セイコーのプレザージュは、日本の美意識を集約した腕時計の傑作だ

セイコーのプレザージュは、日本の美意識を集約した腕時計の傑作だ

日進月歩の腕時計界だが、日本製機械式時計の躍進は目覚ましい。その例の1つが「セイコー」の『プレザージュ』。大人を魅了する理由と、人気のラインアップを紹介する。

菊地 亮

菊地 亮

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2021.01.19

初めての機械式時計は、『プレザージュ』から探せば間違いない

初めての機械式時計は、『プレザージュ』から探せば間違いない

腕時計のななぷれ

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『プレザージュ』が誕生したのは2011年。手巻き付き自動巻きムーブメントにサファイアガラス製の防風、さらには10気圧防水を標準装備するなど、保持するクオリティはトップクラス。抑えめのプライスとのアンバランスも大きな話題を呼んだ。2016年には海外でも展開をスタートし、さらなる名声を得るにいたる。その背景には、1世紀以上にわたり時計作りに情熱を注ぎ、世界を驚かせてきた「セイコー」への信頼はもちろん、日本の伝統工芸に基づく優美さや、バーテンダーとの共作といった他業種との積極果敢な取り組みがある。

『プレザージュ』が世界に通用する腕時計たりえた理由とは

『プレザージュ』には、「ベーシックライン」と「プレステージライン」という2つの柱がある。前者は手軽に手にできるシンプルなコレクションであり、後者はそのハイエンドラインといった位置づけ。ただ、共通していえるのはどちらも確かな品質を携えているという点だ。

理由1

この価格帯ではあり得ない、『プレザージュ』に搭載された世界基準のムーブメント

この価格帯ではあり得ない、『プレザージュ』に搭載された世界基準のムーブメント

三原堂楽天市場店

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腕時計を評価するうえで重要となるのが“心臓”ともいえるムーブメント。『プレサージュ』では、純粋なジャパンメイドのムーブメントが搭載されている。ベーシックラインには「4R」系、3針には「6R」系(クロノグラフは「8R」系を搭載)を採用。特に「6R」系は、同社の技術の粋を結集した傑作で、2019年にはより薄く仕上げられた進化系ムーブメントの「6L」系が登場している。

この価格帯ではあり得ない、『プレザージュ』に搭載された世界基準のムーブメント 2枚目の画像

腕時計本舗

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そのベースとなっているのが「トライマティック」だ。「トライマティック」とは、日常使いできる機械式を実践するうえで大切な、精度の安定を図り長きにわたる愛用を可能にした3つの開発技術の総称。ゼンマイの巻き上げ効率向上を図るマジックレバー、あらゆる衝撃からムーブメントを守るダイヤショック、そして外部研究機関と共同開発をしたひげぜんまいの素材、スプロンである。その緻密な自動巻きムーブメントは、シースルー仕様となっているケース裏から眺めることができる。

理由2

『グランドセイコー』にも通じる、ケースの加工技術の高さ

『グランドセイコー』にも通じる、ケースの加工技術の高さ

ザ・クロックハウス 楽天市場店

ザ・クロックハウス 楽天市場店

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「セイコー」の最上位機種に『グランドセイコー』が挙げられるが、『プレサージュ』には同ブランドにも相通ずるケース加工へのこだわりがある。例えば、ザラツ研磨。ザラツ研磨とは、歪みのない美しい面を作るべくケースの仕上げ前に施される工程の1つ。特に、鋳造工程により金属密度を高めた後では大きな意味を持っている。同モデルの鋭く放たれる輝きは、その職人技から生まれているのである。

匠の手仕事が息づく、『プレザージュ』の「プレステージライン」

匠の手仕事が息づく、『プレザージュ』の「プレステージライン」

時計屋復刻堂 楽天市場店

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テクノロジーと伝統。相反する両者を高次元で結実させたラインこそ、『プレザージュ』の“顔”ともいえる『プレステージライン』。名を知らしめた琺瑯文字盤や漆加工は言うに及ばず、日本庭園をイメージしたモデルなど、散見されるジャパントラッドの面影は身に着ける者にクラス感を宿し、日本が誇る腕時計製造技術の矜持を感じさせる。

1本目

SARX065

SARX065

腕時計本舗

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「プレステージライン」を代表する琺瑯シリーズ。その中でも、琺瑯ダイヤル製造の匠と、日本モダンデザインの匠がコラボレーションした特別な1本がこちら。ムーブメントには70時間継続のパワーリザーブ、Cal.6R35を搭載し、ケースサイズは日本人の腕に馴染みつつ主張する39.9mm。

2本目

SARK015

SARK015

neelセレクトショップ

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『セイコー』初のクロノグラフ、「クラウンクロノグラフ」の生誕55周年を記念して制作されたアニバーサリーアイテム。往年の計測器を彷彿させる味わい深い姿に加え、ザラツ研磨による鏡面仕上げや、スタイリッシュな側面のラインなど、見事に現代的に昇華させている。

