ヘアメイクアーティスト菊地倫徳さん流“大人カジュアル“とは
おしゃれな大人が定番アイテムとスタイリングを披露する連載第2弾。
今回登場していただくのは、数々のメンズ誌などで活躍するヘアメイクアーティストの菊地倫徳さん。どことなくラフでこなれたムード漂う雰囲気が印象的。「オン・オフ問わず、カジュアルなスタイルがほとんどです。仕事では現場によってきれいめを意識することはありますが、いわゆるビジネススーツを着ることはありませんね。その分、いかに年相応に見えるかは意識しています」
■年相応に見せる、そのためのルールとは
こなれたカジュアルスタイルを楽しむ菊地さんですが、実は童顔で幼く見られることがコンプレックスだそう。「洋服を着たときに“頑張ってる感“が出ちゃうと、子供っぽく見えると思うんです。たとえば流行中のビッグシルエットのトップスなんかが例。そういうときは無理して着ないで潔く見送るのが鉄則ですね」
■そんな菊地さんの定番を選ぶ軸とは
「年相応に見せるには、やはりアイテム自体に“品格がある“っていうのは大事かなと。そういう点で老舗ブランドの靴や時計は、僕のスタイルの手助けになっています。また昔は古着好きで色柄のTシャツなんかも着ていたのですが、30代もなかばになってくるとちょっと派手に感じてきて。今は主張しすぎないシンプルなデザインで、ベーシックカラーのアイテムを選ぶことが増えてきています」
“シンプルだけど上質“が基本の菊地さんのMY定番アイテム
年齢相応に見せるアイテム選び。その具体例として披露していただくのが、菊地さんが夏のスタメンとして着用している10アイテムです。いずれも自身のルールに沿ったセレクトかつ今らしさも十分なモノばかり。さっそくご紹介しましょう。
MY定番1仕事で必須。動きやすいのにきちんと見えるセンタープレスパンツ
もっぱら仕事現場での制服的に重宝しているのが『グラミチ』×『N.ハリウッド』のスラックス。アウトドアブランドならではのタフさと、『N.ハリウッド』が得意とするシルエットの良さが両立しているところがお気に入りだそう。「ヘアメイクという仕事上、動きやすさは重視したいポイント。そのうえ、きれいめシルエットでカチッとした雰囲気を演出してくれるので重宝しています」
MY定番2Tシャツほどラフすぎない半袖スウェット
「1枚で着てもきちんと感が出せる」と絶賛するのは、2015年のデビュー以来、おしゃれな大人を中心に高い人気を誇るブランド『オーラリー』の半袖スウェット。スウェットというとカジュアルな印象が強いですが、極細番手のスーピマコットンを使用しているので、ラフになりすぎず、品ある着こなしにまとまるそう。
MY定番3清潔感とトレンド感あり。白のモックネックカットソー
最近定番入りしたというのがこちらのカットソー。「撮影現場にスタイリストさんが持ってきていてひと目惚れ。白Tシャツよりも大人の雰囲気が出ますし、シンプルなんですけど袖にアクセントがあったりして遊び心を感じますね」。NY・ブルックリン発のブランド『ランドロード』の1枚。
MY定番4古着そのままではないデザインデニムシャツ
古着を解体し、現代的に再構築するアイテムがファッショニスタから支持を集める『オールドパーク』の切り替えデニムシャツは、古着好きの菊地さんをうならせる1枚。古着のような風合いがありつつも、清潔感あるデザインが大人見せの秘訣という。「ベースが古着なので、まったく同じ色落ちの1枚がありません。周りとかぶらない点も気に入っています」
MY定番5“味のあるディテール“で大人見せ! リメイクデニムショーツ
こちらも同じく『オールドパーク』のモノ。「いわゆるデニムショーツだとラフなイメージが強いですが、これは古着ならではの味を出しつつもシルエットがモダナイズされているので、今の気分にピッタリです」
MY定番6老舗靴ブランド『パラブーツ』の夏用シューズ
「もともと『パラブーツ』のミカエルが好きで、フォックなど数足所有しているのですが、これは夏用として3年前に買いました」。夏場でもきちんと感を出したいときに重宝するそう。ほどよく色褪せこなれた風貌もグッド。
