
廃れることのない大定番。グレゴリーのリュックを手放せなくなる理由とは
1970年代にバックパック界に革命を起こし、数々のマスターピースが世代を超えて愛されている『グレゴリー』。その傑作リュックは、背負った誰しもが虜になること必至です。
『グレゴリー』といえばリュック。現在まで愛されるマスターピースの数々
1977年に、米国カリフォルニア州のサンディエゴで誕生した『グレゴリー』。創業者のウェイン・グレゴリー氏はバックパックに人間工学を持ち込み、革新的な背面システムで背負い心地を劇的に向上させた人物。アウトドア界におけるイノベーター的な存在です。その並外れたバックパック愛は、創業前夜の“伝説”にも垣間見ることができます。グレゴリー氏が初めてバックパックを手掛けたのは、なんと14歳のとき。ボーイスカウトのプロジェクトの一環として木製フレームのリュックを自作したのですが、この出来があまりにも良かったので弟が販売してしまったという逸話が残っています。
そんな氏のモノ作りの情熱は、「アドベンチャー16」という老舗アウトドアショップのオーナーに認められ、そこで従業員として働きながらバックパック作りのノウハウを習得。その後、フリーランスのバックパックデザイナーとして活動しながら立ち上げた『サンダーバード』というガレージブランドを経て、『グレゴリー・マウンテン・プロダクツ』の創業にいたりました。そして1978年には、荷重分散性能を高めた「ウェインデイ」というノンフレーム構造の画期的なバックパックの開発に成功。これが、バックパックは背負うものではなく“着るもの”というブランド哲学の礎となり、バックパック界のロールスロイスと賞賛されるブランドへと成長を遂げていきました。
『グレゴリー』 のバックパックは現在、本国アメリカはもとよりアジア各国や欧州各国においてもアウトドアマンから絶対的な信頼を得ています。それもそのはず。創業当初のグレゴリー氏は、店先で顧客を捕まえてはバックパック談義に花を咲かせ、それによって得たフィードバックを元に性能向上に励んでいたといいます。ゆえに、フィット感・耐久性・使い勝手といった細部の作り込みにおいても抜かりがありません。その探究心溢れるバックパック作りのDNAは、現在まで脈々と受け継がれています。
一方、そんな高性能なバックパックのノウハウを盛り込んだ同社のリュックは、90年代のストリートファッションにおけるアイコンとしてもお馴染みの存在。シェラネバダ山脈のホイットニー山の稜線を描いたロゴとともにアウトドアMIXを完成させるアイテムとして一世を風靡しました。そして90年代リバイバルが継続中の現在、再び脚光を浴びています。
モノを知る大人が愛する理由。『グレゴリー』のリュックを選ぶメリットとは
40年以上に渡って“キング・オブ・バックパック”の座に君臨し、ギア好きな大人も虜にしている『グレゴリー』。選ばれる理由は、以下の3つのメリットから垣間見ることができます。
メリット1
創業当時から続く、“着るバッグ”という発想から生まれる背負い心地
“バックパックは背負うもののではなく、着るもの”というコンセプトを体現するフィッティング性能の高さは、荷重分散という考え方に基づいて設計されています。1か所に集中してしまうと体に負担を与える荷物の重さを、例えばパフォーマンスラインにおいては体型に合わせて背面長を変えられるシステムなどのテクノロジーを駆使して各所に分散。こうした構造によって、重い荷物を安定して背負うことを可能にしています。
そして、そのフィッティング性能の高さはパフォーマンスラインのバックバックに限らず、定番「デイパック」などの小型リュックでも体感できます。背面長こそ調整できませんが、ショルダーハーネスとウエストベルト、そして胸元でショルダーストラップを安定させるスターナムストラップによって荷重を均一に分散。背負ったときに“く”の字型になるよう中央で2つに分かれた背面パッドや三日月型のボトム形状も、背中に自然にフィットさせるために採用されています。分厚いEVAフォームを内蔵したショルダーハーネスが体に馴染んでくるとフィット感はさらに高まり、あたかも体と一体化したかのような感覚に。まさしく“着ている”ようなフィッティングを味わえます。
メリット2
徹底的にユーザー目線で考え抜かれた、シンプルな使い勝手とタフネス
