
かつての脇役が今や主役。ライナージャケットで取り入れる旬なおしゃれ感
ダウンに替わる枠として、ライナージャケットの人気がじわじわと高まってきています。その戦力の高さを生かすために押さえるべきポイントを、即戦力候補と一緒にご紹介。
メンズにも逆輸入。ミリタリー由来のライナージャケットが便利なんです
ポスト・ダウンジャケットの選択肢として、人気の高まりを見せているのがライナージャケットです。読んで字のごとく、元々はインナーだったものがアウター使いに昇格されたものですが、同じ中綿系のダウンジャケットに食傷気味な人にとっては新鮮味があり、かつダウンほどの保温力が必要のない都市生活においてはちょうど良い塩梅の温かみを有している点が魅力。レディースでの人気がメンズにも波及してきたパターンゆえ、男気溢れる服でありながら女子ウケもすこぶる良好というありがたい要素も。この冬の主力アウターとして使わない手はありません。
まずは、「そもそもライナージャケットとは何?」というおさらいから。元々は1950年代から60年代にかけて寒冷地対応のミリタリージャケットやコートのレイヤリングシステムとして開発されたもので、M-51やM-65といった型番ごとに専用の着脱式防寒ライナーとして用意されていました。初期から存在するモデルは天然繊維であるウール製が基本ですが、最も一般的なのは化繊の中綿をキルティング仕立てで挟み込んだもの。進化版として、ボアフリースを採用したものも存在します。現在はこうしたミリタリー出自のウェアを民生用に落とし込んだものに加え、ファッションに寄せたタイプも選べるような環境が整っています。
ライナージャケットを選ぶとき、気にしておきたい3つのポイント
ライナージャケットを選ぶうえで、気にしておきたい要素は3点。本分である保温力、見た目や使い勝手を左右するフロントの仕様、そしてこだわると楽しい型番に留意しましょう。
ポイント1
何はともあれアウターですから。温かさは重視しよう
ライナージャケットの持ち味であり、本分でもあるのが保温力。アウターに対して一般的なダウンほどの温かさを求めていないとしても、真冬にアウター使いするのであれば一定のレベルには達しているべきです。前述のようにボディの仕立てが中綿なのかリアルダウンなのかによって保温力が変わるうえ、昨今は従来の羽毛のような偏りなしで使えてボリューム感を抑えられるシンダウンを使ったものや、シンサレートに代表される高機能中綿を採用したものも存在します。使用シーンや合わせるインナーと相談しながら、最適な保温力を持った1着を見つけましょう。
ポイント2
フロントはスポーティなジップか、ニュアンスをつけやすいボタンか
フロントはボタンフライが基本ですが、ごく稀にアウター使いしやすいようジッパーを採用したタイプも存在します。ボタンフライの場合は、全留めにするのか全開にするのかによって印象が変わるだけでなく、上留めや中留めでニュアンス調整することも。一方、脱ぎ着の楽ちんさではジッパーに軍配が上がります。
ポイント3
ミリタリー好きなら、ここまでこだわる。型番までチェックしよう
ライナージャケットの一歩踏み込んだ楽しみ方といえるのが、型番にこだわること。冒頭で少し触れたように、ミリタリージャケットとのセット使いを前提に開発されたものなので、ミリタリージャケットのレプリカとして作られたライナージャケットには、M-65、M-51といった型番に対応したものが作られています。キャトルジャケット用の長丈タイプなどを含めると、選択肢は意外と豊富。軍モノがお好きならば、目を向けると楽しみ方が広がりますよ。
攻略の鍵は“首元”と“サイズ”にあり。ライナージャケットの着こなし方
