古き良きスタイルを守り続ける米国ダウンブランド
カナダの『カナダグース』、フランスの『モンクレール』、日本の『水沢ダウン』と世界には各国を代表するダウンブランドがあります。その点、米国生産のダウンブランドと聞かれると、意外とすんなり出てこないもの。とはいえ、そこはアメリカですからもちろん粋なブランドがあるわけです。今回は純アメリカブランド『クレセントダウンワークス』をピックアップして、アメカジ好き垂涎の歴史と機能性について読み解いていきましょう。

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ブランドを立ち上げたのは『エディー・バウアー』出身の1人の女性
ブランドのアイテムに触れる前に、まずはその生い立ちを追っていくことにします。『クレセントダウンワークス』は1974年、アン・マイケルソン氏の手によりシアトルでスタートしました。彼女は大学を卒業後、伝統的な米国アウトドアブランド『エディー・バウアー』に就職。そこで当時最先端のアウトドアスポーツウェアに関する知識を得た後、いくつかのファッションブランドでキャリアを積み、ダウンベストのカスタムオーダーブランドとして同ブランドを発足します。

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マイケルソン氏自身も自然環境を愛するハイカーであったため、真のアウトドア環境においてどのようなダウンが求められるかを理解していました。そこから生まれた傑作が、「イタリアンベスト」。最高級のグースダウンを使用し、1点1点手作りで仕立てられる高品質なベストは瞬く間にハイカーのみならず一般の人々の間にも広がっていきました。
40年以上続く老舗ブランドのこだわり
では、実際に『クレセントダウンワークス』の製品にはどのような特徴があるのか確認していきましょう。誕生から現在まで同ブランドのダウンが愛され続けてきたのには、理由があります。
こだわり1アウトドアの本場、シアトルで1着ずつていねいにハンドメイド
『クレセントダウンワークス』のダウンウェアは、創業以来変わらず1着1着手作業で製作する完全自社生産。機械に頼らず、スローな環境でていねいに縫製されるウェアには、どこかレトロな暖かみがあります。さらに、創業者がリアルなアウトドアユーザーならではですが、風の入りにくいジップとスナップボタンの併用や、ボタン裏側の鹿革による補強など、細かいところまで行き届いたうれしいディテールが満載です。
こだわり2悪天候に強く、羽のように軽く暖かいこだわりの素材使い
現在ではロフト感(弾力性)を重視して中綿のダウンにフェザーを混ぜるのが定石ですが、なんと『クレセントダウンワークス』では最高品質のグースダウン100%を可能な限りすべての製品で守り続けています。さらに、表地には防水・透湿性能に優れた60/40クロス、裏地には肌すべりも良く通気性の良いストリークフリーナイロンを使用。過酷な環境下でもしっかりと身体を温めてくれつつ、かいた汗は外へと逃がしてくれるハイスペックなダウンウェアを40年以上前に完成させていたのです。現在はシェルにウールやリップストップナイロンを使用したウェアも生産していますが、使用者のことを第1に考えた素材選びは今も変わりません。
ダウンジャケット人気の今だからこそ選びたい、10モデルを厳選
老舗ならではのアウトドアな雰囲気が魅力の『クレセントダウンワークス』。ですが、現代の日本で着るなら、都会的でスマートな雰囲気の1着を選びたいものです。ワードローブに取り入れやすい10のアイテムをピックアップします。
アイテム1ダウンセーター 60/40クロス
『クレセントダウンワークス』の中でも最もベーシックなダウンジャケットです。700フィルパワーの最高級グースダウンを100%惜しげもなく使い、表地には水を吸うことで繊維が膨張し高い防水性を発揮する60/40クロスを使用。控えめな光沢が上品な印象です。もちろん、MADE IN USA。
アイテム2ダウンセーター シェル 60/40クロス
上記「ダウンセーター」のシェル版です。素材に使用しているのは変わらず60/40クロスですが、ダウンアイテム特有のステッチがないだけでここまでスマートに。シルバーのスナップボタンの代わりにボディと同色の樹脂ファスナーを取り入れているため、見た目はさらにすっきりとしています。なお型崩れを防ぐために、ダウンの黄金比といわれるダウン80%×フェザー20%の配合を採用しています。
アイテム3クラシコ ダウンパーカー 60/40クロス
前出の「ダウンセーター」より丈が長いヒップが隠れるサイズの「クラシコ」は、大人のオンスタイルにも最適。ストレートにすとんと落ちるシルエットが、ダウンウェアらしからぬクリーンな空気を醸し出してくれるためです。この1着をより現代的に着こなすなら、ネイビーやブラックなどの濃色が最善手でしょう。
アイテム4フーデッドスウェットシャツ
「ダウンセーター」「クラシコ」と比べるとダウンの封入量も控えめで、メルトンコートなどのインナーとしても期待できる振り幅の広い1着です。格子状のキルティングにより、バックスタイルもいたってスポーティ。フード一体型のため、レイヤードの際にもすっきりとまとまります。
アイテム5カラコラムジャケット
「ダウンパーカー」と似ていますが、こちらはポケットのスナップボタンやすっきりとしたフードが少しカジュアルな印象の「カラコラムジャケット」。パキスタン・インドにまたがる山脈の名を冠したジャケットは、古き良きアウトドアテイストを強く感じさせます。やや薄手の作りなので、インナーに厚めのニットを着込みたいなら「ダウンパーカー」よりこちらを選びましょう。
アイテム6ボンバージャケット
スタジャンライクな見た目でスポーティなダウンブルゾンです。こちらも本国アメリカでは「ダウンセーター」と並びブランドの定番として愛されています。シンプルな見た目ですが、内側はブロック状にキルティングが施されており、保温性はお墨付き。小ぶりなショールカラーは、大人のオフスタイルに品を添えてくれます。フロントはダブルジップなのでシルエットに合わせて調節可能です。
アイテム7インテグラルフーデッドパーカ
こちらは、エベレストや北極など考えうるかぎり最も過酷な状況に対応するべく作られた『クレセントダウンワークス』最上級モデル。フロントもスナップボタンではなく、より防風性の高いベルクロを使用した本格派です。そして最大の特徴はグースダウンをこれでもかと詰め込んだ肉厚なボディ。屋外でもまるでシュラフにくるまれているような極上の暖かさを体感できます。
アイテム8スカイライナー キルテッドダウンジャケット
「スカイライナー」は、実は『エディー・バウアー』同名の名作をベースとしたモデル。「ボンバージャケット」とよく似ていますが、こちらは表地にもキルティングを施した、よりアウトドアテイスト強めのルックスです。裾リブがない作りのため、ワイドパンツなどと合わせた際にも膨らんで見えずすっきりと着こなせます。
アイテム9別注 DOWN LINED MOUNTAIN PARKA 60/40 STREAK FREE
こちらは少し変わり種で、「エクスプローラー」というショップによる別注モデル。ブランド定番品の1つ、マウンテンパーカーにダウンを封入することで古き良きレトロアウトドアな形状に確かな保温性能を持たせています。とはいえ、オールブラックで仕立てているので、印象としてはかなりスタイリッシュ。別注の証である特別製のスナップボタンもシルバーであつらえ、モダンな空気を醸し出しています。
アイテム10『アヴィレックス』別注 ダウンパーカ
『クレセントダウンワークス』とほぼ年の近いアメリカブランドに、『アヴィレックス』があります。軍モノに知見の深い『アヴィレックス』とのコラボアイテムであるこちらは、定番の「ダウンパーカー」のライニングをストリート感の強いカモフラに差し替えたよりファッション性の高い一品。カモ柄が難しい、と言う肩には色違いでベージュ×ブラウン、オリーブ×オレンジの無地モデルもあるので、お好みで。

