
懐かしくも今っぽい。90年代ファッション、その4つのキーワードとは
流行は輪廻する、とはいえそれほど遠い過去ではない90年代ファッションがリバイバル中。当時を知るも知らぬも、今欠かせないスタイルだけにぜひ知っておきたいテーマだ。
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懐かしくて新鮮。巷では90年代ファッションに熱視線
90年代スタイルに則ったファッションは今、要注目のムーブメント。固定された感性ではなく自由気ままに合わせる“雑種感”はまさに高度経済成長期後のファッションカルチャーを彷彿とさせる。90年代といえばDCブランド全盛、そこへアメリカからヒップホップやスケーターカルチャーが入り込み、ミクスチャーされていた時代。若者文化としても大いに盛り上がっただけに、当時を知るならなおさら懐かしさをも憶えるはずだ。
流行の始まりはいつだって若者ではあるものの、無論大人には大人ならではの楽しみ方はある。しかも、当時を通ってきたのであればそのベースがあるだけに、合わせ方やブランド選びなどもより楽しみやすいだろう。若者カルチャーとしてではなく、90年代を知る世代だからこそできる大人のファッションとして、今間違いなく“'90s”は注目すべきキーワードなのだ。
90年代ファッションを試すならまさに今。なぜここまで大人をも魅了するのか?
TASCLAP読者諸兄であれば、1990年代というのは学生時代の人がほとんどなのではないだろうか。あのころに買いたかったアイテム、したかったスタイル……今よりも情報が少ない中で探し求めていただけに、強く記憶に残っているという人も多いだろう。そんな憧れや羨望にも近い感情は、間違いなく今のファッションのベースやルーツにつながっているわけで、今見ても魅了されるのもうなずける。
魅力1
大人でもポップな要素が取り入れやすい
90年代ファッションを象徴するのはやはりポップ感。西海岸カルチャーを思わせる派手な配色やグラフィック、スポーツの要素を取り入れることでテイストや素材感がMIXでき、個性を十二分に主張できる。大人になるとシンプルなスタイルに落ち着きがちだが、遊びのあるスタイルやポップな雰囲気を持たせたいのであれば、90年代のテイストの活用を視野に入れたい。
魅力2
こなれ感も今っぽさも手に入るルーズ感
90年代にはアメトラやアメカジも大きく台頭。そのエッセンスをうまくMIXさせるため、チノパンツやジーンズ、ミリタリーウェアなどをアメリカ由来のビッグサイズのまま着用していた。ヴィンテージ品を使うことも多かったため、むしろルーズやワイドなアイテムが主流に。そんなシルエットは、現在のトレンドにも通じるところがあり、90年代風アイテムを取り入れれば自動的に今っぽさも高まる。
大人流90年代ファッション、その4つのキーワード
今どきな'90sスタイルを大人が着こなすうえでカギとなる4つのキーワードを抽出した。それぞれの着こなし方からイチ押しアイテムまで揃えているので、これから90年代ファッションを取り入れたいならぜひ参考にしてほしい。すでに通っている人でもタイムリーなアイテムを紹介しているので、懐かしみながら見ていってほしい。
▼キーワード1:ビッグ&ワイドシルエット
90年代を象徴するシルエットが「ビッグ&ワイド」。先程も軽く触れたように、ヒップホップやスケーターカルチャーの流入と、土台にあったアメカジやDCブランドブームが交わるとき、その両方の良さを出せる塩梅がビッグシルエットだった。現在も当時を思わせるようなビッグ&ワイドなアイテムが広くラインアップされているが、ここではデイリーな大人めの着こなしをご紹介していこう。
普遍的なアメカジなら玄人感は急上昇
例えば『チャンピオン』のスウェットやデッドストックの軍パンなど、時代に左右されない普遍的なアイテムをルーズなシルエットで構築するだけでファッション玄人な雰囲気を出せるため、ビッグシルエットの導入としてはピッタリ。上下で大きいサイズ感を取り入れるなら、それぞれの“たまり”や“ゆとり”を同じくらいに設定してあげると統一感のあるスタイルに。
