大人ストリート×家庭の味を連想させる開花丼|勝負服と勝負メシ
誰しもに訪れる勝負時、いったい何を身につけ、何を食すか。きっとそこに各々のこだわりが表れる。周囲から注目されるおしゃれニスタたちの気持ちを高める服とメシとは?
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おしゃれニスタにとって勝負に勝つための源とは?
男には、全身全霊を傾け挑まなければならない瞬間がある。そんなとき、最も力を発揮するために徹底している自分なりのルールがあるものだ。勝負に“勝つ”とかけてとんかつを食べる慣例はあったし、大事なプレゼンにしていくネクタイや、重要なクライアントとの会食で履くおきまりの革靴といった必勝アイテムを持っている人も少なくない。そこで、ファッションにも食にもこだわりのある洒落者たちに、自身の勝負メシと勝負服について語ってもらおうというのがこの連載。第3回は、東京都城南地区を本拠地とするプロバスケットボールチーム、アースフレンズ東京Zで活躍する西山達哉さん。
ファンからNissyの愛称で親しまれるプロバスケットボーラー、西山達哉さん。姉の影響でバスケットボールを始め、大学卒業後は横浜ギガスピリッツ、東京エクセレンスに在籍。2017年には、Bリーグ2部のアースフレンズ東京Zに移籍し、シューターとしてチームに欠かせない存在となっている。私服はというと、アクティブなストリートスタイルが中心。そこへ、「気になっているテイストを盛り込んでいく」のがNissyさん流である。
大人ストリートが基本のNissyさんの勝負服とは
大学生時代に、洋服好きの友人たちの影響からファッションへ興味を持ち始めたNissyさん。とはいえ、今も昔もさほどトレンドは意識してこなかったとか。そんな彼が勝負の場であるコートへ向かう際に身につけるものとは。
的確なサイズバランスと遊びが光る大人ストリートの好例
シャツやジーンズといった定番をサラッとおしゃれに着こなす友人が周囲にいたこともあり、Nissyさんはファッションにおいてとくに手の込んだことはしない。その分、彼独自の適正な洋服選びという特徴が際立つ。コーディネートはTシャツとジーンズのシンプルなストリートベース。ただ、『ザ・ノース・フェイス』のトップスでアウトドア感を取り入れ、『シュプリーム』のキャップや『ヴァンズ』のスニーカーといった黒小物で適度に引き締める。その自身の特徴を理解した選びと着こなしがまた絶妙なのだ。
コーデのポイント1
さりげない変化を誘うコントラストの差
「昔から選ぶカラーは白、黒、グレー、Tシャツだったら無地が基本です」。その言葉どおり、あえてファションで自己主張はしない。普通であれば、無個性、無難と捉えられがちだが、Nissyさんの場合は主軸と小物で明暗のメリハリを利かせ、脱・普通を演じている。
コーデのポイント2
さらりと加えた遊び心に自身のマインドがのぞく
鍛え上げた肉体をどうスマートに見せるか。スポーツ選手がファッションを楽しむうえで越えなければならないハードルである。そこでビッグシルエットを安直に選ばないのがNissyさん。子供っぽく見せず、かつボディラインを過度に浮き上がらせない。そのため選んだTシャツは、チェストにゆとりをもたせつつも丈感がヒップ上にくるような絶妙なサイズ感のもの。
一見無地と思いきや、うしろにはバックプリントが。しかも、そこはかとなく裾に、“NEVER STOP EXPLORING(決して冒険をやめない)”の文字プリント。そのさりげないあしらいが周囲に埋没しないアイテム選びのひとつのカギであり、自身の考え方を表している。そのポジティブなメッセージが、勝負へ挑むための背中を押してくれるのだ。
コーデのポイント3
大人っぽさと洒落っ気の両取りを叶えるミソは足元にあり
選んだアイテムは『ユニクロU』のジーンズに『ヴァンズ』のスリッポン。誰もが手に取るアイテムではあるが、Nissyさんらしさあふれるチョイスや着こなしでグッとおしゃれに見せている。ジーンズはダボつきのないストレートシルエットで、裾をワンロールさせることでさりげないテーパード感を演出。それによって白ソックスのクリーンさもアピールさせる、まさに一石二鳥の着こなしである。その足元はクールなスリッポンだが、ソール脇に炎のラインを入れ、コーディネートのアクセントに。
コーデのポイント4
あえてのアウトドアMIXで旬と自分らしさを脚色
「夏はどんな日でも着ている」というTシャツ党のNissyさん。しかも、「大胆なプリントや鮮やかなカラーのアイテムはほとんど選ばない」とか。『ザ・ノース・フェイス』の1枚は「別段アウトドア派ではないんですが、サイズ感や色みが気に入って」と今季手にしたお気に入り。それだけに、気分良く試合に向かえるのだ。
