スタイリスト菊池陽之介さんが答える、大人の装いとは

今冬、大人が目指すべき理想のスタイリングとは。そんな命題に右往左往しながら日々過ごしている人たちへ、業界で活躍する敏腕スタイリストからの金言をお届けしたい。

スタイリスト菊池陽之介さんが答える、大人の装いとは

おしゃれのプロが語る今冬の大人の理想的着こなしとは

おしゃれのプロが語る今冬の大人の理想的着こなしとは

いい大人になれば浮ついてばかりもいられないが、かといって守りに入ってばかりではつまらない。おしゃれもまた同様。つい無難なアイテムを選びがちだが、ほんの少しでも意外性や遊び心をのぞかせたとき、大人としての品格をキープしながらもおしゃれな印象を振りまける。独立以降、業界内で腕をふるってきたスタイリスト菊池陽之介さんにその秘訣をうかがった。

菊池陽之介さんが考える、今冬の大人な着こなし三か条

早速、大人が実践すべき今冬のコーディネートをうかがったところ、そのヒントは菊池さん自身の着こなしにあった。彼の言葉とともに主なポイントを3つに凝縮。意識しながら日々のスタイリングを心がければ、自ずと大人にふさわしいでたちを作り上げることができる。

スタイリスト菊池陽之介さんのコーディネートをチェック

スタイリスト菊池陽之介さんのコーディネートをチェック

紺ジャケを軸とした自身のスタイリングは、パンツにブラックジーンズを投入したことでいつものアメトラとは一線を画すモダンなビジュアル。ラペルは立て、ジーンズの裾は切りっぱなし、足元は外羽根のUチップと、巧妙な引き算によって堅苦しさをいなすあたりはお見事。菊池さんのこだわりに触れながら、さらに細かく着こなしのポイントを見ていこう。

ディテールに見る配慮と遊びを楽しむ

ポイント1

ディテールに見る配慮と遊びを楽しむ

「細かいところまで気を配ることが重要で、それによりもっとおしゃれを楽しめるようになりますよね」とは菊池さん。たとえばこのチンストラップ。「トレンチコートや昔のワークジャケットによく見られる防寒を意図したディテールですけど、それをテーラードジャケットに採用する自由がいいですよね」。そう話し、今回はラペルを立ててスタイリング。「着こなしの幅が広がりますし防寒にもなる。その配慮と遊びを理解することが近道です」。

自分を知っているからこそできるアレンジ

ポイント2

自分を知っているからこそできるアレンジ

菊池さんいわく、「自分を知っている」ことが大人と呼ばれる所以のひとつに挙げられるとか。体型も同様で「自分に似合うシルエットを諸先輩方はよく心得ていますよね」と自身の周りの人たちに鑑みて話す。「だから無理がないですし、シルエットの美しさのその先を見越せる」と指摘。その先とはつまり、自分流のアレンジだ。「カットオフなど、自分ならではの変化付けがやはり違いを生むと思います。それだけでも見た目はがぜん見違えますから」。

突飛ではない異色のカラーパレットで

ポイント3

突飛ではない異色のカラーパレットで

昨今のトレンドカラーといえば、ネイビーやモノトーンが挙げられるだろう。ただ、ワントーンの着こなしに見られるようにコーデが少々画一的なのも事実。そこで「ハズさない自由」が大切なのではと菊池さんは語る。「ネイビーとブラックはいわば万能色。合わせて着ても問題ありません。それをトレンドだからと偏らせるのではなく自由に合わせるのもアリですよね」。そのため、今回はブラックデニムを選択。それにより見た目の新鮮さが蘇る。

大人の着こなしに味方するアイテムをカテゴリーごとに紹介

さまざまなアイテムを駆使し、大人にうれしいスタイリングを披露する菊池さん。そこで、今冬の着こなしに役立つアイテムを、アウターから小物にいたるまでピックアップしてもらった。

『サイ』のステンカラーコート

アウター

『サイ』のステンカラーコート

着用時に出るきれいなAラインシルエットが、ステンカラーコート特有の品の良さをさらに後押しする。「ベーシックなアイテムではありますが、程よく浮き上がったパッカリングが適度なアクセントになり、立体的にも見せられます」と、普段から自身も愛用している。/写真は菊池さん私物