レトロなシャツスタイルはタックインがキモ
ワイドなシャツも'90sには欠かせないアイテム。しかしそのまま着てしまうとどうしてもルーズさが前面に出てしまうため、ちょうど良いビッグ感と大人らしい品の良さを求めるのであればタックインがおすすめ。ジャストサイズのタックインはビジネス色が強くなるため、ワイドなシャツならではの“たまり”が良いポイントになるはずだ。パンツはタック入りのスラックスが王道の合わせだが、あえてジーンズやチノを用いるのも良いだろう。
おすすめアイテム1
『アダム エ ロペ』ビック ルーズ スウェット マリンパーカー
1990年代にアメリカ西海岸のストリートカルチャーで流行したパーカーからインスピレーションを得て作ったアイテム。人気が高い定番品で、今回は新色としてピンクが加わっている。特徴的なのはシルエットで、バストと肩周りがかなりゆったり。ドロップショルダーもリラクシングだ。カレッジロゴやチームロゴが入ったスウェットは90年代の気分が強い分、大人っぽく着こなすハードルも少し高めだが、こんなシンプルなスウェットアイテムならすぐにでも取り入れられる。
おすすめアイテム2
『アーミーツイル』×『ジャーナル スタンダード レリューム』別注 コットンスラブシャツ
90年代のミリタリーシャツを連想させるディテールを採用しつつ、現代的なフォルムに調整している。素材はヴィンテージのスリーピングシャツをイメージ。スラブ感やネップ感があり、こなれたムードたっぷりだ。『ジャーナル スタンダード レリューム』による別注では、インラインよりも1サイズダウンした設定。もともとはかなりのオーバーサイズだったサイズ感を、適度なビッグシルエットにアレンジしている。さらに、インラインにはない独自のカラーも展開。
おすすめアイテム3
『ハフ』クローマー シグネチャーパンツ
ワイドジーンズの代名詞ともいえる90年代のバギーパンツがモチーフ。『ハフ』のスケートチームに属するライダー、ブラッド・クローマー氏とのコラボレーションモデルで、耐久性の高いデニムを採用している。ストレスがかかりやすい箇所はダブルニードルステッチで補強するなど、細部までこだわった作りも特徴。コインポケットの上にセットされた”huf.”という小文字のロゴ刺繍がポップなアクセントとしてさりげなく利いている。
▼キーワード2:グラフィック
Tシャツやスウェット、パーカーなどにあしらわれるグラフィック。90年代では外壁アートなどアメリカのカルチャーとして象徴的なデザインの1つでもあるが、これらの落とし込まれたトップス類は一目でそれとわかるため、1点加えるだけでストリートな空気感がムンムン。遊び心を与えたいなら、ぜひ取り入れてみてほしい。
ポップなキャラTはモノトーン軸で都会的に
キャラクターTシャツも90年代ファッションを象徴する存在。取り入れるなら、色を使わず都会的なコーディネートを築くように心掛けると大人っぽくまとまる。特に慣れるまでは、モノトーンで全身を揃えて落ち着かせるのが得策。キャラTはインパクトが強いので、無彩色でも十二分なアイキャッチになる。この手本では、90年代を代表する名作アニメ、「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイがプリントされているTシャツを着用。モノトーンでまとめているため、大人っぽくて都会的な印象に仕上がっている。
アースカラー基調で大人っぽくまとめる手も
モノトーンだけでなく、アースカラーをベースにして大人っぽくまとめるのもおすすめ。存在感のあるグラフィックプリントさえ選べば、全身をアースカラーでまとめても十分なほどの90年代テイストが漂う。このペアコーデでは、オフホワイトのスウェットシャツにブラウン系チェックのアイテムを合わせ、アーシーなムードに仕上げている。もしもグラフィックのインパクトが弱いと感じた場合は、ビビッドなプリントのアイテムを選ぶか、背景となるトップスをピュアホワイトなどにしてグラフィックを際立たせればOK!
