革靴の王様。憧れのジョンロブを買う前に知っておくこと

革靴の王様。憧れのジョンロブを買う前に知っておくこと

「いつかはジョンロブ」。革靴を履く男性にとって、ある意味で頂点にたどり着いた証しとも言える、成功者が履くべき最高峰の靴ブランドについてご紹介しましょう。

池田 やすゆき

2018.05.11

ジョンロブ(JOHN LOBB)
レザーシューズ

既成靴の王者、『ジョンロブ』について

英国靴の聖地と呼ばれるノーサンプトンには、著名な英国靴ブランドがファクトリーを所有しています。『ジョンロブ』もその1つです。1829年、イングランド南西部コーンウォールに生まれたジョン・ロブ氏は、ロンドンで修行した後、ゴールドラッシュに沸くオーストラリアで鉱夫用のブーツ作りで成功を収めました。その後ロンドンへ戻り1866年にロンドン・リージェントストリートに1号店を開きます。

既成靴の王者、『ジョンロブ』について

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当時靴はオーダーで仕立てるものでした。中でも『ジョンロブ』は富裕層向けの高級オーダー靴店として知られるようになります。息子ウィリアム氏の代にはパリに進出。通商“パリ ロブ”は、1976年にエルメス傘下に入り高級オーダーシューズを手がけていましたが、1982年には既成靴を取り扱うようになります。ここから『ジョンロブ』は世界中へ展開し、高級既成靴の最高級ブランドとしてその地位を揺るぎないものにしていきます。

既成靴の王者、『ジョンロブ』について 2枚目の画像

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“パリ ロブ”は現在、ロンドンの『ジョンロブ』とは資本関係において袂を分かち、既成靴はパリ、オーダー靴はロンドンと棲み分けています。さらに“パリ ロブ”は、エルメスグループとして世界中から最高級の革を仕入れるルートを持っているため、素材面は言わずもがな。技術面でもビスポークで鳴らした職人技術はほかに類を見ない品質を保っています。英国らしく質実剛健な仕立て技術と、フランスの芸術を解するデザイン性の融合によって生み出されるコレクションは、ほかの既成靴を圧倒しているのです。

『ジョンロブ』がなぜキング・オブ・シューズと呼ばれるのか

では具体的に『ジョンロブ』が優れている点とは、何でしょうか? デザイン(ラスト)、技術、素材という3つの観点から解説しましょう。

理由1世界のエグゼクティブを魅了する美シルエットのラスト

世界のエグゼクティブを魅了する美シルエットのラスト

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靴の美しさは、なんといってもラスト(木型)の妙にあります。歪な形状の人間の足を美しく流麗なフォルムに包み込む道具としての靴が、いかに美しいラインを描くかを研究して、木材を削り出して靴の原型となる型を作ります。これがラストです。『ジョンロブ』ではいくつもの木型をモデルに合わせて用意しており、中でも内羽根式のドレスシューズに用いられる7000番ラストは傑作中の傑作。丸く小さめのトゥと、黄金率に通じるといわれる前部と後部のバランス、小振りなヒールカウンターなど、360度美しいまさに靴の芸術品です。さらに新作ラストの開発にも余念がなく、時代やトレンドに則したラストのモデルが多彩にラインアップされています。

理由2英国靴らしからぬ、ファッションコンシャスなデザイン

英国靴らしからぬ、ファッションコンシャスなデザイン

英国靴は本来、ポテっと丸いフォルムの黒革靴というのが一般的でした。しかし『ジョンロブ』の流麗なラストになると、ストレートチップはよりドレッシーに、モンクストラップも都会的で洗練された印象に生まれ変わります。メダリオン(穴飾り)は靴のサイズに合わせて大小をつけるのも、このブランドならではのこだわりです。英国靴にありがちな地味な印象ではなく、イタリア靴ほど色気を押し出すでもなく、程良くスマートでファッションコンシャスなデザインは、パリで磨かれた感性の賜物といってもいいかもしれません。

理由3最高峰にふさわしい素材と技術をふんだんに使用

最高峰にふさわしい素材と技術をふんだんに使用

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前述したとおり、『ジョンロブ』はエルメスグループに属していることもあり、世界中から最高級の革素材を採用することができます。革素材にはトップクラスのフルグレインレザーを使っているのも『ジョンロブ』のこだわりです。ヨーロッパでは底の返りが良く履きやすいマッケイ製法が使われることが少なくありませんが、英国靴では伝統的な耐久性に優れるグッドイヤーウェルト製法が用いられ、縫製部のステッチはコンマ数ミリの狂いもない正確さで縫われるなど、どこをとっても最高クラスの名に恥じない作り込みがなされています。

