万能だ。洒落者に見るコーデの作法
では、そんなスタプレを今っぽく着こなすには?
このモデルの特徴といえば、なんといってもセンタークリースにある。これはスラックスの前身頃と後ろ身頃の中心に、プレスによって入れられたラインのこと。脚のラインをきれいに見せる視覚効果が生まれるため、ジーンズやチノよりも上品に見えるのだ。また、現行モデルの「ワイドクロップドII」はレングスが若干短め、ちょうど9分丈くらいに調整されているため、脚のラインがよりシュッとして見えてトレンドであるボリューミィな靴との相性も良い。コーデ自体はすこぶる簡単で、いつものジーンズやチノとチェンジするだけでOK。アメカジからサーフテイスト、ジャケパンまで幅広い着こなしに合わせることができるのだ。
コーデ1
こってりしがちなGジャンコーデも大人っぽくまとまる
スタプレをよく知る『リーバイス』のショップスタッフによる着こなし。ともするとこってりしがちなGジャンコーデも、スタプレならセンタークリースのおかげで大人っぽい印象に。さらにインナーのジップアップシャツや足元のスリッポンタイプの『アディダス』など、パンツのきれいめさに対する抜け感の演出もお見事。
コーデ2
旬のベーシック服を使った上品カジュアルにも相性良好
トップスは柄モノのカーディガンに白の無地Tシャツ。パンツはジーンズやチノでもいいのですが、ワイドなスタプレを合わせることで一段上の上品カジュアルに仕上がっています。足元もスニーカーではなく黒のローファーで。ドレス顔の靴との相性もこのパンツならでは。
コーデ3
スラックス感覚できれいめカジュアルに採り入れても成立!
スラックス感覚できれいめコーデに合わせられるのも、スタプレが持つアドバンテージのひとつ。こちらのコーデでは爽やかなブルーのリネンシャツに、落ち着いたブラウンのスタプレをスタイリング。あえてのベルトレスや袖まくりなど、こなれたリラックス感の演出も巧みです。タックインもサマになりますね。
シルエットはワイドとストレート。スタプレの形から素材、色まで網羅!
現行のスタプレは、ワイドの「ワイドクロップドII」とストレートの「XX チノ ストレート」の2種類。それぞれに黒の「メテオライト」、インディゴブルーのデニムを使った「リンスデニム」、ベージュ系の「ハーヴェストゴールド」の3モデルがラインアップされている。シルエットはもちろん、カラーによっても印象がガラッと変わるので自分の好みとイメージするスタイリングに合わせて選ぼう。
▼ズドンと太め、でもクリーンにはきこなせる「ワイドクロップドII」
カラバリ1
ワイドクロップドII メテオライト
「ワイドクロップドII」はウエストからワタリ、裾にかけてズドンと落ちるワイドストレートと、それを重く見せないクロップ丈が特徴。深みのあるブラックに加え、ピシッと入ったセンタークリースがクリーンな印象を強める。カラー名は隕石の総称に由来する「メテオライト」。
カラバリ2
ワイドクロップドII リンスデニム
ジーンズ感覚ではける「ワイドクロップドII」の「リンスデニム」。ポリエステル×コットンのデニム素材はリンス加工によってしなやかな肌触りに。さらにストレッチ性もあるのではき心地は快適だ。ワイドなシルエットを生かしてストリートにこなすのもオツ。
カラバリ3
ワイドクロップドII ハーヴェストゴールド
スタプレの王道といえばこのカラー。豊作の小麦畑を思わせる「ハーヴェストゴールド」カラーがセンタークリースと相まって、上品なイメージを醸成する。生地は「メテオライト」と同じくコットン59%にポリエステル40%、そこにポリウレタンが1%混紡されたチノクロス。
▼すっきり美脚見え。ジャケパンにだって対応可能な「XX チノ ストレート」
カラバリ1
XX チノ ストレート メテオライト
「ワイドクロップドII」と比べて全体的にスリムに設定された「XX チノ ストレート」。とはいえ、股上はやや深めでワタリにもゆとりを確保。さらにかすかなテーパードシルエットが脚のラインをスマートに演出する。こちらは黒によって印象がさらに引き締まった「メテオブラック」。
カラバリ2
XX チノ ストレート リンスデニム
きれいめのスタイリングにマッチするジーンズを探しているなら、「XX チノ ストレート」の「リンスデニム」も選択肢のひとつとなる。センタークリースが施されたストレートシルエットも手伝ってデニスラ感覚ではけるスタプレは、ジャケットやシャツとの相性の良さも格別だ。
カラバリ3
XX チノ ストレート ハーヴェストゴールド
いつものチノよりちょっぴり品良く見える「ハーヴェストゴールド」の「XX チノ ストレート」。通常のチノは洗濯を数回繰り返すとセンタークリースが消えてしまうが、スタプレならピシッとしたラインが持続する。もちろん、防シワ加工によってアイロンがけの手間も不要。
実は『リーバイス ヴィンテージ クロージング』にも、こだわりのスタプレが
『リーバイス』本社に眠るアーカイブを忠実に復刻させるブランド『リーバイス ヴィンテージ クロージング』にも、スタプレは存在する。センタークリースこそ同じだが、随所に現行モデルとの違いが。まず、デザインは5ポケットで、カラーはサージに。シルエットもワタリがややゆったりめで、そこから裾にかけて強めのテーパードがかかったスリムなストレートとなっている。ボディにはポリウレタンがMIXされていないコットン×ポリエステルのツイル生地を使用。古き良きスタプレをはきたいなら、ずばりこれでしょう。
細部にも、ヴィンテージ好きの所有欲をくすぐる趣向が凝らされている。フロントジップが古着でお馴染みのタロン社製だったり、バックポケットのタグが“ビッグE”になっていたり、随所に現行モデルとの違いが見られる。内側にはモデル名とアイロン不要を示す“NEVER NEEDS IRONING”が表記されたタグも。
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『リーバイス』 ワイドクロップドII メテオライト
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『リーバイス』 ワイドクロップドII ハーヴェストゴールド
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『リーバイス』 XX チノ ストレート メテオライト
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『リーバイス』 XX チノ ストレート リンスデニム
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