知らなかった……靴のこと。フォーマル度別に革靴番付

知らなかった……靴のこと。フォーマル度別に革靴番付

革靴には、外羽根、内羽根、プレーントゥ、ストレートチップなど、いろんなデザインがあります。これ、実はフォーマル度が違うって知ってましたか?

池田 やすゆき

2017.02.06

通勤用革靴
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知っていますか? 革靴のこんなことやあんなこと

革靴のデザインは「ラスト」と呼ばれる木型のフォルムとともに、つま先「トゥ」と靴紐を通す部分「羽根」の組み合わせで決まります。今回は、意外と知られていない"デザインの組み合わせ方でフォーマル度が変わる”ということをご紹介しましょう。

「内羽根靴」とは、靴紐を通すハトメの取付け部がアッパー革と一体もしくは甲革の下に入るように作られていて、羽根がぴったり閉じるような仕様になった靴のこと。「外羽根」はハトメの取付け部がアッパー革の上部に縫い付けられるように作られていて、羽根が閉じてもちょっと隙間があるような仕様になった靴のことです。ちなみに、こちらの画像は「内羽根」。

冠婚葬祭などフォーマルな席には「内羽根靴」、ビジネスや休日のカジュアルには「外羽根靴」を履きます。これは靴そのものの出自の違いによるものです。「内羽根靴」はもともと室内での正装時の靴で、式典などで着用します。それに対して「外羽根靴」は、軍靴や屋外作業用の靴として誕生したものですので「仕事靴」「外用靴」、つまりビジネスでの着用を推奨するという認識なんですね。こちらの画像は「外羽根」です。

お話したとおり、内羽根靴はそもそも貴族が室内での執務に就くときや、式典で着用する靴の仕様ですので、室内で執り行う冠婚葬祭などの行事のときは内羽根の靴を履きます。結婚式やお葬式に出席するとき「野外パーティーは?」と聞かれることがありますが、パーティーは式典ですので内羽根優先でよいのではないでしょうか。

トゥのデザインはストレートチップがもっともフォーマルです。なぜストレートチップが一番フォーマルで、プレーントゥではないのかという理由については諸説あります。その1つにまだ製靴技術が未熟だった時代、アッパー1枚のプレーントゥでつま先を美しく仕上げるのが非常に難しかったことが理由という説があります。

靴職人は美しい靴を作るためにさまざまな工夫をしていました。その際、別革を使ってつま先をくるむストレートチップ仕様にすることで、最も美しい形を作り出すことができたのだそうです。その後、技術が進歩してプレーントゥでも美しくつま先を成形することができるようになりましたが、今もその当時の名残からフォーマルな席ではストレートチップを選ぶのだそうです。靴作りの歴史に敬意を払うためと考えれば、納得いかないこともない理由ではないでしょうか。もちろん内羽根のプレーントゥをフォーマルな席で履いてはいけないということはありませんよ。

知っておきたい! その3 ビジネスには「ウィングチップ」などメダリオンシューズを

各パーツのエッジにピンキングと呼ばれるギザギザのカットがされていたり、パーフォレーションと呼ばれる穴飾りが施された靴は、野外を歩いたときに靴に傷がついても目立たなくするための飾りといわれています。つまりアウトドアシューズの名残なんですね。ウィングチップはその最たるもので、ピンキングと穴飾りの両方が使われる外歩き靴の最たるものです。

本来、この「外歩き」は貴族が狩りをしたり自分たちの領土を見回るためのものでしたが、現代ではビジネスマンの「外回り」に通じるため、ビジネス靴としてウィングチップが重宝されているようです。プレーントゥではつま先に傷がついたときに目立ちますし、ストレートチップではドレッシーな見た目になりすぎますので、ウィングチップの適度な“仕事感”はビジネスマンに最適ではないでしょうか。

モカ縫いと呼ばれる甲のU字型のステッチ部分があるのは、もともとは靴底から革を持ち上げて袋状にして蓋をする「モカシン」と呼ばれる靴の特長的なもので、形状に丸みをもたせるための技術でした。しかしその後、革を立体的に成形する技術が進歩したためU字のステッチはデザインとして残りました。このUチップと呼ばれるデザインは、モカシン由来ですので本来はカジュアル向けです。カジュアル靴のなかでもシンプルなデザインですので、ビジネススタイルに合わせても違和感はありません。

冠婚葬祭には許されるのは黒靴と心得ておきましょう。結婚式の二次会ぐらいでも、黒靴を選ぶのが基本です。茶靴はあくまでビジネスもしくはカジュアルスタイルのときに着用するように。というのもフォーマルのドレスコードに茶靴はそぐわないからです。フォーマルにおいては、最もシックでドレッシーなダークカラー、もしくは白が優先されます。土色と同じ茶色は、ドレスのイメージからは遠いので、たとえ内羽根のストレートチップでもフォーマルには使わないのが常識なのです。

フォーマル度が高い順にご紹介! 革靴番付

では、順を追って結婚式の主役=新郎が履くべき靴から日常の通勤靴、休日のレストランへ出掛ける靴まで、大人が履くべきフォーマル靴のランキングを具体的に見ていきましょう。自分の靴がどのランクの靴なのか理解したうえで、用意しておいたほうがよい靴を知っておきましょう。

ストレートチップより格上のフォーマル靴がオペラパンプスです。これは結婚式の新郎や叙勲式に出席する際、演奏会の指揮者、舞踏会の主演など、最高位の礼装が求められるときの靴ですので一般的ではないかもしれません。そのかわりデニムなどに合わせて着くずという手がありますが。

冠婚葬祭から、会社の記念式典など礼装を求められる席には黒の内羽根ストレートチップを。大切な仕事のプレゼンや、クライアントに謝罪に行くときも使えますよ。大人の男性なら、これぐらいはシューズクロゼットに用意しておきたいですね。

一般的にプレーントゥは外羽根式が多いのですが、内羽根プレーントゥは製靴技術の高さあってのものですので当然値段も高価です。ストレートチップより格上といえなくもないですが、趣味性も高いものですので、履いていく場所を選びますね。仕事でもプライベートでも一世一代の勝負どころで履けば、気合いも入るのではないでしょうか。

ストレートチップの切り替えの部分に穴飾りが施されたものを「パンチドキャップトゥ」といいます。トゥキャップに穴飾りが施されたものもありますが、トゥはプレーンなまま一文字に装飾が入っているぐらいが、ビジネスでもフォーマルでも使えるぎりぎりのところではないでしょうか。ひも穴の横や、フチにそって穴飾りが入るものもありますよ。

革靴の定番として誰もが一度は履いたことのある靴だと思います。英国靴の定番デザインですので、ビジネスシューズなど普段履きの革靴としては申し分ないのですが、フォーマルには避けたほうがいいでしょう。穴飾りが羽根のフチにまで全面に入っているものを「フルブローグ」と呼んだり、控えめなものを「セミブローグ」、ウィングから伸びる穴飾りがヒールカウンターまで続いているものを「アメリカンロングブローグ」と呼んだりもします。

「怠け者」という意味のローファーをはじめ、スリッポンは本来ドレッシーなスーツには合わせてはならないとされたカジュアル靴です。ですのでフォーマルな席には履いていかないのが基本ですね。ただしスリッポンは、コインローファー、タッセルローファー、ヴァンプシューズ、ビットモカシンなど、さまざまな種類がありまして、時と場合によってはOKなことも。タッセルやビットは装飾的な要素がありますので、履いていっても違和感ない場合もあります。ただし許されるのは黒の表革に限りますのでご注意を。

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