
MADE IN USAを履く。チペワのブーツ、大人の足元に威厳を添える全9モデル
スニーカーブームもひと段落し、徐々にワークブーツに視線が集まりだした昨今。アメリカの老舗ブーツメーカーである『チペワ』について、今一度おさらいしておきましょう。
100年以上の歴史を誇る米国老舗ブーツメーカー『チペワ』
1901年にウィスコンシン州で創業した『チペワ』。他のアメリカの老舗ブーツメーカーと同様に森林伐採用のロガーブーツの生産からスタートし、大戦期にはミリタリーブーツの生産、そして50年代はエンジニアブーツやラインマンブーツの生産を行うなど、常にタフな男たちに向けてブーツを製造してきました。そしてラインアップの中でも特に評価が高いのが、エンジニアブーツ。オリジナルの『チペワ』はもちろん、60年代から80年代にかけてバイク乗りの間で人気を博した伝説のエンジニアブーツブランド『ナスティーフィート』も、実は『チペワ』が生産を担当していたんです。
『チペワ』が掲げるモノ作りへのこだわりとは
『レッド・ウィング』と比較して評価されることも多い『チペワ』ですが、ブーツリペアショップ「福禄寿」の奥山 武氏をはじめ、ブーツ好きの人ほど『チペワ』を高く評価する傾向があるものです。靴好きの心を捉えて離さない『チペワ』のモノ作りの姿勢を探ります。
こだわり1
徹底的に貫かれるMADE IN USA
アメリカ国内で流通する靴の97%が国外で生産されるようになった昨今。その中で『チペワ』は今なおMADE IN USAを貫く、稀有なブランドです。米国内に工場を持ち続けるのは単なるブランディングだけでなく職人の技術を次世代に伝えていくための試みであり、シューボックスにも“Handcrafted in the USA”と高らかに謳われています。
こだわり2
選び抜かれた高品質な素材使い
『チペワ』の品質へのこだわりが伝わる部分が、ソール。多くのブーツメーカーがビブラム社から供給されたソールをそのまま使うことがほとんど。『チペワ』ではモデルによってブーツのデザインや用途に合わせた特注のソールを採用しています。そのため、ソールにはビブラム社のロゴと『チペワ』のロゴが両方入っていることも。
こだわり3
手作業を駆使した丁寧な作り込み
比較的大量生産に適しているグッドイヤーウェルト製法とはいえ、その工程の多くには手仕事が必要です。代表的なのが、ソールとアッパーを縫い合わせる出し縫いの工程。「機能さえ果たせば、見た目は関係ない」と割り切ったラフな持ち味がアメリカンワークブーツの魅力でもありますが、『チペワ』ではしっかりとステッチの目が揃った美しい縫製を実現しています。
2つのコレクション別に紹介。『チペワ』のブーツラインアップ
▼その1:アーカイブコレクション
『チペワ』の中でも歴史的名作をピックアップし、限定生産で復刻するのがアーカイブコレクション。ホーウィン社のレザーやヴィンテージパターンのビブラムソールなど、伝統的な素材を用いて仕立てられるのが特徴です。
アイテム1
1939 6インチ サービスブーツ
ホーウィン社のクロムエクセルをアッパーに採用し、40年代のミリタリーブーツを踏襲した、かかと部分に4本のアーチラインが入るデザインを採用。コルクを混ぜたタイガムソールや縄タグなど、ヴィンテージブーツをイメージしたディテールを採用しています。
アイテム2
1958 5インチ “オリジナル”レース・トゥ・トウ
1950年代にかけて送電線や線路の保守管理を行うラインマンたちに向けて作られた、通称「ラインマンブーツ」。高所や不安定な場所での作業をサポートするため、トゥ先までシューレースのハトメが延長されるレース・トゥ・トゥのデザインを採用しているのが特徴。
アイテム3
1967 “オリジナル”チペワロメオ
ホーウィンレザーとビブラム社のウェッジソールを採用したサイドゴアのスリッポン。ちなみに同じロメオというモデル名で『レッド・ウィング』や『ウエスコ』にも同様の型のブーツが存在しており、取り回しのしやすい軽作業用のブーツとしてアメリカで親しまれていることがうかがえます。
▼その2:1901コレクション
1901年から続くチペワの歴史の中で誕生したモデルの中からモチーフを選び、現代に蘇らせるのが1901コレクション。限定生産ではなくインラインとして継続販売されるため、オーセンティックなスタイルを踏襲しています。
アイテム4
7インチ スチールトゥ・エンジニアブーツ
着脱も容易でタウンユースにも最適なショートシャフトのエンジニアブーツ。バイカーたちからの人気も高いビブラム#700ソールは耐油性と摩耗性に優れているのが特徴。また『チペワ』では#700の中でもコルク入りのヴィンテージライクなものを使用しているのも、珍しいポイントです。
アイテム5
11インチ スチールトゥ・エンジニアブーツ
11インチと長めのシャフトを採用したエンジニア。雄牛の血を意味するオックスブラッドカラーのシャフトとブラックのアッパーの2トーン構成で迫力を出しています。たっぷりとオイルを含んでいるため、すぐに足に馴染むのもうれしいポイントです。
アイテム6
6インチ ユーティリティーブーツ
限定の1939 6インチサービスブーツと同様のラストやパターンを踏襲しつつ、ヒール部のステッチが2本になり、ソールもビブラム#700のコルク入りを採用するなど細かな変更を行ったモデル。カラバリもタウンユースに合わせたラインアップになっており、なかでも落ち着いた深い緑のチョコレートモスは他ではあまり見かけない注目カラーです。
アイテム7
5インチ ブリッジメン
外羽根式のレース・トゥ・トゥを採用したブリッジメンは、正面から見たときに猿の顔のように見えることからモンキーブーツとも呼ばれています。出し縫いを全周に施すオールアラウンドグッドイヤーウェルト製法による、堅牢な底付けも魅力です。
アイテム8
7インチ ハイランダー
ショートシャフトにモカシントゥを採用したエンジニアブーツ。エンジニア独特の武骨さが和らげられているため、アウトドアファッションやネイティブ調のコーデにもフィットします。モカシントゥのおかげでつま先にゆとりがあるため、いつもより小さめのサイズを選んだほうがベターです。
アイテム9
4インチ サービスオックスフォード
『チペワ』が海軍に納入していたサービスシューズをもとに、現代的にアップデート。全面にコードバンを採用しながら、4万円を切る価格を実現しているのは驚きです。アメリカ靴らしいぽってりとしたトゥはジーンズからスラックスまでボトムスを選ばずマッチします。
最後に。知っておきたいサイズ選びについて
つま先に1~1.5cmのゆとりがありつつ横幅がピッタリ合っているのが正しい靴の選び方。ただし、ワークブーツの場合は足に馴染むにつれて革が伸びることも見越して選ぶほうがベターです。アメリカブランドのブーツ全般に言える話ですが、スニーカーと比べてやや大きめ作りになっているので、ジャストで履きたい人は普段のスニーカーより0.5cm小さいサイズから試着すると良いでしょう。
ただし、ブーツの場合はいつもの靴よりもゆとりを持たせたサイズを選ぶのもおすすめ。少し大きめのブーツにインソールや厚手のソックスを組み合わせて履けば、おろしたての頃にありがちな足の痛みを防げるうえに、コーディネート全体のバランス感もキマりやすくなります。
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