
コートの種類を再認識。チェックすべき10種のデザインと着こなし方
目移りするほどに豊富なメンズコートの種類。定番から旬モノまで、押さえておきたい型を10種にまで絞り込み、着こなし例と合わせて解説します。
難航する男のコート選び
コートは秋冬の必需品であると同時に、面積が大きいだけにコーディネートの大部分を締める重要なアイテム。何を選ぶかで印象は大きく変わります。さらに、男性向けだけで絞り込んでみても種類が豊富。印象を左右するうえに選択肢も多いということで、何を選べば良いか迷ってしまって当然です。まずは定番デザインを押さえつつ、今シーズン覚えておくべきデザインも合わせてチェックを! ハズさない定番タイプと注目したいタイプの計10種に厳選したので、その特徴とイチ押しの着こなし例を見てみてください。
旬度も意識。定番メンズコート6種
まずは冬のコーディネート作りの軸となる絶対的な定番コートをピックアップします。どの種類を選んでも汎用性が高く、着回しやすさも抜群。どれを選んでもハズれはないので、好きなタイプを着こなしてみてください。
▼タイプ1:チェスターコート
コートの中でもっともフォーマルなデザインなのがチェスターコート。上質素材のダークトーンなら冠婚葬祭でも着用できるので、大人の必需品ともいえます。テーラードジャケットをロング丈にしたようなデザインが特徴的。上品かつシンプルなルックスなので着回しやすさも抜群です。ちなみに正式名称は「チェスターフィールドコート」。19世紀にチェスターフィールド伯爵が着ていたのが由来という説が有力です。
着こなし例
ラフなアイテムを合わせて都会的にカジュアルダウン
フォーマルで上品なチェスターコートを主役にしたコーデは、いかにカジュアルダウンできるかがセンスアップの見せどころ。カジュアルなアイテムを代表するジーンズと合わせるのも手段のひとつですが、推奨したいのはジージャンをミドルレイヤーとして活用する方法。ボトムスにはスラックスを取り入れることで大人らしさもフォローすることができます。
▼タイプ2:ステンカラーコート
コート類の中でももっともシンプルな面持ちなのがステンカラーコート。バルマカーンコート、バルカラーコート、スタンドフォールカラーコートという呼び名もあります。大きな特徴は襟のデザインと比翼仕立て。ラグランスリーブのゆったりしたシルエットが本体の仕様ですが、最近はバリエーションも増えています。
着こなし例
シンプルなコートに個性を加味して着崩した好例
ステンカラーコートはシンプルなルックスなので、オンでもオフでも着用可能。オフで着るためには、ビジネス感を払拭するために適度なカジュアルダウンを意識するべきです。この着こなしは、スウェットパーカーでバランス良くカジュアルダウン。上半身を明るいトーンでまとめて軽やかに演出しつつ、下半身をブラックで揃えて引き締めているのもポイントです。
▼タイプ3:トレンチコート
1枚でもサマになるのがトレンチコートの魅力。機能的なディテールがデザイン上のアクセントにもなっているため、シンプルに羽織るだけでもおしゃれに映ります。もともとは軍用に開発されたコートで、「トレンチ」は「塹壕 (身を守るための穴や溝)」という意味。塹壕戦ための機能が盛り込まれています。悪天候への対策も万全で、生地は防水性の高いギャバジンを起用。右肩のストームフラップは、フロントのボタンをすべて留めた際に雨の侵入を防ぐための工夫です。
着こなし例
カラーニットによるアクセントで男っぽさを中和
多彩なギミックが搭載されたトレンチコートは、男くさいムードやヘビーな印象を着こなしで軽減するのがスタイリッシュに見せるコツ。今シーズンなら、トレンドのカラーニットを挿すのがおすすめです。このコーディネートでは、ベージュのトレンチコートと相性の良いオレンジのニットを挿し、軽妙洒脱に演出。ソックスでさりげなくオレンジを加味した統一感もおしゃれです。
▼タイプ4:ピーコート
ダブルブレストが特徴的なピーコートは、イギリス海軍の艦上用コートが起源。大きなボタンに描かれているアンカーモチーフがそれを物語っています。また、風の向きに合わせてフロントの合わせ方を左右入れ替えられるギミックも独特。手が入れやすい防寒用のマフポケットも大きな特徴になっています。アイビーやプレッピーといったアメリカントラッドスタイルの定番品でもあり、学生用としても人気の高いコートです。
着こなし例
Vゾーンでトラッドテイストを強調したコーディネート
ピーコートはアメトラ系スタイルの定番アウター。ということで、トラッドテイストアイテムとは相性が抜群です。そこでこのお手本では、チェック柄のシャツ+ケーブル編みニットでトラッド感を強調。ピーコートは首周りが開いてVゾーンになるデザインなので、首元が寂しくならないようにインナーでポイントが作れるとバランスが整います。
▼タイプ5:モッズコート
正式名称は「M-51」で、フィールドジャケットの上に羽織るアウターとして誕生したミリタリーパーカーです。1950年台後半にロンドンで流行したモッズスタイルで愛用されたことから、モッズコートと呼ばれるようになりました。背面側の裾が燕尾状になっていることから、フィッシュテールパーカーと呼ばれることもあります。最近は素材やカラーの種類が拡大。ファーやライナーの有無に加え、デザインやディテールでアレンジタイプも増えています。
