
ブルゾンの鉄板18ブランド。季節をまたいで大活躍の名品をピックアップ
アウター選びに本腰を入れる季節が到来。秋から冬まで活躍してくれる各種ブルゾンは検討しておいて損はありません。 即戦力が見込める6タイプから自分好みの1着をどうぞ!
ブルゾンが、1着あれば良い。その利便性をきっちり解説
ブルゾンについて深掘りする前に、「そもそもブルゾンって、ジャケットと何が違うの?」というモヤモヤをお持ちの人も多いことでしょう。本題に入る前にまずは、そこをクリアにしておきましょう。実はこの問題に関しては明確な定義はないのですが、どちらも同じ前開きの上着という点では共通点がありつつも、“裾を絞った短丈”で“カジュアル要素が強いモノ”がブルゾンと呼ばれています。例えば、ミリタリーが出自のMA-1。これはもともとフライトジャケットと呼ばれていましたが、現在流通しているようなファッションとして解釈されたものは、MA-1ブルゾンと呼ぶのが一般的。バルスター型ブルゾンもしかりです。他にもジャンパーという呼称もありますが、これは本格的な作業着やスポーツウエア系のアウターに使われる傾向が強いよう。総括すると、短丈でファッション性が高いものは、総じてブルゾンと呼ぶ。こう解釈しておけば、間違いないでしょう。
さて、ここからはブルゾンならではの魅力を掘り下げてみましょう。まず、最大の魅力にして特徴といえるのが、着回し力の高さ。あの着丈が短い独特のシルエットは、トレンドのワイドパンツと好相性なのは言わずもがな。その一方で、細身のパンツに合わせてみると、ボリューム感のあるフォルムのおかげで着こなしに緩急をつけることが可能なのです。しかも、生地感にさえ留意すれば、コートなどの中に仕込んでインナー使いすることも容易。アウターとしてはかなり汎用性が高いので、1着持っていて絶対損はしません。手持ちのワードローブを踏まえて賢く選べば、着こなしの幅をグッと広げてくれますよ。
インにアウトに大活躍。春秋にサッと羽織れる「ライトなブルゾン」3カテゴリ
ひと口にブルゾンといってもタイプはさまざまで、生地の種類も多種多様。ですが、総じて生地が薄手か厚手かで着こなしが変わってきます。その中でも薄手ブルゾンは秋口から羽織りもの感覚で取り入れることができ、真冬になったらインナー使いしてレイヤードに変化をつけるなどの役割も期待できます。よほどのビッグシルエットでなければ着回しは簡単なので、重ね着してももたつかないサイズ感に注意しておけば問題ないでしょう。そして、また春が訪れたら再びライトアウターとして着用……、と結果、3シーズン活躍してくれます。
▼カテゴリ1:“ブルゾン”の形を地で行く、オーセンティックなスイングトップ
ブルゾンの選択肢の1つとして、絶対に外すことができないのがスイングトップ 。そもそもブルゾンは、裾がすぼまったアウターを表すフランス語だということを考えると、作りとしてもまさしく王道。トレンドが追い風になり、センス良く着られるアイテムも増加中です!
1着目
『バラクータ』×『ビームスプラス』別注 G9クラシックモデル
1940年代にはゴルフ用アウターとして英国紳士に愛用され、多くのウェルドレッサーたちが愛用したことでファッションの世界でも絶大な人気を誇るようになった「G9」。これはオリジナルを忠実に再現したもので、ドッグイヤーカラーに代表される特徴的な衣装も健在。唯一の変更点はダブルジップで、フロントのニュアンス作りがしやすくなっています。
2着目
『トゥモローランド』シルクミラノリブ スイングトップ
カジュアルなジーンズなどよりドレスっぽいパンツで品良く着こなしたい人は、ニット仕立ての1着を選ぶのも手でしょう。これはシルクの強撚糸を贅沢に使ったモノで、度詰めしたミラノリブでしっかり編み立てられているため、しなやかな着心地と快適な伸縮性を同時に味わえます。品質にこだわった日本製なので、ボタンホールも手作業で仕上げが施されており丁寧な仕上げが魅力です。
3着目
『エストネーション』リバーシブル スイングトップ
ウールポリエステルの千鳥格子ギャバジンで仕立てられたクラシカルなスイングトップと思いきや、裏返すと高密度に編んだドライタッチのウェザー素材としても着られるリバーシブル仕様。千鳥格子の表面はベージュで、裏面はオリーブと配色が違うので、コーデに合わせた印象変化が可能です。インナー使いした際には、挿し色としても着こなしに変化をつけられます。
▼カテゴリ2:レイヤードまで意識するなら、男の定番・デニムジャケット
冬になったらインナー使いすることを考えると、デニムシャツ感覚で着回せるデニムジャケットはすこぶる使い勝手良好。じっくり着込んで色落ちの変化を楽しみながら、長く付き合えるのも魅力です。
1着目
『レミ レリーフ』×『ビームスプラス』デニムジャケット
リアルな経年変化の過程に限りなく近い状態を再現するこだわりの加工は、『レミ レリーフ』の得意技。『ビームスプラス』の別注によるこちらの1着にも、そのワザが冴え渡っています。フロントプリーツに左側のみのワンポケットというファーストタイプのスタイルを採用しつつ、フラップなしのポケットと程良い短丈によりスッキリした印象に仕上げられています。
2着目
『リーバイス』トラッカージャケット
フロントのV字型シームに代表される、サードタイプの意匠が特徴的なトラッカージャケット。素材には厚過ぎず、薄過ぎないちょうど良い厚みの12.7オンスを採用しています。リヨセルを混紡しているので、しっかりとしたハリとコシがありながら、軽くてやさしい着心地を味わえるのもメリットです。レギュラーフィットモデルなので、オーセンティックなスタイルの着こなしに好マッチ。
3着目
『ヌーディージーンズ』ジェリー
コーデのしやすさという意味では、黒デニムジャケットも1着あると便利です。これは『ヌーディージーンズ』の定番として知られる「ジェリー」というモデル。細身過ぎないレギュラーフィットで、身幅も袖もピタピタにならないサイズ感が時代に合っています。ノンウォッシュのブラックデニムなので、クリーンな着こなしとも好相性。
▼カテゴリ3:長く付き合いたい。レザーブルゾンは時代を超えて愛せる
デニムと同様、経年変化を楽しみながら、風格も印象づけられるレザーブルゾン。革の種類によって着心地が変わるので、レイヤードも楽しみたいなら柔らかなモノが好適です。寒さに負けず、冬を乗り切るならタフで厚手な1着をどうぞ!
