今季は断然ダブル派。レザーライダースの旬なコーデ術
ライダースはもちろん定番アウターのひとつだが、折からのアメカジ人気もあり今冬はさらに注目されている。中でもオーセンティックなダブルタイプは手に入れておきたい。
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いまさら聞けない。ダブルのライダースとは?
“ダブル”とは、ファスナーを斜めに走らせ前立てを重ねたダブルブレスト型のこと。1930年代のアメリカでは徐々にモーターバイク産業が加熱。流れに合わせ『ハーレーダビッドソン』がシングル襟のアイテムを発売し好評を博した。その後に発表されたのがダブルライダースの原型とされる、“アビエイタースタイル”のライダース。フロント部分にある複数のジッパー付きポケットが、当時としては画期的かつ便利だったことから人気に火が付いたとか。
どんなパンツとも相性抜群。ダブルライダースの着こなしサンプル
これまでの歴史的背景や男くさいイメージから、合わせるボトムスを固定しがちなダブルライダース。ただ、アクの強そうなビジュアルでもいざ合わせてみると意外にどんなボトムスともひかれ合う。その事実を、ファッショニスタたちの着こなしを例に検証してみたい。
ボトムス1
ブラックデニムパンツ
ダブルライダースが発表された当時から蜜月の関係を続けてきたデニムだけに、気をつけたいのはありきたりなバイカースタイル。ここはブラックを選びモダンさを取り込みたい。
インディゴブルーのデニムは鉄板だが、ここではあえてブラックデニムを選択。全体をブラック中心に組むことでクールな雰囲気を生んでいる。重くなりがちな合わせだけに、インナーへ加えた白のカットソーでバランスを取るあたりはさすが。
多くの伝説的ロッカーたちも袖を通してきたアイテムだけに、音と絡めたスタイリングにもしっかりフィット。1990年代のグランジブームを彷彿とさせる激しいダメージのブラックデニムやクタッとしたロックTで個性を演出している。
ダブルのライダースをフルクローズし、ブラックデニムはスキニータイプをチョイス。Iラインを意識しながら全体をシャープに仕上げ、洗練された雰囲気を作っている。街へとなじませるべく、ソリッドさを足元やインナーで抜いている点も高評価。
ボトムス2
スラックス
ドレスコードのひとつだけに、粗野感たっぷりなダブルライダースとの合わせに一抹の不安を覚えるかもしれない。しかし、実は男アウターがいいハズしとして機能してくれるのだ。
ボトムスに選んだのは、トラディショナルな香りのするうっすらチェック柄が落とし込まれたグレースラックス。足元には革靴を配し品行方正さを装う中、ライダースジャケットが白のプリントTとも相まって程良く堅苦しさをいなしている。
モノトーンを中心にシャツとスラックスの比較的カッチリとしたアイテムを選んだこちら。それをアウターや足元のスニーカーで違和感なく着崩した。胸元に見えるラフさや、九分丈ボトムスの丈感に見る軽快さが息抜きにいいあんばい。
タック入りで側章も添えられた上品なスラックス。インナーもモードライクなブラックのシャツを選んだ。アウターはというと、プレーンで艶やかなエレガント革ジャケ。見た目にも美しいアウターを選ぶことで、ライダースもジャケット感覚で合わせられる。
ボトムス3
スウェットパンツ
ハードな印象の強いダブルライダースだけに、強面な趣をさらりとかわすアイテムが時には必要。そこでここ最近市民権を得たスウェットパンツがちょうどいい役割を果たしてくれる。
ライダースジャケットは、身頃とアームの素材を切り替えた遊び心がのぞく作り。そのカジュアルさが、合わせるアイテムの自由を生んでいる。そのため、定番のグレースウェットとも違和感なくフィット。ブラックで引き締めている点も見逃せない。
ダブルライダースのハードなイメージを、インナーのフリースジャケットや濃淡で切り替えたスウェットパンツで適度に中和。上下を白小物でサンドしたことで、よりやさしげなスタイリングに。ほっこり素材のミックス感も絶妙だ。
ダブルのライダースを街着として着るなら、特有の男くささをどう回避するかがキモになる。そこでおすすめはクリーンな色合いを多めに取り入れること。旬も意識するならホワイトは格好で、スウェットパンツにも導入しすがすがしいスポーツミックスへ。
ボトムス4
カーゴパンツ
男らしいダブルライダースと武骨なカーゴパンツは、テイストが似ているだけに相性は悪くない。ただ、タフな印象が出過ぎないようにコントロールすることが着こなしのツボ。
レザーのダブルライダース、そしてカーゴパンツと、どちらも男気たっぷりなアイテムだが、ボトムスにグレーを選んだことで新鮮さと品の良さを呼び込んだ。斬新な色の切り替えが印象的なカットソーでアーバンな雰囲気もプラス。
