タグ・ホイヤーが誇る名作。カレラの魅力とラインアップ

タグ・ホイヤーが誇る名作。カレラの魅力とラインアップ

高級時計の1つに数えられる『タグ・ホイヤー』。なかでも多くの男性から支持される人気モデル「カレラ」の魅力とともに、同モデルの豊富なバリエーションを公開する。

菊地 亮

2020.05.25

タグ・ホイヤー(TAG HEUER)
腕時計

スポーツシーンと密接な関係にある『タグ・ホイヤー』

1860年、ドイツ系スイス人のエドゥアルト・ホイヤー氏によりスイスのサンティミエに誕生した『タグ・ホイヤー』。当初はストップウォッチやスポーツウォッチの分野で頭角を現し、1916年に作られた世界初のスポーツ用ストップウォッチ、マイクログラフは世界に衝撃を与えた。数々の革新はやがて、F1やインディカーレースのタイムキーパーを務めることにもつながる。スポーツ競技との長きにわたる関わりをもとに育まれてきた信頼は、今もなお決して揺らぐことはない。

高級時計界の登竜門。タグ・ホイヤーを知りたいなら

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『ロレックス』『オメガ』と並び、スイスの名門ブランドとして知られる『タグ・ホイヤー』。高級時計の登竜門ともいえる同ブランドの魅力をとことん掘り下げます。

夏目 文寛

『タグ・ホイヤー』屈指の人気モデル。「カレラ」の魅力とは?

1963年、『タグ・ホイヤー』初のクロノグラフが誕生する。それが「タグ・ホイヤー カレラ」。インスピレーション元となったのは、アメリカ~メキシコ間を走りきる伝説的なモーターレース、“カレラ・バン・アメリカーナ・メキシコ”だ。当時まだ舗装状態も劣悪だったメキシコの地を5日間かけて走破する様子は、まさに圧巻。そんな死傷者も絶えない過酷なレースの中でも視認性と機能性を損なわない腕時計をと、現名誉会長のジャック・ホイヤー氏が手がけ、世界中のドライバーから絶賛された。

初代「カレラ」の特徴であるのが、モータースポーツを強く想起させる横目クロノ。加えてこんな往年の“ホイヤー”ロゴを載せたモデルなら、気分も満点だ。

「カレラ」の根底に流れるレーシングスピリッツ。そこから生み出されるスポーティなデザインには、オン・オフ問わない活躍が期待できる。端正なスーツスタイルにマッチするのはもちろん、カジュアルなスタイリングにおいては引き締め役として好適。例えばミリタリー感を匂わせるM-65の袖元にセットすれば、こなれ感の中にもモダンな空気を注入してくれる。普段使いの1本としてローテーションに組み込んでおいて、損はない。

厳選。『タグ・ホイヤー』カレラの注目モデル18

「カレラ」とひと口にいっても、ときにその時々のトレンドを取り入れつつ、ときに過去の名機を振り返りながらとそのバリエーションもさまざま。しかし、どのモデルにも、根底にはモータースポーツと歩んできた歴史が生きている。デザイン的にも機能的にも優れた、18本をラインアップ。

1本目カレラ キャリバー5

キャリバー5といえば、『タグ・ホイヤー』における基幹ムーブメント。そのベースをETA社のモノからセリタのモノに変更するなどの仕様変更はあるものの、今なお信頼ある機構として多くのモデルに採用されている。「カレラ」の中でもオーソドックスなこちらのモデルにも、その名前の通り同ムーブメントを搭載。普遍的な中身に見合うよう、ポリッシュ仕上げにより美しい光沢を放つベゼルは細身に設定され、ダイヤルを大きく見せるなど洗練されたルックスを作り上げている。

2本目カレラ キャリバー6 クロノメーター

インデックスのマットな質感や、直線的でソリッドなデザイン、実用性を念頭に置いたベーシックな三針構造は古き良きヴィンテージウォッチを思わせる。メタリックブルーとシルバーの取り合わせもなんとも刺激的で、別モデルにはなるが初代「モナコ」が示したモーターレースへの熱意が感じ取れるはずだ。それと呼応するように深いネイビーブルーで仕上げたカーフベルトには、レーシングウォッチに見られるパンチング加工が施されている。

3本目カレラ ヘリテージ キャリバー6

上記キャリバー5の派生ムーブメント、キャリバー6。6時位置にスモールセコンドを配置したことで、キャリバー5の武器であるスポーティさの中にエレガンスを感じさせる仕上がりとなっている。そんな同キャリバーの魅力を存分に生かし、伝統と革新をデザインで強く継承しているのが「カレラ ヘリテージ」の3針モデルだ。特徴の1つが、文字盤へあしらわれた波紋状に広がるフランケ装飾。ミニマルな作りに、ドレス感すら漂う独特なアクセントを加えている。さりげなく高級感に訴求する、ピンクゴールドのあしらいも見事だ。