冷静と情熱。その好バランスを引き出すNissyさんの勝負メシ
スポーツ選手ともなれば、体のケアは仕事の一部。当然、食に対する気遣いは周囲とは比べ物にならない。そんななか、Nissyさんが「おいしさはもちろん、安らぎを与えてくれる雰囲気も好き」と絶賛するのがこちらの『日の出 更科』さんだ。
チームメイトも絶賛するおふくろの味で英気を養う
昨年、アースフレンズ東京Zへ移籍してきたNissyさんにとって、サポートをしてもらっている街や商店街は未開の地。当然、知っているところはほぼ皆無だった。そこで、情報を得ようとチームメイトに相談したところ、誰もが口を揃えてすすめてくれたのが、日の出銀座商店街の中に構える『日の出 更科』である。
チーム愛にあふれた、昔ながらの情緒あふれる佇まい
まさに、昔ながらのお蕎麦屋さん。都市部では少なくなったその味わい深い趣に、自然と親しみが湧いてくる。店へ入ると、女将さんの威勢のいい「いらっしゃい」の声。そこにもまた親近感を覚える。そして気づくのは、選手たちの写真や、選手をイメージしたキャラクターのキーホルダーといった、アースフレンズ東京Z由来のアイテムの数々。チーム、そして選手たちへの愛がそこかしこに見て取れる。
選手たちから“おばちゃん”と呼ばれ親しまれている名物女将は、「実家を離れてプレーしている選手たちがほとんどでしょ。だから少しでも家庭の味を提供してあげたいのよ」と語る。アースフレンズ東京Zの選手たちは、お腹を満たすのはもちろん、その温かい心に触れるためにココを訪れる。その絆は強く、他チームへ移籍した人も、東京へ来るときはわざわざ寄ってくれるんだとか。Nissyさんもこちらへは、家族で訪れることもあるという。
試合のゲン担ぎにもいい豚肉たっぷり「開花丼」
Nissyさんが夕方の試合前によく食べるメニューがこの「開花丼」。Nissyさんが移籍する前から、チーム内ではゲン担ぎとしてよく食べられており、その伝統は今も続いている。「僕もその伝統に乗り食べてみましたが、こいつがまあうまい!」と一瞬にしてとりこになった。一見、お肉を卵で綴じているため普通の親子丼に見える。しかし、こちらで使用しているのはなんと、中性脂肪の蓄積をおさえ、疲労回復にも効果のある豚肉だ。
ダシと一緒にグツグツ煮込み、最後にサラッと卵で綴じる。作り方は通常の親子丼と差はないが、弾力のあるボリューミーな豚肉は噛めば噛むほど味わいが口の中にあふれ出し、卵とダシが絡んだご飯との相乗効果でお腹を一瞬にして満足させる。しかも、しょう油、砂糖、みりんなどで作った程良い甘さのダシは、全体にうまく馴染み食欲を喚起させる絶妙な配合。だから、サラッとたいらげてしまう。お吸い物の繊細な味でしめれば、最後は幸せな気分になれるのだ。
蕎麦や開花丼だけじゃない! 心ときめくプラス1のひと皿
実家の食卓。きっと誰もがそうイメージし、懐かしさを覚えるこれらのおかずたちは、女将さんのご好意によってもてなされるもの。塩っけがいい塩梅のきゅうりやたくわんの漬物、じっくり煮込んだ芯にまで味が染み込んでいるガンモやタケノコの煮物などなど。同店に温かさを感じる理由は、こんなところにもあるのだ。
そして、Nissyさんだけじゃなく、ほかの選手の多くも絶賛するのがこちらの卵焼き。甘口に仕上げられた卵焼きはまさにおふくろの味。よくかき混ぜ空気を内包させているからこそ、焼き上がりはふっくら。やさしいフワフワの食感と甘みがまた美味だ。なかには「死ぬ前にこの卵焼きが食べたい」という選手も少なくないとか。
この服にこのメシ。自身のバランスをキープするうえで欠かせない
「勝負時となるとやはりシーズン中のひと試合、ひと試合になってくると思いますね。そこで気持ちを“入れていく”作業は確かに必要ですが、それだけではいけません。情熱を持ちながら頭の中は冷静でいるため、適度にリラックス感も必要なんです。そのバランスを保つために、自身に合った服を選び、ご飯を食べている気がします」。
取材協力
故郷を思い出す素朴な味わいと女将さんの人柄がいい『日の出 更科』
1970年代に創業を開始し、長く親しまれてきた昔ながらの日本蕎麦屋。今では女将がお店を支えている。もり、たぬき、きつねといった蕎麦メニューはもちろん、濃い口のダシで仕上げた生姜焼きを中心とする定食メニューも人気。毎日日替わりで供されるおかずもまた同店の特色といえる。何より、昭和の風情を残す昔ながらの店構えがいい。そこへ女将さんの温かな人柄もあって、贔屓にしたくなるお店だ。
Photo_Keiichi Ito
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