着こなし例
クリーンなミリタリーテイストに仕上げるのが今季の気分
今シーズンもミリタリーテイストは人気を集めていますが、クリーンにまとめるのが今季流。インナーなどで清潔感のあるホワイトを効かせると簡単に今っぽいスタイリングが出来上がります。この着こなしでは、白いスウェットシャツ(トレーナー)で清潔感を加味。チノパンツとビットローファーの組み合わせも大人なムードを放っています。
▼タイプ6:キルティングコート
馬用のブランケットとして開発されたキルティング素材ですが、その軽量性と保温性の高さからウェアに転用されたのがはじまり。代表的なブランドである『ラベンハム』が手掛けるアイテムは細身で、スーツスタイルにうってつけ。カジュアルコーデに羽織れば一気に上品さが加味されるとあって、冬の定番アイテムとして取り入れられています。
着こなし例
上品なアイテムで統一したエレガンスな休日スタイル
フード付きのキルティングコートを主役に、インナーにはニット、パンツはスラックス、そしてレザーシューズを合わせた保温性バッチリの上品なスタイルです。ブルーとグリーンを基調とした着こなしにリンクさせたマフラーが何とも洒脱です。
羽織れば今どきに。旬なメンズコート4種
ここからは、今シーズンとくにインプットすべきコートを4種類に絞り込んで紹介。どれもリラックスできるシルエットが共通するポイントで、最近のトレンドを反映しています。汎用性も高いので、今っぽさや周囲との差別化を優先するならこの4種類がおすすめです!
▼タイプ7:タイロッケンコート
トレンチコートの原型とも言われているタイロッケンコートは、ベルトで留めるだけのシンプルな作りが特徴的。ラップコートと似ていますが、バックルなどの留め具を使っているのがタイロッケンコートで、ベルトを結んで留めるのがラップコートというのが一般的な分け方です。定番ではないからこその新鮮なデザインが新鮮味を放ちます。
着こなし例
トレンドのリラックス感をコートとシャツのセットで強調!
人気の火付け役ともいわれている『コモリ』のタイロッケンコートを着用。インナーにビッグシルエットのシャツを合わせることで、コートのリラックス感をさらに強調しています。ダラしない印象に陥らないよう、シャツ以外をブラックで統一して落ち着きを与えているのもポイント。足元のワラビーシューズもカジュアルアップに貢献しています。
▼タイプ8:オーバーコート
コート自体をオーバーやオーバーコートと呼ぶ場合もありますが、ここで指すのはオーバーサイズ、ビッグサイズのコートのこと。リラックスできる大きめのシルエットは今シーズンも人気が続いているのです。余裕のあるサイズ感がカジュアルなニュアンスを振りまくため、デザインはシンプルで上品なタイプを選ぶと大人でも着こなしやすいはずです。
着こなし例
コートの柄や魅力を強調したクールで巧妙なスタイリング
オーバーコートは面積が大きいため、どんな色柄を選ぶかが重要。ここで選んだタータンチェックは、トレンドのトラッドテイストを演出するのにうってつけです。インナーから下半身までをブラックで統一して引き締めているのもポイント。コートだけがブラウン基調だからこそ、今っぽいコートの柄が引き立ち、ビッグシルエットのリラックス感も際立っています。
▼タイプ9:ダッフルコート
定番コートに含めても良いくらいポピュラーなコートですが、今季は特にトレンドアイテムとして注目されています。フード付きのデザインに加え、トグルボタンで留める仕様がカジュアルな印象。北欧の漁師が使用していた作業着が起源で、トグルボタンはグローブをしたまま着脱しやすいギミックだと言われています。ベルギーの都市「デュフェル」の英語読み「ダッフル」が名前の由来。
着こなし例
ダークトーンと統一感でクールにまとめた大人の装い
スクールコートとしても人気のダッフルコートは、子供っぽく見えないように着こなすのが原則。このお手本では、コートとスラックスをダークネイビーで揃え、クールな大人っぽさを演出することに成功しています。ざっくりしたニットとローテクスニーカーを合わせることで、ダッフルコート特有のカジュアル感を適度に残したバランスも見事です。
▼タイプ10:フーデットコート
フード付きである、という点ではダッフルコートを同じですが、デザインは至ってシンプルなため、さまざまなシーンで活躍できるアイテムです。フードがあることで上品さにほんのり可愛らしさがプラスされ、コーディネートの幅が広がります。また、フードがあることで首周りにボリュームが生まれるので、顔が小さく見えるというオマケ付き。
着こなし例
ブラックウォッチ柄を活かしたシンプルコーデ
秋冬にぴったりなブラックウォッチ柄のコートを活かすために、他のアイテムをシンプルにまとめた着こなしです。ブラックウォッチのみならず、総柄のアイテムは「1コーデにつき1点」までに抑えておけば、その柄を存分に引き立たせることができますよ。
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