3本目

SARX069

SARX069

腕時計のななぷれ

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上記「SARK015」同様に「クラウンクロノグラフ」をベースとしつつ、こちらはオリジナルに忠実な3針デザインをキープ。そのためクロノグラフ機能は排されているものの、これにより特徴的なサンレイ仕上げの文字盤を存分に楽しめるようになっている。ムーブメントも、約70時間のロングパワーリザーブを誇る6R35を搭載するなど、ズペック面においてはモダンにアップデートされている点は実に頼もしい。

4本目

SARW045

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人気の漆シリーズの中でも、魅力がより詰まったモデルがこちら。日本の美意識を漆芸家の田村一舟氏が現代風にアレンジ。黒漆、白壇塗り、蒔絵と、和の匠の技を存分に取り入れたダイヤルデザインは、古くから日本文化に馴染みのある「月」をテーマにしている。確かに、パワーリザーブのあしらいもまるでエッジの効いた三日月のようだ。

5本目

SARX027

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その優美な様には、ジャパニーズデザインのパイオニアと称される渡辺 力氏の感性を存分に感じさせる。洗練の中にさりげなく主張するダイヤルはどこか懐かしさが漂い、ガラス質のうわぐすりで仕上げる琺瑯製ゆえ、その美しさは長い時を経ても色褪せることはない。

6本目

SARX059

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neelセレクトショップ

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琺瑯、漆の両シリーズを追随する存在として注目されているのが七宝シリーズ。日本の海をモチーフに深みのあるブルーや、永遠に繰り返される波を七宝独特の透明感とダイヤルの型打ち模様で表現。ダイヤル構成は今から100年以上前、1895年に生まれた「セイコー」初の懐中時計である「タイムキーパー」に起因する。

7本目

SARX080

SARX080

ザ・クロックハウス 楽天市場店

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新作となる、「シャープエッジドシリーズ」からの1本。その名前の元となっているのは、鋭角にカッティングが施されたケースだ。シャープに裁ち落とされたラグは、多面的なデザインが多い昨今において少々珍しい。もちろんインデックス部分にもその要素は表れており、立体的な刻印は光を受けることで美しい反射を見せてくれる。文字盤の端まで届く秒針、太く力強い時分針も、実に『セイコー』らしいデザインだ。ムーブメントは、ロングパワーリザーブを誇る6R35を搭載。

日常使いの時計に上質さを添える「ベーシックライン」

『プレザージュ』を初めて手に取る人、もしくは腕時計を道具として気兼ねなく着けたい人には、「ベーシックライン」がちょうど良い。負けず劣らずの機能性を備えながら、プライスは控えめ。すでに高い評価を得るコラボ作も揃う。まずはその一部をご覧あれ。

1本目

SARY078

SARY078

ラムズ・マークス

ラムズ・マークス

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近年、黄綬褒章を受章し、“現代の名工”とも賞される「STAR BAR」バーテンダーの岸 久氏が色の監修などを務めているシリーズより。イメージしたのはカクテルのマンハッタンで、グラデーションで輝くブラウンベースの中、さりげなく覗くツヤ感に大人の色気を感じさせる。

2本目

SARY181

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時計館

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上記同様、「STAR BAR」コラボモデル。バーインデックスを主体としたデザインが主体だった中、こちらはどこか愛嬌のあるアラビアインデックスをグラデーションダイヤルの上に乗せている。そのダイヤルも、仕上げはツヤ感を抑えたざらついたもの。全体として、リゾートにもマッチする大人のリラックス感を醸成している。

3本目

SARY105

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インスピレーションの源泉は、岸氏が新たに生み出したオリジナルカクテルの「フユゲシキ」。程良く艶やかさを加えられるラップ塗装を、澄んだ白の文字盤へ。それにより、光の当たり方によっては、まるで陽光によりキラキラと輝く雪景色のように見える。

4本目

SARY101

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シックなビジュアルを携えたこちらは、エスプレッソマティーニから着想を得た黒文字盤がなんともセクシー。シースルーバックから除くメカニカルな自動巻きムーブメントと、職人の手業による曲げ針を採用したクラシカルなフロントデザイン。そのギャップもまた良い。『グランドセイコー』を彷彿とさせる力強いドーフィン針にも、「セイコー」らしさが垣間見える。

5本目

SARY109

SARY109

ザ・クロックハウス 楽天市場店

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こちらもまた「カクテルタイム」シリーズからの一品。生成りの文字盤を繊細に動き続けるゴールドの時分針。その様はどこかアンティークのように上品で、大人っぽい雰囲気を醸し出す。こちらのイメージソースとなったのが、ギムレットと聞けばそれも納得だ。

6本目

SARY143

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1MORE(ワンモア)

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こちらは日本庭園をイメージしてデザインされた、その名も「ジャパニーズガーデン」。砂紋をイメージした立体模様のダイヤルに、これまた庭石のようなざらつきを表現したバーインデックスが鎮座する。庵にある丸窓を模したオープンハートモデルも白眉だが、日常使いにはパワーリザーブを大きく配置したこんなモデルもおすすめしたい。

注目編集者
菊地 亮

無類のスポーツ好き。得意ジャンルは革靴

菊地 亮
地方の出版社にて編集を経験した後、独立。フリーのエディター・ライターとしてメンズファッションを中心に、スポーツ、グルメ、音楽など幅広い分野で活動。現在は、生まれ故郷である岩手県、そして東北の魅力を発信すべく東奔西走中。
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