
厳選10点。キャンバストートの人気ブランドを集めました
キャンバス地のトートバッグは、使い勝手の良さから大人の休日バッグの定番として重宝されています。それゆえに種類が膨大。本当に人気のアイテムのみを厳選しました。
大人の休日バッグとして重宝されるキャンバストート
トートバッグの王道であり、安定の人気を誇っているキャンバストート。レザーに比べて気軽に扱え、クセのなさから着こなしを選ばないのが特徴です。汚れたらガシガシ洗えてしまう耐久性の高さも魅力ですね。元は某アウトドアブランドが考案した“氷を運ぶためのバッグ”だったという歴史もウンチク好きの男性に刺さっているかと思います。また、使い込むほどに自分らしい味が生まれ、デニムのような育てる楽しみがある点にも注目です。と、キャンバストートはメリットだらけ。1つは持っておきたいアイテムです。
おしゃれな大人から支持されるキャンバストートはこんなタイプです
キャンバスと名がつけば、何でも良いというわけではありません。カジュアルでバリエーションが豊富なアイテムだからこそ、大人が手にしてサマになるモノをセレクトするべきでしょう。そのポイントをまとめました。
タイプ1
どんな着こなしにも合うベーシックなカラーリング
バッグや小物でインパクトある色をアクセントとして取り入れ、一点投入で洒落感を出すのも1つのおしゃれ。しかしキャンバストートにおいては、汎用性の高さを重視してベーシックなカラーリングが大人から支持されています。白やオフホワイト、黒、ネイビーなどの定番色の人気が高いのもキャンバストートならでは。色で遊びや存在感をもたせず、あえてベーシックに徹するのがベストです。
タイプ2
ユーズドのような味のあるこなれた風合い
フェード感ある色みやナチュラルなシワ感など、長年使い込んだことで生まれる味が使い始めから楽しめる……、そんなユーズドライクなキャンバストートも人気のカテゴリです。同じ加工を施していながらも、1点1点の表情が異なるという天然素材ならではの特別感も魅力なんですよ。カジュアルさがありながら、武骨で男らしい印象も与えられます。
タイプ3
シンプルデザインに映えるロゴ入り
メゾンブランド人気もあってか、最近はロゴ入りのファッションアイテムが注目を浴びています。そしてそれは、トートバッグも同じ。大人に人気なのはアーティステックなロゴではなく、あくまでもシンプルにデザインされたモノです。ブランド名からコンセプトメッセージまでさまざまですが、ロゴがデザインのさりげないアクセントになってくれます。
本当に売れている、人気のキャンバストートだけを厳選!
定番ゆえに、その数も多いキャンバストート。前述した3つのタイプを軸に、おすすめしたい10品を人気バッグブランドをピックアップしてみました。
ブランド1
『エルエルビーン』
1912年に創業したアメリカ発のアウトドアブランド。アッパーまでラバーで覆ったハンティングブーツの名品「ビーンブーツ」などのさまざまな人気アイテムを生み出していますが、『エルエルビーン』といったらやっぱり「ボートアンドトートバッグ」です。発売から70年以上たった今でも絶大な支持を得ており、老若男女問わず愛されている不朽の名作です。豊富なサイズ・カラーバリエに加え、良心的価格なのも支持されている要因でしょう。
厚手でしっかりとした24オンスのキャンバス地に、補強された底面、さらに極太の糸による丈夫な縫製。ブランドアイコンでもある「ボートアンドトートバッグ」は、今でもデビュー当時と変わらず専任の職人がハンドメイドで製作しています。日本の洗濯機では少々手狭ですが、汚れたらラフに洗えてしまう気軽さもここの特徴です。
■DATA
W33×H30×D15cm
ブランド2
『ポーター』
1935年創業のバッグメーカー・吉田(通称:吉田カバン)から初の自社ブランドとして、1962年に誕生した『ポーター』。素材選びから縫製にいたるすべての工程に手を抜かないモノ作りの姿勢は、創業者が掲げた社是“一針入魂”そのものです。タンカーをはじめとする数多くの名作シリーズを生み出し、現在では有名ブランドとのコラボレーションも精力的に行うなど日本製バッグの代表格として名を馳せています。
『ポーター』×『フェニカ』×『B印 ヨシダ』のトリプルコラボは使い込んだような風合いがたまらない1点。ストーンバイウォッシュ加工に加え、デッドストック生地を使ったハンドルの補強布や特殊な洗い加工を施した真鍮パーツも、ヴィンテージライクな空気を高めています。
■DATA
W47×H33×D15.5cm
ブランド3
