デザイナーズ家具、という選択。確かな名作が生活の質を上げる

デザイナーズ家具、という選択。確かな名作が生活の質を上げる

年代を経ても色褪せることがない魅力を放つ、名作デザイナーズ家具。そのビジュアルと使い心地は1つ取り入れるだけでも部屋の雰囲気を変え、日々の生活に彩りを与えます。

金山 靖

2020.09.06

インテリア
家具

目の肥えた大人を満足させる名品。デザイナーズ家具を部屋に取り入れる

製作者であるデザイナーの意図やコンセプトが強く表れているアイテムが、デザイナーズ家具。部屋に導入すれば生活の質を格上げでき、日常的に良いモノに触れることでセンスも磨かれます。例えば、以下で紹介する『フランク・ロイド・ライト』の「タリアセン2」を部屋に置けば、生活環境はガラリと変わるでしょう。また、一般的な家具にはない機能性を兼ね備えているのもデザイナーズ家具の魅力。『ビーライン』が誇る「ボビーワゴン」の収納力と使い勝手の良さを知ったら、普通のサイドワゴンには戻れないはず。定番や名品と呼ばれるモノには、長く愛される理由があるのです。

なお、本記事においてはデザインの特許期間が過ぎ、製造権利が一般化されたことで生まれた“ジェネリック家具(リプロダクト)”も交えてご紹介。名作のデザインが比較的手頃に手に入るということもあり、昨今家具を選ぶ際の選択肢として広く受け入れられています。ぜひチェックを!

家具の中でも名品だらけ。デザイナーズチェア&スツールの王道たち

サイズがコンパクトで、デザインの自由度が高いチェアやスツールは、数多のデザイナーが手掛けており、歴史的名品も多く登場しています。大物家具と比べて価格もリーズナブルなので、デザイナーズ家具の入り口として最適。ここでは定番中の定番を中心にラインアップ!

アイテム1『天童木工』バタフライスツール

1940年の創業以来、国内で初めて成形合板技術に着手し、早くから家具デザイナーを起用するなど、革新的なモノ作りを続ける天童木工。1956年に発表した「バタフライスツール」は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)やルーヴル美術館で永久収蔵品に選出されるなど世界中で愛されています。デザインを手掛けたのは、日本を代表するインダストリアルデザイナー・柳 宗理氏。2枚の板が合わさったシンプルなフォルムは、手遊び中に偶然生まれたものだそう。

■DATA
W42.5×H38.7/SH34×D31cm

アイテム2『イームズ』シェルサイドチェア DSR

1948年、ニューヨーク近代美術館のコンペのためにデザインされ、のちに、モダン家具の代表的メーカーであるハーマンミラーが製品化した名作。手掛けたのは、チャールズ氏とレイ氏のデザイナー夫婦による「チャールズ&レイ・イームズ」。2人が生み出した多くのチェアは、“イームズチェア”と総称され、なかでもこの「DSR」は代表格にあたります。プラスチック一体成型の座面とエッフェルと呼ばれるスチール脚部による完成度が高いフォルムは、今も世界中で愛用されています。

■DATA
約W46.5×H81×D55cm

アイテム3『カール・ハンセン&サン』Yチェア CH24

1908年にデンマークで創業した家具メーカー『カール・ハンセン&サン』。クラフトマンシップに溢れ、シンプルで飽きがこない、いわゆる北欧家具を作り続けています。同社の代表作「CH24」は、背のパーツの形状から“Yチェア”という通称で親しまれ、世界で70万脚以上が販売されたベストセラー。デザインしたハンス・J・ウェグナー氏は、生涯で500種以上のチェアをデザインし、20世紀の北欧デザインに多大な影響を与えた巨匠です。

■DATA
W55×H76×D51cm

アイテム4『ル・コルビュジエ』LC1 スリングチェア

近代建築の三大巨匠として知られ、東京の上野公園にある国立西洋美術館などを手掛けた建築家、ル・コルビュジエ氏。彼は従兄弟のピエール・ジャンヌレ氏、シャルロット・ペリアン氏と共同で家具のデザインも行っています。「LC1」は座る人に合わせて背面が傾き、快適な座り心地を演出する機能美が魅力。ニューヨーク近代美術館にも所蔵されているこのチェアには、建築の装飾を取り除き機能性を追求した“ル・コルビュジエの精神”が凝縮されています。

