人気再燃中のトラッドとは? 今挑戦したいネオ・トラッドスタイルの装い方

人気再燃中のトラッドとは? 今挑戦したいネオ・トラッドスタイルの装い方

すっかりリラックスコーデに慣れ親しんでしまった昨今。そろそろマンネリ気味……という大人たちが注目するのが“トラッド”です。永久不変の男の装いが、今改めて新鮮!

2022.01.03
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押条 良太

執筆者

暮らしを豊かにする、“定番”の魅力を探究

押条 良太
「MEN′S CLUB」編集部を経て独立。「OCEANS」「Begin」「UOMO」「LEON」「GQ」などのメンズ誌やブランドのカタログ、広告を手がける。得意分野はドレスからアメカジ、靴、ウェルネス、美容と幅広い。シングルフィンログをこよなく愛するサーファーでもある。 記事一覧を見る
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トラッド回帰のときが来た。今こそ“紳士”に装おう

トラッド回帰のときが来た。今こそ“紳士”に装おう

アーバンリサーチオンラインストア

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長らく続いた「リラックスの時代」もそろそろ転換期を迎える時期かもしれません。ファッションシーンを振り返ると2010年代の半ばからリラックスが重要なキーワードとなり、ストレッチ素材やビッグシルエットといった、“ユルめ”で“楽ちん”なアイテムやスタイリングがもてはやされました。さらにここ数年、コロナ禍によって自宅で過ごす時間が増えたことでその勢いが一層加速した感があります。

トラッド回帰のときが来た。今こそ“紳士”に装おう 2枚目の画像

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しかしその反動からか、最近街行く感度の高い大人の間では、あえてトラッドスタイルを好む人が急増しているのです。それも英国紳士のような全身ガチガチの着こなしではなく、アイテムや柄でサラッとトラッドなスパイスを効かせたスタイリング。楽ちん服ばかりが目につく街では、断然新鮮に映ります。本記事では、そんなネクストトレンドとなりそうな“大人のネオ・トラッド”について解説します!

そもそもトラッドとは何ものか。伝統に根差した、その心得

そもそもトラッドとは何ものか。伝統に根差した、その心得

そもそも、“トラッド”とは? 服好きの間でよく使われているこの言葉は、伝統的を意味する“Traditional”という英語を略した和製英語。そんな「トラッド」の源流をたどると、英国紳士のスタイリングに行きつきます。象徴的なアイテムを挙げるなら、肩や胸がかっちりとした3つボタンのスリーピーススーツ。生地は目の詰まったウールで、色柄はスコットランドに伝わるガンクラブチェックやグレンチェックといった格子柄が代表的です。今日、こうしたトラッドなスタイリングは、英国にちなんで「ブリトラ(ブリティッシュトラッド)」とも呼ばれています。

そもそもトラッドとは何ものか。伝統に根差した、その心得 2枚目の画像

そして「ブリトラ」がアメリカへと伝わり、アイビーリーグと呼ばれる名門大学の学生生活のライフスタイルと結びついたスタイリングがいわゆる「アメトラ(アメリカントラディショナル)」です。ナチュラルな肩のラインを持つ3つボタンのネイビージャケットやボタンダウンシャツ、チルデンニットなどがその象徴的なアイテム。アイビーリーグの学生たちは、大学を卒業して社会人になってもこうしたアメトラ服を愛用していました。

今どきトラッドスタイルを装うなら、トラッドMIXを心がける

要するにトラッドな着こなしとは、ブリトラやアメトラのアイテムを取り入れたスタイリングのこと。ただ、全身をすべてトラッド服で固めてしまうと、ちょっぴり時代錯誤な着こなしに映る可能性も……。そこでおすすめしたいのが、トラッドなアイテムをどこかに1~2点取り入れた“トラッドMIX”な着こなしです。

例えば、ツイードジャケットにジャージパンツを合わせてみたり、スウェットパーカーにチェック柄のウールパンツを合わせてみたり、という手法。さらにコーデ全体の色数も少なめに絞れば、スタイリッシュなイメージに。そう、この“トラッドMIX”こそが大人のネオ・トラッドの軸になるのです。