4本目カレラ キャリバー8 GMT グランドデイト

「カレラ」コレクションの中でもスポーティなカラーが色濃く出たモデルが、こちらのGMTタイプ。一般的なGMTのようにGMT針を1本追加するのではなく、6時位置に配されたスモールセコンドに12時間計を新たに加えることで第2時間帯を瞬時に判別することを可能にした。また、12時位置には、高級機にも多く見られるビッグなデジタルデイト表示を設置。シンプルなバーインデックスとのバランスも絶妙で、腕元に程良い主張を宿してくれる。なお、搭載しているキャリバー8はスイス公認クロノメーター検査協会(C.O.S.C.) 認定を受けた高精度さも売りだ。実用面において、申し分ない。

5本目カレラ キャリバーS

2つの半円形のカウンターがなんともユニークなモデル。ムーブメントには、同社が独自に企画、開発し、特許まで取得したキャリバーSが組み込まれている。230のパーツを有し、1本の針ごとに独立した高性能双方向マイクロエンジンを搭載した機械式ムーブメントと、正確に時を刻むクォーツムーブメントを融合させたまさに画期的腕時計“エンジン”だ。リューズにより、操作をスイッチすることがデキる。他にもラップタイムや永久カレンダーなど充実の機能を装備。

6本目カレラ キャリバー36 クロノグラフフライバック

同作は、独創的なダブルスケールが最大の魅力。黒に近いダークグレーのアントラシートにシルバー、その2色が奏でるコントラストは、ヴィンテージのホイヤーストップウォッチからインスパイアされたものだとか。プッシュボタンを押すだけでストップウォッチをゼロに戻すことのできるフライバック機能も、モーターレースからインスピレーションを得て開発されたものだ。搭載したキャリバーも高性能で、前述のキャリバー5・6を上回る振動数(36,000振動/時)により精度も高レベルで維持。パワーリザーブも50時間を確保している。

7本目カレラ キャリバー16 クロノグラフ

数ある「カレラ」コレクションの中でも主軸を担う存在がこのタキメーター クロノグラフ。磨き上げられたタキメーターベゼルにポイントで赤を挿したラギッドなルックス、それを支えるサンレイ仕上げの黒文字盤がモータースポーツに根ざすスピード感をにおわせる。高級感を容易に演出できる演出できる“MOP(マザー・オブ・パール)”のバリエーションなど、種類が豊富なのもこのモデルの魅力だ。

8本目カレラ クロノグラフ キャリバー17

レトロ感あるツーカウンタークロノの顔の中で、ブランドの文字、クロノグラフ針など、随所にピリリと効かせた赤が絶妙なスパイスに。サファイアクリスタルの風防には両面反射防止コーティングを施しており、角度により視認性が損なわれることがない実用性を表した。ファセットカットを施したうえで手作業で植字したインデックスや、夜光塗料が塗布された時針や分針など、細部まで高い工作技術で仕上げられている。なお、今作はクラシカルな顔立ちに似合う“ホイヤー”ロゴも語れる見どころの1つ。

9本目カレラ キャリバー1887 クロノグラフ

高度な自社製ムーブメントの開発が、同社のポジションを高める礎となったことは歴史が物語っている。ご多分に洩れずこちらへも、巻き上げ効率を格段にアップさせた改良型ムーブメント、キャリバー1887を搭載。セラミック製のタキメーターベゼルは利便性だけでなく美しい光沢を放っており、モータースポーツをベースに持つ「カレラ」らしい分数をあしらったインデックスがスポーティさをさらに加速させている。

10本目カレラ 1887 クロノグラフ レーシング

この精かんかつメカニカルな顔つきが、『タグ・ホイヤー』のモータースポーツとの深い関わりを再認識させてくれる1本。全体をオールブラックで統一したケースはチタニウムカーバイドコーティングが施され、サンドブラスト仕上げによりグッとマットで洗練された趣へ。バンドに使われたブラックアリゲーターはギラつきすぎない大人っぽい質感で、裏地に鮮やかなレッドを配することでスポーティな印象を高めてくれる。

11本目カレラ クロノグラフ エレガンス キャリバー1887

優雅な見た目に、単なるスポーツウォッチではない確かな矜持が見て取れる。マイルドな色味のホワイト文字盤に浮かび上がるアラビアンインデックスはポリッシュ仕上げが施され、ローズゴールドのやさしい輝きが大人に似合うエレガンスを主張。すり鉢状の凹凸により表現したスモールセコンドも実にモダンな印象だ。なお、ケース径は通常よりもひと回り大きい43mmに設定。見やすさと男性らしさも程良くトッピングすることに成功している。

