高級腕時計ブランド45選。ステータス性を備えた一生モノ勢揃い

高級腕時計ブランド45選。ステータス性を備えた一生モノ勢揃い

生涯をともにできるアイテムは意外と少ないもの。そのなかでも腕時計は、最も身近な存在ではないでしょうか。一生モノにふさわしい逸品の選び方と傑作をご紹介しましょう。

夏目 文寛

2020.06.09

腕時計
機械式

いつかは手に入れたいステータスの証し、高級腕時計

決して身近なモノではないですが、いつか手に入れたいと憧れるのが高級腕時計。腕の上で共に人生の時を刻む腕時計は、計時という機能を超えた特別な存在です。それゆえに、良いモノを選びたいという欲求が湧いてくるのも当然のことでしょう。

腕時計も50万円を超えてくると、持つ人に自信を与えるステータス性を備えた孫の代まで受け継ぐことができる一生モノが手に入ります。しかし、値が張るだけに失敗は避けたいところ。購入の際は、しっかり自分のニーズと照らし合わせて吟味することが必要です。ですが、恐れることはありません。ポイントを押さえれば、かけがえのない一生の相棒に出会えるはずです。

失敗したくないなら知っておきたい、高級腕時計の選択基準

一生モノの高級腕時計は、一世一代のお買い物。後悔しない腕時計選びをするために、注意すべきポイントを3つにまとめました。じっくりと考えて最高のパートナーを見つけてください。

ポイント110年後も20年後も人に誇れる、信頼できるブランドの逸品か

腕時計は男の数少ない装飾品。腕元だけでその人の格を表してしまうステータスアイテムなのです。それだけに、ブランドの歴史は非常に重要です。高級ブランドが提案する機械式腕時計は伝統工芸というべきもの。長い歴史の中で、職人が築き上げてきた技術と、その技術が息づいているブランドの背景こそが圧倒的な信頼へとつながるのです。ステータスという意味では、知名度も大切でしょう。いくら高価な腕時計でも、目の前の相手が知らなければステータス性も半減します。例えば、『ロレックス』に『タグ・ホイヤー』、そして『グランドセイコー』など誰もが知っているブランドはその人の価値をわかりやすく高めてくれることでしょう。また、あえて『ゼニス』や『ベル&ロス』など腕時計ファンからの評価が高いブランドを選ぶことで、“分かってる”感を演出するのも1つの手といえます。

ポイント2自分のライフスタイルを鑑みたデザインを手に入れる

高価な腕時計は、当然ながら何本も買えるものではありません。それゆえに自分の着用シーンをよく考えて選ぶことが重要です。厳格なビジネスの場ならば貴石入りの腕時計は避けるべきですし、オフでしか腕時計をしない人にエレガントなドレスウォッチはオーバーに映ります。また、自分をどう見せたいかも重要なポイントです。若々しく見せたいならステンレスブレスを使用した精かんなモデルがいいでしょうし、信頼感を与えたいなら革ベルトのモデルはその願いを叶えてくれます。ショップに向かう際には、腕時計をよく着用する装いで足を運べばイメージもしやすくなります。仕事の場で身に着けたいのに、目当ての腕時計がスーツに合わなかった、ということはよくある話です。

ポイント3永く使うなら、購入価格のほかに維持費も確認しておく

腕時計を購入する際、本体価格のことしか考慮していない人が多数派でしょう。しかし、高級腕時計は車を購入するとき同様、メンテナンス価格のことも考えなければなりません。機械式ムーブメントを搭載している腕時計は、機能の維持のために3~5年に一度はオーバーホールに出す必要があるからです。シンプルな3針なら、5万円は見ておいたほうがいいでしょう。クロノグラフやGMTなど付加機能が付くとさらに3~5万円かかる場合があります。また、革ベルトは消耗品であるということも忘れてはいけません。高級ブランドの純正品はその素材の希少さから、数万円にのぼることもざらです。長く使う一生モノは、メンテナンス費用も考慮して機能やベルトの素材を選定することが重要なのです。

50万円台から雲上まで。有名腕時計ブランドとその名作45本を厳選

『ロレックス』に『オメガ』、『タグ・ホイヤー』など、我々がよく耳にするブランドは腕時計業界の一角に過ぎません。老舗と呼ばれる100年以上の歴史を持つブランドから、昨今めきめきとその頭角を現している宝飾形ブランド、そして新鋭ながら確かなモノ作りで時計通を唸らせているブランドなど数え上げればキリはありません。その中でも、特に知っておいて損はない45ブランドをピックアップ。現在購入できる名品と併せて、解説していきましょう。

ブランド1『ロレックス』

『ロレックス』は、着けていると間違いなく尊敬される世界で一番有名な高級腕時計ブランド。歴史は比較的浅いものの、腕時計の現代的機能を開拓してきた高い技術力は他の追随を許しません。「デイトジャスト」は『ロレックス』のベーシックモデル。とはいえ、『ロレックス』の3大発明であるデイトジャスト(日付が瞬時に変わる)、パーペチュアル(効率のいい自動巻き上げ機構)、オイスターケース(防水性に優れた一体成形ケース)をすべて搭載した歴史的傑作です。同ブランドのスポーツモデルと比べるとシニア向けという印象もありますが、バーインデックスのモデルを選べば、30代でも違和感なく着けこなせます。

王者ロレックス。我々を惹きつけてやまない人気モデルを知る

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『ロレックス』ほど機能と価値を備えるブランドも珍しい。時計界では後発ながら、革新的なアイデアと確かな技術により現在の地位に上り詰めた稀な存在。その魅力に迫る。