着こなし1

ザ・アメトラな紺ブレにはスウェットパンツで抜け感を

ザ・アメトラな紺ブレにはスウェットパンツで抜け感を

ネイビーブレザーに同色のニット、白のボタンダウンシャツというアメトラの王道コーデ。本来であれば、合わせるパンツはチャコールグレーのスラックスやリジッドジーンズが定石ですが、ここではあえてスリムなスウェットパンツをセレクトしています。スポーティなパンツを加えることで着こなしに抜け感が生まれ、軽やかなイメージに。足元もローテクスニーカーで軽快にまとめれば、ネオ・トラッドな紺ブレスタイルの出来上がりです。

着こなし2

旬のセットアップはブリトラなコーデュロイを選ぶ

旬のセットアップはブリトラなコーデュロイを選ぶ

表情豊かな畝と温もりのある起毛が特徴のコーデュロイは、トラッドの定番素材。ジャケットやパンツで取り入れるのもアリですが、より今っぽく見せるなら流行のセットアップで攻めてみるのも一興です。インナーも無難なカットソーではなく、アメトラの伝統柄であるマドラスチェックのシャツをセレクト。ボタンダウンシャツだと少々トラッドテイストが強めになるため、レギュラーカラーでサラッとまとめているのもポイントです。

着こなし3

ツイードアウターを今っぽく見せるフーディ・マジック

ツイードアウターを今っぽく見せるフーディ・マジック

チェック柄のツイードアウターは、羽織るだけで着こなしがブリトラにキマる勝負アウター。ただ、シャツやニットなどできっちり着てしまうと、少々おじさんっぽい雰囲気になってしまう懸念も。そこで使えるのがスウェットのフーディ。フードでスポーティなアクセントを効かせることでツイードの重さが中和され、グッと今っぽい印象に仕上がるのです。このアウターはシャツジャケット風ですが、テーラードタイプのツイードジャケットにもこのテクニックは有効です。

トラッドを志すなら知っておきたい。12の鉄板アイテムをピックアップ

異なるジャンルのアイテムをMIXコーデするのがネオ・トラッドの要諦ですが、その根幹となるトラッドアイテムにはしかるべき名品を選びましょう。そこでトラッドの二大系統であるブリトラとアメトラそれぞれから、鉄板銘柄をセレクトしました。いずれも1点投入で説得力のあるスタイリングが完成するパワーアイテム。それもトレンドに左右されず、末永く着続けられる逸品ばかりです。

アイテム1

『ブルックスブラザーズ』のポロカラーシャツ

『ブルックスブラザーズ』のポロカラーシャツ

アメトラの殿堂と呼ばれる『ブルックスブラザーズ』。その代名詞的なアイテムが、ボタンダウンシャツの祖先に当たる「ポロカラーシャツ」です。特徴的な襟型は、風であおられないよう襟先がボタンで留められるようになっていたポロ競技のユニフォームに由来します。ジャケットやブレザーに合わせてもよし、デニムやチノに合わせてもよし。これ1枚で正統アメトラスタイルが完成するのです。このモデルはストレッチ性・吸水速乾性・通気性・イージーケア性に優れたオックス生地が使われたもの。シルエットは気持ちゆったりめの「レギュラーフィット」となっています。

ブルックスブラザーズのシャツは、アメトラスタイルの代名詞だ!

ブルックスブラザーズのシャツは、アメトラスタイルの代名詞だ!

アイテム2

『バブアー』のビデイル

『バブアー』のビデイル

1894年にイングランド北東部のサウスシールズ港で生まれた防水防寒衣料メーカーがルーツ。独自のワックスで加工されたエジプトコットンが使われた防水ジャケットは、英国王室御用達にも指定されたブリトラのマスターピースです。代表モデルは乗馬用に開発された「ビデイル」。温かみのあるコーデュロイ襟や、コートとブルゾンの中間のようなバランスの良い着丈、ボタン開閉式のサイドベンツが特徴で、近年は撥水機能のあるポリエステルベースの2レイヤー素材のモデルが人気を博します。シルエットもモダンにアップデートされています。