『マンハッタンポーテージ』
“すべての人のためのバッグ”という直球的な哲学のもと、1983年にニューヨークで誕生した『マンハッタンポーテージ』。ルーツであるニューヨークスタイルを踏襲したプロダクトを生み出しています。メッセンジャーバッグからクラシックDJバッグまで、そのラインアップはさまざま。それでいて高品質な素材や高い技術を駆使しているところは全製品で共通しています。最近ではよりフォーマルにも対応した『マンハッタンポーテージ ブラックレーベル』を立ち上げるなど、その活躍の幅を広げています。
同ブランドの定番ダックトートバッグは撥水加工を施したキャンバスを使用しており、+αの機能が備わっています。底面の裏地がウォータープルーフビニールなので、とにかく雨や水に強いんです。自立するほど頑強なハンドルのダブルステッチで、荷物をパンパンに詰め込んでも安心のタフネスを実現している点にも注目を。
■DATA
W53×H34×D16cm
ブランド4
『パロットキャンバス』
1982年に帆布を生産するメーカーとしてアメリカのノースカロライナで創業するものの、製品供給依頼を受けてバッグも手がけるように。今もなおアメリカ製にこだわって自社工場で生産し続け、全米で高い評価を得ています。現在ではNASAやアメリカ海軍など、多岐にわたる業界から依頼を受けて生産も手がけるまでに成長。
『パロットキャンバス』の代名詞的素材である、コットンキャンバスを採用したトートバッグ。汎用性の高い単色使いがポイントで、落ち着きあるオフホワイトの色みも絶妙です。たっぷりと収納できる余裕あるサイジングとお手入れしやすいコットン100%の素材使いで、長く愛用できる1品に仕上がっています。
■DATA
W51×H33×D15cm
ブランド5
『バトラーバーナーセイルズ』
2010年に登場した、オールジャパンメイドを標榜する日本のバッグブランド『バトラーバーナーセイルズ』。元々はその名の通り、ヨットの帆を再利用したリメイクバッグからスタートしており、今でもキャンバス素材には強いこだわりを持っています。また、クラフト感あふれるキャンバス素材だけでなく、国産レザーを使用した高級感あふれるエディターズバッグなども人気。手に取れば、ファクトリーブランドならではのコストパフォーマンスの高さを実感してもらえると思います。
肉厚な6号キャンバスに、ウォッシュと製品染めを施すことで長年使いこんだような独特なムラ感を表現。顔料による染ではなく反応染めを採用しているので、これだけ見事なアタリを出しつつも使用中はほとんど色落ちしないという使い勝手の良さも特筆すべきポイントでしょう。ブランドの、キャンバス素材への強いこだわりを感じられます。
■DATA
W33×H53×D19cm
ブランド6
『オーシバル』
1939年にフランス・リヨンで設立。バスクシャツの製作からスタートし、これをフランス海軍に提供していた由緒正しきブランドでもあります。ウェアのイメージが強いですが、実はウェアの製造で培ったノウハウを落とし込んだトートバッグも人気の高いアイテム。キャンバスやデニムといった素材が使われ、サイズ展開も豊富なので男女問わず支持されています。
トートが自立するほどハリのある丈夫な24オンスのキャンバスを採用。使い込むほどに味わいが増す、風合いの変化も楽しめるキャンバストートです。フロントにポケットを設置していながらすっきりシンプルに仕上がっているのも、フレンチブランドならではの魅力です。
■DATA
W34×H30×D14cm
ブランド7
『ダブルアールエル』
1993年からスタートした『ダブルアールエル』。ラルフ・ローレン氏がこよなく愛するヴィンテージやカントリーの魅力を現代によみがえらせたコレクションで、ほかのレーベルとは一線を画したこだわりが詰まっています。ビンテージ感あふれるディテールや素材、確かな縫製、リアルなダメージ加工など、細部までとことん突き詰めたアイテムは古き良きアメリカを感じさせる仕上がりです。
無漂白で耐久性が高く、目の詰まったナチュラルなコットンキャンバス製。黒インクでスクリーンプリントすることで、独特な風合いのロゴに仕上げています。内部にはレザーの引手が付いたジップポケットも装備。手持ちとショルダーの2WAY仕様なのも、うれしいポイントです。
■DATA
W38.5×H44cm
ブランド8
『ホーボー』