1着目
『エンメティ』×『ビームス』別注サードタイプ スエードブルゾン
『エンメティ』といえば、フィレンツェ近郊の町、ヴィンチにある名門レザー工房。その人気モデルであるサードタイプのレザーブルゾンを、しなやかな手触りのスエード仕立てに別注したのがこちら。テーラードの方法論に基づいた肩周りで、腕の動きやすさと着心地を追求。袖にも少し余裕を持たせ、滑りの良い裏地を採用することで、インナーを着たときのもたつき感も解消しています。
2着目
『ショット』641XX スペシャルホースハイド
『ショット』のシングルライダース型の定番モデルといえば「641」ですが、これは現行モデルではなく1960年代に生産されていたモノを日本限定で甦らせた復刻モデル。そのため、「641XX」と呼ばれています。ボディには日本有数のタンナーに特別レシピで発注した、ベジタブルタンニンなめしのホースハイドレザーを使用。重厚感ある厚みのある革と、鈍い光沢を放つ素材感が存在感抜群です。
3着目
『ユナイテッドトウキョウ』カーフレザー リリジップダブルライダース
ダブルライダースジャケットは、ファッションとして普段使いするのであれば分厚くて硬い革ではなく、柔らかな革で仕立てた1着のほうが重ね着もしやすくて使い勝手良好。きめが細かく、しなやかなカーフレザーで仕立てられたこちらはまさにうってつけというワケです。革の芯から染め上げ、傷を隠すために用いる顔料塗装なども一切使っていないこだわり満載の1着は、シャツなどのドレスアイテムにも違和感なく馴染んでくれます。
秋の終わりから冬までカバー。「厚手のブルゾン」3カテゴリ
冬の主役を張れるブルゾンということになれば、求められるには保温力の高さ。羽毛がたっぷり充填されたダウン、中綿入りMA-1、モコモコのボアというトレンドも意識した三大冬ブルゾンから厳選。
▼カテゴリ4:これがあれば冬は十分。ダウンブルゾンはこの中から
ヒップまでかかるレングスのイメージが強いダウンですが、街着として浸透した昨今は、着丈の短い短丈モデルも選択肢が豊富。高品質が自慢のブランドなら温かさも折り紙付きです。
1着目
『ロッキーマウンテン フェザーヘッド』クリスティジャケット
『ロッキーマウンテン フェザーヘッド』といえば、一枚裁ちの革を使った肩ヨークが特徴的な「クリスティベスト」が代表作。それをジャケットにアレンジしたのがこちらです。リアルムートンをあしらった襟周りや、パールボタンといったベストでお馴染みの意匠は健在。ボディは特注の70デニールのナイロンを用いたタフな作りで、ヨーロッパ産の高品質ダウンがもたらす確かな保温力も十分に味わえます。
2着目
『ナンガ』×『アーバンリサーチ iD』別注 オーロラ 3レイヤーダウン
シュラフ作りで培った確かな技術を、ダウンジャケットでも享受できるのが『ナンガ』という国産ブランドの魅力。『アーバンリサーチ iD』とのタッグで製品化されたこちら1着は、「オーロラテックス」という独自の高機能ファブリックを表地に採用しています。透湿性、保温性、撥水性という3つの機能を備えつつ、760フィルパワーを誇る上質なダウンの温かさを最大限に引き出しています。
3着目
『カナダグース』ラッセル パーカー
もはや説明不要な高性能ダウンブランドの『カナダグース』。特にこの「ラッセル」というモデルは、同社のラインアップの中でも着丈が短く、気軽に着られるデザインとして人気を集めています。フィッティングの向上を図った最新作は、日本人の体型にも心地良くフィット。シルエットもよりファッションに映える仕様になっています。デザイン面では、パラシュートボタンやパッチポケットといったミリタリーテイストを感じる意匠が散りばめられ、男らしくも都会的な雰囲気に。
▼カテゴリ5:インのレイヤードでいろいろ遊べる。大定番のMA-1は見逃せない
ミリタリーアウターの中では圧倒的に普段使いしやすいMA-1。いかにも軍モノっぽい雰囲気は控えめのシンプル顔なので、きれいめにもワイルドにも振れる懐の深さにも惹かれます。
1着目
『ネイビー バイ』×『ナノ・ユニバース』MA-1