『グレゴリー』のリュックには、ユーザー目線に徹し、使い勝手を追求したスペックが満載されています。例えば、特徴的な斜めジップのフロントポケットは水平にセットするより開閉がスムーズという理由で採用されたもの。このファスナーには、YKK 社の10番という太めのものを使い、グレゴリー氏が考案した分厚いレザープルを施すなどタフさと開閉のしやすさにこだわった仕様になっています。また、強い負荷がかかるストラップの繋ぎ目などは、中央から重ね縫いを施すセンターロッキング・バータックで強度を向上。耐摩耗性に富む本体の生地の裏面に撥水コーティングを施すなど、デイリーユースを想定したリュックであってもスペックに対する妥協は一切感じられません。
メリット3
時代とトレンドに左右されず、背中を任せられる普遍性
『グレゴリー』のリュックはブランドロゴこそ時代によって変化していますが、デザイン自体は流行に左右されないオーセンティックなスタイルを保っています。これは「デイパック」や「デイ&ハーフ」といったロングセラーモデルに限ったことではなく、新定番やビジネスユースを想定したモデルにも共通すること。いずれも過度にデザイン性に走らず、本当に必要なスペックを盛り込んだがゆえの機能美を体現する顔つきに仕上がっています。それゆえに、使い勝手はもとより、着こなしを完成させるアクセントしても安心して背中を任せられるのです。
毎日使いたい名品揃い。『グレゴリー』のリュック、おすすめ17選
『グレゴリー』のリュックは現在、休日のタウンユースはもとより、ビジネスやトラベルといった多彩なシーンに対応。その一つひとつに頼れるスペックが盛り込まれ、すでに不朽の名作となっている「デイパック」に負けず劣らずの完成度の高さを実現しています。いずれのリュックも、アクティブに過ごす毎日の良き相棒になってくれること請け合いです。
アイテム1
デイパック
ブランドの顔として40年以上にわたって世界で愛されているのが、ティアドロップ型ボディに映える斜めに切られたジップポケットが特徴的な本作。90年代のストリートを席巻したモデルですが、トレッキングポール装着用ストラップや横振れを防ぐウエストストラップといったアウトドア対応を想定したスペックが満載です。フロント上部のフックに別売りのシングルポケットを取り付けることで、収納力の拡張も可能。
アイテム2
デイ&ハーフ
容量26Lの「デイパック」よりやや大きめな33Lというサイズ設定は、1日と半日分(デイ&ハーフ)の行動に適した収納力として考えられたもの。両サイドにコンプレッションストラップが2本ずつ備わっており、これを荷物の容量に応じて絞り込むことでフィット感を高められます。不必要な遊びがなくなるため、荷物のバタつきも防げて動きを阻害しません。
アイテム3
オールデイ
コンプレッションストラップやトレッキングポール用ストラップなどを備えた基本仕様は「デイ&ハーフ」と同様で、容量はやや少なめな24Lに設定されています。その一方で、フロントポケットやドリンクボトルを収納できるサイドポケットも追加するなど収納力は向上。主室内にはノートパソコンや書類の収納に便利なスリーブポケットを備え、タウンユースにおける使い勝手も良好です。
アイテム4
イージーデイ
必要最低限の収納力とスペックさえあれば十分というミニマル派に支持されているのが、容量20Lの小型ボディを実現した「イージーデイ」。ポケットの数は外側と内側に1つずつというシンプル設計ですが、PCや書類の収納に役立つスリーブポケットが備わっているため実用面は申し分なし。『グレゴリー』らしさを体現するレザー製ファスナープルや荷重分散性に優れるショルダーストラップも健在です。トップをガシ持ちできるグラブハンドルも、本作を特徴づける意匠。
アイテム5
ファインデイ
看板モデルである「デイパック」のスタイルを受け継ぎながら、一回り小さい16Lの小型ボディに落とし込まれたのが「ファインデイ」。スケールダウンされたモデルとはいえ、ボトム部を裏地で補強したタフな作りは健在で、迷子になりがちな小物の収納に便利なメッシュの内ポケットも用意されています。別売りの2WAYポケットをリングアタッチメントに取り付けることで収納力のアップも可能です。
アイテム6
オーバーヘッドデイ
パソコンや書類などかさばりがちな荷物の収まりを考慮したリュックとして設計されたのが、長方形フォルムが特徴的な「オーバーヘッドデイ」。主室にはノートパソコン収納用のスリーブポケットに加えて充電ケーブルやアダプターの収納にちょうど良いサイズ感のメッシュポケットも備わっており、ビジネスシーンでの使用感も優秀です。
アイテム7
エブリデイ
