
フレンチプレスを知ってる? 初心者でもプロ並みのコーヒーを楽しめる抽出法
コーヒー豆の個性をしっかり引き出しつつ、簡単に淹れられるのがフレンチプレス。素人でもプロ顔負けの味を再現可能なんです。淹れ方のハウツーとおすすめの器具をご紹介!
コーヒーを誰でも手軽に淹れられる抽出法、それがフレンチプレス
ペーパードリップ、ネルドリップ、サイフォン、エアロプレスなど……コーヒーの抽出方法にはいくつもの種類あります。その中でも特に簡単かつ短時間で抽出できるのが「フレンチプレス」です 。ちなみに、そのための器具自体のことを指してフレンチプレスということもあり、この器具は、コーヒープレス、カフェプレス、コーヒープランジャー、プレスポット、カフェティエール、カフェッティエラ ア スタントゥッフォなどと呼ばれることも。その名の通り、フレンチプレスはフランスで広まった抽出法・抽出器具。日本では紅茶用としてブームになったため、そのイメージが強いかもしれませんが、実はコーヒー用として生まれたものなのです。
コーヒーを手軽に淹れられるのがフレンチプレスの大きな特長。コーヒーの粉とお湯の量、抽出時間が一定なら、素人でもプロに近い味に仕上げることが可能です。また、コーヒー豆の旨味、香り、油分(コーヒーオイル)を余すことなく抽出できるのもポイント。フレンチプレス用のコーヒーメーカーはステンレス製のメッシュフィルターが主流なので、ペーパーフィルターなどと異なり成分や風味が吸着されることなく、コーヒー豆が持つ本来の味や個性を最大限に楽しむことができるんです。
とっても簡単。フレンチプレスでコーヒーを淹れる手順とは
早速、実際にフレンチプレスでコーヒーを淹れる際のステップをご紹介します。大まかに分ければ、ステップはわずか3つ。誰でも簡単においしいコーヒーを楽しむことが可能です。手順ごとにポイントをまとめたので、全体の流れも把握しつつ淹れ方をイメージしてみてください。
ステップ1
適量のコーヒー豆とお湯を馴染ませる
まず、適正な量のコーヒー粉とお湯を準備します。1杯分の目安は、コーヒー粉が12g程度、お湯が160ml程度。それを基に、豆の種類や好みに合わせて微調整してください。コーヒー豆は深入り~中入り程度のものを、中細挽き~粗挽きにして使用するのがおすすめ。コーヒー粉が細かいとしっかりした味になり、粗いとスッキリした味になるので好みのバランスを見つけてください。
あらかじめ温めておいたコーヒーメーカーのガラスポットにコーヒー粉をすべて入れ、かき混ぜずにゆっくりやさしくお湯を注ぎます。できるかぎりコーヒーの粉が舞い上がって踊らないように気をつけましょう。焙煎してから日が浅いコーヒー豆だと、粉が大きく膨らむことがあります。その場合は膨らみが落ち着くのを待ちながらお湯を注ぎましょう。
ステップ2
お湯を注いで4分くらい抽出する
お湯をすべて注いだら、フィルターを上げたまま蓋をして、抽出する時間を確保します。コーヒー粉やお湯の分量にかかわらず、抽出時間はお湯を注いでから4分間が適正だといわれています。スマートフォンのタイマー機能などを利用して、時間を計るのがおすすめです。
ステップ3
ゆっくり濾して、カップに注ぐ
4分経ったら、フィルターを底までゆっくりと下ろして濾過します。コーヒーの粉をやさしくキャッチして沈めるイメージで行ってください。表面に油分が浮いていることがありますが、そのコーヒーオイルこそがおいしさのポイント。オイルを取り除く必要はありません。
そしてコーヒーをカップに注げば完成! なお、コーヒーメーカーのグラスポットには底のほうにコーヒーの粉が溜まっています。コーヒーをすべて注ぐとその粉や雑味がカップに移りやすくなるので、最後まで注ぎきらずに少し残すのがおいしく淹れる最後のコツです。カップをあらかじめ温めておくと、注いだコーヒーの温度が下がらず、より一層おいしく楽しめます。
フレンチプレス用コーヒーメーカーといえば、まずはココ。『ボダム』の製品をチェック
「ダブルウォールグラス」が人気の『ボダム』ですが、実はフレンチプレスのコーヒーをヨーロッパに広めた立役者でもあります。現在もフレンチプレス用のコーヒーメーカーを多数リリースしていて、フランス人は「フレンチプレス」のことを「ボダム」を呼ぶこともあるほど。それだけ象徴的なブランドなので、まずは『ボダム』からチェックするのがおすすめです。現行ラインアップの全9モデルをご紹介するので、自分にぴったりの1台を見つけてください!
