アンドワンダーのバッグ&ウェア。街とアウトドアを横断する名品に惚れる

アンドワンダーのバッグ&ウェア。街とアウトドアを横断する名品に惚れる

アウトドア服と街着の境界線がなくなりつつある中、存在感を放っているのが『アンドワンダー』という東京ブランド。モードな味付け&高機能なモノ作りから目が離せない!

遠藤 匠

2020.07.30

ブランド解説
アウトドアファッション
バッグ

東京発信のアウトドアブランド。『アンドワンダー』とはナニモノか

街のあちこちで見かけるようになった、アウトドアの現場から発信されたウェアやギア。アウトドアトレンドが定着した今では珍しくなくなりましたが、その逆もしかり。街着発信で自然の中でも頼れるアイテムを手掛ける作り手やブランドも勢いを増しています。その急先鋒といえるのが、東京でハイスペックな製品を手掛けている『アンドワンダー』です。2011年にブランドを立ち上げた池内啓太氏と森 美穂子氏の2人のデザイナーは、ともにパリコレブランド出身という経歴の持ち主。加えて、ともに登山やキャンプをこよなく愛する根っからの自然派でもあります。だから彼らが手掛けるウェアやギアはすこぶる街顔でありつつ、機能面にも妥協がありません。都会的なデザインとは裏腹に強度が非常に高かったり、驚くほど軽量だったりするのです。アウトドアブランドが街に接近するアプローチとはまた違うその新感覚のモノ作りは、感度の高いセレクトショップなどでも高く評価されています。

『アンドワンダー』を手掛ける2人のデザイナーのことを、もう少し掘り下げてみましょう。彼らはともに『イッセイミヤケ』のデザインチームでアパレルや雑貨の開発をしていた元同僚なのですが、根っからの自然好きという点でも共通点があります。池内啓太氏は、登山を愛する一方、ヨセミテ国立公園を起点に5日間ほどかけて110kmもあるジョンミューアトレイルをロングハイクしたこともあるのだとか。もうひとりの森 美穂子氏も夏は登山やキャンプを楽しみ、冬はスキーで雪山と戯れながら、一年を通して山と親しんでいるようです。ブランドのテーマに掲げられている“山で考え、街で作って、山で着る”というスタンスも、生粋の自然派ならではの考え方を体現しているというワケです。ちなみに『アンドワンダー』は、ハイキングツアーやワークショップを定期的に主催しています。多くの人が自然と親しむためのきっかけ作りとして行っている一方、売り上げの一部を自然保全活動に寄付するためのものでもあります。

実地テストを繰り返して生まれる。“本物”のアウトドアプロダクト

2人のデザイナーが生粋の自然派だけあって、モノ作りのプロセスもとことん本物志向です。商品サンプルが完成したらそれをデザイナーが自ら山へ持ち込み、そこで感じたことや課題をフィードバックする過程を経て、製品の完成度を高めています。『アンドワンダー』のウェアやギアは、本業アウトドアブランドにはない繊細な配色だったり、ミニマル顔だったりするので、見た目ではハイスペック感を主張していません。ところが、実際に着たり使ったりしてみると驚きの軽さや、「こんな機能ほしかったんだよね」という作り込みを実感することができるのです。

『アンドワンダー』の持ち味である「これ見よがしじゃないけど、超ハイスペック」なモノ作りを象徴するアイテムの1つがバッグです。例えばこのバックパック、アウトドアブランドではなかなかお目にかかれない純白という配色が印象的。アウトドア感控えめなデザインゆえにジャケットスタイルにもすんなり溶け込んでくれそうですが、実はこれ、ボディをエックスパックで仕立てているので耐久性に優れ、シリコンコーティングによって雨傘以上の耐水圧を誇ります。高い機能性がもたらす快適さを日常生活でも享受できるこのバランス感覚は、他のブランドではなかなか味わえないかもしれません。

『アンドワンダー』のプロダクトは、街に溶け込む洒脱さも売り

『アンドワンダー』の強みである街に溶け込みやすいデザインは、やはりデザイナーがコレクションブランドで培ったモード的な感性があるからこそ実現できるものです。しかも、それが、ただミニマルにしただけじゃないというのが面白いところ。「こんなジッパーがあったら便利だよね」などという、かゆいところに届く機能をきっちり盛り込みながら、それをデザインの一部として魅せる落とし込み方が実にうまいのです。都会的だけどギア感も感じられる、というバランスの取り方は当代随一といっても過言ではありません。

『アンドワンダー』といえば。高機能なバッグが“今”にハマる

ブランドの立ち上げ当初から力を注いでいるのが、バックパックやサコッシュです。考えてみれば、両手が自由になるこのタイプのバッグは、アウトドアカルチャー発祥ながら都市生活でも欠かせない存在になっているアイテムの代表選手。デュアルライフを志向するブランドが、こだわりを持って作るのはある意味、当然といえるでしょう。ということで『アンドワンダー』らしさが息づく秀作を見てみましょう。

アイテム130Lエックスパック バックパック

ブランドを象徴する定番アイテムの1つが、このバックパック。雨蓋を胸元側に伸ばして垂らすと、チェストバッグとして使えるようになっているのがユニーク。登山中はそこに地図やカメラを収納することも可能です。フロントに止水ジッパーを斜めに走らせたデザインも印象的で、雨蓋を開かなくてもここから主室に素早くアクセスできる設計になっています。700mmという雨具並みの耐水圧も自慢です。

アイテム2キューベンファイバーバックパック

260gという驚きの軽さを誇る半透明ボディは、キューベンファイバーで仕立てられたモノ。これはダイニーマという超高分子量ポリエチレン繊維を用いた生地で、分子量に加え、分子同士の結びつきも強めているので、堅牢で引き裂き強度も非常に高いのが特徴です。それをロールトップ型のシンプルな設計に落とし込んでいるため、荷物もパパッと出し入れできます。