ワダ ソウシ

ロレックスのデイトジャストこそ、時計を嗜む大人の最適解だ

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『ロレックス』の中でも王道のドレスモデルといえば「デイトジャスト」。タイムレスな魅力を持ち、長く愛用できるこのモデルの人気の秘密に迫ります。

石井 良

ブランド2『パテック フィリップ』

腕時計ブランドの最高峰、それが『パテック フィリップ』です。もちろん上記同様、世界3大高級ブランドの1つに数えられます。パテックを手に入れたらもうほかに買う腕時計はないといわれる、いわゆる“上がり”のブランドです。資産価値も抜群で、アンティークは何千万もの価格で取り引きされるほど。当然歴史も古く、創業は1839年にさかのぼります。このブランドの哲学を表しているのが、持ち込まれた腕時計はどんな時代のものでも修理してくれること。つまりは一生モノどころか、後世に伝えることを前提としたブランドとして腕時計作りを行っているのです。代表作「カラトラバ」は、3針ウォッチの基礎を作った超名作として知られています。

ブランド3『オーデマ ピゲ』

起業社長や人気アーティストがこぞって手に入れる腕時計。それが『オーデマ ピゲ』のロイヤルオークです。腕元から特徴的なオクタゴンベゼル(八角形ベゼル)が見えたら、その所有者はなにかしらの業績を成し遂げた人と考えていいでしょう。まさに成功者の証しです。この『オーデマ ピゲ』は世界3大高級腕時計ブランドに数えられる雲上ブランドで、1875年に創業した歴史あるブランド。一般にはあまり知られていませんが、腕時計の世界では知らぬ人がいない超大物ブランドなのです。

オーデマ ピゲの格。一目置かれる腕時計の超絶技巧

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『オーデマ ピゲ』と聞いてピンとくる人は時計好きでもなければ少ないはず。時計ブランドのなかでも名門中の名門を、ここでしっかり深掘りしてみましょう。

夏目 文寛

ブランド4『ウブロ』

世界中のセレブリティから愛される『ウブロ』。代表作ビッグバンの異素材を組み合わせた押し出しの強いデザインは、遠目からでもひと目でこのブランドとわかるほど個性的です。歴史は40年に満たない新興ブランドですが、現在では高級腕時計ブランドの一員として、名門ブランドに肩を並べるほどの人気とステータスを併せ持つまでになっています。印象的なルックスですが、オールブラックなどワントーンのモデルならば、スーツスタイルにも馴染んでくれます。

ビッグ・バンから読み解くウブロ。時代の寵児に愛されるブランドを知る

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異素材を組み合わせたコレクションで時計界に旋風を巻き起こした『ウブロ』。とりわけ「ビッグ・バン」はシンボリックで、ブランドに唯一無二の価値をもたらした存在だ。

ワダ ソウシ

ブランド5『ヴァシュロン・コンスタンタン』

世界3大高級ブランドに挙げられる『ヴァシュロン・コンスタンタン』。その創業は1755年と長い歴史を誇ります。1880年には現在も使われている有名なマルタ十字のロゴが誕生。ムーブからケースまで自社で製造するマニュファクチュールであり、19世紀から精度コンクールでたびたび受賞するなど、技術力の高さには定評があります。今回紹介する「オーバーシーズ」は1996年に誕生したスポーツモデル。デコラティブなモデルも多い当ブランドのなかでは、シンプルで使い勝手の良いモデルです。

ブランド6『A.ランゲ・アンド・ゾーネ』

ドイツにおける腕時計製造の最重要人物アドルフ・ランゲ氏の名を冠すブランドで、世界4大ブランドと呼ばれるときは、そのなかに当ブランドを含めることが一般的です。第二次世界大戦後にブランドが消滅しますが、東西ドイツ統合後に復活、1994年に「ランゲ1」で華々しい再出発を遂げます。「ランゲ1」は、ザクセン地方の伝統的デザインであるデジタル表示をデイトに採用し、大きな評判を得ます。現在では、プレステージブランドとして、腕時計界に名を馳せるビッグネームになっています。派生モデルも多く、例えばこちらのようにワールドタイム機能を持ったものや、ムーンフェイズを搭載したものなども見られます。

ブランド7『ブレゲ』

腕時計の背後にあるストーリーにこだわるなら『ブレゲ』もおすすめです。腕時計史に燦然と名を残すアブラアン-ルイ・ブレゲ氏が1775年にパリで工房を開いたことがそのはじまり。このブレゲ氏は、腕時計の歴史を200年早めたといわれる天才腕時計師。実用的な自動巻き機構や複雑機構トゥールビヨン、さらに針や装飾の意匠におけるまで、その発明は多岐に亘ります。顧客にマリー・アントワネット妃などの王侯貴族が多かったことからも当時の名声の高さがわかります。そんな超絶技巧を搭載したモデルは、当然1000万円超え。比較的手が届く『ブレゲ』を、ということなら「タイプXXI」がおすすめです。実用にふさわしいミリタリーデザインの中に、『ブレゲ』らしい作りの良さが光ります。

ブランド8『ジャガー・ルクルト』

腕時計通の間では熱狂的なファンが多い『ジャガー・ルクルト』。1833年にスイスのジュウ渓谷で産声を上げた当初から、ムーブメントを内製できるマニュファクチュールブランドとして非常に高い評価を得てきました。これまでに開発したムーブメントは実に1,200以上に及びます。中でも「レベルソ」は反転式ケースが特徴となる、ブランドの中核モデル。1930年代に英国人将校から、ポロの競技中でも文字盤に傷がつかない腕時計をオーダーされたのがきっかけで生まれました。レクタンギュラー(角型)のエレガントなフォルムは、オン・オフ問わず上品さを演出するのにぴったりです。