紳士のマストハブ。バブアーの歴史から名品までそのすべてを読み解く

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英国ブランド・バブアーの顔、ビデイルを持っているか

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アイテム3

『バラクータ』のG9

『バラクータ』のG9

トラッド ハウス フクスミ

トラッド ハウス フクスミ

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1937年に英国のマンチェスター郊外で誕生した『バラクーダ』。英国陸軍のジャンパーをベースに開発したゴルフジャケット「G9」はすべてのブルゾンの原型といわれます。犬の耳の形に似たドッグイヤーカラー、雨滴をスムーズに流すアンブレラカットのバックヨーク、肩の動きを妨げないラグランスリーブなど、機能美ディテールが随所に。エルヴィス・プレスリーや高倉 健といった名優やアーティストに愛用され、映画にもたびたび登場します。今買うなら、1950年代のややゆったりフィットを再現した復刻モデルがおすすめ。

男が惚れ込む魅力が凝縮。バラクータのスイングトップはやっぱり名作だ

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アイテム4

『オールデン』の990

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GRANDPERE

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アメトラのアイコン的シューズといえば、1884年にマサチューセッツ州で誕生した『オールデン』。その名を世界に知らしめたのが、コードバンという馬の尻の革を使ったシューズです。特に人気の高い「990」は、コードバンならではの濡れたような光沢が際立つプレーントゥ。加えてスーツからジーンズまで幅広いコーデにマッチする万能シューズとして洒落者の間に知られています。近年、コードバンの生産量自体が急速に減少しつつあり、「990」の希少性は高まる一方。サイズがマッチするものを見つけたら即入手をおすすめします。

米国紳士靴の最高峰。オールデンのコードバン靴がモノ好きに愛される理由

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アイテム5

『ピーターバランス』のシャギードッグセーター

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インポートショップ メイン

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アイビーリーグの学生たちに愛されたアメトラを代表するニットといえば、1923年にスコットランドで設立された老舗ニットブランドのそれ。独特のふんわりとした風合いはウールのシェットランドセーターの表面を毛羽立たせたもので、風を通しにくく、保温性に優れます。このムク犬の毛並みを思わせる風合いから、「シャギードッグ」とも呼ばれています。継ぎ目のないシームレス仕立てのニットは着心地の良さも抜群。ボタンダウンシャツとレイヤードするのもいいですが、ロンT感覚でサラッとジーンズに合わせるのもオツです。

アイテム6

『ビームス プラス』のツイードジャケット

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ZOZOTOWN

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古き良きトラッドスタイルを現代的に再解釈する『ビームス プラス』。その評価は高く、本場アメリカのコアなアメトラファンからも高い評価を獲得しています。その真骨頂がうかがえる1着がツイードジャケットです。低めのゴージラインやハーフライニング、前振りの袖など米国のスポーツコートを意識したジャケットに、ガンクラブチェックやエルボーパッチが濃い口のトラッドダシを効かせます。フェザーウェイトと呼ばれる軽量ツイードが使用されているため着心地は思いのほか軽く、シルエットも現代的にアップデート済み。

アイテム7

『マッキントッシュ ロンドン』のダンケルドML

『マッキントッシュ ロンドン』のダンケルドML

『マッキントッシュロンドン』は、英国を代表するアウターウェアブランド『マッキントッシュ』から誕生したトータルコレクションです。その看板アイテムというべき「ダンケルド ML」は、スーツからカジュアルまでマッチする万能ステンカラーとして知られています。幅の広い端正な襟や流麗なAラインシルエットが特徴で、サラッと羽織るだけで洗練されたブリティッシュトラッドな着こなしをものにできるのが魅力でしょう。表地は高密度に織り上げられたコットンギャバジン。独特のハリ感が美シルエットを一層際立たせます。

永久定番。マッキントッシュのステンカラーコートが大人を魅了する理由

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アイテム8

『ポロ ラルフローレン』のタイ

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Amazon.co.jp

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アメリカントラッドを語るとき、決して欠かすことのできないブランドが1967年にニューヨークで誕生した『ポロ ラルフローレン』。その一つひとつのアイテムが現代のアメトラ像を映し出します。元々ネクタイ販売からスタートしたブランドだけあって、今でもネクタイは根強い人気を誇ります。コシのある最高級のシルク生地を使い、イタリアのファクトリーで作られたこちらの1本は、クレスト(紋章)柄が小紋調に配された洒脱なデザイン。ハンドによる45度のバイアスカットが、ネクタイのねじれや裏返りを防止します。

