
キャンバストートバッグ15選。長く愛せる逸品に出会うための留意点と作法
アウトドアや休日のお出かけに加え、ビジカジシーンにも引っ張りだこなキャンバストートバッグ。長く愛せて多彩に活躍してくれる逸品に出会うためのヒントをご紹介します。
カジュアルな街歩きに、キャンバス素材のトートバッグが欠かせない
カジュアルバッグの一軍選手として、安定の登板数を誇るキャンバストートバッグ。このタイプのバッグに使われているキャンバスとは、コットンの平織り生地の中でも6~14オンス程度の厚みのある生地を指します。ヨットの帆などにも使われてきた生地だけあって、耐久性や堅牢性の高さは折り紙付きです! 果たして、なぜそこまで丈夫である必要があったのかは、そのルーツから垣間見ることができます。
トートバッグ自体は、1900年代初頭のアメリカで労働者が重いものを運ぶために使っていたバッグに端を発するもの。「トート」というワードも、英語で「運ぶ」という意味合いがあります。要は、業務用バッグの一種だったわけですね。それを日常使いできるバッグとして紹介したのが、キャンバストートの始祖として知られる『エルエルビーン』。1944年に同社が一般家庭向けに発売した氷を運ぶためのバッグが好評を博し、幅広い用途で使われるようになりました。キャンバスという生地は、丈夫なうえ、レザー製バッグと違って傷や汚れを気にせず使える点も魅力です。その気軽さゆえ、休日のお出かけの良き相棒として愛されてきましたが、テレワークの浸透が拍車をかけた仕事服のカジュアル化が止まらない昨今はビジカジの相方として指名される機会も激増中。時代の波にも乗って、守備範囲はますます広がっています。
キャンバストートバッグの長所といえば、とにもかくにも気軽に使えること。ガバッと開いたオープントップの開口部にモノをポンポンと放り込めて、必要なときは瞬時に取り出せます。しかも持ち歩く際は、ハンドルをガシ持ちするか、肩にひょいっと掛けるだけ。リュックのように逐一、降ろしたり背負ったりする必要がない気楽さが、肩の力を抜いて出かけたい休日にはうれしかったりします。これは、スタイリングの面でも良い演出効果が期待できます。ガシ持ちするにしても、肩掛けするにしても、手持ち無沙汰にならないその所作が絵になるうえ、トートバッグ自体が良い意味でのラフさを感じるアクセントに! 生地自体が気負った印象を与えないキャンバスゆえに写真のようなデニムシャツにベースボールキャップというアメカジにもすんなり溶け込み、カジュアル巧者感を印象付けられるんです。
実用性と見た目はトレードオフ? キャンバストート、そのセレクトポイント
普段使いのバッグとして市民権を得たバッグだけに、キャンバストートバッグの選択肢は多種多様。実用性と見た目のどちらに重きを置くかによっても、選ぶべきトートバッグは変わってきます。ということでここからは、選ぶ際に意識したいポイントを3つほどご紹介しましょう。
ポイント1
大きければ良い、ってものじゃない。キャンバストートを長く使うならサイズが大事
一口にキャンバストートバッグといってもそのサイズレンジはかなり広く、お財布とスマホがちょうど良く収まるスモールサイズから、たたんだ焚き火台が余裕で収まるエクストララージサイズまで多種多様。なので、安易に“大は小を兼ねる”的な選び方をしてしまうと、電車の中で要らぬひんしゅくを買うこともあります。あるいは、外出時の持ち物のミニマル化が絶賛進行中という人は、衝動買いに備えて多少ゆとりを持たせたとしてもそれなりのサイズ感で事足りることでしょう。ただ演出面でいえば、あえてデカめなトートを持ったほうがアクセント効果を見込めて、男らしさを印象付ける効果も高いという側面も。後悔しないためにも、自分が求める演出効果や使用感と相談しながら本当に必要なサイズを狙うのが賢明です。
ポイント2
ポケットの有無が、その後の使い勝手を左右する
キャンバストートバッグといえば、そもそもはキャンプギアなどをパッと放り込めるシンプル設計が自慢のバッグ。歴史あるブランドの製品ほど、こうした“原種”に近いデザインを採用しているため、どこにもポケットがなかったり、あっても小さい内ポケが1つだけだったりというケースも。ガバッとモノが入れられるのが利点ではあるものの、収納するモノが多過ぎると荷物が迷子になることもしばしばです。ゆえに、実用性を重視するのであれば、街使いにグッと寄せた多ポケット仕様を選ぶのが賢明。見た目の気楽さと実用性のどちらを取るのかは、慎重に検討したほうが良いでしょう。