ブランド9『ブライトリング』

世界で一番有名なパイロットウォッチブランド、それがスイスの『ブライトリング』です。1884年に創業すると、精密なクロノグラフで評判を集め、航空機の発達とともに、パイロットに欠かせない相棒として人気を博します。象徴的なモデルが世界初の回転計算尺付きクロノ「ナビタイマー」です。腕元で速度や残燃料の計算ができるこのモデルは当時の最新計器が搭載され、手動での計算が必要なくなった現在でもパイロットのステータスになっています。そんな由来ゆえのスポーティなデザインが持ち味のモデルですが、こんなレッドゴールドとのマッチングなら上品に扱えそうです。

ブライトリング10傑。プロフェッショナルのための計器を腕元に

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20世紀初頭、ライト兄弟の有人動力飛行などによって幕を開けた航空史。その時代から『ブライトリング』は大空への挑戦をサポートするべく、優れた航空時計を輩出している。

ワダ ソウシ

ブランド10『オメガ』

東京オリンピックの公式タイムキーパーを務める『オメガ』。『ロレックス』と並びスイスを代表するビッグネームで、腕時計好きでなくても知っている人は多いでしょう。高い耐久性、精度によってNASAに認められ、世界で初めて月面上陸に随行したブランドでもあります。今回紹介するこちらも、そんな“ムーンウォッチ”の1つ、「スピードマスター」の1種。スポーティさと端正さが共存した顔立ちは、スーツスタイルにも対応してくれます。特にオーバーホールまでの期間を延ばしてくれる、コーアクシャルと呼ばれる『オメガ』独自の機構を搭載している点にも注目です。

やっぱりほしい、オメガ。名門ブランドの人気モデルを再確認

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男性が着けたい高級腕時計のランキングで、『オメガ』は常に上位。デザイン、機能、格式のどれもが一流で憧れの的なのだ。そんな名門ブランドの魅力を掘り下げていこう。

ワダ ソウシ

ブランド11IWC

『IWC』は腕時計好きの間では圧倒的な支持を得ているスイスのブランドです。1868年の創業以来、高い技術力で優れたムーブメントを製造してきました。スイスでもドイツ語圏に本拠地を構え、このブランドはよく「質実剛健」と形容されます。ドイツの職人魂を受け継ぎ、技術に関してもデザインに関してもストイックさが際立っており、硬派な腕時計がお好みならうってつけといえるでしょう。「ポルトギーゼ」はシンプルな文字盤が特徴で、元となった懐中腕時計は1939年に誕生した歴史的な逸品です。

IWCの6つのコレクションに見る、ブランドの歴史と革新

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『ロレックス』『オメガ』に引けを取らないステータス性を持ち、むしろ時計通の間で評価が高い腕時計ブランド、それが『IWC』。人気のコレクションから、魅力を深堀り。

夏目 文寛

ブランド12『ゼニス』

『ゼニス』は1865年にスイスで創業したブランドです。このブランドはクロノグラフに定評があり、腕時計好きの間ではエル・プリメロと名付けられたクロノムーブはステータス化した存在です。このムーブメントは毎時3万6000振動という、ハイビートで時を刻みます。つまり1秒に10振動することになり、機械式でありながら1/10秒まで計測できるのです。近年、約50年の時を経た進化系ムーブとしてエル・プリメロ21が登場。こちらのモデルは、「デファイ エル・プリメロ21」に続く同ムーブ搭載機として業界に衝撃を与えた1本です。昨今のスポーツラグジュアリーのトレンドを、より色濃く受け継いでいます。

機械式時計を語るなら。ゼニスの存在は欠かせない

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時計大国のスイスでも、自社で一貫製造できるメーカーは限られる。それだけ高い技術が必要なのだが、老舗『ゼニス』は古くからその体制を厳守する数少ないブランドである。

ワダ ソウシ

ブランド13『カルティエ』

ジュエリー界のビッグネームですが、1904年に登場した「サントス」は世界初のメンズ腕時計とも言われ、実は腕時計の世界でも古い歴史を持っています。当時、男性の時計の正統はあくまで懐中時計、腕時計は女性が身に着ける装飾品という扱いでした。『カルティエ』は、メンズの世界に実用的な腕時計を持ち込んだのです。それゆえに、時計マニアの間でも『カルティエ』は一目置かれる存在。自社でムーブメントを製造できる“マニュファクチュール”でもあり、見た目だけでなく、中身も歴史もすごいブランドなのです。今でしたらスポーツスタイル人気もあり、「サントス」ならではのビス使いが光るメタルブレスが気分でしょう。

20世紀初頭の革命。カルティエが切り拓いた腕時計の歴史

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トップジュエラーとして君臨する『カルティエ』だが、“世界初の男性用腕時計”を生んだ時計ブランドという顔も持つ。その卓越した技術は継承され、傑作を生み続けている。