アイテム3シルサコッシュ

『アンドワンダー』が好んで採用する半透明の生地の正体は、インビスタ社が手掛けたシリコンコーティング済みのコーデュラナイロン。背負っていることを感じさせない軽さながら摩擦に強く、撥水性にも優れています。左右に付いたカラビナを使ってパンツのベルトループに取り付けたり、バックパックのウェビングテープに通して外付けポケットのように使ったりすることも可能です。

アイテム4ヘザーバックパック

杢調のナチュラルな配色を採用したこのバックパックは、フロントに張り巡らせたドローコードに脱いだアウターや濡れたレインウェアなどをサッと引っ掛けておくことができる優れモノ。主室のジッパーはボトムに近い場所から本体のフロント部分をガバッと開ける設計なので、パッキングも楽ちんです。両サイドのコップレッションストラップを絞り込めば、荷物が少ないときも中身がバタつきません。

アイテム5ナップサック

街顔ながら清涼感のあるこのナップサックは、巾着状の開口部に取り付けられたハンドルを使って手持ちもできる2WAY仕様。背面側のポケットの中にクシュッと突っ込むと小さくたためるパッカブル設計で、付属のカラビナを使ってサブバッグとして他のバッグに付けて持ち歩くことも可能です。内側はメッシュとライニングの2層構造になっているので、見せたくない荷物は内側に入れれば問題なしです。

ウェアから小物まで。ブランドのエッセンスを凝縮した厳選7アイテム

素材や仕立てにデザイナー自身が自然の中で必要だと感じた性能が落とし込まれている『アンドワンダー』のウェアや小物。いずれも装飾性をそぎ落としたデザインであり、あえて盛り込まれたディテールは意味があるものばかり。こうした作り込みは、街と自然の境界線をなくし、アウトドアを身近に感じさせてくれます。そんな服やギアを持っていると、いつも以上に街や自然の中に出かけてみたくなったりするかもしれませんね。

アイテム1ラッセルリップジャケット

ストレッチを効かせたリップストップポリエステルのシェルで仕立てられた、フード付きアウター。脇下と胸、腰ポケットの内側という3か所にベンチレーションが備わっていて、ウェア内の蒸れを効率よく排出することができます。フードやフロント、袖に走っている特徴的な白ステッチは、リフレクター仕様。実はリフレクターは、『アンドワンダー』の服に多用されるアイコン的な意匠でもあります。

アイテム2パーテックスウインドジャケット

このシェルアウターは、強強度のナイロン糸を高密度に編み立てたパーテックス クオンタム エア仕立て。着ていることをほぼ感じないエアリーな着心地ですが、防風性は抜群です。それでいて透湿性が非常に高いので、これを着た状態で自転車に乗っても蒸れを低減できる作りになっています。これも明るいところではそれとはわかりませんが、ステッチがリフレクター仕様になっています。付属のポーチに収納して持ち歩くことも可能です。

アイテム3トレックプルオーバー

二重織りのしっかりとしたストレッチファブリックで仕立てられた、ソフトシェル素材のプルオーバー。脇下のマチをジャージー素材で切り替えた設計で、このディテールのおかげで腕の可動域が広がり、蒸れの低減にも一役買ってくれます。ハの字型のフロントジップを開けば、通気性を高めることも可能。プルオーバー型でありながら、裾口と裾をドローコードでキュッと絞れるようになっているので、風をシャットアウトしたり、フィット感を高めたりしたいときに重宝します。

アイテム460/40クロスショートパンツ

アウトドアの世界ではお馴染みの“ロクヨン”クロスで仕立てたショートパンツ。ナイロン単体よりも摩擦に強く、コットン単体よりも通気性に富むという素材特性を生かしながら、動きやすく今どき感も楽しめるゆったりシルエットに仕上げています。右ポケットの内側にジッパー付きの隠しポケットが付いているので、外遊びするときにクルマのスマートキーなどを入れておくのに役立ってくれそうです。

アイテム5ソックス

サンダルのソックス見せで履いても映えそうな配色が目を引くこちらは、オーストラリア産のエクストラファインメリノウールで仕立てたモノ。紡績の段階で通常よりも縮れを強くかけているので、たっぷりと空気を含んでいるのが特徴です。それをふっくらとしたパイル編みにしているのでクッション性も高く、保温性にも優れています。

アイテム6テックロングスリーブ バンドカラーシャツ

アウトドア服としてはありそうでないバンドカラーが新鮮。フロントとカフスは脱ぎ着がしやすいスナップボタンになっていて、ボディの生地はしっかりとしたストレッチが効いているので、締め付け感なしのストレスフリーな着心地に。ラグラン仕様の袖は無縫製のテープ処理にすることで、やさしい肌あたりに仕上げられています。脇下には、汗の臭いを抑えてくれるデオドラント仕様のストレッチを採用。

アイテム7ハイロフトフリース プルオーバー

こちらのプルオーバーは、ふわりと軽いポーラテック社のハイロフトフリースを使用。保温力が高く、蒸れにくいこの素材を使いつつ、腕の上げ下げがしやすい、動きやすさ重視のゆったりパターンに仕立てています。ハンドウォーマーとしても使える左右のポケットと胸ポケットがアクセントになっており、これらの外周にはブランドを特徴付けるリフレクターステッチが施されています。

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モノ雑誌と男性ライフスタイル誌の編集を経て、現在はフリーライターとしてメンズファッション誌、ライフスタイル誌、WEBを中心に執筆。ファッション遍歴は、渋カジから英国系テーラードを経て、再びアメカジに回帰。現在は無国籍状態に。
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