アイテム9

『トリッカーズ』のカントリーシューズ

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「ブリトラの代表的な靴といえば?」と服好きに問えば、多くの人が『トリッカーズ』の名前を挙げるでしょう。19世紀の初めに英国靴の聖地・ノーザンプトンで創業した同ブランドは、チャールズ皇太子のロイヤルワラントを授与された由緒ある老舗。その代名詞である「カントリーシューズ」は野山でのハンティングが想定されたもので、水はけをよくするアッパーのブローギングや水の浸入を防ぐストームウェルト、頑丈なダブルソールが特徴。製法はグッドイヤーウェルトで、アウトソールはラバーのダイナイトソールが装着されています。

履き続けるべき価値がある。トリッカーズの革靴&ブーツ名作リスト

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アイテム10

『バーバリー』のトレンチコート

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「ブリトラのコート」といえば、今も昔も『バーバリー』でしょう。1879年にトーマス・バーバリー氏が開発した全天候型の生地・ギャバジンを発明したことからその歴史は始まります。代表作はトレンチコート。英国陸軍の兵士に使用されていた野戦用のコートがルーツで、トレンチとは英語で“塹壕”の意味。表地に使用されたコットンギャバジンをはじめ、肩のエポーレットや袖のカフベルト、腰のウエストベルトといった本格ディテールをそのままに、シルエットはスリムにアップデート。裏地にはアイコンのチェック柄があしらわれています。

アイテム11

『ジョン スメドレー』のニット

『ジョン スメドレー』のニット

インポートセレクトSHOPでらでら

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老舗と呼ばれる英国ブランドの中でも、1784年創業という長い歴史を持つ『ジョン スメドレー』。英国王室御用達としても知られ、その品質の高さから“ニット界のロールスロイス”との異名を取る名門です。今シーズンの狙い目はトレンドでもあるタートルネックニット。定番モデルをベースに肩と身幅にゆとりを確保しつつ、着丈はハーフサイズ分長めの設定されたモダンフィットに。1枚はもちろん、ジャケットやブルゾンのインナーにも重宝します。生地は30ゲージの最高級メリノウール。ぬめりのあるソフトな肌触りも絶品です。

大人ニットの代名詞。ジョンスメドレーで手に入れたい七大定番と注目作

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アイテム12

『ラベンハム』のデンハム

『ラベンハム』のデンハム

英国の生まれのこのアウターウェアブランドは、1969年に開発されたナイロンキルティングのホース用ブランケットが起源。翌年にはその生地を使ったアウターを発表し、キルティングジャケットの元祖として世界にその名を知らしめました。大定番の「デンハム」は、全体に適度なゆとりを持たせたシルエットが特徴。ジャケットの裾が出ない好バランスな着丈も手伝って、ビジネスでも使えるアウターとして人気を博しています。ボディは2014年に一新されたポリエステル素材、ラブンスター。品の良いマットな質感に加え、耐久性と撥水性にも優れます。

キルティングジャケットといえばココ。ラベンハムの定番&別注モデルを総まとめ

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この記事の掲載アイテム一覧(全8商品)

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  • 『バラクーダ』G9
    『バラクーダ』 G9
  • 『オールデン』990
    『オールデン』 990
  • 『ピーターバランス』シャギードッグセーター
    『ピーターバランス』 シャギードッグセーター
  • 『ビームス プラス』ハリスツイード ガンクラブチェック 3ボタン ジャケット
    『ビームス プラス』 ハリスツイード ガンクラブチェック 3ボタン ジャケット
  • 『ポロ ラルフローレン』タイ
    『ポロ ラルフローレン』 タイ
  • 『トリッカーズ』カントリーシューズ
    『トリッカーズ』 カントリーシューズ
  • 『バーバリー』チェルシー トレンチコート
    『バーバリー』 チェルシー トレンチコート
  • 『ジョン スメドレー』RENOLD 30ゲージ タートルネックニット
    『ジョン スメドレー』 RENOLD 30ゲージ タートルネックニット

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