ポイント3
入れるモノが多いほど気になってくる。持ち手の長さは、要検討
持ち手(ハンドル)の長さも、トートバッグを選ぶうえで留意すべきポイント。理想的な持ち手の長さに対する考え方はブランドによってさまざまで、『エルエルビーン』のようにロングやレギュラーの2択から選べるケースもあります。例えば、トートはもっぱら肩掛けが基本なので、持ち手はロングがいいのかと思いきや、身長やバッグ本体のサイズ感とのバランスが見た目的にイマイチな場合も。手持ちすべきか、あるいは肩掛けすべきなのかという持ち方の選択は入れたいモノにも左右されるので、単純に見た目だけの問題だけで片付けられないこともしばしばでしょう。ゆえに使用スタイルを踏まえつつ、ルックスとのサジ加減を確かめたうえで選ぶことが、末長く愛せるトート選びの近道になります。
超名門から、こなれた一品まで。キャンバストートのおすすめ15品
キャンバストートの選択肢は、今や選り取り見取り。老舗ブランドの看板を背負っている名作から、ファッションへの落とし込み方が絶妙過ぎる秀作まで、一芸に秀でた15品をピックアップしました。
アイテム1
『エルエルビーン』ボート・アンド・トート・バッグ
冒頭でも触れたように、元々は働く男たちのためのバッグだったキャンバストートを普段使いのバッグとして提案したのが『エルエルビーン』。1944年の発売当初は、氷や木材も運べるバッグであることがウリだったため、「アイスキャリアー」と呼ばれていました。1950年代になると、それがより多目的に使えるバッグとして認知され、その名称も現在使われている「ボート・アンド・トート・バッグ」に変更。以後70年以上も、不朽の名作として愛され続けてきます。24オンスの超地厚なキャンバス仕立てで、今でもアメリカの自社工場で職人が一点一点手作りする生産体制を堅持。S~XLまでの全サイズ展開で持ち手の長さを2択で選べるなど、自分好みのスタイルで使える点も愛されている理由の1つです。
アイテム2
『エルエルビーン』グローサリー・トート・バッグ
「ボート・アンド・トート・バッグ」に次ぐ人気者として、街での目撃頻度がじわじわと上昇しているのがこちらの「グローサリー・トート・バッグ」。サイズの縦横比や底布を折り返して強度を高めた作りなどは「ボート・アンド・トート・バッグ」とまったく同じですが、11オンスというやや薄手のキャンバスを使っている点が唯一の違い。24オンスの「ボート・アンド・トート・バッグ」のように自立はせず内ポケットもありませんが、グローサリー=日用品という名称を掲げているだけあってエコバッグ的な使い方にうってつけ。ナチュラル以外のカラーは、裏面にポリウレタンコーティングが施されており、生鮮食品なども気兼ねなく収納できます。
アイテム3
『パロットキャンバス』ミディアムトートバッグ
1982年に生地メーカーとして創業し、NASAやアメリカ海軍などの公的機関、全米の大学からも発注を受けるバッグメーカーへと成長を遂げた『パロットキャンバス』。多岐にわたる生地を手掛ける一方、創業当初からの看板製品である帆布(コットンキャンバス)は、現在も国内の自社工場で生産し、高い品質を保っています。これはそんな同社自慢のキャンバスで横長フォルムを描いたトートバッグ。内ポケットこそないものの、片手で持ったり、肩に掛けた状態からパッとスマホやサングラスを取り出せる位置に施されたオープンポケットがあったりと絶妙です。
アイテム4
『ユニバーサル オーバーオール』×『ビーミング by ビームス』別注2WAY トートバッグ
シカゴの老舗ワークウェアブランドに『ビーミング by ビームス』が別注をかけたこちらは、手持ちに加え、付属のショルダーストラップで斜め掛けもできる2WAY仕様。開口部をスナップボタンで閉じられるので、荷物が丸見えになるのは勘弁……という人も気後れせずに使えます。内ポケは安心安全のファスナー付きで、ヌメ革を施したハンドルが手に心地良く馴染んでくれます。
アイテム5
『ザ・ノース・フェイス』ユーティリティー トート
国際的な認定機関の認証を得たオーガニックコットンを使い、環境に配慮したインクを用いたこちらは、フロント側に深さのあるオープンポケットを3つも備えた収納力の高さが自慢。ドリンクボトル、折りたたみ傘、パスケースを別々に収納し、必要なときにサクッと取り出すことも。内ポケットも2つあるので、スマホと財布を分けて収納することも可能です。こちらも、付属のストラップを使っての斜め掛けができる2WAY設計。