革靴好き垂涎。『ジョンロブ』が誇る人気モデルをピックアップ

それでは『ジョンロブ』の定番・人気モデルをご紹介していきましょう。お値段は張りますが、成功したビジネスマンの足元にこそふさわしい一生モノの靴です。憧れるだけでなく、絶対に手(足?)に入れてやる、という心意気を持ちたいものです。

モデル1シティⅡ

シティⅡ

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最もフォーマルなシーンで履くドレス靴はストレートチップといわれます。ストレートチップのシティⅡは、結婚式や授賞式など、まさにフォーマルの最高のシーンで履くべき靴。もちろんビジネスの勝負どころでも心強い味方となってくれます。ちなみになぜ「Ⅱ」なのかといえば、以前のラスト8965番から7000番に変わったときに「Ⅱ」と名称が変わったからなのです。

モデル2フィリップⅡ

フィリップⅡ

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トゥチップのつなぎ目に穴飾りを施した内羽根式パンチドキャップトゥ、フィリップⅡ。シティⅡに並ぶジョンロブを代表するモデルです。ラストはシティⅡと同じ7000番。ゆえにフォルムはまったく同じですが、穴飾りがあるぶんフォーマルすぎず、普段のビジネスにも合うややカジュアルな雰囲気がありますね。絞り込んだウェストや、小振りのヒールカウンターなど、カントリーなメダリオンシューズとはひと味違う洗練された雰囲気が漂います。

モデル3ウィリアムⅡ

ウィリアムⅡ

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ウィリアムⅡは、ダブルモンクストラップシューズの最高傑作。それまでシングルストラップが一般的だったモンクストラップシューズに対してベルトを2本備えたダブルモンクは、当時ファッショニスタの代名詞的存在であったウィンザー公のオーダーに応えたものだとか。そのためモデル名も、ウィンザー公のファーストネームを冠しています。こちらもラストは7000番。ずんぐりむっくりしがちなダブルモンクを、スマートに仕上げているのはさすがですね。

モデル4チャペル

チャペル

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名品ウィリアムをアレンジしてダブルモンクのストラップを斜めに配したチャペル。個性的で存在感ある足元をアピールできるうえ、『ジョンロブ』の秀逸なデザインを味わうのに最適なモデルです。ここ数年、丈が短めのクロップドパンツが流行ですので、こんな技ありデザインの靴ならより目立てるのではないでしょうか。

モデル5ロペス

ロペス

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コインローファーも『ジョンロブ』の手にかかると、このドレッシーさ。サドル部分の窓の形状が楕円形なのが、ロペスならではです。職人が手縫いで仕上げる甲モカのステッチも非情に繊細で、良い意味でラフなアメリカンなローファーとは別物の風格があります。ラストはローファー専用の4395。このようにモデルによる専用のラストを持つのも『ジョンロブ』のこだわりが表れる部分です。

モデル6ブレントウッド

ブレントウッド

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前述のウィリアムⅡやチャペルの系譜にある、すっきりとした見た目のシングルモンクタイプのブレントウッド。そのシャープな印象を生かすべく、ラストにはやや長めのノーズが特徴的な2511ラストを使用しています。こちらの1足には、毛足の短い上質なスエードレザーを採用。表革に比べてはじめからはき馴染みが良くケアもお手軽なため、お手入に自信がなければスエードという選択肢も有りでしょう。

モデル7ウィリアムⅡ ブーツ

ウィリアムⅡ ブーツ

ダブルモンクストラップのウィリアムⅡを、ミッドカットブーツにアレンジしたモデル。ヒールにゆとりを持たせた9795ラストを使用しており、トゥ部分のシャープさがより際立つように計算されています。アンクル部分の内側は、裏地無しで足首にやわらかくフィット。ダブルソールの重厚さに反して、履き心地は上々です。

モデル8レヴァー

レヴァー

フェルマートフェルマート

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最後は2015年の秋冬コレクションで初お披露目となったスニーカー、レヴァーを。アーティスティックディレクター、パウラ・ジェルバーゼ氏がもたらす進化と革新を象徴するモデルとして迎え入れられました。実は、1923年に発表されていたテニスシューズがオリジンだとか。レザーシューズで培った美しいラストとステッチングの妙は、スニーカーでもなお生かされています。

大人向け男性ファッション誌を中心に、ビジネススーツをメインとするメンズスタイルについて執筆するエディター&ライター。たまに更新→http://www.zeroyonlab.com
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