ライナージャケットを着こなすうえで、意識しておきたいポイントは2つ。まず1つ目は、首元の合わせ。このタイプのジャケットは、ライナー使いした際に襟に干渉しないようノーカラーを採用しているのが基本です。これにクルーネックや同じようなノーカラー系のインナーを合わせてしまうと、首周りが物足りない印象に。なので、タートルネックやハイネックといった首元に何かしらのアクセントがあるものを選ぶのがベターです。もう1つの留意点は、シルエットとサイズ感。ライナージャケット自体はダウンなどと比べると比較的薄手です。元々がインナーなので当たり前ですが、これをジャスト~タイトめで着てしまうと、寒々しく見えてしまいます。これを回避するためには、肩幅、身幅、腕ぐりに余裕を持たせたオーバーサイズの1着をゆったりボリューミーに着こなすのが賢明です。
着こなし1
鉄板のフーディで首周りにボリューム感をプラス
こちらは、一撃でノーカラーアウターの物足りなさを吹き飛ばせるフーディをインしたコーデ。オリーブドラブのライナージャケットに対し、黒のフーディを合わせることでノーカラーのゆるさも払拭され、男らしい印象に落とし込むことに成功しています。
着こなし2
それでも丸首を合わせたいときは、インを柄モノに
首周りがもたつくのが苦手という人は、こちらのコーデが良きお手本に。インナーは丸首ですが、無地ではなくボーダー柄を持ってきているのがポイント。これだけで首周りをすっきり見せつつ、柄によって物足りなさも解消されています。同じ柄でも清潔感溢れるボーダーを選ぶことで、ライナージャケットの武骨さもちょうど良い塩梅で和らげられているのが見て取れます。
人気ブランドからも続々。着こなしの即戦力になるライナージャケット12選
本物志向のレプリカから、セレクトショップのフィルターを通して街顔にチェンジしたものまで、デザインと性能の両面で納得して着られるライナージャケットのおすすめをご紹介します。
1着目
『タンク』ヒートシステム リバーシブルブルゾン
『ジャーナル スタンダード レリューム』が手掛けた本作は、見た目こそミリタリー顔のライナージャケットですが、独自開発のヒートシステムを内蔵した高機能設計が自慢です。別売りのバッテリーを接続して着れば3段階の温度調節ができ、ボディにも熱伝導率が高いグラフィンと呼ばれるシート状の素材を使用しているため、見た目以上の温かさが期待できます。
2着目
『米軍デッドストック』M-65 モッズコート用ライナー
本物志向を追求したい方も納得のクオリティを備えているのが、こちらの米軍のデッドストック。M-65モッズパーカー用の中綿入りライナージャケットゆえ、着丈がコートほど長くはないものの、Mサイズで80cmもあります。お尻がちょうど隠れるくらいの長丈アウターとして着こなすにはうってつけのレングスです。表地のナイロンはリップストップ織りで、タフさも申し分ありません。
3着目
『ユニバーサルオーバーオール』キルトジャケット
オニオンキルトや耐久性に富むリップストップ生地といったライナージャケット仕様を踏襲しつつ、街顔のアウターとして仕立てられたのが本作。着丈を少し長めに設計したボックスシルエットは、アメリカブランドのカバーオールをイメージしたものなのだとか。また、首周りやフロントのコーデュロイのトリミングが好アクセントになっています。加えて、デュポン社のソロナと呼ばれる高機能中綿を内蔵しているため、温かさも折り紙付きです。
4着目
『ヒューストン』M-51パーカー シンサレート ライナー
日本を代表するミリタリーカジュアルブランドによる本作は、M-51タイプのモッズパーカー対応のライナージャケット。本作も着丈は長め(Mサイズで86cm)で、フロントがジッパー使用になっているのが特徴です。袖口にリブが付いているのでアウター見えしやすく、袖からの冷気をシャットアウト。中綿には、薄手でも高保温力が期待できる高機能中綿のシンサレートを採用しています。
5着目
『イギリス軍デッドストック』ダブルフロントキルティングライナー
イギリス軍が1990年代に採用していたデッドストックとなる本作は、いかにも英国らしいダブルブレステッド仕様が新鮮です。キルティングも米軍とはまた違う品格を感じさせるダイヤキルトで、脇下はメッシュで切り替え。ベンチレーション機能も付与されています。米軍のもののようにパッチポケットが付いていない潔い設計が、長丈のすっきりとしたシルエットによく映えます。