おすすめアイテム4
『オアシス』フォー『アダム エ ロペ』エクスクルーシブ シングルレコード コレクション
1991年に結成された「オアシス」は90年代を象徴する英国のロックバンド。『アダム エ ロペ』とのコラボコレクションでは今回、90年代を席巻した名曲のグラフィックをTシャツにプリントしている。本国でリリースされたシングルレコードのレーベルを採用しているため、紛れもない90年代テイスト。コーディネートの主役になるインパクトがある半面、アーティスティックなムードで大人でも着こなしやすい。
おすすめアイテム5
『セント マイケル』ロングスリーブティー バーニング
2013年にスタートした『セント マイケル』は注目のコンセプトブランド。『レディメイド』のデザイナーである細川雄太氏と、ロサンゼルスのマルチビジュアルアーティストであるカリ・ソーンヒル・デウィット氏が手掛けている。このロンTは、前後両面と両袖にグラフィックをあしらっているのでストリート感が強いが、モノトーンの色使いで落ち着かせたバランスが秀逸。プリントのかすれ具合やボディの色褪せ感からリアルなヴィンテージ感が漂い、90年代のムードを醸している。
おすすめアイテム6
『トウキョウカルチャート バイ ビームス』tree13 カガリキッサ ジップパーカー
韓国在住のイラストレーター、tree13 の作品をプリントしたジップアップパーカー。韓国のサブカルチャーだけでなく、1980~90年代に放送された日本のアニメからも強い影響を受けた作風が特徴で、ポップ過ぎない仕上がりの作品は90年代テイストを感じさせる。コットン製のスウェット生地を使ったパーカーは適度な厚み。デザインのクセもないため、幅広く着回し可能だ。フロントは左胸のロゴプリントのみで、インナーとして使うとシックな印象。
▼キーワード3:スポーツアイテム
90年代を回帰する今、最もわかりやすくかつ現代的にアップデートされて展開されているのがスポーツアイテム。『ナイキ』や『アディダス』といった名門メーカーは当時のロゴや配色、デザインなどを踏襲したアイテムを提案し、今また懐かしくも新鮮なアプローチを行っている。大人として着こなすなら、ディテールにこだわった一品をセレクトしたい。
アクティブなセットアップは控えめなデザインを
'90sらしいスポーツウェアとしてアノラックパーカーを用いたセットアップは、非常にアイコニックなアイテム。当時だとカラーブロックや大きめなブランドロゴを落とし込んだド派手なデザインが主軸となっていたが、現在大人としてコーディネートするならこのようにシンプルなものがおすすめ。90年代を彷彿とさせるアイテムながらも、モノトーンかつ小さめロゴなら都会的なスポーツスタイルにアップデート可能だ。小物も同系色でまとめて、よりこなれた印象にしたい。
スポーツ感の強いパンツで90年代テイストをMIX
90年代テイストのスポーツアイテムを象徴するのが「トラックパンツ」だ。特にサイドラインが入ったタイプはインパクトが強く、上品なコーディネートやトラッドなスタイルのハズしとして活躍。落ち着きのあるカラーを選べば意外と合わせやすいので、活用しない手はない。このお手本コーデで取り入れているのは『ニードルス』の定番パンツ。渋いカーキ色がコーディネートに馴染みつつ、サイドラインがスポーティなアクセントとしてしっかり主張している。
おすすめアイテム7
『サニーレーベル』バイカラースケーターズジャケット
90年代に人気を集めたナイロンジャケットがベース。スタンドカラーの中にフードを隠せるデザインで、そのフードがアクセントカラーになっているのもかなりおしゃれだ。バイカラーとフードによるカラーブロックがどこかレトロで新鮮。その一方、身幅はワイドに設定しつつ着丈は短めというシルエットで今どきにリビルドしている。ゴム入りの裾が自然とウエストにフィットし、実際よりルーズに見えないように計算しているのも見事!
おすすめアイテム8
『フック』アメリカアンティーク風プリント 切替 長袖ポロシャツ
アイビー的な佇まい作りに一役買う長袖ポロやラガーシャツは、レトロな風情を感じられるアイテム。こちらはやや褪せたような風合いのカラーブロックを配置した、アメトラよろしくなテイストが魅力。ポップなイラストや襟の切り替えなど、大人のかわいらしい一面を感じさせるにうってつけの一品へと仕上がっている。無地のポロやヴィンテージ風なスウェットも良いが、ときにはキュートなトップスをレトロに着こなすのも良いのではないだろうか。
おすすめアイテム9
『アディダス オリジナルス』スケートボーディング SST トラックパンツ
サイドライン入りのトラックパンツが90年代ファッションのアイコニックなアイテムとして注目を集めているが、カジュアルな印象が強いだけに大人が着こなすのは難しいところ。ただし、側面の3本ラインまでワントーンでまとめたこんな1本なら、簡単に取り入れられるはずだ。シルエットは少しゆとりがあり、ストレッチの利いたウエストとドローコード入りの裾でフィット感が調整できる仕組み。実はジェンダーレスなアイテムで、サイズが豊富に揃っている。
▼キーワード4:ビビッドカラー
90年代のストリートカルチャーを踏まえると、ビビッドな原色使いも忘れてはいけないキーワード。とはいえ、年齢を重ねるほどに遠ざかってしまいがちなアイテムだけに、使い方に悩む人も多いのではないだろうか。単に派手な色を着ることにならないように、他にも90sらしさをトッピングするのがポイント。あえての色使いとして余裕と遊びを感じられるスタイルに昇華させられるはずだ。
フレッシュなカラーを挿して鮮度アップ!