アイテム6
『ポーター』×『フェニカ』×『B印 ヨシダ』別注 ラグハンドル トートバッグ(L)
“一針入魂”のカバン作りに定評のある『ポーター』とのトリプルコラボ作は、『フェニカ』のディレクターが掲げた“デザインとクラフトの橋渡し”がテーマ。地厚なキャンバスで仕立てたボディにはストーンバイオウォッシュ加工を施し、ユーズド感のある表情を演出しています。持ち手の部分は北欧の蚤の市で買い付けた古布をステッチ留めし、しっかり補強。リペアしながら愛着を持って使っているバッグのような、味わい深さを醸しています。
アイテム7
『エルエルビーン』カタディン・キャンピング・トート
『エルエルビーン』は、キャンプでの使い勝手の良さを追求したキャンバストートも手掛けています。フロントには、マチを設けたオープンポケットが3つ用意されており、広口の500mlのナルゲンボトルやボリューム感のあるバケットハットも余裕で収まります。キャンバス自体は11オンスの薄手タイプで、使わないときは小さくたたむことが可能。
アイテム8
『リーバイス』ロゴ トートバッグ
ギッチリと目の詰まったキャンバスに「バッドウイング」ロゴが映えるこちらは、サイドシームからちょこんと顔を出す赤タブもアメカジ好きにはたまらない見どころ。内ポケットのないシンプル設計の縦長フォルムは、A4サイズの書類や雑誌などの収納にもちょうどいいサイズ感です。持ち手は、手持ちしても肩掛けしてもバランス良く見えるレングス設定。
アイテム9
『ダントン』トートバッグ ラージ
潔く手持ちに限定した持ち手と、たっぷりマチを設けたボディとのバランスにセンスを感じる本作。左右に折り返した底布を頑強に縫製する製法が不朽の名作「ボート・アンド・トート・バッグ」と同じ方式であることから、タフさへのこだわりが感じられます。3本の極太糸がいい意味で武骨なアクセントとなった持ち手は、丈夫な2枚仕立て。床においてもキリッと自立するボディと同様、ちょっとやそっとじゃヘタれない作りゆえ、使い倒したときの経年変化も楽しみの1つに。
アイテム10
『フィルソン』オープン トート バッグ
ゴールドラッシュ時代から働く男たちの味方だったワークウェア界の古参だけあって、キャンバストートもオイルドフィニッシュによって丈夫さと撥水性に拍車をかけた作り。レザー製の持ち手も、リベットや頑丈な縫製で補強し、強度を高めています。持ち手の長さは、ボリューミーなアウターを着た際も窮屈感なしで肩掛けできるやや長めなレングス設定。ですが、手持ちしてもボトムが床には触れない絶妙なバランスです。フロントポケットは雑誌も収まる大型で、サイドポケットにも深さがあるので、直径が大きめの折りたたみ傘の収納にも便利。
アイテム11
『テラパックス』テラトート
『テラパックス』は、1992年にカリフォルニアで創業し、環境にやさしい天然素材だけでバッグを作っているエコ目線のバッグブランド。看板アイテムのトートバッグに採用したキャンバスにも、成長が早く農薬や化学肥料なしでも丈夫に育つヘンプを使っています。内側はオーガニックコットンのツイルでライニングし、ボトムはしっかりと厚みのあるレザーで切り替えるなど、MADE IN USAにこだわるバッグとしての作り込みも非常に質が高く愛着を持って使えます。
アイテム12
『ダルトン』ワン マイル トートバッグ
モデル名が物語るように、マンマイル圏内のちょっとしたお出かけにちょうどいいサイズ感と収納を備えたスモールサイズのトートバッグ。本体は硬めに仕上げた14オンスのキャンバス製で、ドリンクボトルを入れた際に先端が少し飛び出すくらいの浅めの設計なのが特徴。おかげで、荷物をあれこれ入れてもすぐに取り出すことが可能です。外ポケットが4つもあるので、迷子になりやすい小物はここに入れておくと安心です。
アイテム13
『アソビト』コンテナトート
パラフィン加工による高い撥水性が期待できるこちらは、市販の木炭が箱ごと収まるように設計されたスクエア型。OD缶と呼ばれるガス缶が6本隙間なく収まるアウトドア仕様のデザインでもありますが、とにかく水濡れや油汚れに強いのでエコバッグとして使えば食品を気兼ねなく入れて持ち歩けます。
アイテム14
『エルエルビーン』シリンダー・トート・バッグ
