
パーカーコーデのヒント集。選ぶポイントと着こなし方を完全網羅
メンズ服の中心的存在ともいえるアイテム、パーカー。そのアレコレについて今さら……と思っている人にこそ読んでほしい。達人になる選び方や着こなしのツボをご紹介。
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メンズのコーデに必須なパーカー。大人ストリートにもきれいめのハズしにも大活躍
パーカーの起源はアラスカに住む民族の防寒着といわれているが、ファッションとして頻繁に着られるようになったのは1970年代ごろからだとされる。マリンブームによりヨットパーカーが流行し、スウェット生地のフーディをこぞってNYのラッパーたちが愛用。アメリカの高校や大学でも愛用されるなど広く浸透していった。そんな背景があるからこそ、さまざまなスタイルのアイテムがあるのも大いに納得。今となっては、秋冬はもちろん春先にも重宝し、旬の大人ストリートのキーアイテムとして、またはきれいめな着こなしに抜け感を作るための妙手として八面六臂の活躍を披露してくれている。
大人が手にすべきパーカーとは? 選ぶときの三大ポイントをチェック
あらゆる時代に顔を出し存在を誇示してきたパーカー。ベースがシンプルなだけに、さまざまなアレンジが加えられ、都度バリエーションを増やしてきた。今ではその種類は数知れず。では、年を重ねた大人たちは今どんなアイテムを手にするのが理想的なのだろうか? ここで改めて、大人目線な選び方をおさらいしておきたい。
▼ポイント1:シンプルなデザイン&落ち着いたカラーを選ぶべし
パーカーが世に広まった理由のひとつとしては、比較的リーズナブルでTシャツのようにシンプルな構造であることが挙げられる。ゆえに、プリントやアレンジを加えたもの、鮮やかなカラーリングを施したアイテムなどがこれまでシーンをにぎわせてきた。とはいえ、浮ついてばかりもいられないお年ごろとなった今、それらに手を出すのは考えもの。やはり無地があらゆるシーンで使いやすく、カラーは基本に戻ってグレーなどのモノトーンや、もしくはネイビーなどのダークトーン、淡い色味のペールトーンといった落ち着いた色が最終的には功を奏すことになるだろう。
▼ポイント2:トレンド感が盛り込める、ややオーバーサイズのもので
デザインや色がコンサバな分シルエットには気を配りたいところ。タイト過ぎてはパーカーの長所でもあるリラックス感を存分に味わえないし、最近の流れ的に程良くオーバーサイズのものを選びたい。とはいえ気をつけたいのは青春時代に向き合ったころの、あの往年のルーズフィット。ダラッとした姿を公衆の面前にさらすのはいただけない。時には襟元を正すべき大人であれば、肩をやや落としたボックスシルエットで、着丈はジャストが基本路線。“程良く”をとことん意識したい。
▼ポイント3:プルオーバーかジップアップか。目指すスタイルに応じてセレクトを
ひと口にパーカーといえどバリーションの幅は広い。大別すれば、頭からすっぽり被るプルオーバー型か、フロントにファスナーの付いたジップアップ型の2タイプに分けられるだろうか。どちらも扱いやすいアイテムに変わりはないが、前開きか否かでは見た目は大いに異なるため自身の目指す着こなしに応じて使い分けたい。
タイプ1
スポーティさが香る「プルオーバー」タイプ
プルオーバー型は、フード付きで頭からすっぽり被るタイプ。左右からアクセスでき、中でつながっているカンガルーポケットもプルオーバーならではの特徴的なディテールといえるだろう。その誕生は1940年ごろといわれ、当初はスウェットシャツにフードを縫い付けたものが一般的だった。以降、徐々に一体型へと変化していくこととなる。トレーニングウェアとして浸透しただけにお堅い着こなしをほぐす一手としては格好のアイテムで、同じ道を歩んできたアメカジやアメトラとも相性は抜群だ。ちなみに、スウェット生地のものは、正式的にはフーデッドスウェットシャツと呼ぶ。海外で“パーカー”というとフード付きアウターのコーナーに案内されるのでご注意を。
タイプ2
アウター感覚で着られる「フルジップ」タイプ
