名家ならではのローファー。パラブーツのランスはここが違う

名家ならではのローファー。パラブーツのランスはここが違う

『パラブーツ』で真っ先に思いつくのはシャンボードかもしれないが、それだけじゃないのが名ブランドたる所以。ローファー型のランスもワードローブに招き入れたい名作だ。

菊地 亮

2019.01.19

パラブーツ(Paraboot)
レザーシューズ
ローファー

『パラブーツ』のランスはシャンボードと肩を並べる人気モデル

『パラブーツ』はアルピニストたちに向けた靴が原点であることはつとに有名である。ほかにも、港町で働くワーカーや軍人たちの足元を支えるなど、主に実用靴のブランドとして世界的な信頼を得てきた。ただ、日本でその名を知らしめたのは、やはりビジネス靴としても使える汎用性が人気のシャンボードや、獣毛を配したモデルが伝説化したミカエルだろう。ランスは、そのミカエルのローファー型として登場。日常との親和性を高めたモデルとして、発売以降2モデルに次ぐ人気を誇っている。

支持される理由は? 『パラブーツ』のランスは“だから”愛される

革靴ではスタンダードなタイプといえるローファーながら、シャンボードやミカエルに匹敵するほど高い支持を得る理由はどこにあるのか。一般的見地と筆者の私見の双方から探ってみたい。

理由1ローファーらしからぬ重厚感があるから

アイビースタイルの必須靴であり、学生の日常靴でもあるローファー。スニーカー以上、革靴未満の、スマートかつ軽やかな風貌が定番ではある。しかしランスの場合、ヒール部分は1cmをゆうに超える肉厚さ。昔馴染みのデザインながら堅牢性はそれ以上である。

理由2力強さを増す被せモカだから

モカシン縫い、略して“モカ縫い”はローファーの特徴で、シャンボードは甲部と本体の革を重ね横から縫い付ける拝みモカで作られている。が、ランスは甲革を被せて縫う被せモカを採用。水の浸入や、縫製部分が割れる“モカ割れ”を防いでいる。

理由3品と男らしさの両立を叶えているから

一見ベーシックなローファーである。ただ、前述した安定感と脚長効果を誘発するソールの厚さ、手縫いの重厚なビーフロール風デザイン、アッパーとウェルトを縫う極太ステッチなど、随所に男らしさを感じさせるディテールが潜んでいる。

筆者が分析する『パラブーツ』のランスならではの真の魅力

ローファーは、大別すると確かに革靴だが、日常からすんなり足を通せる気軽さこそ魅力。ある種、消耗品とも捉えられる1足を何年も履ける名作として格上げさせたところに、ランスの功績が光る。オイル含有量の多いリスレザーと堅牢性のある肉厚なラバーソールのコンビはとにかく絶妙。

『パラブーツ』のランス、おしゃれコーデ参考集

これまで述べてきたランスの特性上、コーディネートにおける汎用性は多いに期待出来る1足となる。それは、街の着こなしからも多いに納得。その際たる好サンプルを厳選して紹介する。

コーデ1クリーンさを足すことでワークの粗野っぽさを軽減

オーバーオールやワークジャケットはともに古着。得てして土っぽさが漂いがちなコンビだが、白シャツやローファーの投入、クリーンな色味のチョイスで爽やかにアレンジ。ネクタイ代わりのバンダナも気が利いている。

コーデ2ジャケパンスタイルに添えたリラックス感がいい塩梅

紺ジャケに白シャツ、そしてペールベージュのチノで仕上げた清潔感ある佇まい。アイビーの定番アイテムを採用しつつ、シャツはバンドカラーでパンツはワイドシルエット。足元は肉厚ソールのローファーと、今を意識したアイテムを選びアップデートさせている。

コーデ3個性派&ゆるアイテムをダークトーンでまとめ手懐ける

独特な胸元デザインのブルゾンとショールカラーカーディガンのレイヤードより、保温性と個性の両得を叶えた。スウェットパンツで動きやすさを意識しつつ、ハズし過ぎないよう足元に重厚なローファーを取り入れたバランス感もお見事。

コーデ4コンサバなスタイルは足元で遊ばせ鮮度を回復

Pコートにニット、そしてボトムはチノパン。ベーシックなアイテムのシンプルな着こなしは保守派の大人にうってつけだが、8.5分丈のパンツ裾から白ソックスをチラリとのぞかせ、迫力のあるローファーを足すことで周囲からの埋没は避けられる。

コーデ5男らしいアイテム同時使いは適度な抜け感を添えて

軍出自のデッキジャケットと色落ちさせたジーンズの併用は、男らしさをアピールできる格好のアイテム。ただ、粗野になり過ぎるのがたまにキズ。随所に白を挿し、足元をローファーにしながら程良い抜け感とモダンさを加えることで印象も都会的に一変する。

ここも気になる。『パラブーツ』のランス、そのカラバリは?

ブラックやブラウン、ネイビーがベーシックなカラーバリエーション。しかし、オールホワイトをはじめとする“白”を採用したモデルも発売されている。白と聞くとどうも気負っているように見えて手が伸びない、気恥ずかしいという人は多い。ただ、ラフなホワイトデニムなら取り入れやすいのと同様で、これだけ武骨で男らしい姿のランスならば、そのハードルは自ずと下がる。しかも、デニムやチノパン、スラックスとの相性も良く、意外に汎用性があるのも利点。それでも難ありと捉える人ならば、ソールだけでも大いに効果が望める。こちらの1足なら、普段と同じアプローチで、軽やかかつクリーンな足元を演出できる。

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