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コーデ1XSサイズで老舗の名品を現代的に
『クレセントダウンワークス』はアメリカブランドらしく、表記サイズよりも作りは大きめ。モダンに着こなすなら、こちらのコーディネートのようにXSサイズを選んでコンパクトなシルエットを構築するのが正解です。コーディネートが単調になりすぎないよう、短丈を生かしてレイヤードを楽しむのも面白いですね。
コーデ2スキニーパンツはダウンウェアと好相性
主役は裏地のオレンジがアイキャッチとして効いているレトロなダウンジャケット。ブラックスキニーパンツとMIXすれば、アウターのアメカジ感を程良く中和したクリーンな雰囲気にさま変わりします。足元で同じくアメリカブランドの『ラッセルモカシン』を合わせて、雰囲気を統一している点にもさり気ないこだわりが感じられます。
コーデ3アウターonアウターのインナーはきれいめで
こちらは上級者の装い。インナーにクリーンな濃紺デニムのカバーオールを挿して、マスタードカラーのダウンジャケットを引き締めています。9分丈パンツで足元をすっきりと見せることでボリューミーなトップスとのバランスをとっているところも高ポイントです。ちなみにご存じだとは思いますが、アウターonアウターに挑戦するときはいつもよりワンサイズ大きめをチョイスしましょう。
コーデ4上下で色味を揃えれば、よりスマートな印象に
ネイビーシェルのダウンに濃紺のインディゴジーンズをマッチング。だめ押しでネイビーキャップを被れば、すっきりとした縦のラインを強調した着こなしが完成します。ダウンジャケットもジャストサイズをセレクトしていますが、色のマジックによりよりシャープな印象に誘導することが可能です。こちらのコーデでは、ライニングに鮮烈なオレンジを差したモデルを選び、程良くスポーティな空気を落とし込んでいる点も注目です。
コーデ5とはいえ、フェードカラーで王道のアメカジを気取るのもアリ
着ぶくれ対策も大事ですが、逆にアメカジに振り切ることで統一感を生み出すのもまた1つの手です。定番の「ダウンセーター」もベージュカラーをセレクトし、ライトブルーまで色落ちした『リーバイス』を掛け合わせれば相思相愛の趣に。スエードの『コンバース』でダウンの色を拾うことで、さりげなく洒落感も醸し出しています。

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