コーデは足し算。テイストは織り交ぜてこそおしゃれ|大人のMY定番

コーデは足し算。テイストは織り交ぜてこそおしゃれ|大人のMY定番

おしゃれ賢人から定番コーデ&アイテム選びを学ぶ当連載。5回目は辣腕プレスとして、またファッションアイコンとしても支持される『HEMT PR』の平山さんにフォーカス。

山崎 サトシ

2018.09.07

MY定番連載
インタビュー記事

数多のブランドを預かる敏腕PR、平山洋次さん

数多のブランドを預かる敏腕PR、平山洋次さん

ファッション業界を主戦場とするおしゃれ巧者に、着こなしテクやアイテム選びのイロハを学ぶ連載企画も今回で5回目! お話を伺ってきたのは、誰しもが知る王道ブランドから今をときめく旬ブランドまで、多種多様なブランドのプロモーション活動を行うPRオフィス『HEMT PR』で代表を務めている平山洋次さん。現在30ブランド以上のクライアントを抱える超敏腕にして、その類まれなセンスから毎月のように男性誌に登場するファッションアイコンでもあります。これまで数多のアイテムに触れてきた平山さんの考える定番モノ、そしてコーディネートへのこだわりとは?

引き算から、足し算のスタイリングへ。平山さんの考える方程式

若い頃とはコーディネートの作り方がガラっと変わったと話す平山さん。今は自身が実践する“足し算コーデ”のベースとなるものを定番と考えているのだそう。

「昔は着こなしを引き算で考えていました。主役アイテムを1点決めたら、それが引き立つよう余計な要素は削ぎ落とす感じ。でも今は反対に足し算で構築します。具体的にはベーシックなアイテムを基盤としながら、トレンド性の高いもの、あるいはアクセントになるものを加えていくやり方。そっちの方が断然応用が効くんですよ」

引き算から、足し算のスタイリングへ。平山さんの考える方程式

「だから、その基盤となる部分で使うアイテムが自分にとっての定番になるのかな、と。基本的にMY定番として選ぶのはイメージが湧きやすい服。たとえばショーツとかカットソーみたいな普遍的な服って、“これを着たらこうなるな”ってパッと頭に浮かぶじゃないですか。足し算コーデを実践する上で、それはすごく大事で。当然、イメージしやすさを念頭に置くとデザインはシンプルが理想。ただ、どこか少し遊びのある方が良いですね」

そして、大人っぽく装うためには“振り切りすぎない”さじ加減が大事だと説きます。

「テイストを完全に振り切った着こなしは、個人的にはちょっと難度が高いかなって思いますね。ミリタリーとかサーフとか1つのテイストに100%寄せると、“ああ、この人そういう格好が好きなんだな”っていうのは伝わりますが、じゃあそれがおしゃれかと言うとまた別問題だと思うんです」

引き算から、足し算のスタイリングへ。平山さんの考える方程式 2枚目の画像

「テイストは“振り切る”よりも“織り交ぜる”方があか抜けて見えるし、それを裏付けるようにここ数年の流行もスポーツMIXだったりアウトドアMIXだったりと、“MIX”がキーワードになっています。そんなトレンドの流れもあって、最近はゆったりしたサイジングでリラックステイストを落とし込んだスポーティスタイルがお気に入り。動きやすいし、気になるお腹周りをごまかせるし(笑)と、トレンド面以外にも色々とメリットがありますしね」

平山さんの現在の定番とは。愛用の逸品を紹介

ここからは、平山流“足し算スタイル”の基盤となる定番アイテムを一挙見せ。どれも優れた汎用性を有する逸品です。その一方でさりげなく遊び心が落とし込まれていたり、リラックステイストやスポーツムードを感じさせるものだったりと、ただのスタンダードアイテムとは一味違った魅力も備えています。

MY定番1オールラウンドに使える無地の“ロンT”!

オールラウンドに使える無地の“ロンT”!

