5万円以下で買えてしまう、機械式時計入門機8選

5万円以下で買えてしまう、機械式時計入門機8選

高価な嗜好品のイメージがある機械式腕時計。ところが昨今では、その印象の数分の1程度の価格で手に入る秀逸モデルが増えてきている。見た目にも楽しい、8本をピック。

牟田神 佑介

2020.03.23

腕時計
機械式

手軽に機械式の楽しみを知ることができる、いい時代になった

精密さでは電波時計やクォーツ式に勝るものはないにも関わらず、男はなぜか機械式の腕時計に惹かれる。10万、20万という大枚をはたいて手に入れた腕時計。最初はシースルーバックを選び、裏スケルトンからのぞくムーブメントの動作を時間も忘れて眺め続ける……という体験は、良い大人になるために必要な儀式のようにも感じられる。2日身に着けないと止まってしまい、ぜんまいを巻くところから始めなくてはならないなんてデジタル全盛のこのご時勢にナンセンスだとは思うが、それがたまらなくいとおしく感じるのもまた男心だ。腕に巻けば、テンプがゆれる振動すら感じられる気がする。

機械式腕時計の魅力を挙げればキリがないが、ただ時刻を見るだけではない、“男のロマン”が現代ではわずか2~3万円もあれば手に入る時代になった。精度に信頼のある国産ムーブメントが多く出回るようになったのも理由だろうが、とにかく機械式に触れてみたいという男性の需要が増えたのもまた事実。個人的にはクォーツショックならぬオートマショックが静かに始まっているのではないかと戦々恐々としているが、出そろっているのはそんなことも気にならなくなる秀逸なデザインの傑作ばかり。今回はそんな高コスパな機械式、とくにデイリーユースに適した自動巻き腕時計をラインアップしてみた。

はじめての機械式なら、“裏スケ”がおすすめ

これから機械式に触れるなら、ケースバックにサファイアクリスタルをはめ込んである通称“裏スケ”を勧めたい。理由は簡単で、精緻なムーブメントとその動きを眺める楽しみが生まれるからだ。嗜好品としての意味合いが強い機械式腕時計においては、非常に合理的な意匠といえる。高級腕時計では、オイルが乾きやすい、パッキンが増える分耐久性に劣るなどの理由で採用しないブランドもあるが、まずは愛着を持つことが肝要。こと自動巻きのローター部分には、各社こだわりのデザインがあしらわれていることが多く、所有欲を満たしてくれるポイントのひとつとなっている。同様に、盤面から駆動を眺められるオープンハートも推しておきたい。

デザインにも優れた、高コスパな機械式腕時計カタログ

お手頃価格で手に入れられる分、守りに入らずデザインにもこだわってほしい。色なのか、レトロさなのか、オープンハートのような手の込んだディテールなのか……。自分のこだわりを反映した1本が、きっと見つかるはずだ。

1本目『ベーリング』16243-564

シンプルなクォーツウォッチの印象が強い北欧ウォッチの雄が、満を持してリリースした渾身の機械式時計。9時位置にベーリング海峡の地図を施した24時間計を搭載し、デザインアクセントとしている。これまでのシンプルモダンを踏襲した『ベーリング』のコレクションとは一線を画す43mm径の存在感は、これまでにない一面を垣間見せた。ミヨタ社が『ベーリング』だけに供給しているエクスクルーシブなムーブメントを採用しているなど、機械式を持つ喜びを存分に感じさせてくれる傑作だ。

機能美の追求がもたらした美しさ。ベーリングの腕時計が今、おしゃれ

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北欧デザインに魅了される大人は今も昔も後を絶たない。それはインテリアだけにとどまらず腕時計の世界でも同様だ。そして今、ひそかに注目されている北欧ブランドがある。

菊地 亮

2本目『オリエント』RN-AG0011S

国産機械式腕時計といえば、まず誰もが思い出すのが『オリエント』だろう。自社でムーブメントの開発まで行うマニュファクチュールとしては、コストパフォーマンスで海外ブランドをも圧倒している。剣先を思わせるシャープなドーフィン針とくさび型インデックスは、ビジネスマンの武器としての腕時計の立ち居地を思い起こさせてくれる。9時位置に大胆に開けられたオープンハートからは、ぜんまいがゆるやかにほどけていく様子を眺めることができる。

オリエントのおすすめ時計16選。日本発マニュファクチュールをその手に

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品質の高さと、それを良い意味で裏切る価格設定が魅力の国産時計ブランド『オリエント』。ブランドの魅力から代表モデルまでを網羅した、永久保存版としてお送りしよう。