■DATA
W61×H67×D63cm
※写真の商品はジェネリック家具になります。

アイテム5『マルニコレクション』ヒロシマ アームチェア

1928年に広島県で創業し、日本独自の木への美意識と国際的なデザイン感覚、精緻なモノ作りの技術が融合した家具作りをモットーとする家具メーカー『マルニ木工』。「ヒロシマ アームチェア」は、同社がプロダクトデザイナー・深澤直人氏とタッグを組んだ「マルニコレクション」の第一号になります。深澤直人氏はauの携帯電話インフォバーのデザインをはじめ、『無印良品』のアドバイザリーボードなども務める、日本のプロダクトデザインをけん引する存在です。

■DATA
W56×H76.5×D53cm

アイテム6『ヴォーンベダルフ』ウルムスツール

1954年、旧西ドイツにあるウルム造形大学の初代学長マックス・ビル氏らが、学生のためにデザインした多目的スツール。腰掛けるのはもちろん、作業台やサイドテーブル、スタッキングシェルフなどさまざまな用途に使えます。同大学は、20世紀のプロダクトデザインに多大な影響を与えたバウハウスの理念を継承しており、釘・金具さえ使わず一切の装飾を排した「ウルムスツール」のデザインにも、バウハウスの影響が色濃く反映されています。

■DATA
W39×H44×D29cm

いつもの小物も主役になれる。魅せる収納をデザイナーズで

デザイナーズ家具の中でも、独特の機能美を主張するのが、収納アイテム。使いやすさはもちろんですが、飛び抜けたデザインのスマートさは、収納するモノたちまでおしゃれに輝かせます。スタンダードな風格さえあるロングセラーから、発売から10年の新定番まで、広くピックアップしました!

アイテム1『ビーライン』ボビーワゴン

キャスター付きで、本体を回転させることで4面を効率的に使用できる多機能ワゴン。高い収納力を誇り、デスクのサイドテーブルやキッチンなど汎用性の広さも魅力です。製作したジョエ・コロンボ氏は、20世紀半ばにイタリアで活動し、多くの作品を手掛け、わずか41歳でこの世を去った天才プロダクトデザイナー。彼が1970年に発表した「ボビーワゴン」は、1999年よりイタリアの家具メーカー『ビーライン』が承認を得て製造しています。

■DATA
W43×H73.5×D42cm

アイテム2『マジス』360°コンテナ

軸を中心にトレイが360度回転することにより、モノの出し入れが簡単にできるようになったコンテナ。オフィス環境から書斎、キッチンまで幅広く対応します。デザインしたのは、ドイツ人プロダクトデザイナーのコンスタンチン・グルチッチ氏。彼の作品の多くが、ニューヨーク近代美術館などの永久収蔵品に選定されています。このモデルを2010年から製造販売している『マジス』は、1976年創業のイタリアの家具メーカー。世界70か国に製品を発信しています。

■DATA
W35×H127×D42cm

アイテム3『メトロクス』ピエール・ポラン F181 ドロワーテーブル

ベッドやソファのサイドテーブル、小物やライトなどを飾るサイドボードなどに使えるミニマルデザインのファニチャー。デザインを手掛けたピエール・ポラン氏は、1960~70年代のフランスを代表するデザイナーの1人です。直線を基調としたデザインと機能を追求したフォルムが印象的ですね。製造販売する『メトロクス』は、西洋などの良質な製品の復刻事業などを行っており、同モデルはポラン財団監修のもと、オリジナルをベースに改良を加えた復刻版となります。

■DATA
W43×H45×D40cm

ルーティーンワークもパッと華やぐ。デザイナーズデスク3選

ファッション性と機能性に優れたデザイナーズデスクは、機能的な使いやすさはもとより、デスクに向かう人に高揚感を与え、モチベーションを上げてくれるのが1番の魅力でしょう。大物家具ということもあり価格はかなりなものですが、比較的リーズナブルなリプロダクト家具やジェネリック家具を狙うのも1つの手です。

