
長く愛せるアメカジブランド20選。いつの時代も男を魅了する名品をピックアップ
トレンドの波に飲み込まれることなく、いつの時代もおしゃれの軸足になってくれる普遍のスタイルといえばアメカジ。相棒として長く愛せる本物志向のブランドの宝庫です。
大人の味方、アメカジ。お気に入りのブランドをワードローブの軸に
トレンドは時代とともに変化をしながら繰り返し、移り変わるもの。ですが、その荒波の中で微動だにせず、いつの時代の変わらぬ軸足を保っているのが“アメカジ”というジャンルです。おしゃれに目覚めた頃に手にしたジーンズやスニーカーは、歳を重ねてからも変わらず魅力を感じるもの。クローゼットの中に定位置を占めているブランドがいくつかあるという人も、少なくないはずです。そんな普遍の魅力を宿すアメカジブランドとその代表作を、今一度おさらいしてみましょう。本場アメリカの名門に加え、本国以上に熱量の高いアメリカ愛を持った日本のアメカジブランドを、それぞれご紹介します。
基本の“き”から。アメカジは本場アメリカブランドの名品にお任せ
ひと口にアメカジといっても、その出自と世界観は多種多様。ワークウェアとしての出自を持つジーンズが、ファッションアイテムとして脚光を浴びた1950年代のユースファッションは、その源流の1つといわれています。映画『アメリカングラフィティ』の登場人物が纏っていたようなオールディーズスタイルや、名門私立大学の学生が発信源となったアイビースタイルとして認知されているものです。
一方で、1960年代から70年代にかけて西海岸で確立されたサーフ文化やバイカー文化に根ざしたファッションも、当時大きなムーブメントを巻き起こしました。こうしたアメリカンカルチャーは音楽や映画ともに世界に拡散され、世界の若者たちにとって憧れの存在となりました。ここ日本にも打ち寄せる波のように上陸し、独自のアメカジカルチャーを形成。“渋カジ”という独自のスタイルを生み出すまでにいたったわけですから、その影響力たるや相当なものでした。ということで、ここからはそんな本家で今なお変わらぬスタイルを貫く、普遍のアメカジブランドを見ていきましょう。
アメカジブランド1
『ポロ ラルフローレン』
古き良きアメリカ服をファッションに昇華した立役者といえば、『ポロ ラルフローレン』。映画『華麗なるギャッツビー』などの衣装で往年のアメリカンスタイルを表現する一方、ジーンズに代表されるアメカジの王道服においても数々の歴史的定番を生み出してきました。『ダブルアールエル(RRL)』で表現しているヴィンテージ服の世界観も、歴史の体現者としての誇りさえ感じさせる完成度の高さを誇っています。ポロシャツが絶大な人気を誇りますが、スイングトップも世代を超えて愛されている代表作。チンフラップ付きのボディに乗せられたポロプレイヤーロゴの刺繍が、タイムレスな魅力を放っています。
アメカジブランド2
『ディッキーズ』
アメリカらしい骨太なチノパンの代名詞といえば『ディッキーズ』。看板アイテムの「874」は、1922年にテキサスで創業したその翌年に製造されたワークパンツが原型となった名品です。それ以来、90年以上もの長きにわたって、ほとんどスタイルを変えずに作り続けられているマスターピースとして知られています。一般的なチノパンは綿素材のチノクロスを使用していますが、これは労働者の作業着として開発されたこともあり、T/Cツイルというポリエステルと綿の混紡素材が使われています。耐久性が非常に高く、撥水加工が施されているので汚れに強いという特性も。スケーターの定番バンツでもあるので、タフさは折り紙付きです。
アメカジブランド3
『ヴァンズ』
アメリカはカリフォルニアを象徴するスニーカーブランドといえば『ヴァンズ』。1966年の創業当初から存在するこの「オーセンティック」を筆頭にスケーターたちから人気を博したのが、ブレイクのきっかけです。いわゆる“スケシュー”の王道ブランドとして知られており、影響を与えたアーティストやデザイナーは数えきれません。使い回しを考えるなら無地一択でしょうが、ストリートブランドの空気を存分に楽しみたいなら豊富な柄モノや別注から選ぶのもアリ。なかでもブランドアイコンでもあるチェッカーフラッグ柄を描いたモデルは、現在もリアルなストリートにおけるアイコンになっています。
アメカジブランド4
『カーハート』
1882年にデトロイトで誕生して以来、汗して働く男たちの良き相棒として愛されてきた『カーハート』。鉄道技師用に作られたタフなオーバーオールがヒットし、アメリカを代表するワークウェアブランドに数えられるようになりました。堅牢なダック地をボディに採用した骨太なアウターもブランドの代名詞。脱ぎ着がしやすいジップフロントに仕立てられた「アクティブジャケット」は、ちょっとやそっとじゃヘタらない12オンスの地厚なダック地仕立てです。
アメカジブランド5
『リーバイス』