ワダ ソウシ

ブランド14『オフィチーネ パネライ』

イタリアのブランド『オフィチーネ パネライ』は、イタリア海軍に時計を納入するミリタリーウォッチで名を馳せました。そのため、高い視認性とシンプルな文字盤を特徴としています。代表作「ルミノール」は蛍光塗料の名前からとられたもの。ちなみに先代のモデルは「ラジオミール」といって、こちらも蛍光塗料が由来。いかに『パネライ』が視認性に力を入れているかがわかります。機能性に加え、流麗なリューズガードに代表されるイタリアらしい造形美も人気が高く、現在は高級腕時計として人気が定着。今選ぶなら、そこにさらにダイバーズのエッセンスを付与した「サブマーシブル」」が狙い目でしょう。耐磁性を宿すインナーケースに、デカ厚ながら軽快な着用感を実現するチタンケースと実用面も
ばっちりです。

軍との蜜月が作り上げた機能美。パネライが今、欲しい理由

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『パネライ』は前例を見ないダイバーズを作り上げたことで知られている。その存在は長く軍事機密とされたが、90年代に晴れて民間市場に進出し現在の地位へと上り詰めた。

ワダ ソウシ

ブランド15『グランドセイコー』

日本が誇る『セイコー』の高級ブランドとして、その技術力の粋を集めたフラッグシップが『グランドセイコー』です。選抜された優秀な職人がハンドメイドで組み立て、一点一点丁寧に作り込まれた逸品は、一生モノにできる魅力に溢れています。とくにおすすめしたいのが、世界で『セイコー』しか作れない、機械式とクォーツ式の“いいとこ取り”をした「スプリングドライブ」搭載モデル。ゼンマイと歯車で動く機械式の温か味が感じられながら、クォーツの正確さを持った究極の機構なのです。腕時計はスイス製が最高、という従来の定説を打ち破るMADE IN JAPANの傑作です。

グランドセイコーを買う前に。国産時計最高峰のすべてを知っておく

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世界でもっとも知られている国産高級時計ブランドが『グランドセイコー』。日本の時計製造技術の粋を集めて作られた『グランドセイコー』の魅力をたっぷりご紹介します。

夏目 文寛

ブランド16『プロスペックス』

『セイコー』ブランドにおける高級路線は『グランドセイコー』の独壇場でしたが、2019年には銀座の一等地にフラッグシップショップがオープンし、スプリングドライプを搭載した「ルクスライン」が登場するなど『プロスペックス』もスポーツウォッチトレンドの中で頭角を現してきています。耐磁・耐水・高精度を追求する高級時計として『グランドセイコー』とはまた違った魅力を見せてくれそうです。こちらは、国産時計では初となる300m防水を実現し、『プロスペックス』ブランドの規範を作った伝説的モデルの復刻。2018年には「ジュネーブ時計グランプリ」でスポーツ部門賞を受賞するなど、本場スイスお墨付きのスペックです。

ブランド17『カンパノラ』

『カンパノラ』は、日本を代表する時計ブランド『シチズン』が2000年に創設したラグジュアリーブランド。宇宙をイメージし、神秘的で芸術性に溢れたモデルを多く生み出しています。『シチズン』といえば、近年『ブローバ』や『フレデリック・コンスタント』など、名だたる時計ブランドを買収していますが、スイスの名門ムーブメントメーカー「ラ・ジュー・ペレ」もそのうちの1つ。昨今では日本の伝統工芸を積極的に取り入れる動きもあり、紹介する『カンパノラ』の「メカニカルコレクション」にはこの「ラ・ジュー・ペレ」の美しいクロノグラフムーブが積まれ、内外から『シチズン』が考える至高の美を体現しています。

ブランド18『ショパール』

『カルティエ』と並び、腕時計でも実力が高く評価されているジュエラーに『ショパール』があります。当時、腕時計専業メーカーの独壇場だったムーブ製造において、1997年、『ショパール』は完全自社開発「L.U.C」で業界を驚かせます。出来も良く、時計通の間でも評判となりました。気品に満ちたのドレスモデルのほか、クラッシクカーレース「ミッレミリア」とコラボを行うなど、スポーティかつエレガントな大人の世界を表現した逸品が多く、高いデザイン力と技術力を持ち合わせたブランドとしてますます存在感を高めています。

ブランド19『シャネル』

『シャネル』といえば、知らない人はいないほど巨大なファッションブランドですが、近年は部品メーカーや気鋭の時計ブランドの買収など時計界でも話題をさらっています。そんな『シャネル』を代表するモデルは2000年に誕生するや、またたくまに一世を風靡した「J12」。『チューダー』ともムーブメントを共同開発するケニッシ社による新しいキャリバーを積んだ新作が、2019年に発表されたばかりです。その特徴はなんといってもセラミックケースとセラミックブレスレットにあるでしょう。逆回転防止ベゼルを採用したスポーティなフォルムながら、セラミックの艷やかな光沢により、まるでジュエリーのような美しさを持ち、時計界にセラミックブームを巻き起こしました。

ブランド20『ブルガリ』

30歳以上の人からすると、『ブルガリ』の時計といえばベゼルに“BVLGARI”のロゴが刻まれた「ブルガリブルガリ」の印象が強いかも知れません。しかし、現在のウォッチはバブリーな押し出しの強さは鳴りを潜め、ずっとスマートで知的になっています。『ブルガリ』を象徴するモデルとしてはやはり「オクト」が挙げられるでしょう。文字通り円形と8角形を合わせたベゼルを持ったモダンな時計です。この形状を見て、ピンときた方は相当の時計通。『IWC』や『ヴァシュロン・コンスタンタン』も手掛けた、巨匠ジェラルド・ジェンタ氏のデザインをベースとするモノ。厚さ2.23mmの極薄自動巻きムーブメントを搭載した腕時計として話題になりました。