3年ほど愛用中の『チャンピオン』の定番型ロンT。同型でグレー、ブラックも所持しており、着こなしに応じてローテーションしているのだそう。「見ての通りの簡潔なデザインで、合わせやすさは随一! 生地はコットン・ポリエステル・レーヨンの3種混紡で、肌触りも良いんですよ。しっかりとした作りはさすがの一言で、ガシガシ着てもクタりません」

MY定番2“スウェットベスト”はユニークなルックスがお気に入り

“スウェットベスト”はユニークなルックスがお気に入り

「パッと見は至ってシンプルな無地ベストなんですけど、実はニットじゃなくてスウェット素材。スタンダードなアイテムを素材で遊んでいるところにヤラれて購入しました。ビッグシルエットで抜け感があり、しかもスウェット生地のおかげでスポーティと、まさに今の自分の着こなしにドンピシャでハマるアイテムです」。こちらは、『ヴォート メイク ニュー クローズ』と『アーバンリサーチ』のコラボモデル。

MY定番3ギミックを効かせた茶目っ気ある“カーディガン”

ギミックを効かせた茶目っ気ある“カーディガン”

装いに大人感が欲しいときに羽織っているというカーディガンは、新潟のニットメーカーであるウメダニットが手掛けるブランド『ラッピンノット』の1着。「パッと見はきれいめなモデルですが、左右で色が違うドッキング仕様となっていて個性も同時に打ち出せます。ニットのドッキングデザインってあまり他では見ないので結構新鮮ですよね。ベーシックと遊び心のバランス感が絶妙!」

MY定番4上品さと、くだけ感を兼備する“ワイドショーツ”も愛用の一品

上品さと、くだけ感を兼備する“ワイドショーツ”も愛用の一品

「ワイドショーツって本来はアクティブ感の色濃いアイテム。でも『ラッピンノット』が手掛けるこれはトラウザーの生地を使っているので、上品な雰囲気にも振れます。さらに、ドローコード式なので楽ちんです」。今年の春に購入して以来ヘビロテしているという1本は、ニット生地でパイピングを施すなど細部まで気の利いた作りに。

MY定番5ワンマイルシーンで大活躍の“スウェットパンツ”

ワンマイルシーンで大活躍の“スウェットパンツ”

『チャンピオン』の十八番であるリバースウィーブ使いのスウェットパンツ。「近所への買い物などワンマイルな場面で頻繁にはくのがコレ。年齢を重ねても変わらない定番です。テーラードジャケットと合わせてハズすのはちょっとわざとらしいので(笑)、トップスにはニットを選ぶ場合が多いですね。この他にネイビーとブラックも持っています」

MY定番6コーデをスマートに引き締められる“ブラックスニーカー”

コーデをスマートに引き締められる“ブラックスニーカー”

この「スタンレー」は現在人気急上昇中のジャパンシューズブランド『ヨーク』を代表する人気モデル。「革靴もたまに履きますが、基本的にはスニーカー派。これはオールブラックのクールな見栄えで、スニーカーでありながらコーデをピリッと引き締められるのが魅力です。細身のシルエットも僕の好みにマッチしていて、もう3年は愛用していますね」。ゆるめの着こなしを街っぽく仕上げたい場合によく投入するとのこと。

MY定番7“スリッポン”は足元を軽く仕上げたいときに重宝

“スリッポン”は足元を軽く仕上げたいときに重宝

「さきほどのスタンレーと同様、愛用ブランド『ヨーク』より。こっちはリリーというモデルで、長年履いていたので良い感じで味が出てきました。スポーティなスリッポンタイプなうえに、色みが淡いので足元を軽快に見せたいときはコイツの出番です」。アッパーには上質なカウスエードを使っており、ほんのりとクラス感も漂わせます。ちなみに、平山さんは『ヨーク』の靴を4足ほど所有。

MY定番8荷物は少なめなので、身軽に動ける“巾着バッグ”&“ポーチ”が◎

荷物は少なめなので、身軽に動ける“巾着バッグ”&“ポーチ”が◎

普段、あまり大きな荷物は持ち歩かないと語る平山さん。「名刺入れ、メガネ、充電器、サングラス、サイフ、ハンドソープ、あとはちょっとした小物ぐらい。だから小ぶりなバッグと、その中に2つくらいミニポーチを入れておけばこと足ります。紹介のアイテムはどれも日本発ブランド『20/80』のもので、デッドストックのミリタリー生地によるヴィンテージライクな雰囲気がGOOD。どんな着こなしにもしっくりと溶け込んでくれるのも高ポイントです」

MY定番9知的な印象をプラスできるメタルフレームの“メガネ”