『エルエルビーン』の新たな名作と呼び声が高いのが、「ボート・アンド・トート・バッグ」のサンプリング感のあるデザインで筒型フォルムを描いたこちらのワンショルダー型。持ち手が片側にしかない新感覚のトートバッグですが、肩掛けも手持ちも可能。しかも、スマホにコインケースといった必要最小限の荷物で外出するにはうってつけのサイズ感です。生地自体は「ボート・アンド・トート・バッグ」と同じ24オンスのキャンバスですが、ポリウレタンコーティングで撥水性がプラスされています。
アイテム15
『ポロ ラルフローレン』キャンバスミニトートバッグ
ポニー刺繍によるブランドアピール効果も絶大な『ポロ ラルフローレン』の定番キャンバストートに、ミニサイズがお目見えしました。ワンマイルなお出かけに好都合なサイズ感で、オープントップはマグネットでお手軽に閉じたり、開いたりすることが可能。財布を入れて持ち歩くためのバッグとしても安心感があります。ユニセックスで使いやすいサイズでもあるので、彼女やパートナーとのシェア使いを提案しても喜ばれそう。
洗えるか、が実は重要。異臭騒ぎになる前にマメなクリーニングを
キャンバストートは布製品だけに汚れが目立ちやすく、そのまま放置すると異臭を放ち始めることも。自分自身が気持ち良く使うためにも、汚れが目につく前にこまめに洗ってあげるべきでしょう。その際、洗濯機でも洗えないわけではありませんが、繊維にダメージを与えてしまうので、もし洗濯機を使うなら手洗いコースやドライコースなどの弱流コースを選ぶのが賢明。ただ、洗濯機で洗うと、型崩れや色褪せの原因になりやすいので、長く使うことを考えると手洗いがおすすめです。
また、洗濯機だけでは持ち手の黒ずみなどのガンコな汚れが落ちにくいという難点も。こうした黒ずみは、皮脂汚れに対する洗浄力が高い弱アルカリ性の洗濯石けんで部分洗いし、それから中性洗剤で丸洗いするようにしましょう。洗った後は、干す前にシワをしっかり伸ばしてあげることをお忘れなく。一旦乾いてしまうと、シワシワになった状態を戻すのはほぼ不可能です。ちなみに、洗濯をするとレザーなどの部材が傷みやすいという点にも留意。こまめに洗うなら、コンビ使いのものではなく、キャンバス地だけのものを選ぶのがベターです。
この記事の掲載アイテム一覧(全13商品)
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『エルエルビーン』 ボート・アンド・トート・バッグ
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『エルエルビーン』 グローサリー・トート・バッグ
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『パロットキャンバス』 ミディアムトートバッグ
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『ユニバーサル オーバーオール』×『ビーミング by ビームス』 別注2WAY トートバッグ
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『ザ・ノース・フェイス』 ユーティリティー トート
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『リーバイス』 ロゴ トートバッグ
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『ダントン』 トートバッグ ラージ
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『フィルソン』 オープン トート バッグ
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『テラパックス』 テラトート
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『ダルトン』 ワン マイル トートバッグ
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『アソビト』 コンテナトート
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『エルエルビーン』 シリンダー・トート・バッグ
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『ポロ ラルフローレン』 キャンバスミニトートバッグ
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