圧倒的センスで業界震撼。ブルガリの腕時計に愉悦する

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ジュエラーとして名高い『ブルガリ』が時計界に進出して約半世紀。現在はムーブメントも内製化するほど躍進を遂げている。改めて、時計ブランドとしての実力を検証しよう。

ワダ ソウシ

ブランド21『ティファニー』

『ティファニー』といえば、ニューヨークに本拠を持つ世界屈指のジュエラーとして有名ですが、設立後すぐの1847年から時計の取り扱いをはじめ、スイスのジュネーブに時計工房を開設したり、最上級時計ブランド『パテック フィリップ』と提携したりするなど、時計とは縁が深いブランドなのです。

1868年には、アメリカ初のストップウォッチ付きの懐中時計である「ティファニー タイマー」を発売、また1945年にはアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトが誕生日に『ティファニー』のカレンダーウォッチが贈られるなど、アメリカの時計史に『ティファニー』は欠かせない存在なのです。女性向けではトラベルクロックをソースとした「イーストウエスト」も人気ですが、男性ならこんなツーカウンタークロノもおすすめ。ミリタリーライクなディテールを備えつつも、愛らしいインデックスや上品なゴールドの使い方にはジュエラー『ティファニー』のデザイン力がにじみ出ています。

ブランド22『ピアジェ』

ジュエラーとしても有名な『ピアジェ』は、腕時計でも存在感を示しているブランドです。『ピアジェ』の腕時計のDNAはズバリ薄型であること。1957年には当時の最薄記録、わずか2mmの厚さしか持たないムーブメントを発表しました。以来、『ピアジェ』=薄型という認識は時計通の間で定着しています。その強みは受け継がれており、こちらの「アルティプラノ」はムーブメントとケースが一体化した現代の『ピアジェ』を代表するモデル。ジュエラーらしい繊細な加工やエッジの仕上げなど、見る者をうっとりさせる出来栄えを誇っており、誰が見ても上質だと感じられることでしょう。

ブランド23『フランク・ミュラー』

超絶複雑機構を次々と腕時計へ搭載した天才時計師フランク・ミュラー氏のブランド。 ‘90年代には、ここ日本でもバブル的人気を博しました。独特なトノー型のケース、文字盤いっぱいに植字されたインデックスを見たことがある人も多いでしょう。近年、少しずつ人気が復活し、腕時計愛好家の間でも再注目されています。「トノーカーベックス」は高いザイン性と腕時計としての確かな技術に加え、腕に吸い付くように弧を描くトノー型ケースで腕馴染みもGOOD。腕時計通を“おっ”と言わせる狙い目のモデルです。

ブランド24『チューダー』

ご存じ『ロレックス』の兄弟ブランド『チューダー』。誕生は1926年にさかのぼり、昨年、日本でも正規販売が始まったことで話題を呼びました。『ロレックス』譲りの機能性をもちながら、よりファッションとの高い親和性を持っており、ブランドアンバサダーもレディガガ氏やデイヴィッド・ベッカム氏が務めます。この「ブラックベイ」は2012年に発表されたブランドを代表するダイバーズウォッチ。『チューダー』らしい“イカ針”がキャッチーな、200m防水仕様の本格派仕様です。2016年からは自社ムーブメントを搭載しており、資産価値も上昇。パワーリザーブも70時間に伸び、実用時計としても申し分ないスペックを有します。

チュードルからチューダーに。進化し続ける老舗の腕時計

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2018年の時計界のビッグサプライズといえば、『チューダー』の日本正規展開である。長年に渡るユーザーの期待に応えるコレクション。改めて、その魅力を解き明かす。

ワダ ソウシ

ブランド25『モーリス・ラクロア』

歴史は40年あまりと時計ブランドのなかでは新参ですが、ドイツの著名な賞「レッド・ドット デザインアワード」を受賞するなど近年メキメキと伸びてきている『モーリス・ラクロア』。特に過去の名作「カリプソ」をデザインベースとした「アイコン」シリーズに注目が集まっていますが、このブランドの真価を知りたいなら、自社製造のムーブメントを採用し、凝りに凝ったデザインを施した「マスターピース」をチェックすべきです。文字盤をアシンメトリーに構成、自立して自由に動く秒針などなど、とにかくエッジが効いていて見るものを飽きさせない工夫がふんだんに見いだせます。

手が届く傑作から、超絶技巧の名品まで。モーリス・ラクロアの腕時計を語る

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『モーリス・ラクロア』はスイスの腕時計ブランド。手頃な価格で“いいモノ感”あふれる傑作を送り出す新鋭にフォーカスし、その魅力や至極のラインアップをお届けします。

夏目 文寛

ブランド26『ベル&ロス』

近年ますます人気を確かなものとする、フランスの若きニューカマーブランド。軍や警察に制式採用されるなど、質実剛健な腕時計ブランドとして知られるドイツの『ジン』を範としているため、そのファッショナブルなルックスを良い意味で裏切る、高い精度やケースの作り込みには玄人もうなります。計器然とした武骨なルックスが特徴的な『ベル&ロス』ですが、ラグスポ時計人気に沸く2019年の中において異彩を放っていたのがこちらの「BR05」でした。ブランドらしい角型ケースの趣を残しつつ、サテンとポリッシュの使い分けによりエレガントさを醸成。厚みも1.1cm程度と、ラグスポ好きの大人の琴線に響く隙のないデザインは流石です。