フード付き、袖や裾のリブ、袖付けなど各所のディテールはプルオーバータイプと大きくは変わらない。やはり、大きくわかれる点はフロントにファスナーが取り付けられていることだろう。そのおかげで脱ぎ着がしやすく、ジップの上げ下げにより体温コントロールが容易にできる。もうひとつのポイントは、インナーとの関係がより密になるということ。インナーに合わせるアイテムによって表情を変えられ、プルオーバー型よりアウター的感覚に近いかもしれない。インナーとの絡みを考えれば、Tシャツの上から羽織る際には上質で端正なものを、シャツの上からならよりカジュアルに。そんな目線で選んでみるのも良い。
タイプ3
今なら適度にリラックスできる「ハーフジップ」という選択も
今なら選択肢のひとつにハーフジップを取り入れるのも良いだろう。いわゆる、前立てのファスナーがチェスト部分までしかないフーディのこと。体温や通気性の調節を兼ねたディテールにより、スポーツウェアやアウトドアウェアなどではわりと広く知られるタイプだ。ただ、より認知されたのはおそらく90年代。ヒップホップアーティストやスケーター、DJたちがこぞって着用したことがスイッチとなり多くのティーンに広まった。当時の着こなしにならうのも手だが、大人であれば品良く着こなしたい。
洒落者たちから学ぶパーカーコーデ術。スタイル別にご紹介
見渡してみると、目を引く着こなしを実践する者の多くがパーカーを取り入れていることがわかる。それはなにも無難にまとめるための手段ではなく、コーディネートを魅力的に見せるための妙手として。やはり、ファッションのイロハをよく心得た者ほど、パーカーのありがたみだけでなく扱い方も熟知しているものだ。
▼スタイル1:きれいめスタイルのハズしとしてパーカーを活用
いい大人であれば、常にキリッとした端正な出で立ちを意識したいところではある。しかし、見ようによっては気取っているとも受け取られかねない。そんな微妙なさじ加減をうまくコントロールしてくれるのがパーカーだ。特有のカジュアルさをサラッと取り込めば、凛々しい出で立ちの中に大人の遊び心を醸し出すことができる。
コーデ1
ドレス色強めなセットアップを街着に仕立てるインナー
ドレッシーなダブルのジャケットはまさに大人の必需品。とはいえ、普段から着るとなるとやはりハードルの高さを感じるかもしれない。しかも、共布のスラックスでセットアップスーツ風な佇まいとなると、見る人によっては少々気取り過ぎとも思われかねないが、その緊張を解きほぐしてくれるのがパーカーだ。こちらでは、同系色を選びジャケットの品の良さを損なうことなく馴染ませている点が出色。首元から見せた白Tの抜け感もいい塩梅だ。
コーデ2
旬のカラーリングにさりげなく見せた遊びゴコロ
ペールトーンは今季のキーカラーのひとつ。しかも、ホワイト→アイボリー→ベージュとグラデーション調に合わせればセンスの良さがなおさら光るだろう。とはいえ、カラーのまとまりを図りながらも、シャツ、ロングコート、チノパンというお決まりのきれいめなアイテムを合わせたところで感じるのは単調さ。その物足りなさを補っているのが程良くボリュームのあるパーカーである。色の足並みを合わせつつ、大きめサイズを選んだその茶目っ気がスタイルに豊かな表情をもたらすはずだ。
コーデ3
直球的な大人コートの堅苦しさは内側で解決する
ステンカラーにせよ、チェスターにせよ、トレンチにせよ、やはり長丈コートの威力は絶大だ。それ1着でスタイルに大人っぽさが加わり、シュッとした印象を後に残す。ただ、そこへ更にジャケットやスラックスを合わせてしまうとトゥーマッチ。途端に非日常感が顔を出してしまう。となれば、パーカーぐらいを合わせるのが実にちょうどいい。ハーフジップで白Tの抜け感をアピールしながら足元も白でハズす。そしてフーディと相性抜群のジーンズをはけば、今風の大人カジュアルの完成となる。
コーデ4
アウターとしてパーカーを着る好サンプル
ジャケットやシャツ、スラックスによって簡単に大人っぽさは打ち出せるもの。しかし、スウェットやカジュアルパンツでも、素材にこだわりながらエレガントな見た目の1着を選ぶことで瞬時に好印象を手にできる。こちらはその好例。中にはそのエレガントさがツヤっぽさとして伝わる場合もあるが、その抑止力となってくれるのがパーカーというわけである。今回はフライトジャケット風のデザインをあしらった異色作。シャープな黒がアースカラーで仕上げたベースコーデをうまく引き締めてくれる。