斜めに切られたジップポケットやブラックアウトされたロゴパッチで、都会的な顔つきに落とし込んだ「エブリデイ」。21Lの長方形ボディはメインとサブの2つのコンパートメントに分かれており、ビジネスユースの荷物はPC用スリーブを備えた背面側、細々とした荷物はメッシュポケット付きのフロント側、といった収納の使い分けでスマートな使用感を享受できます。
アイテム8
カバートソリッドデイ
モバイルを持ち歩く環境において、心強い味方になってくれるのが本作。15.5インチまでのノートパソコンやタブレット端末が収納できるスリーブには止水ファスナーに加え、モバイル機器用のケーブルを収納するためのマルチケースまで付属した至れり尽くせりな設計が魅力です。加えて、主室のオーガナイザーポケットに名刺入れや予備バッテリーを収納しておけば必要なときに素早く取り出せます。
アイテム9
コンパス30
人間工学に基づいて設計されたトレイル用ハーネスの採用で、機動力を高めたのが本作。フロントパネルがコの字型に開く珍しい設計は、パッキングのしやすさに直結しています。パッド付きのノートパソコン用スリーブも備わっていますが、ジム用のウェアやシューズの収納にもちょうど良い容量設定です。
アイテム10
トラベルデイ
通勤はもとより、旅行や出張においても良き相棒となってくれるのが「トラベルデイ」。ボディはメインとPC専用コンパートメントの2気室構造で、メインコンパートメントのオープンスリーブは、A4クリアファイルがぴたりと収まるサイズ感が絶妙です。フロント側にはオーガナイザー付き大型ポケットが備わっており、こちらにも A4サイズのクリアファイルが収納可能。トロリーケースのハンドルを差し込める設計のバックパネルにより、旅行時には荷物をひとまとめにすることも。
アイテム11
スケッチ22
立体裁断によって丸みを持たせた本作のボディは、かつて「アスペクト」という名で人気を博したシリーズをアップデートしたもの。都会の街並みに映えるミニマル顔ながら、かゆいところに手が届く作り込みが満載です。例えば、正面から見て右側側面には、スマホやパスケースをスムーズに取り出せるサイドジップポケットを装備。左側面のポケットは、500mlのペットボトルを露出させることなくスマートに収納できるカバー付きです。
アイテム12
ショルダーブレード
初代モデルが2013年に惜しまれつつ廃盤となり、2017年にアップグレード版として復活を果たした「ショルダーブレード」。初代ではシングルだった斜めポケットがダブルジップに変更されたことで、左右のどちらからでも開閉可能になっているのはうれしいですね。ボトム部の補強やノートパソコン用スリーブも追加され、格段に使いやすくなりました。また本作はフロントポケット位置がやや高く、本体もスリムなため、収納力の高さ(容量30L)とは裏腹に背負ったときの印象がすっきりしている点も魅力です。
アイテム13
ジャーニーマン
見た目こそリュックな本作ですが、メインコンパートは二枚貝のようにパカッと開くトラベルバッグのような使用感に仕上がっています。衣類などをデッドスペースを作ることなく収納できるスクエア型も特長で、グルーミング用品の収納に便利なオーガナイザーやポケットも装備。ノートパソコン用コンパートメントに外部から直接アクセスできるため、出張や旅先でのテレワークの際もスマートな使用感を享受できます。
アイテム14
レジン22
本作の特筆ポイントは、フロント中央に手を突っ込める太めのハンドルが備わっていること。ここに片手を入れることで主室にアクセスするラウンドジップが開きやすくなり、大きな荷物もスムーズに取り出せます。また、リサイクル素材のみを採用しており、背負う人にも地球にもやさしいリュックとして設計されている点は今っぽいですね。
アイテム15
ボーダー25
トラベルシリーズにラインアップされた本作も、トロリーバッグのハンドルと連結するためのスリーブをバックパネルに装備。1日分の荷物の収納を想定した25Lサイズに加え、エアメッシュ素材を採用したショルダーハーネスと2層構造フォームのバックパネルの採用により長時間背負った際の快適さを担保しています。ノートパソコン用スリーブは耐衝撃性を高めたパッド入りなので、移動中や旅先での安心感もひとしお。
アイテム16
マルチデイ
その名の通り、トートバッグとしてもデイパックとしても使える二刀流デザインを採用したのが「マルチデイ」。トップの開口部が巾着構造になっており多少なら容量の拡張もできるため、買い物に出かけて荷物が増えてしまったときも安心です。トレッキングポール用ストラップも用意されており、トレッキングの相棒としても頼りがいは十分。側面から内部にアクセスできるジッパーにより背負ったまま荷物を取り出すことができます。