『ナノ・ユニバース』が、ネイビーカラーの都会的な服作りで知られる『ネイビー バイ』とタッグを組んで作ったこちらのMA-1は、ディテールの主張をグッと抑えたミニマルなスタイルが新鮮。ボディは織りで表情に変化をつけたポリエステルナイロン製で、部分的に中綿の分量を調節することにより、着たときに膨らみのあるシルエットを描けるよう作り込まれています。
2着目
『アルファ インダストリーズ』MA-1
本格志向でMA-1を選ぶなら、アメリカ国防総省の依頼を受け、軍用ジャケットを供給してきた実績を誇る『アルファ インダストリーズ』は外せません。しかもこれは、本国アメリカのスペックを採用した1品。身幅や肩周りが既存の日本ラインよりもかなりゆったりめになっています。オーバーサイズで着るにはうってつけの設計なので、時代感の演出に最適です。
3着目
『ビームス』MA-1
こちらはヴィンテージのMA-1の佇まいを再現すべく、『ビームス』のこだわりを満載した秀作。生地には非常に地厚でタフさを感じる風合いのナイロンツイルを選択し、腕に沿うようにカーブさせた袖の形状も本物に限りなく近い仕上がりに。MA-1の代名詞である縫製部分のパッカリングも、太番手のステッチでしっかり再現。中綿にはサーモライト マイクロを採用し、軽さと高い保温力を備えた真冬にうれしい1着となっています。
▼カテゴリ6:この上から……、も考えたい。アウトドア感満載のボアブルゾン
街使いが定着したフリースの中でも、毛足の長いボアは保温力抜群。もちろんこれ1着でも屋外を闊歩できますが、アウトドアでは中間着としても使われる服なので上にシェルジャケットを羽織ってもサマになります。

ウェア・コーデ
旬度MAX。ボアブルゾンの今どきコーデテクとおすすめ12選
引き続き人気を集める90年代ファッション。そのムードを感じさせるボアブルゾンがブレイク中です。選び方から着こなしルール、おすすめアイテムまでを一気に解説します。
平 格彦
2019.10.19

ウェア・コーデ
キーワードはコラボ&別注!買って損なし大人アウター
今季もアウターに大物コラボ、別注アイテムが続々と登場しています。当然、完売率も高いので、気になるアイテムはなるべく早めに手をつけておくのがお約束です。
桐田 政隆
2015.11.18

ウェア・コーデ
フリースはこの中からどうぞ。人気の高い最注目ブランド10選
冬のメンズウェアの中でも特に注目度の高いフリース。温かさはもちろん、見た目も申し分ないブランドをピックアップしつつ、それぞれのレコメンドアイテムをご紹介。
TASCLAP編集部
2020.11.26
1着目
『コロンビア ブラックレーベル』×『ジャーナル スタンダード』フリースブルゾン
ジッパーでシェルアウターとドッキングすることも可能なインナーフリースとして1980年代後半に開発され、人気を集めた「パウダー ケグ ジャケット」。そんな『コロンビア』の名作が、『ジャーナル スタンダード』の別注によって復活しました。モコモコ感強めのボアフリースに、メッシュ素材をライニング。袖を通すと温かさがじんわり伝わる一方、インナーにもまとわりつかず、快適な着心地に。
2着目
『デサント ブラン』×『エディフィス』ボアフリースブルゾン
『デサント ブラン』と『エディフィス』の合作となるこちらは、レトロな面持ちのボアフリースブルゾンのように見せつつも、デサントが独自開発した発熱保温素材のヒートナビをライニングしたギャップが魅力。体から発散される水分を吸収し、熱に変換する吸湿発熱機能に加え、赤外線を熱に変える機能も兼備。ダブルの機能で保温力を発揮するので、温かさもひとしおです。
3着目
『フリークス ストア』リバーシブル ボアマウンテンパーカー
着回し力の高さという意味合いでは、ボアブルゾンもリバーシブルという選択肢が好適。『フリークス ストア』が手掛けたこちらは、まさにうってつけです。ほっこりとした表情のボアフリースとしてだけでなく、なんと裏返すとマウンテンパーカーとしても着こなすことが可能という2WAY仕様なのです。シルエットはトレンドを意識したオーバーサイズ感のある設計で、マウンテンパーカーのフードは取り外して着ることができます。
紺ブレもビーサンも守備範囲。雑食系服飾ライター
遠藤 匠KEYWORD関連キーワード