知的な印象をプラスできるメタルフレームの“メガネ”

メガネは4本持っているという平山さんだが、なかでも一番活用頻度が高いのが『オリバーピープルズ』のメタルフレームモデル。「端正なデザインで着こなしに知的なイメージを加えられますし、ゴールドカラーだから肌との馴染みも抜群に良いんですよ。青山にある直営店で購入し、4年以上は使っていると思います。テンプルに柄が入ったメリハリのある風貌も個人的に刺さりましたね」

MY定番10“バングル”はブランドを統一するのがこだわり

“バングル”はブランドを統一するのがこだわり

「袖をロールアップするのが好きなので、味付けとして腕元を彩るバングルは欠かせません。ただ、あくまでも脇役として使うから派手過ぎないミニマルなデザインを選びますね。両腕に着けることもありますが、その場合はゴチャついて見えないように必ずブランドを統一します」。溺愛ブランドは『20/80』で、写真のモデルはどれもIDプレートからインスパイアされて製作。実に洗練された見栄えです。

厳選アイテムで構築する、平山さん流コーディネート

上でピックアップした定番品を駆使して、平山さんの十八番であるリラックスしたスポーティコーデをお披露目! あくまで気負いなくシンプル、それでいて旬感たっぷりなスタイリングは参考になること確実です。

コーデ1肩の力を抜きつつも大人の品格はちゃんとキープ!

肩の力を抜きつつも大人の品格はちゃんとキープ!

スウェットベスト×ショーツのコンビでスポーティに。同時に、ややルーズなシルエットでリラクシングな印象も意識しています。それでいて大人っぽく帰結しているのは、ベスト&ショーツ、そして足元をダークトーンで呼応させて一体感を出しているから。「暗めのカラーを中心とした着こなしが重たく見えないように、『チャンピオン』のロンTをインナーに挿してトーンアップしてみました」

肩の力を抜きつつも大人の品格はちゃんとキープ! 2枚目の画像

腕元には『20/80』のシルバープレートバングルを投入して、スマートなイメージも巧妙にブレンド。過度に主張しないデザインのアクセなので、リラックス系の着こなしにも違和感なく溶け込んでいます。これくらいのさり気なさが、大人にはちょうど良いんです。

コーデ2スウェットパンツのラフさをカーディガンで巧みに緩和!

スウェットパンツのラフさをカーディガンで巧みに緩和!

「スウェットパンツは不変の定番にして最高の旬アイテムでもあるので、今季はこれまで以上に積極活用中。とはいえ、使い方次第では野暮ったく見えやすいため、カーディガンのようなカジュアルななかにも品を感じるトップスと合わせてバランスを取るようにしていますね」。さらに、ウェアカラーが落ち着いているぶん巾着バッグやシルバーバングルといった小物類での味付けが映えます。

スウェットパンツのラフさをカーディガンで巧みに緩和! 2枚目の画像

スウェットパンツ&スリッポンのフットワーク軽く動けるマッチング。アクティブなニュアンスに偏り過ぎないよう、スニーカーとボトムスを近いカラートーンでリンクさせてすっきりと見せているのが技アリ! 非常に効果的なテクニックです。

トレンドを追うほどに、定番の重要性は増すもの

定番スタイルを軸として、そこにトレンド要素をちょっとずつ足していけば着こなしは形になると平山さんは説きます。「仕事柄、常に流行にはアンテナを張っていますが、自分のスタイルを急にトレンドに寄せるのって結構難しい。だから定番アイテムを軸とした自分なりの“お決まりコーデ”を作って、そこから少しずついじっていくようにしています。ブレない定番スタイルを自分の中で持っておくことで、トレンドにもチャレンジしやすくなると思いますよ」

プロフィール平山洋次/HEMT PR代表

平山洋次/HEMT PR代表

セレクトショップのプレスとして経験を積み、2011年にPRオフィス『HEMT PR』を発足。PRと販売促進をリンクさせる構築的なプロモーションを提案し、多くのクライアントから信頼を得る。昨年にはレディースブランドを中心とした新PRオフィス『UTS(ウトス)PR』も設立。ファッションシーンの最前線に立つかたわら、2児のパパで趣味は子育てという、業界きってのイクメンでもある。

Instagramアカウント
@yooochang

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