扱いやすいビビッドカラーはオレンジ、ブルー、パープルの3色。普段着にポンッと追加するだけでも即時にストリートな雰囲気が味わえるため、大人にもおすすめだ。このお手本で採用したのはオレンジのパーカー。90年代に人気を集めたMA-1を重ねることでパーカーのオレンジが見える面積を減らし、バランスを整えているのが巧妙なだ。
ニットなら、ビビッドカラーでも大人顔に
ベーシックな色使いに慣れてしまうと、ビビッドカラーを取り入れるのに躊躇しても仕方のないこと。そんな時は、大人っぽい上質感があるニットで取り入れる方法をおすすめしたい。このコーディネートでは、グリーンのニットをセレクト。Vネックのデザインも90年代を感じさせる要素だ。白いTシャツを覗かせることでクリーンな雰囲気をプラス。ルーズなカーゴパンツを合わせ、西海岸テイストやスケーター調を感じさせる着こなしに。
おすすめアイテム10
『エルエルビーン』クルーネック ロングスリーブ Tシャツ
主張の強いビビッドカラーでも、シンプルなTシャツやニットさえ選べば大人でも着こなしやすい。このロンTも象徴的で、左胸にロゴ刺繍が入っただけのシンプルなデザインだ。ただし、90年代のアスレチックウェアに見られたフロントで重ねる仕様のクルーネックがさりげなくおしゃれ。また、ルーズなシルエットも90年代ライクだ。コットン100%の生地は肌触りがやさしく、ついヘビーローテーションしたくなるはず。
おすすめアイテム11
『フィラ』カレッジロゴラインリブ プルオーバーパーカー
90年代のストリートスタイルが注目されると同時に、当時トレンドだったイタリアのスポーツブランド『フィラ』も脚光を集めている。このパーカーもまさに象徴的で、サテンワッペン刺繍で描いたカレッジ調のロゴが90年代テイスト。鮮やかなグリーンの色味とリブに入ったラインがスポーティなムードを高めている。適度なビッグシルエットもポイントで、こなれたムードを醸しつつさまざまな着こなしに対応。
おすすめアイテム12
『インフォビューティアンドユース』IFZ バルーンシルエット トレーニングパンツ
ビビッドカラーはパンツで取り入れるのもおすすめ。着こなしやすいのに意外性があり、色の持つ魅力が存分に生きるからだ。イチ押しは鮮やかなブルー。このパンツは90年代に見られた古着のトレーニングパンツがモチーフだが、ビビッドなコバルトブルーがアクセントとして重宝する。ヒップからワタリにかけて余裕のあるバルーンシルエットも特徴で、こなれ感や90年代テイストを演出。裾にゴムが入っているため、足元が引き締まってダラしなく見えないのもポイントだ。
この記事の掲載アイテム一覧(全12商品)
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『アダム エ ロペ』 ビック ルーズ スウェット マリンパーカー
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『アーミーツイル』×『ジャーナル スタンダード レリューム』 別注 コットンスラブシャツ
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『ハフ』 クローマー シグネチャーパンツ
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『オアシス』フォー『アダム エ ロペ』 エクスクルーシブ シングルレコード コレクション
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『セント マイケル』 ロングスリーブティー バーニング
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『トウキョウカルチャート バイ ビームス』 tree13 カガリキッサ ジップパーカー
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『サニーレーベル』 バイカラースケーターズジャケット
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『フック』 アメリカアンティーク風プリント 切替 長袖ポロシャツ
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『アディダス オリジナルス』 スケートボーディング SST トラックパンツ
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『エルエルビーン』 クルーネック ロングスリーブ Tシャツ
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『フィラ』 カレッジロゴラインリブ プルオーバーパーカー
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『インフォビューティアンドユース』 IFZ バルーンシルエット トレーニングパンツ
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