一度ハマったら抜けられない。ベル&ロスの名作と人気モデルを解説

一度ハマったら抜けられない。ベル&ロスの名作と人気モデルを解説

フランス生まれの腕時計ブランド、『ベル&ロス』。歴史こそ古くありませんが、優れたデザインとその裏側を支える信頼性は老舗・名門にまったく引けを取りません。

増山 直樹

ブランド27『タグ・ホイヤー』

『タグ・ホイヤー』は1860年から続くスイスの名門。モータースポーツを古くからサポートしているため、洗練されたスポーティさが持ち味です。知名度も非常に高く、男女ともに威厳を誇示できるブランドのひとつです。近年は前代未聞のベルト駆動ムーブメントを開発したり、コネクテッドウォッチに参入したりと、時代の先端を行く革新的なイメージを打ち出しています。そんな先進的なブランドですが、オーセンティックな過去のモデルにも名作が数多く眠っています。世界初の角型自動巻きクロノグラフとして誕生した、「モナコ」もそんな1本。初代はアイコニックな左リューズでしたが、最新鋭のキャリバー02を搭載した今作は現代において実用的な右リューズに。ケースバックもシースルーになっており、レトロな外観と最新のムーブメントの対比を楽しむことが出来ます。

高級時計界の登竜門。タグ・ホイヤーを知りたいなら

高級時計界の登竜門。タグ・ホイヤーを知りたいなら

『ロレックス』『オメガ』と並び、スイスの名門ブランドとして知られる『タグ・ホイヤー』。高級時計の登竜門ともいえる同ブランドの魅力をとことん掘り下げます。

夏目 文寛

ブランド28『オリス』

スイスブランドの中でも、隠れた優良ブランドとして知られるのが『オリス』。1904年に、スイスはヘルシュタインで誕生し、第二次世界大戦時には、パイロットがグローブをしたまま操作ができるよう大型のリューズを備えた「ビッグブラウン」で有名になりました。

1970~80年代はクォーツショックにより存続の危機も訪れましたが見事に立ち直り、現在もスイスを代表するブランドとして人気を博しています。また、ムーブメント・イノベーターとしての側面も強化すべく、2010年には創業110周年を記念する自社ムーブ・キャリバー110を公開。さらにその進化系として、キャリバー111を開発しています。シースルーバックから覗く美しい手巻きキャリバーのパワーリザーブは、なんと驚異の10日間。文字盤3時位置のインジケーターも、時間ではなく日数での表示になっています。9時位置にスモールセコンドとデイト表示も設け、実用性も申し分なし。エレガンスとスポーティさが同居する、『オリス』らしい1本です。

手の届く名品。スイスを代表する実用時計ブランド、オリス

手の届く名品。スイスを代表する実用時計ブランド、オリス

高価な印象のスイス時計。だが、作りは一流にも関わらず手の出しやすい価格帯のブランドも存在する。『オリス』はその代表格。ビギナーにもおすすめしたい魅力を解説する。

ワダ ソウシ

ブランド29『エドックス』

『エドックス』の歴史は古く、1884年にさかのぼります。誕生の地は、時計産業の本場、スイスのジュラ地方。『エドックス』はダイバーズに強い情熱を持っていることで知られ、1961年には画期的なダブルO(オー)リングで特許を取得したモデル「デルフィン」で、リューズをねじ込み式にすることなく200m防水を達成するなど高い技術力を見せつけました。そんな名作が揃う『エドックス』ですが、こちらの「スカイダイバー」も特別な1本。ブランドの工場書物から謎多いスケッチとして発掘され、長年勤務していた職人の証言によりスイス軍の大佐が極秘で依頼したパラシューター部隊のための腕時計であったことが判明しました。300m防水も備え、まさに陸・海・空を制する腕時計。ミリタリー感を煽るグリーングラデーションの文字盤も相まって、ただ者ではない雰囲気を漂わせています。

機能も見栄えも欲張る。エドックスが本物志向の大人から密かに人気

機能も見栄えも欲張る。エドックスが本物志向の大人から密かに人気

スポーツウォッチの名作を数々輩出してきた『エドックス』は、2007年に日本上陸を果たした。圧倒的なスペック、クールなデザイン、高コスパで市場を席捲し続けている。

ワダ ソウシ

ブランド30『ブランパン』

現存する世界最古の時計ブランドといわれる『ブランパン』の設立はなんと1735年のこと。スイスのジュラ地方で誕生しました。また1926年には世界で初めて自動巻き腕時計を商品化したことでも知られています。ブランドの代表モデル「フィフティファゾムス」はフランス海軍の水中工作員のために、1953年に発表されたダイバーズウォッチ。現行モデルでも発表当時のオリジナルデザインを搭載し、多くの腕時計ファンを引きつけています。

ブランド31『ノモス グラスヒュッテ』

2014年にはムーブメントを自社開発生産するマニュファクチュールの仲間入りを果たし、技術力の向上も目覚ましいものがある『ノモス』。ラインアップの特徴を一言で表せばシンプル。ラウンドケースに極細ベゼルで文字盤を大きくとり、視認性を追求した形状はすべてのモデルに共通しています。どちらかというとクラシックで素朴な顔立ちの多かったな『ノモス』ですが、ここ数年はスポーツウォッチトレンドに則った近代的なモデルも続々リリースしています。「ネオマティック」は、自動巻きムーブを搭載した新しい『ノモス』の展望を垣間見せてくれるシリーズ。5気圧が基本だった防水性も30気圧までアップするなど、同ブランドの本気が詰まっています。