バッグをはじめとする実用的なイクイップメント(装備)とブレスレットなどの装飾的アクセサリー(装身具)という、相反するアイテムを展開する東京発のブランド。『ホーボー』というブランド名は、不況下のアメリカで鉄道を無賃乗車しながら渡り歩いた労働者に由来しています。国内の熟練職人によって、素材やディテールなどの細部までこだわったアイテムを発信。
6号のキャンバスをベースにしつつ、劣化しやすい底面やハンドルには10号キャンバスを使用。さらにハンドルはシートベルトに使われるナイロンを組み合わせ、強度をより高めた作りになっています。パーツごとに異なる素材を用いることで、軽量性とタフさを両立させた合理的なつくりになっています。開口部には荷物のこぼれを防ぐスナップボタン付き。
■DATA
W58×H36.5×D16cm
ブランド9
『マリメッコ』
1951年創業の、優れたデザイン性と機能性を融合させたフィンランド生まれのライフスタイルブランド。故ジョン・F・ケネディ氏が1960年のアメリカ大統領選に出馬した際、ジャクリーン夫人が着用していたのをきっかけに世界中にその名が知れ渡りました。鮮やかなカラーや大胆なプリント柄のイメージが強いですが、シンプルで洗練されたアイテムも手がけています。
『マリメッコ』定番のキャンバスシリーズから、ビッグサイズのトートバッグをセレクト。ほかとは一線を画す開口部のデザインが印象的で、ブランドロゴも絶妙なアクセントになっています。バッグの内外にポケットが設置されているので、細かな荷物がなかで散らばってしまうこともありません。
■DATA
W53.5×H45.5×D19cm
ブランド10
『ドリフター』
そもそもパラシュートメーカーでしたが、スカイダイバーのニーズに応えてスポーツバッグやトラベルバッグなども手がけるように。創業から40年たった今もMADE・IN・USAにこだわっており、すべて熟練職人の手作業で作られています。フォルムや素材などに幾度もの改良を重ねながら、より体に馴染む耐久性に優れたアイテムを展開しています。
トートバッグに用いられた18オンスのアーミーダックキャンバスは、ミリタリー仕様の生地ゆえに耐久性や引き裂き強度に優れています。すっきりとした縦型も特徴で、ハンドルとショルダーの2通りの持ち方が楽しめるのも売りです。一見小ぶりですが、A4サイズの雑誌もきちんと収納できます。
■DATA
W33.5×H36.5×D10cm
おしゃれな大人はどう合わせる? キャンバストートを取り入れた着こなし好サンプル
最後におしゃれな大人たちはキャンバストートをどう取り入れているのか、着こなしもチェックしていきましょう。さりげないアクセントとしても効果的な、キャンバストート使いをご覧あれ。
着こなし1
クリーンコーデと味系バッグでメリハリを
モノトーンでまとめたクリーンなカジュアルスタイルに、ビンテージのような味のある『ポーター』の大ぶりキャンバストートでこなれ感を味つけ。そんな相反するテイストのMIXが絶妙な洒落感を生み出しています。
着こなし2
小物同士での色合わせが心にくい演出に
タック入りでゆったりとしたシルエットのパンツを主役にするべく、キャンバストートをはじめとするそのほかのアイテムはシンプルにまとめているのがGOOD。とくにスニーカーとトートは色を揃えることで、統一感を生んでいます。メガネや腕時計といった小物で知的な印象をプラスしたところにも注目を。
着こなし3
セットアップスタイルをドレスダウンする、クリーンなキャンバストート
最近人気のカジュアルなセットアップスタイルも、キャンバストートなら邪魔しません。それを実践しているのがこちらのコーディネート。あえてトートバッグはホワイトの単色をセレクトし、カジュアルななかにクリーンな雰囲気をプラスしているのも素敵です。
着こなし4
ウェアのタフさに合わせてラギッドなトートバッグを
カモフラ柄のトップスにオレンジのニット帽を合わせたミリタリー調の着こなしが主役。そこに合わせた肉厚生地のトートが、タフな印象を加速させています。とはいえ、リュックやショルダーバッグと比べるときれいめに見えるので、大人の着こなしとしては好印象です。トップスの裾と袖のリブ部分、バッグの色をリンクさせた手腕もお見事!
着こなし5
こなれた雰囲気のトートバッグが、着こなしに温かみを加味
Gジャンを軸にオーソドックスなアイテムでまとめた着こなしに、程良く味のあるキャンバストートを投入。冷たい印象のあるブルー基調のコーディネートに対し、オフホワイトのトートバッグをセレクトして、ほっこりと優しい印象を呼び込んでいるのも注目です。必要最低限のものが入るだけのサイズ感も、都会的でGOOD。
バッグ・革小物をメインに執筆記事は200本以上
近間 恭子