インナー

『ジョンスメドレー』のクルーネックニット

「ハイゲージニットは、温かさだけでなく大人にとって理想的な気品を振りまくことができます」と選んだのは230年近い歴史を誇る英国の老舗。こちらは、長い歴史の中で意外にも作られてこなかったボックス型。メンズでは普段採用されない細めのリブも注目。

パンツ

『インコテックス』のストレッチチノ

「何より圧倒的な美しいシルエットが目を見張ります」とイタリアきっての名門の一本を選択。「パンツ専業ブランドならではの高度な縫製技術がすばらしい」と、チノパンではあるが、テーラードジャケットとも引かれ合う美しさとはきやすさを併せ持った人気モデルを絶賛。

『ジェイエムウエストン』のローファー

シューズ

『ジェイエムウエストン』のローファー

「気張りも気取りもなく履ける革靴は重宝しますよね」と推薦する一足は、出張でフランスへ赴いた際に現地で購入したもの。「見た目が洗練されていて、なおかつとっても履きやすいのが心地の良いところ」。そう話し、週に2〜3度は足を通す同氏のレギュラー靴。

帽子

『キジマ タカユキ』のハット

仕事でもよく利用させてもらっているという『キジマ タカユキ』のハットは、「縫製からくる気品や端正な顔立ちが魅力」と賞賛を惜しまない。こちらは、定番のブリムハットをよりエレガントにアレンジしたもので、ブリムの程よい大きさがコーディネートになじんでくれる。

アイウェア

『オリバーピープルズ』のコンビフレームメガネ

「印象を決定づける効果的な小物」というアイウェアはコンビフレームを推薦。「クラシカルなフロントとシャープなサイドの二面性」を魅力に挙げ、とくに創業時のコレクションの復刻であるこちらは、「細身のブリッジや彫刻が施されたテンプルがおしゃれ」と一推しとか。

腕時計

『ブライトリング』のメタルバンド腕時計

航空クロノグラフの先駆者である『ブライトリング』は、メカ好きな男たちの憧れ。菊池さんも同感するが、中でも「“らしくない”風貌がさまざまなシーンにフル活用できそうです」とこちらをチョイス。1957年に発表した初代を復刻した作品で、ミニマルな美しさが秀逸。

巻き物

『ジョンストンズ』のマフラー

冬の着こなしにおいて重宝すると全幅の信頼を寄せるのがマフラー。『ジョンストンズ』のマフラーは、繊細な編みでやや薄手に仕上げられていますが保温性は抜群。「スマートに身につけられます」と話す。こちらはややハリのある生地感で使うほどになじんでくる。

菊池陽之介さんが目に留めたファッショニスタ厳選5スタイル

大人が実践したい冬の着こなしということで、さまざま語っていただいたスタイリストの菊池陽之介さん。最後に街の着こなしを見てもらいながら、目に留まった方々をピックアップしてもらった。「みなさん上手ですね」とプロが舌を巻いた厳選5人がこちら。

「トラッドな着こなしはやや堅い印象に仕上がる場合もありますが、インナーへジージャンを加えたことですんなりカジュアルダウンさせた点がうまいですね。米英のミックス感をうまくワンスタイルに落とし込んだ好例といえます」。

「コーチブルゾンを同色のパンツと合わせ、セットアップ風に着こなした点が技ありです。スポーティーなアイテムですが大人っぽく見えますね。濃度を抑えたデニムシャツを加え、胸元に奥行きを出したところも好印象です」。

「スウェットパンツはラフさを中和させるのが第一。その点をよく心得ていると思います。シックなネイビートーンでトップスをまとめ、タートルニットやウールコートで上品さを出したバランスの良さが光ります」。

「まさに大人が参考にしたいストリートルックだと思います。パンツにスラックスを選んで格上げを図りながら、モノトーンを中心にスタイリングしたことで、ストリート特有のソリッドさとモード感を巧みに融合させています」

「ダウン系のアイテムは野暮ったさをどうするかが悩みどころですが、その解答として適任。色みを引き締めながら素材感を楽しみ、さらに上品なパンツとクリーンなスニーカーが都会的な雰囲気を演出していますね」。


photo_Katsunori Suzuki(出典記載の写真を除く)

取材協力/スタイリスト菊池陽之介さん

さまざまなメンズファッション誌やブランドカタログで、大人のツボとトレンド感を抑えたスタイリグを披露する人気スタイリスト。ほかにも、CMや広告、さらにはタレントの衣装も担当するなど活躍のフィールドは多岐にわたる。

取材協力/スタイリスト菊池陽之介さん

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