ブランド32『H.モーザー』

ハインリッヒ・モーザー氏により、ロシア・サンクトペテルブルクにH.モーザー社が設立されたのは1828年のこと。その後、故郷であるスイスのシャフハウゼンに戻り事業を行ったのち、スイス時計の聖地ル・ロックルで腕時計の製造に着手します。現在は本拠地を再びシャフハウゼンに移し、複雑機構を手作業で完成させることにこだわりながら通好みのハイクオリティな逸品を生み出しています。その特徴をひと言であらわすなら、「上品」という言葉がぴったりでしょう。すべてのモデルでレザーベルトを採用し、その多くは3針。独自の光沢を放つフュメダイヤルを特徴とする奇をてらわないシンプルデザインで、品質で勝負する“いいもの感”あふれる傑作が揃います。

ブランド33『ロジェ・デュブイ』

技術力に定評のあった創業者であり時計師ロジェ・デュブイ氏の名を冠し、1995年に設立されたブランドです。腕時計の一貫製造を掲げ、こちらの「エクスカリバー」シリーズをはじめとするアヴァンギャルドなデザインで一世風靡。超絶技巧を駆使した自社開発ムーブメントにも評判があり、特にフライングトゥールビヨン搭載モデルは有名です。時計に及ぼす重力を均等にする超複雑機構トゥールビヨンが宙に浮いたように見える驚きのモデルで、業界人の度肝を抜きました。近年はランボルギーニやピレリなど、モータースポーツの先頭を走るメーカーと密接に連携し、革新性をアピールすることに成功し、セレブからも絶大な支持を得ています。

ブランド34『リシャール・ミル』

2020年6月執筆時、そのお値段34,112,000円也。打ち間違いではありません。下手したら家が買えてしまう超高額ブランドが『リシャール・ミル』です。テニスプレイヤーのナダル氏がプレイ中もずっと着けていることでも有名ですね。特徴は最新のハイテク素材を使っているため、とにかく軽いこと。ナダル氏のように着けたままスポーツをプレイできてしまうほどです。またネジ1本1本に至るまで自社で開発しているため、もちろんクオリティは最上級。今、もっともホットなブランドの1つです。

ブランド35『ハリー・ウィンストン』

宝飾ブランドというイメージが強いアメリカの『ハリー・ウィンストン』ですが、腕時計ブランドとしても有名なんです。とくに注目を浴びているのは、「オーパス」と名付けられたシリーズ。これは時代を代表する独立時計師と手を組んで、腕時計マニアもびっくりの超複雑腕時計を毎年発表するもの。この「オーパス」によって、腕時計ブランドとしての『ハリー・ウィンストン』の名が世に広まりました。ただし「オーパス」は超限定モデル、ここでは「ミッドナイト」をご紹介します。フルスケルトンながらマイクロローターの使用により薄型に仕上げられており、控えめながらきちんと主張をするブランドらしい一面が感じられる。

ブランド36『ジラール・ペルゴ』

その起源を1771年までさかのぼることができる、スイスの超老舗ブランドが『ジラール・ペルゴ』です。ムーブメントを自社で開発製造できる数少ないウォッチメーカーとしても有名で、組み立てや装飾はすべてハンドメイドで行われています。そんな『ジラール・ペルゴ』でも特に人気のあるモデルが「ヴィンテージ 1945」です。特徴的なレクタンギュラーケースは、モデル名にもある1945年の発売開始より続く、不変のフォルム。まさに腕時計史に残る名モデルとして長く愛せる逸品です。

ブランド37『グラスヒュッテ・オリジナル』

ザクセン地方のグラスヒュッテはドイツ時計の聖地。その名をブランド名に関し、ドイツ時計の伝統を継承しているブランドが『グラスヒュッテ・オリジナル』です。それぞれの桁を別のダイヤルで動かす特徴的なビッグデイトや、アシンメトリーな文字盤、裏蓋には施されたグラスヒュッテストライプはまさにドイツ時計の生き証人とも呼べるもの。作りが違うので単純比較はできませんが、同じグラスヒュッテに出自を持つドイツの時計ブランド『ランゲ&ゾーネ』がウン百万円もする一方、こちらは100万円以下でドイツ時計の由緒正しき名品を買えるのも魅力です。

ブランド38『ジェイコブ』

セレブを虜にしたジュエリーウォッチブランド『ジェイコブ』は、1986年にニューヨークでジェイコブ・アラボ氏によってスタートを切りました。当初は完全なジュエリーブランドでしたが、ある時計を発表したところ大ブレイクを果たし、現在ではジュエリーより時計ブランドとして認識している人も多く存在しています。そしてその時計こそ2003年に発表された「ファイブタイムゾーンウォッチ」。中央のメイン時刻に加え、4つのサブダイヤルにより、計5都市の時刻を同時に表示するという驚愕の時計でした。この時計はまたたく間に話題となり、世界中のセレブの腕に巻かれるようになりました。さらにスタイリッシュにと、5都市の時刻をデジタル表記した「ゴースト」が、こちら。現在ではウン千万を超える超絶機構モデルも次々と世に送り出していますが、ブランドの世界観をに着足りたいならこの辺からのスタートもありでしょう。

ブランド39『クロノスイス』

1983年にドイツで、時計師ゲルト・R・ラング氏が起こした『クロノスイス』は、昔ながらの機械式にこだわるブランドです。装飾においても伝統的なギョーシェを多用した、オーセンティックなモノ作りで時計ファンの心を鷲掴みにしています。同社を一躍有名にしたのが、レギュレーターです。レギュレーターとは、時、分、秒の針をそれぞれ独立させた場所に配置した時計のこと。『クロノスイス』はレギュレーターで初の量産型時計を製作したのです。紹介モデルはレギュレーターでこそありませんが、そのデザインを踏襲しつつ、工芸的なギョーシェやオニオンリューズなどヨーロッパの時計文化を色濃く体現した『クロノスイス』らしい逸品です。