ボトムスにカーゴパンツを選んでいるものの、ウール地のためインナーのニットとの相乗効果により上品さを打ち出すことができる。しかも、ニットの織り柄やボトムスにうっすら入ったカモ柄でさり気なく主張している点も技あり。
カーキが一般的なカーゴパンツに、ブラックを選んだ点が好プレー。アメカジアイテムのコンビも瞬時にきれいめな印象にシフトさせている。ハットやシューズまでブラックで統一したことで、ジオメトリックパターンのインナーがより際立って見える。
本格仕様から初心者向けまで。今欲しいダブルライダース10選
クラシカルなアイテムだけに古くさく見えてはいけない。とはいえ、大人が袖を通すなら、クオリティの高いレザーを存分に使った本格派を誰もが選びたいはずだ。そのバランスも十分に考慮した、各ブランドのおすすめダブルライダースを厳選してお届けする。
アイテム1
『バンソン』
アメリカンモーターサイクルの代表的ブランドといえば『バンソン』。中でもこちらのC2は、同社の代表作であり、1990年代に日本でも一世を風靡したモデルで知られる。その名作をベースに、『フリークスストア』が30周年を記念して別注。エポーレットやウエストベルト排除し、ミニマルに仕上げている。
アイテム2
『ジェームス グロース』
1876年にロンドンで創設された老舗。自動車、バイクなどのパーツを扱う小売店だったが、1950年代からウェアも製作し人気を博す。1970年代に惜しまれつつ閉鎖されたが、今回約40年振りに復活。細身のシルエットでモダンに生まれ変わった。
アイテム3
『ショット』
1928年に世界で初めてジップ開閉式のライダースを考案したことでも知られるブランド。“顔”ともいるモデルがこのワンスターで、マーロン・ブランドを筆頭に多くの名優が袖を通してきた。その名作へ『ジャーナルスタンダード』が別注。ライニングをナイロン仕様にしたことでロングシーズンの活躍が可能に。
アイテム4
『エンメティ』
フィレンツェ近郊の町、ヴィンチで1975年に誕生した『エンメティ』。スタートは毛皮を使ったアウターを製作するファクトリーだった。そして、レザーとのミックスによる挑戦的アプローチによって高評価を獲得。こちらは、ロウ引きが施されたラムスキンナッパを使用し、自然な着用感を感じられる。
アイテム5
『マーシャー』
技術、センス、伝統など、イタリアブランドの素晴らしさ世に広めるべくマルコ・コッサーが設立。長きにわたるレザーの研究をもとに、上質な素材を使ったアイテムを作り上げている。そんな質実剛健なイタリアブランドへ『ギルドプライム』がオーダー。ツルッとした質感のレザーを使って作られている。
アイテム6
『アカンサス』
クラシカルなアメリカンモーターサイクルウェアをベースに、そこへロンドンモーターサイクルウェアのディテールを落とし込んだこだわりの一品。そのミックス感こそ『アカンサス』の真骨頂。素材のカーフレザーは、古くから伝わる手法を用いながらフルベジタブルタンニンでなめしているためタッチの良さは抜群。
アイテム7
『クリスチャン ダダ』
美しく艶やかな見た目が目を引く『クリスチャン ダダ』の革ジャケは、素材に珍しく馬革を採用。それによりさらにラグジュアリーなビジュアルに。一風変わったポケットからも伝わるように、1950年代の洋服をイメージソースにしながらデザインし、同ブランドらしいスタイリッシュなシルエットに作り上げている。
アイテム8
『ジョン ローレンス サリバン』
まるで往年のアメリカンモーターサイクルに端を発する、クラシカルなダブルライダースのようなシンプルデザイン。だからこそ厳選を重ねた上級なラムレザーの優雅な趣と、肌を包み込む柔らかな質感がよくわかる。無駄を省いたミニマルさへの追求によりさまざまなアイテムにもよく馴染む。
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基盤は英国テーラード。スタイリッシュな男たちを虜にする、ジョンローレンスサリバンの魅力
アイテム9
『ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ』
パリッとした凛々しい素材の表情と程良く主張するラペルが、実にダブルライダースらしい男らしさを描き出す。肉厚なレザーは滑らかな質感のシープレザーだけに、体へと適度に馴染みながら大人としての威厳もしっかり打ち出せる。
アイテム10
『ビームス』
昨年、好評を博し即品薄状態となった人気のダブルライダースが今シーズンもリリースされる。やや野暮ったい印象が出かねないダブルライダースだが、『ビームス』がシルエットにこだわり抜いたこの一着ならその不安も杞憂に終わる。
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