ゴールドラッシュに沸く1850年代のアメリカ西海岸で、坑夫のための丈夫なパンツとしてテントや馬車の幌に使われていた頒布でパンツを作った『リーバイス』。これがジーンズの原点であり、補強用の銅リベットを用いた製法で特許を取得したことでその基板をより強固なものにしました。1890年に初めてロットナンバーとして冠されたモデルが、後に普遍の定番となる「501」です。時代とともにシルエットは微妙に変化しているものの、王道感のあるストレートレッグの佇まいは変わらず受け継がれています。
アメカジブランド6
『ショット』
バイクカルチャーのみならず、音楽シーンにおいても絶対的な存在感を放つのが1913年にNYで創業した『ショット』。同ブランドの数あるレザージャケットの中でも、1950年代からほぼデザインが変わっていない代表作として知られるのが、エポーレットの星型スタッズが特徴的な「ワンスター」です。映画『ザ・ワイルドワン』でバイカーを演じたマーロン・ブランドが着用したことでも有名な1着は、しっかりとバイカー向けのディテールを踏襲した骨太さが魅力。肉厚なカウレザーもタフネスに溢れていて、“らしさ”を感じさせます。ラモーンズなどのロックミュージシャンたちに愛用されてきたというのも納得です。
アメカジブランド7
『リー』
1899年にカンザス州で創業。同ブランドから1944年に発表され、一世を風靡したカウボーイパンツがのちに「ライダース」というシリーズ名に変更。この「101」をもってアメリカを代表するデニムブランドとしての地位を確立しました。いななく馬の口元に着想を得たヒップポケットのホースマウスステッチは、ブランドアイコンとして知られる意匠です。以降、「ウエスターナー」に「ストームライダー」「ロコジャケット」など現代に続く名作も続々。ジェームス・ディーンが「101」を愛用していたことも、人気に拍車をかけました。現行の「101Z」にもその普遍のディテールが刻み込まれています。
アメカジブランド8
『ブルックスブラザーズ』
「No.1サックスーツ」を筆頭に、アメリカントラッドというスタイルの成熟に貢献する数々の名品を生み出してきた『ブルックスブラザーズ』。代表作の「ポロカラーシャツ」と呼ばれるボタンダウン仕様のシャツが、ポロ競技選手の着ていたシャツに着想を得たものだというのはあまりに有名な話です。これは、選手たちが風にあおられて捲れないように襟をボタンで留めていたものを、ファッション的に解釈したものでした。ジャンニ・アニエリ氏を筆頭に、歴代のウェルドレッサーにも愛用され、世界のファッション史における重要な位置付けの名品になっています。
アメカジブランド9
『チャンピオン』
1924年の創業当初は米軍向けのニットウェアを手掛けていたものの、ミシガン大学の運動部をはじめとして全米の大学のスポーツチーム御用達のカレッジスウェットブランドへと成長を遂げた『チャンピオン』。同社の専売特許といえば、洗濯による縮みを防ぎ、両脇の可動域を確保できる「リバースウィーブ」にあります。現在は旧ロゴまで再現し、古き良き時代の仕様を現代へと蘇らせた1枚を手に取ることでそのヘリテージを垣間見ることが可能です。同ブランドを愛する人の中には古着でこそなんぼ、と語る方もいることでしょうが、日々気負わずガシガシ着倒すならぜひ現行モデルにも目を向けてみてください。
アメカジブランド10
『ペンドルトン』
アメカジを象徴する柄の1つに数えられるのが、ネイティブ柄。その伝統的なパターンを、1863年にオレゴンで創業した当初から守り続けているのが『ペンドルトン』です。ジャカード織りによってトラディショナルな様式美に基づく柄を描き出したブランケットやタオルは、年齢、男女の別を問わず高い品期を誇っています。もちろんアウトドアシーンとも親和性の高いブランドなので、アウターなどのウェアもカジュアル使いに限らず、キャンプやフェスシーンにおいても愛用者が後を絶ちません。創業当初は軍隊用の製品を手掛けていた実績もあるメーカーだけに、その品質の高さは折り紙付きです。
よりアメカジらしく。日本発の本格派アメカジブランド10選
戦後の闇市で米軍の放出物資やジーンズが集まったアメ横が、日本におけるアメカジ文化の発信源。その後1990年代の“渋カジ”によって、日本のアメカジが一大ムーブメントをとして認知されていくようになります。そんな流れもあって、現在のファッション業界を担うデザイナーの多くがアメカジトレンドの洗礼を受けています。探究心の深さとアメカジ愛の強さから古き良きアメリカ服を再現するブランドも多く、日本製のアメカジ服によって本国のアメリカ人が自国の服の魅力を再発見するというような逆輸入的な現象も起きています。そんな日本のアメカジ史を担う新旧の注目ブランドをご紹介しましょう。
アメカジブランド11
『エンジニアードガーメンツ』