アイテム17
マイティーデイ
『グレゴリー』のリュックにおいて、最も収納力が高いモデルに位置付けられる「マイティーデイ」。「デイパック」のデザインをそのままサイズアップした本体の容量自体は30Lですが、バックパネルの側面からアクセスできるノートパソコン用スリーブやシューズ用のボトムコンパートメントといった利便性の高い機能を用意。財布やスマホを素早く取り出せるクイックアクセスポケットの使い勝手も良好です。
違いを印象付けたいときに頼りになる。『グレゴリー』の別注・コラボリュック3選
誰もが知っている定番モデルが多い『グレゴリー』のリュックゆえ、カブりやすさが気になることもあるかもしれません。そんなときに救いの手を差し伸べてくれるのが、ショップやブランドによる別注モデルです。ならでは、の使いやすさはそのままに周囲との違いを打ち出せる。そんな秀作をご紹介します。
コラボ1
『グレゴリー』×『スイコック』マイティーデイ
元ネタは、ジム通いに便利なシューズ用コンパートメントを備えた「マイティーデイ」ですが、ダイヤ格子状に編んだリップストップナイロンに載せ替えた本体は極めて都会的な顔つきに。同色のロゴパッチもインラインより小ぶりに特注し、より一層街映えするデザインに落とし込まれています。『スイコック』のタグは、あえて内側のメッシュポケットに施すという控えめな主張がまた大人好み。
コラボ2
『グレゴリー』×『グリーンレーベル リラクシング』エブリデイデイパック
「エブリデイデイパック」の本体を同社のビジネスシリーズで採用されている630Dコーデュラナイロンに変更。引き手などの部材をブラックに統一することで、インラインとはまた違うスタイリッシュさを付与することに成功しています。ロゴの配色はグリーンのグラデーションを描き、引き手にリフレクター糸を採用するなど違いを印象付けられる意匠が細部にも満載です。
コラボ3
『グレゴリー』×『ビームスボーイ』ミリタリーナイスデイ
“もし『グレゴリー』がアメリカ軍にリュックを納入したら”という架空のテーマを設定し、フライトジャケットをイメージしたセージグリーン色を採用した「ナイスデイ」。ミリタリー用ということであえてロゴを排除するなど、細部の作り込みにもこだわりが滲みます。「デイパック」と「ファインデイ」の中間に位置付けられるサイズ感(22L)ですが、小ぶりなリュックが欲しいときの選択肢としては魅力的な出来栄えです。
加水分解が起こったら。『グレゴリー』のリュックを復活させるための最終手段
『グレゴリー』のリュックを愛するがゆえに、この問題を回避して寿命を延ばす愛用者が後を絶ちません。その方法とは、このコーティングを剥がし切ってしまうこと。市販の重層を溶かしたお湯にリュックを漬け置きしてからブラシで擦る、という作業を何回か繰り返すことで、剥がれかけのコーティングをきれいさっぱり取り除くことが可能なようです。剥がしきることで当然、耐水性は損なわれます。強くおすすめはできませんが、より長くリュックを相棒するための最終手段として覚えておいてください。
この記事の掲載アイテム一覧(全8商品)
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『グレゴリー』 デイ&ハーフ
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『グレゴリー』 オールデイ
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『グレゴリー』 イージーデイ
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『グレゴリー』 オーバーヘッドデイ
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『グレゴリー』 エブリデイ
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『グレゴリー』 ショルダーブレード
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『グレゴリー』 レジン22
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『グレゴリー』 ボーダー25
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