ブランド40『ジャケ・ドロー』

ジャケ・ドロー氏がスイスに最初の工房を開いたのは実に1738年のこと。高い技術力を持っていた彼はオートマタ(機械人形)を時計に組み込み、貴族たちの間でムーブメントを起こします。その後スペイン、フランスなど世界を旅し、中国や日本でもビジネスを展開しました。現在の主力モデルでも、18世紀に制作されたポケットウォッチをイメージした重なり合う上下2つのダイヤルがデザインアイコンとなっており、長い歴史をその腕に感じることができるでしょう。ブランドとしては紆余曲折がありましたが、当時の懐中時計に使われていたエナメルを文字盤に使用したり、オートマタモデルを発表したりと、創業時からブレない時計作りを行っています。

ブランド41『ユリス・ナルダン』

ユリス・ナルダン氏が、スイスにて自らのブランドを立ち上げたのが1846年のこと。当初は航海用の時計であるマリーンクロノメーターを手がけていました。そのスタートを忘れないために、ブランド設立150周年となる1996年には「マリン クロノメーター1846」を発表しています。その後は、天文レギュレーターやポケットウォッチ(懐中時計)の世界でも名作を続々と発表し、確固たる名声を手にしました。近年でも超複雑時計を数多くリリースするなど、マニュファクチュールとしても時計マニアを常にワクワクさせてくれる存在です。

ブランド42『パルミジャーニ・フルリエ』

『パルミジャーニ・フルリエ』の創業者ミシェル・パルミジャーニ氏は名うての時計師でした。そして、パテック・フィリップミュージアム所蔵の歴史的な傑作を修復したことで大きな評判を得ます。そして1996年、スイスの時計作りの伝統を守るべく、自らのブランド『パルミジャーニ・フルリエ』を発足させたのです。

完全自社製造のマニュファクチュールの道を歩み始めた同ブランドは、2004年、自動車メーカー『ブガッティ』とコラボし、アヴァンギャルドなエンジン型の腕時計を発表、さらに2006年には『エルメス』とパートナーシップを結び、同ブランドの革ベルトはすべて『エルメス』製になります。自社で設計できる強みを生かし、『パルミジャーニ・フルリエ』は、独創的で非常に手の込んだ時計を製造するマニア垂涎のブランドに成長しました。こちらのモデルも、時刻と共に伸縮する針により、オーバル型のケースにぶつからず回転する複雑機構を搭載しています。エレガンスと遊び心が同居する作りは、高級腕時計ならではといえるでしょう。

ブランド43『クエルボ・イ・ソブリノス』

ブランドの由来は、19世紀後半からキューバ・ハバナで高級宝飾店「La Casa」を経営していたクエルボ一族。この「La Casa」は、ヘミングウェイ氏、チャーチル氏、アインシュタイン氏などを顧客に持つサロン的な名店でした。のちにヨーロッパに進出したクエルボ一族はスイスで時計製造をはじめ、キューバテイストのスイスウォッチを作りあげたのです。1950年代、キューバ革命によりブランドは休眠時期に入るものの、2002年復活を果たします。「プロミネンテ」はブランド復活後、2003年に初めて発表された3モデルのうちの1つで、ブランドの顔的存在。レクタンギュラーケースのなかにアールデコを表現し、洗練された大人の腕元を演出してくれます。

ブランド44『グラハム』

「クロノグラフの父」と言われる17世紀のイギリスの天才時計師ジョージ・グラハム氏の名を冠し、1995年に創立された新興ブランドが『グラハム』です。イギリス時計がテーマですが、生産は本拠地であるスイスのラ・ショー・ド・フォンで行っています。主力はもちろんクロノグラフ。代表作はこちらの「クロノファイター」。9時位置のトリガーがこのモデルの最大の特徴になっています。これは第二次世界大戦時、爆撃機のパイロットがグローブをつけたまま、親指でクロノグラフを操作できるようにした英国空軍用時計にインスピレーションを受けたもの。メカメカしいギミックとフォルムが男心をくすぐるユニークピースです。

ブランド45『コルム』

1955年にスイス、ラ・ショー・ド・フォンで創業した『コルム』。ブランドの特徴は斬新ともいえる高いデザイン性です。過去には金貨にムーブメントを埋め込んだ「コインウォッチ」やベゼルにインデックスを刻んだ世界初のモデル「ロムルス」、本物の羽根を文字盤に使った「フェザーウォッチ」など、革新的なデザインで注目を集めています。

フラッグシップは1960年に発表された「アドミラル」。このモデルはイギリスのヨットレース「アドミラルカップ」をリスペクトして作られたもの。当時は角型のモデルでしたが、1983年に12角形にリニューアル。現在でもこの12角形ベゼルといえば『コルム』と認識されるほど、ブランドのアイコンになっているのです。こちらは2本のクロノグラフ針を持ち、経過時間を計測できるスプリットセコンドクロノグラフ搭載モデル。スポーティなのに優雅なフェイスが特徴です。

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出版社勤務時にはファッション誌、モノ情報誌の編集を15年にわたって従事。各雑誌で編集長を歴任し、2017年よりフリーの編集者に。男の嗜好品に詳しく、特に腕時計は機械式の本場スイスをはじめとするヨーロッパに何度も取材に行くほど情熱を傾けている。興味のない人にもわかりやすく!がモットー。
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