12本目カレラ クロノグラフ 1887 ジャックホイヤー記念モデル

カレラ誕生50周年を記念して2013年に製作されたリミテッドアイテム。視認性を上げるべくケースのギリギリまで広げたダイヤルや、腕馴染みを良くするためにすらりと伸ばしたラグなど「カレラ」ならではの機能的なディテールはそのまま維持している。加えて、コラムホイール式クロノグラフムーブメントのキャリバー1887をチタンとステンレスのツートーンケースに内蔵。装着したままでも快適な操作性を維持してくれる、ケース上部のリューズ&プッシュボタンがなんともユニークだ。

13本目カレラ ドライブタイマー

スポーツウォッチでありながら、どこかミリタリーテイストを感じさせるルックスが常に人気のドライブタイマー。素材にはチタンを採用しており、着け心地も良好だ。バーインデックスとアラビア数字にはそれぞれトップクラスの蓄光性夜光塗料のスーパールミノバを塗布し、夜行マーカー付きのホワイト時針&分針によって夜間でも容易に時間を目視できる。10時位置には、ミニッツトラックが追加されたフリンジを回転できるリューズを装備。

14本目カレラ キャリバーホイヤー01

ブラックのスケルトン文字盤がスタイリッシュなモデルは、『ウブロ』で「ビッグ・バン」シリーズを成功させたジャン-クロード・ビバー氏によるもの。そう聞けと、印象的な赤針にその面影が見て取れるだろう。2010年登場時のラバータイプから、ストラップをステンレスタイプへ変更し、タキメーターベゼルには耐傷性に優れたブラックセラミックを採用。文字盤のデザインとも相まって立体的でメカニカルなルックスに仕上げられている。ムーブメントには、ブラックでコーティングされたローターとレッドのコラムホイールが特徴のキャリバー、ホイヤー01を搭載。

15本目カレラ キャリバーホイヤー01 アイルトン・セナ限定

『タグ・ホイヤー』が世界のトップドライバーからどれだけ愛されたていたかは、このモデルが教えてくれる。世界最速の名を欲しいままにし、若くしてレース中の事故によりこの世を去ったアイルトン・セナ氏。彼をオマージュしたこちらは、同氏の“S”を文字盤にスタイリッシュな赤で記し、腕に沿うような装着感を実現するアイコニックなS字型リンクブレスレットも復活。美麗なムーブメントは裏からも鑑賞可能で、サファイヤクリスタルの面には文字盤同様“S”が刻印されている。

16本目カレラ ホイヤー02T トゥールビヨン カーボン&チタニウム

三大複雑気候のうち、1つに数えられるのがトゥールビヨン。姿勢差による精度の乱れを軽減するために生まれた機構だが、現代においてはその精緻なあしらいに引かれ、ステータス性を象徴するディテールとして求められることも少なくない。雲上ブランドに多く見られときに1,000万円にも届くモノもあるが、『タグ・ホイヤー』はその壁を打ち壊し大きな話題を呼んだ。革新的ともいえる税抜き100万円台のトゥールビヨンは、ケースやパーツにチタンとカーボンを使用することで重量も軽減。65時間のパワーリザーブも備えており、ただ単に安価なだけではない腕時計の本質を突いた実用性を叶えている。

トゥールビヨンの基礎知識。成功者が手にする超絶機構の教科書

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機械式時計のムーブメントは緻密な設計のうえに成り立っており、高度な機構を持つものを複雑時計と呼ぶ。その象徴の1つ、トゥールビヨンに関する知識をここに網羅しよう。

ワダ ソウシ

18本目カレラ レディ クォーツ

上記「カレラ キャリバー5」とよく似た見た目だが、こちらはより手頃に求められるクォーツタイプ。しかも名前が示す通り、2016年に発表された女性向けモデルとなる。だが、実際はメンズでも着けこなせる39mm径のユニセックスサイズ。美しいサンレイ仕上げの文字盤とイエローゴールドのインデックスによる程良く装飾性の高いルックスは、スーツの腕元にも良く映える。

18本目カレラ ブラックチタン ユニセックス

こちらも、上記同様クォーツムーブメントを搭載した39mm径モデル。ブラックチタニウムカーバイトコーディングを施すことで、メンズに似合う顔立ちへと昇華している。アンスラサイトカラーの文字盤も相まって、ストイックなムードを一層高めている。

本物のダイバーズウォッチ。タグ・ホイヤーのアクアレーサーが持つ魅力

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『タグ・ホイヤー』といえば誰もが、希代の名作「カレラ」を想起します。しかし、ブランドの入門機としても人気の高い「アクアレーサー」も忘れてはいけません。

TASCLAP編集部

地方の出版社にて編集を経験した後、独立。フリーのエディター・ライターとしてメンズファッションを中心に、スポーツ、グルメ、音楽など幅広い分野で活動。現在は、生まれ故郷である岩手県、そして東北の魅力を発信すべく東奔西走中。
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