MY定番7スポーツサンダルはオールブラックが便利
スポーツサンダルが好きで、『モンベル』や『アイランドスリッパ』などいくつか持っているという菊地さん。なかでも愛用しているのが、『チャコ』の定番モデルZ/1。オフはもちろんですが、オールブラックの『チャコ』はコーデに馴染みやすく、引き締め役にもなるのでオンでも活躍しているという。
MY定番8カジュアルスタイルにも合わせやすい『オールデン』
革靴は『オールデン』を愛用。「これを含めて3足所有しています。ヨーロッパのブランドに比べてスマートすぎないデザインが、自分の服装や気質に合っているのかな」。定番を選ぶうえで、いかに自分のスタイルに馴染むかという点も意識しています。定期的にメンテナンスに出して、美しい状態をキープしているそう。
MY定番9さりげなく大人らしさを出せる『IWC』の時計
「時計が好きなんですが、“いかにも“というギラギラしたデザインや、ひと目でブランドがわかる感じのモノは苦手」ということで、菊地さんが選んだのが『IWC』のパイロット。左のモノは裏がラバーのベルトに取り替えて、夏仕様にしているそう。
MY定番10キャップは色とデザインで大人見せ
「かぶると若く見えてしまう」と、長らく敬遠してきたキャップを最近定番入りさせたという。「撮影などで見るうちに欲しくなってしまって。落ち着いた色みと主張しすぎないロゴのデザインで大人に見えるモノを選んでいます」。いろいろ試着した中でお眼鏡にかなったのは、エッジがありながらもポップすぎない『ハフ』のモノ。
ラフな着こなしの中にもきちんと感を取り入れるのが菊地さん流
カジュアルな着こなしが基本の菊地さんですが、子供っぽく見えないようにきちんと感を取り入れたスタイリングが基本。コーデのコツを見ていきましょう。
コーデ1仕事現場はシンプル&クリーンできちんと感を出す
白Tシャツに『グラミチ』×『N.ハリウッド』のパンツ、『チャコ』のサンダルを合わせた、カジュアルなお仕事スタイル。「仕事着は、動きやすさと着心地を重視したスタイルが基本です。でもラフになりすぎいないよう、センタープレスが入っているパンツなど合わせることできちんと感を演出します」。手元に光る『IWC』も、大人らしさの象徴。
ポイント
定番アイテム1でもご紹介した『グラミチ』×『N.ハリウッド』のパンツは、センタープレスが入っているためきちんと感もキープできる1点。『グラミチ』のベルトがちらりとのぞき、シンプルな着こなしの好アクセントとして活躍しています。
コーデ2大人の余裕を感じさせる休日スタイル
半袖スウェット×デニムショーツというラフなアイテムを合わせながらも、各アイテムの素材感で大人らしさを演出したスタイル。素足にパラブーツも、素材がキャンバスなので重くありません。愛車『センチュリオン』とのカラーコーデもばっちり。
ポイント
デニムショーツは軽くロールアップ。丈を合わせるほか、ラフな雰囲気をアップさせています。ちょっとした小技が大人のこなれ感を演出する秘訣。
基本は定番だけど、新たなアイテムにも挑戦してきたい
「僕なんて、全然おしゃれじゃないですよ」と謙そんしながらも、自身のコンプレックスを感じさせない大人カジュアルを確立している菊地さん。自分の好きなモノを選びながらも、素材やデザインで大人っぽく見せるというバランスが重要なんだという。また、定番のアイテムを基本にしながらもやっぱりトレンドにも挑戦していきたいという思いもあるそう。「トレンドの中からも自分にも着られるモノが見つかるハズ。そこからまたMY定番が生まれるかもしれません」
プロフィール菊地倫徳さん
1979年生まれ。美容師を経てヘアメイクhanjee氏に師事後2006年に独立。メンズファッション誌やミュージシャン、俳優などのヘアメイクを手がけている。
photo_Yuri Yasuda
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