
洋服に適したウール。知れば面白いメリノウールの世界
メリノウールと聞くと、最高級や希少といった言葉を想像するが、実際のところはどうか。素材の詳細をひも解きながら、買うべきアイテムを挙げていく。
メリノウールってなんだ?
ウールの大半は羊毛によって作られるが、ひとえに羊といってもロムニー種、ドライスデール種、オーストラリアやニュージーランド、フランスで飼育されているメリノ種など種類は様々。とりわけオーストラリアメリノ種の毛は、白く、細く、そして捲縮が多い。そのため、洋服にもっとも適しているとされ、太さの違いにより「ファイン・メリノ」、「ミドル・メリノ」、「ストロング・メリノ」に分けられている。
購入前に押さえたい。メリノウールならではの長所と短所
どんな素材であれ、メリットもあればデメリットも存在する。賢い大人ならば、短所をカバーしつつ長所の恩恵を授かることができる逸品を選びたい。まずは以下で紹介するメリノウール全般の長所と短所をチェックしておこう。
メリノ種の羊毛は、非常に細く柔らかい。その特性を存分に生かしたメリノウールは、体から発する熱を繊維間に閉じ込め外部へ逃がさないため、着たそばからとにかく暖かいという点がメリットだ。速乾性があるためかいた汗を素早く吸収し蒸気として外へ放散。涼しさも感じられることから夏にもうれしい素材として重宝されている。しかも、天然の防臭効果に加え、捲縮が多く弾力があり型崩れしにくいことから、アウトドアウェアに用いられることも少なくない。また、ニット特有のチクチクとした感触が少ないため、現在ではアンダーウェアにも広く採用されている。
メリノウールにも短所はある。ウールの特徴のひとつが、スケールと呼ばれる人の髪の毛のような鱗片の繊維表面。そのため、非常に絡みやすくすぐにピーリング(毛玉)を起こしてしまう。しかも、水に濡れればスケールが開いてしまい、もみ洗いすると絡み合って硬くなってしまう恐れがある。さらに、そのまま乾かせば縮んでしまうことも。そのため、洗濯にはかなり神経をすり減らさざるをえない。化繊よりも重く、水を含みやすいため燥きにくい性質があり、耐久性に難があるため磨耗も激しい。しかも、虫食いにあいやすいので、保管時には十分なケアも必要だろう。
特徴を生かすなら、メリノウールで買うべきはこんなアイテム
メリノウールだからといって、その長所だけを享受できるわけではない。選びたいのは、各ブランドの技術により短所がカバーされた良品だろう。とりわけ、以下で紹介するような6アイテムならば申し分ないはずだ。
アイテム1
『マーモット』クライムウールボーダーハイカークルー
汗を素早く吸収し外部へと発散させるメリノウールの特徴を最大限に活かしたアンダーウェア。冬はもちろん夏でも寒暖差のある場所には必携のアイテムで、保温性を確保できるウール混ながら気軽に洗濯ができるのもうれしい。
アイテム2
『バトナー』シグネチャークルーネックプルオーバーニット
古くからメゾンブランドのアイテムを手がけてきたファクトリーのブランド。メリノウール特有の肌触りの良さに加え、素材を独自に仕上げているため不安要素のピーリングもおきにくい。ラグランスリーブによるリラックス感も特徴。
アイテム3
『テイラー スティッチ』コミューターチノ
2017年の日本初上陸以降、瞬く間にシーンからの信頼を掴んだ西海岸ブランドの1本。その生地は独特で、メリノウールを軸に耐久性や伸縮性に優れるソロナ(R)と呼ばれる糸を混紡。はき心地だけでなく、強さや動きやすさも加味したアイテム。
アイテム4
『ガッロ』ロングホーズソックス
70年以上にわたりソックスのみを作り続けてきたイタリア屈指の老舗専業メーカー。足とのズレを防止すべく専門の職人が1本の糸を使いハンドメイドで丁寧に仕上げている。メリノウールを使用しているだけに、履き心地も最高。
アイテム5
『ダックス』ニットワッチ
英国で開業した小さなテーラー屋がルーツだけに、ニットキャップへのこだわりもひとしお。メリノウール仕立てのこちらは、保温性はもちろん暑いときでもサラッとした着用感。チクチクした感触もなく、しかも防臭性にも優れている。
この記事の掲載アイテム一覧(全3商品)
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『マーモット』 クライムウールボーダーハイカークルー
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『ガッロ』 ロングホーズソックス
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『ダックス』 ニットワッチ
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