▼スタイル2:王道のアメカジとの合わせはまさに鉄板
アメリカンカルチャーのひとつとして現地の大学生の着こなしが日本に紹介されてから、関連するアイテムがシーンに与えた影響は大きい。パーカーもそのひとつである。ゆえに、アメカジとの相性は誰もがよく知るところ。とはいえ、当時のブームにならった着こなしではコスプレ感も出かねないため、シルエットや合わせるアイテムで今の風も取り込みたい。
コーデ5
ミリタリーのヘビーさをいなす緩和剤としてパーカーを
MA-1にチノパンの合わせは、まさに“THE”な着こなし。どこか往年のハリウッドスターを思わせる出で立ちだけに、ノスタルジーを感じてしまうところだが、その気分を軽やかにいなしてくれるのがスポーティなパーカーだ。グレーを選べば、フライトジャケットの王道が醸すいかついオーラも自然とやわらいで見えるはず。アメカジ&ミリタリーと聞くとどこかいなたい空気になりがちだが、インナーへ加えたさりげない緩衝材によりグッと今っぽい雰囲気になること間違いなし。
コーデ6
全体のシルエットをパーカーでチューニング
トップにボリュームを持たせつつ、バランスをとるかのようにボトムスはタイトめで。この大胆なVラインは、今っぽいシルエットバランスのひとつ。ゆえに、たっぷりめなアウターを選ぶことに異論の余地はないが、上下のメリハリのつけ過ぎにはちょっとした違和感も出かねないので注意が必要。ただ、ライトグレーでさりげなく主張させたちょいユルなパーカーでその仲を取りもつことにより、その違和感はたちまち解消できる。
コーデ7
メキシカンパーカーでいつもと違うデニムスタイルを
メンズカジュアルの永久欠番的なアイテムとして、真っ先に挙げられるのはやはりジーンズだろう。そこへ同様のパーカーを合わせれば不滅のアメカジコーデが出来上がる。しかし、“ド”がつくほどの定番だけにやはりアップデートが必要だ。例えば、パーカーを昨今注目されているメキシカンパーカーに変更してみると、それだけでも新鮮に見違える。ピスタチオカラーならなおのことで、淡色イエローとのコンビにより周囲との差別化を図れるはずだ。
コーデ8
ワークセットアップの武骨さをパーカーでいなす
ここ最近のアメカジ人気が背中を押し、ワークウェアが巷をにぎわせている。となれば、こんなセットアップを着込めば瞬時に旬感を手に入れられるというもの。ただ、タウンユースの際にキモとなるのは特有の武骨さをどう緩和し街へと馴染ませるかということ。そんなときにも役立ってくれるのがパーカー。同じカテゴリゆえ拒否反応は起きにくく、しかもスポーティな見た目からくる軽やかさが、ワークの重苦しい雰囲気を巧妙に中和してくれる。
▼スタイル3:スポーティに着こなせばアクティブさが演出できる
おしゃれに我慢をしなくなったアクティブ派な大人の心強い味方といえば、やはりラクで便利なテック系アイテムだろう。とはいえ、そのまま合わせてしまっては単なる“スポーツウェア”に終始してしまう。そこで、スポーツシーンでも活躍してきたパーカーに活路を見出したい。上級者たちのそのテクニック、とくとご覧あれ。
コーデ9
異なるテイストのアイテムを結びつける定番の威力
片やアウトドア色の強いフリースアウター、片やスポーティな印象のシャカパン。どちらも旬を巧みに捉えたアイテムセレクトでアクティブ&ラクに着られる今シーズンの必須アイテムである。とはいえ、もとは活躍の場が異なるアイテムを街との距離感を縮めながらワンスタイルにどう落としこむか、その鍵はパーカーが握っている。両者とは異なるグレーを選び存在感を誇示したお馴染みのアイテムが、異なるテイストのアイテムのいい接着剤となるに違いない。
コーデ10
シャカ系セットアップを街へと誘導するフーディ