アイテム1『ジョージ・ネルソン』スワッグレッグデスク

20世紀中盤に活躍し、インテリア界に多大な影響を及ぼしたジョージ・ネルソン氏の作品。優雅なカーブを描く脚部をはじめ一見レトロ風でありながら、デスクに配線コード用の穴を設けるなど、現代でも便利に使える時代を超えた機能性が魅力です。カラフルな間仕切りと奥行きのある2つの引き出しも実に機能的。ネルソン氏はデザイナーとして活躍する傍ら『ハーマンミラー』のデザイン部長を務め、イームズ夫妻を見出すなど多大な功績を残しました。

■DATA
W99×H89×D73cm
※写真の商品はジェネリック家具となります。

アイテム2『ハーマンミラー』イームズ デスクユニット

「イームズチェア」などをデザインした、チャールズ&レイ・イームズのイームズ夫妻が、1949年に初めてデトロイト美術館で展示した作品。以来、その高機能とスタイリッシュさから、“実用的なアート”と呼ばれ続けています。モンドリアンの絵画を思わせるようなマルチカラーと、スチール製クロスサポート&アップライトのインダストリアル感のバランスが絶妙。引き出しを左右で選べるほか、マルチカラーのパターンも複数から選べます。

■DATA
W152.4×H74.7×D71.2cm

アイテム3『トーネット』デスク S285

1819年に設立されたドイツの家具ブランド『トーネット』が、バウハウスとコラボレーションした作品。デザインは、バウハウスで学んだ建築家・家具デザイナーのマルセル・ブロイヤー氏です。スチールパイプの曲線を生かして作り上げたミニマルなフォルムは、工業技術と芸術の融合というバウハウスの理想の1つと讃えられ、モダン家具の傑作として今も愛されています。同シリーズは収納ユニットの種類や数、フレームの形などバリエーション豊富。

■DATA
W164×H73×D76cm

空間がガラッと様変わり。照明だって、デザイナーズを

デザイナーズ家具の中でも、照明器具は特に洗練されたデザインが目立ちます。それは、照明がインテリアを含む室内全体の雰囲気を変える重要な役割を担っているから。それだけに、インテリアを統一してコーディネートしたい場合は、コンセプトに合った照明を選ぶようにしましょう。

アイテム1『フランク・ロイド・ライト』タリアセン2

世界的建築家フランク・ロイド・ライト氏による、「タリアセン」シリーズのフロアランプ。複数のチェリー材のブロックで構成されており、各ブロック内に白熱電球が組み込まれる構造になっています。ブロックから漏れた光は、遮光板に反射して間接照明となり、ムーディーで温かな空間を演出。フランク・ロイド・ライト氏は近代建築の三大巨匠と呼ばれており、「タリアセン」シリーズは自身が設計した自宅兼スタジオ・タリアセンで使われていました。

■DATA
約W41×H204×D41cm
※写真の商品はジェネリック家具となります。

アイテム2『ルイスポールセン』PHスノーボール

デンマークのデザイナー、ポール・ヘニングセン氏が1958年に発表。世界で最も美しい陰影を表現するペンダントライトの1つとして、長く愛されています。丸みを帯びた8枚のシェードの両面を光沢とマットに塗り分けることで、独特の光が生み出されるほか、電球の光はすべてのシェード内面に同じ角度であたるため不快なまぶしさを全く感じません。なお『ルイスポールセン』はデンマークの照明器具メーカーで、照明の世界におけるトップブランドです。

■DATA
∮40×H198cm

アイテム3『アルテミデ』トロメオ LED タボロ

イタリアデザイン界を代表する1人として活躍するデザイナー、ミケーレ・デ・ルッキ氏が手掛けたアームライト。ハーネスやスプリングなどのパーツはアームの中に隠し、シンプルで幾何学的な造形美を作り上げました。「トロメオ」シリーズは、1983年の発表以降、世界的なベストセラーとなる一方で時代に合わせたアップデートも行っており、本製品はLEDライトの省エネ設計。販売する『アルテミデ』は1959年イタリア・ミラノ発の名門照明メーカーです。

■DATA
MAXサイズ H129×D122cm、ベース∮23cm

モノ雑誌、トレンド誌、WEBでインテリア、雑貨、ステーショナリー、家電などライフスタイルを快適にし、彩りを与えるモノに精通するライター。生来の物見高さから、最先端のトレンドに目がなく、カルチャーやグルメまでジャンルレスにアンテナを張る。焼肉、寿司、日本酒などグルメ書籍を執筆多数。
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