6着目
『バズリクソンズ』タイプM-65ライナー
こちらは、M-65フィールドジャケット用のライナージャケットをフロントジップ仕様に変更し、単品で着られるデザインにモディファイした1着。フロントジップの上からストームフラップのように前立てをスナップボタンで閉じる設計ゆえ、アウター見えしやすいのはもちろん、防風性の面でも優秀です。
7着目
『ジャーナル スタンダード』M65 カラーライナー キルティングジャケット
アウター使いするにあたりオーバーサイズで着こなしたいという場合は、Mサイズで身幅が70cmというビッグシルエットに落とし込んだ本作が狙い目。収納力の高い大型のパッチポケットは力強いアクセントになる一方、手ぶら外出派の心強い味方になってくれます。別売りのモッズコートの中にセットして着用することも可能。
8着目
『バーラップアウトフィッター』リバーシブルライナージャケット
軽量かつ堅牢なパーテックスクァンタムを用いたシェルボディに、プリマロフトを封入したアウトドアブランドらしい作りでハイスペックさを追求。確かな保温力が期待できるうえ、裏返すとキルティングのないすっきりボディのノーカラージャケットとしても着こなせます。袖口はリブ付きなので冷たい風が入りにくく、チャリ派の良き相棒としてもうってつけ!
9着目
『ビューティ&ユース』キルティング バルーン ライナー コート
ヴィンテージライナージャケットの雰囲気を再現したリップストップタフタを使い、たっぷりとしたバルーンシルエットを描いた1着。着丈の長いオーバーサイズボディは、ワイドパンツやフレアパンツといった旬のパンツとの相性も抜群です。写真のゴールド(ベージュ)は、オリーブや黒といったいかにもな配色が苦手な人の選択肢として魅力的。別売りのモッズコートとのセット使いも可能です。
10着目
『エディフィス』ミリタリーライナー 2WAYキルティングコート
オーバーサイズを採用しつつライナーを特徴付ける着脱タブなどのディテールをそぎ落とし、都会的なアウターとして着やすいデザインにアップデートしたのが本作。しなやかなリップストップナイロンに洗いをかけることでキルティングの立体感を強調するなど、ミニマルながら存在感のある1着に仕立てられています。
11着目
『アルファ インダストリー』2WAY リバーシブルボアキルトライナーコート
こちらは、従来のキルティングジャケットとしてもフリースジャケットとしても着られる両A面仕様。ボディにはMサイズで身幅62cmのオーバーサイズシルエットを採用し、どちらを表面に着てもパッチポケットが使えるようにするなど、実用性も文句なしの作りとなっています。
12着目
『ロッキー マウンテン フェザーベッド』ライナーダウンコート
薄手でもしっかりとした保温力が欲しい場合は本作を。ダイヤキルトが映える高密度ナイロンシェルに高品質なダウンとフェザーを90%対10%でフィリングしているので、ライナー使いもアウター使いもできる厚みながらダウン特有の温かさをしっかり体感できる仕上がり。フィッシュテールを採用し、モッズパーカー見えするデザインになっている点もライナージャケットとしては極めて新鮮です。
この記事の掲載アイテム一覧(全6商品)
画像をタップクリックするとアイテム詳細が表示されます
-
『米軍デッドストック』 M-65 モッズコート用ライナー
-
『ユニバーサルオーバーオール』 キルトジャケット
-
『ヒューストン』 M-51パーカー シンサレート ライナー
-
『イギリス軍デッドストック』 ダブルフロントキルティングライナー
-
『バズリクソンズ』 タイプM-65ライナー
-
『ジャーナル スタンダード』 M65 カラーライナー キルティングジャケット
掲載アイテムをもっと見る(-6商品)
KEYWORD関連キーワード