「ネペンテス アメリカ」の代表として渡米していた鈴木大器氏の手によってNYで立ち上げられた『エンジニアードガーメンツ』。ワークウェアやアウトドア、ミリタリーといった氏の愛してやまない世界観をファッションへと落とし込むその手腕から、ピッティウオモへの出展も手伝って、アメリカのみならず、アメカジ愛が息づくイタリアでも絶大な人気を誇る存在に。同ブランドの特徴的な意匠として挙げられるのが、ヴィンテージ感漂わせるパッチワークです。風合いが異なる生地を組み合わせた、こちらの多ポケットアウター「ベッドフォードジャケット」にも、同デザインが取り入れられています。
アメカジブランド12
『ロッキーマウンテン フェザーベッド』
1960年代にワイオミング州で創業し、カウボーイ向けの防寒服を作るブランドとして人気を博したブランドですが、一旦は惜しまれつつブランドが消失。しかし、同社の服を収集していた日本の古着コレクターの手によって2005年に復活を果たしました。その人物とは、「サーティーファイブサマーズ」の代表である寺本欣児氏。一切の資料が残ってなったため、長年にわたって集めたヴィンテージコレクションの現物を資料として参考にしながら、数々の名作を蘇らせています。「クリスティベスト」も、そんな名作の1つ。一枚裁ち革のヨークをはじめ、伝統の意匠を忠実に再現!
アメカジブランド13
『バズリクソンズ』
1960年代から日本のアメカジ文化において重要な役割を果たしてきた「東洋エンタープライズ」が、フライトジャケット専門レーベルとして立ち上げた『バズリクソンズ』。現在は軍パンやシャツといった多彩なミリタリーアイテムを製作しています。いずれも生地からボタン、縫製にいたるまでオリジナルのディテールをとことん突き詰めた作り込みがなされており、本物志向のアメカジ好きも納得の完成度を誇示。このA-2ジャケットは、1940年代に米軍航空隊への納入実績のあるラフウェア社のアーカイブを、肉厚なホースハイドレザーで仕上げたモノです。経年変化もさることながら、新品での色気も半端なモノではありません。
アメカジブランド14
『オアスロウ』
デザイナーの仲津一郎氏によって2005年に立ち上げられた『オアスロウ』。服作りのベースは、19世紀後半から20世紀にかけてスタンダード服として愛されたワークウェアやミリタリーウェアにあります。その佇まいをガチガチに再現するのではなく、肩の力を抜いて着られる日常服へと落とし込むスタイルで存在感を放っています。日本製にこだわり、ヴィンテージのミシンを使って丁寧に仕立てる製作スタイルも特徴。特にパンツに秀作が多く、温故知新なバックサテン生地を使いつつ、ヒップや太腿周りをすっきりさせたファティーグパンツもその1つです。
アメカジブランド15
『エドウイン』
日本のデニム文化をけん引してきたブランドといえば『エドウイン』。1947年の創業当初は米軍のサープラス製品の卸しを手掛け、中古デニムの輸入販売をきっかけにオリジナルの製作に着手していくようになります。1960年代初頭にアメリカから輸入した生地を国内縫製して仕立てたジーンズが、オリジナル第1号となりました。1963年には新品にもかかわらずはき古したようなソフトなはき心地を実現したウォッシュ加工を開発。その後、ユーズド感を表現したオールドウォッシュ、表情豊かなストーンウォッシュといった新しい加工技術でデニム業界に革新を起こしてきました。その技術力の高さは、驚異的なストレッチ性を実現した「ジャージーズ」でもいかんなく発揮されています。
アメカジブランド16
『ウエアハウス』
“ヴィンテージ古着の忠実な復刻”というテーマを掲げる『ウエアハウス』。生地や縫製、加工はもとより、糸に至るまでヴィンテージ服を研究し、その佇まいを現代に蘇らせるレプリカ服作りを得意としています。1920年代に製作されていたファーストモデルを再現したこのデニムジャケットも、その好例。武骨なボックスシルエットもさることながら、バックに鎮座する2本爪のバックル、胸ポケットの打ち抜きリベットなど、各所にブランドのこだわりが垣間見えます。
アメカジブランド17
『フェローズ』
アメカジ旋風が巻き起こっていた1990年代初頭に創業し、ヴィンテージレプリカというジャンルを確立させたブランドといえば『フェローズ』。当時は目をつけている人がほとんどいなかったL-2Aというフライトジャケットのレプリカモデルで注目され、スウェットにおいても、フリーダムスリーブや両Vといったマニアックな意匠を盛り込み、アメカジにのめり込む服好きたちを虜にしてきました。英国をはじめ、海外にも多くのファンが存在するのだとか。
アメカジブランド18
『ループウィラー』
生産効率の高い最新の編み機の出現によって1960年代以降は表舞台から姿を消していた吊り編み機を使い、温故知新なスウェットを製作している『ループウィラー』。吊り編みは、熟練工の技術を必要とし、製作に多くの時間を要すものですが、生地をふっくらやわらかに編み立てることが可能です。しかも、その風合いは長年損なわれません。そんな昔ながらの技術を用いる一方、パーカーなどはフードの立ち上がり方まで計算するなど、日本メイドならではのこだわりも十分に発揮されています。
アメカジブランド19
『テンダーロイン』