牟田神 佑介

3本目『フォッシル』フォレスター ME3180

端正な3連ブレスに、オーセンティックなSSケース。4方をクラシカルなアラビアインデックスで固めた古き良きフィールドウォッチの空気を醸し出しつつも、中央はしっかりスケルトン。パッと見の主張が強いスケルトンウォッチだが、『フォッシル』が放つフォレスターは実に使い勝手が良い。スーツの腕元にも違和感のないこの絶妙なバランス感は、アメリカにて長くファッションウォッチの覇権を握ってきた『フォッシル』ならではといえそうだ。やや小ぶりなケースも、腕馴染み良好。

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増山 直樹

4本目『オロビアンコ』EVOLUZIONE

クラシカルなフォルムに、イタリアデザインらしい遊び心を載せた『オロビアンコ』の腕時計は、老若男女問わず幅広い層に人気のあるアイテム。同ブランドと言えばロゴを大胆に使用したデザインも覚えがあるところだが、こんな大人に似合うヴィンテージライクな腕時計もリリースしている。「エヴォルツィオーネ」と名付けられたこちらは、まるで真鍮素材が経年変化したような味のあるケースが特徴的。太めのインデックスや丸みを帯びた風防と合わせて実に印象的な顔立ちにまとまっている。

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『オロビアンコ』といえば、厳選された素材と洗練されたデザインのバッグ。ですが、ブランドのエッセンスを存分に落とし込んだ腕時計も色出のできばえなんです。

牟田神 佑介

5本目『マスターワークス』Quattro 001

2018年登場と比較的若いブランドながら、MADE IN JAPANにこだわった高品質なモノ作りで着実にファンとラインアップを増やしている『マスターワークス』。パワーリザーブインジケーターやオープンハートがアクセントとなる代表作「クアトロ001」にも、サージカルステンレスのケースにあえて手作業で傷をつけ、経年変化を表現したこんな変わり種が登場している。この価格帯の機械式時計ならではの、粋な選択といえるだろう。なお、こちらは「チックタック」限定モデルとなる。

その作り込み、価格以上。新鋭マスターワークスの腕時計に脱帽

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牟田神 佑介

6本目『ロバー』CELLINI S DES VOEUX

あまり馴染みがないブランドかもしれないが、1989年より香港の地で30年以上にわたり機械式時計を中心に製造を行っている『ロバー』。実は香港はスイス、ドイツ、日本などに続き腕時計においては一目置かれている地域。デザイン性が高く見栄えのする製品を高いコストパフォーマンスで提供するブランドが多く、同ブランドにもそんな地域性が反映されている。インダイヤルによるカレンダーにムーンフェイズと、マルチファンクションを搭載しながら3万円を切っているとあれば、注目せずにはいられないだろう。文字盤の緻密なギョシェも、クラシック感を煽る。

7本目『フルボデザイン』F2501

アシンメトリーなダイヤルが腕元にセンスを宿す、『フルボデザイン』のスケルトンモデル。ジャパンメイドのムーブメントを表から、裏から余すことなく観賞できるデザインは、スケルトンウォッチブーム以前から続く『フルボデザイン』の盤面の得意分野だ。ストラップの配色もユニークだが、スーツの腕元にも似合う42mmの程良いサイズ感はデイリーユースの1本としても申し分ない。非の打ち所のない作りには、ブランド名どおり“Furbo=抜け目ない”のほめ言葉がふさわしいだろう。

8本目『ハンティングワールド』HW994 アディショナルタイム

バッグにウェアにと、ブランド誕生から40年もの間、創設者であるロバート・M・リー氏の冒険心をファッションアイテムに落とし込んできた『ハンティングワールド』。それは腕時計においても例外ではなく、ユニフォームやフラッグをモチーフとしたインパクト抜群の配色や6時位置のリューズなど、気分を変えるにはもってこいの鮮烈なデザインが目を引く。裏ぶたにはスケルトンではなくお馴染みの象の刻印がなされているが、その分2つのインダイヤルに挟まれるようにオープンハートが鎮座。身に着けていれば、話題も弾むというものだ。

メンズが腕時計を選ぶなら、機能かルックスかブランド力か。知っておきたい5つの基準

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腕時計は実用品であると同時に、着用者の人物像やセンスを反映する装飾品。ここでは機能と見た目、そしてブランドなど、さまざまな面から腕時計の選び方を解説します。

夏目 文寛

「Men’s JOKER」、「STREET JACK」と男性ファッション誌を経た後、腕時計誌の創刊に携わり現職。メンズ誌で7年間ジャンルレスに経験してきた背景を生かし、TASCLAPでは主に腕時計や革靴、バッグなど革小物に関する記事を担当している。
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