アウターはMA-1、そしてボトムスはカーゴパンツ。そう聞くとどこかヘビーにも聞こえるが、双方ともにシャカ系生地を採用しているだけにスポーティなセットアップのようにも見える。ただ、ポイントはそこではなくむしろ仲介役を担うパーカー。シャカ系生地で“運動着”のように見えそうなアイテムを、うまくタウンへと誘導する重要な緩衝材になっている。王道的な合わせでもどこか新しさをほのめかす、実に効果的な演出といえるだろう。
コーデ11
往年の配色が醸すハードルの高さをフーディで下げる
スポーティな着こなしが浸透した今、街着にその代表格を採用するケースも多々見られる。ウインドブレーカーをベースとしたアイテムも特殊ではなくなり、選択肢のひとつとして急浮上中だ。とはいえ、それをただ選べば良いというわけではなく、それをどう着こなすかが重要。クリーンな白パーカーとの合わせなら、往年の配色をあしらった個性派のアクの強さもやわらげることが可能。さらにボトムスにスラックスを選択すれば、グッと落ち着いた表情にまとまる。
コーデ12
重厚な黒でスポーツMIXをモダンに大人っぽく
スポーツと街との境界線が曖昧になったとはいえ、やはりナイロン系のブルゾンにはスポーツウェアならではの空気感がある。それをどうオブラートに包み込むかが着こなしのキモ。そこでパーカーの出番である。スポーツシーンをよく知るタウンユースの鉄板アイテムは、シャカシャカアウターとうまく馴染みながら街との親密さも高めてくれる。しかも、色を連動させればなおさら良い。シャープな色でまとめることで洗練された趣になるのだ。
▼スタイル4:旬なストリートMIXとも抜群の相性
音楽、スケート、アート。あらゆるカルチャーのカリスマたちが身につけたことで、ストリートシーンでもパーカーは欠かせない存在となった。改めて90年代ファッションが見直され、新解釈のもとニューノーマルなストリートスタイルが生まれている中、上級者たちはどのようにフーディを取り入れているのか? 早速見てみよう。
コーデ13
直球的’90sなスタイリングを爽やかに仕上げる白
たっぷりとしたパーカーにポッテリなコットンツイルのパンツ。その姿に懐かしさを覚える大人もきっと多いかもしれないが、当時と一線を引くきっかけとなっているのがオールホワイトの着こなしだということ。特にすこぶる爽快なパーカーは、ラフなアイテムではあるものの、大人に必要な清潔感を存分にアピールしてくれる。しかも、アイボリーのボトムスを合わせ同系色ながらも違いを作り、小物に黒アイテムを取り入れたことでメリハリを生むことができる。
コーデ14
首元をはじめ各所から匂わせたストリートの香り
'90sストリートスタイルにおいて、パーカーは欠かせない存在だった。それを前面に押し出すスタイルもいいが、大人ストリートを考えるならさりげなく匂わせるぐらいがちょうどいい。モッズコートにモコモコのベストを合わせたレイヤード。その斬新なアプローチの奥から見えるのは黒のパーカー。太めなホワイトボトムスの足元は『ナイキ』の「ジョーダン1」。そしてその色をひろった鮮烈な赤のバケットハット。その匂わせが大人ストリートに効く。
コーデ15
アウターのタフさをいなし白パンの気恥ずかしさを救う
ダボダボのMA-1やゆったりめなスウェットパンツ。それだけ聞けば、多くの大人は'90年代当時のシーンを回想するだろう。片やタフな軍モノ、片やトレーニングウェア。合わせとしてはチグハグになりそうなものだが、アメカジの定番でありスポーツウェアでもあったグレーパーカーを忍ばせることでそのチグハグは途端に消え失せる。しかも、スウェットパンツに白を選び、パーカーとの差別化を図れば今っぽいアプローチとなるだろう。
コーデ16
シンプル イズ ベストの中に光る細部への配慮
パーカーとジーンズはアメカジの専売特許といえなくもないが、ストリートではゆったりめなシルエットのアイテム同士を組み合わせたこんなスタイルが横行していた。ただ、細部をアップデートさせることでノスタルジーよりもモダンさが先行する。パーカーの袖丈は8分丈でカラーはくすんだピンクを採用。デニムはとことん色落ちさせたアイスウォッシュのペインターでシルエットは現代的。これらによりモダンストリートが完成した好サンプルだ。
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