『テンダーロイン』は、デザイナーの西浦徹氏をはじめとする5人の日本人クリエイターによって、ロサンゼルスで立ち上げられたブランド。作り手たちが海外で体験したストリートカルチャーを服に落とし込む服作りが持ち味で、スーベニアジャケットやワークシャツ、シルバーリングといったアイテムはいずれも良い意味での男くささがみなぎっています。
アメカジブランド20
『ビズビム』
ロサンゼルスに旗艦店を構え、ジョン・メイヤー氏を筆頭にハリウッドの俳優やミュージシャンにも熱烈なファンを持つ『ビズビム』。和紙などの日本の伝統素材を用いるなどの独創的な世界観を持つこのブランドの根底にも、アメカジ魂が息づいています。クリエイティブディレクターの中村ヒロキ氏は、アメリカンカルチャーに対する憧憬があることを公言している人物。半纏を現代的にアレンジしたアウターが有名ですが、これは江戸時代の労働着であったことに着目したものなのだとか。真にリアルなワークウェアから導き出されるそのマインドは、こちらのデニムジャケットにも息づいています。
この記事の掲載アイテム一覧(全20商品)
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『ポロラルフローレン』 コットン ツイル ジャケット
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『ディッキーズ』 874 ワークパンツ
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『ヴァンズ』 オーセンティック 44 DX
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『カーハート』 ダックアクティブジャケット
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『リーバイス』 501(R)オリジナルフィット リジッド
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『ショット』 カラードワンスター
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『リー』 101Z
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『ブルックスブラザーズ』 ノンアイロン GF ストレッチコットン カジュアルシャツ レギュラーフィット
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『チャンピオン』 GF70 リバースウィーブ クルーネック スウェット
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『ペンドルトン』 ジャカードバスタオルオーバーサイズ XB233
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『エンジニアードガーメンツ』 ベッドフォードジャケット
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『ロッキーマウンテン フェザーベッド』 クリスティベスト
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『バズリクソンズ』 A-2
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『オアスロウ』 アーミーファティーグパンツ
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『エドウイン』 ジャージーズ スリムテーパード
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『ウエアハウス』 Lot 2001XX 1920’S MODEL
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『フェローズ』 トレーナー フリーダムスリーブ
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『ループウィラー』×『フリーマンズ・スポーティング・クラブ』 ジップパーカー
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『テンダーロイン』 TEE.C.Z.Z.M
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『ビズビム』 Lhamo Long-Sleeved Denim Shirt
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