アイテム1
シャンボール
フレンチプレス用コーヒーメーカーの原型といえる定番品です。パリで広まった1950年代当時のモデルをイメージ。耐熱ガラス&メタルフレームのコンビネーションが特徴的です。丸みを帯びたリッド(蓋)もチャームポイント。シリコンゴム付きのロック式で、転倒してもコーヒーがこぼれづらくなっています。サイズは350ml、500ml、1,000mlをラインアップ。メタルパーツにゴールドのメッキやクロムメッキを施したタイプも選べます。
アイテム2
カフェティエラ
「シャンボール」と同じクラシックなデザインがベースですが、リッド(蓋)とハンドルがペールトーンにアレンジされていてチャーミング。同じカラーのトラベルマグや関連アイテムもリリースされているので、好きなカラーで揃えると一層スタイリッシュです。サイズは2~3杯分が抽出できる350mlのみ。
アイテム3
アイリーン
フランスを中心に活躍したアイルランド人のインテリア&プロダクトデザイナー、アイリーン・グレイ氏へのリスペクトを込めて作られたシリーズのコーヒーメーカーです。幾何学模様のメタルカバーがモダンかつ個性的。さまざまなテーブルコーディネートに馴染みつつ、スタイリッシュなアクセントとプラスしてくれます。サイズは350m、500ml、1,000mlの3種類。
アイテム4
ケニア
ハンドルとシンクロする楕円形のフレームがクール。クラシックなムードとモダンなニュアンスが融合しています。高級感があるにもかかわらず、比較的リーズナブルな価格帯なのも魅力の1つ。『ボダム』で展開されている他のコーヒーメーカーと同じく、ステンレスのメッシュフィルターを採用しているため、コーヒー豆の個性を引き出しやすくなっています。サイズ展開は350ml、500ml、1,000mlの3タイプ。
アイテム5
ブラジル
「良いデザインは高価であってはならない」というブランドのデザインポリシーを具現化したコーヒーメーカーです。装飾的な要素を省きつつ、“bodum”というブランド名を大きく立体的にレイアウトすることで独自性を加味。プラスチック部分のカラバリで個性が上乗せできます。持ちやすいフォルムの取っ手も特徴的。サイズ展開は350mlと1,000mlの2種類です。
アイテム6
コロンビア
曲線を描くフォルムが優雅なイメージ。ステンレス製なので耐久性が抜群です。また、二重構造で保温性に優れているのも大きな特徴。フィルターが1層構造で洗いやすいのも高ポイントです。コーヒーポット風のデザインで大容量に見えますが、350ml、500ml、1,000mlの3タイプが選べます。
アイテム7
ビストロヌーボー
ミニマルなデザインが特徴のコーヒーメーカー。横断するメタルパーツがワンポイントになっていますが、どんなテイストのキッチンウェアにも馴染み、オールマイティに使えます。サイズのバリエーションは350mlと1,000mlの2種類。
アイテム8
ビーン
カップに注ぎやすいリッド(蓋)の形状が特徴的。『ボダム』では定番となっているシリコンゴム付きの仕様でロックすることができるため、熱が逃げにくくなっています。シンプルでモダンなテイストも魅力で、カラーはホワイトとブラックをラインアップ。サイズは1,000mlのみで、一度にたくさんコーヒーを作りたい人におすすめです。
アイテム9
ビーンセット
前出の「ビーン」とデザインは同じですが、こちらは水出しコーヒー用。お湯の代わりに水を入れ、冷蔵庫で一晩くらい寝かせるとまろやかなアイスコーヒーができ上がります。冷蔵庫で寝かせる際に使用するリッド(蓋)と、抽出後のアイスコーヒーを濾すためのフィルター付きリッド(蓋)が付属。水滴や結露で滑らないように、ハンドルにシリコンゴムを採用しています。サイズは大容量の1,500mlのみで、カラーは白と黒を展開。
逸品は他にも。加えて押さえておきたいフレンチプレス用コーヒーメーカー6選
フレンチプレス用のコーヒーメーカーは、『ボダム』以外からもさまざまなブランドがリリースされています。その中から、特におすすめのアイテムをピックアップ。個性的な機能を備えているタイプもあるので、自分のライフスタイルに合う逸品を探してみましょう!
ブランド1
『バリスタアンドコー』コア コーヒープレス 3カップ
2015年に英国で誕生した『バリスタアンドコー』は、機能的でスタイリッシュなコーヒーツールを展開。コーヒープレスも才色兼備な出来栄えです。サイズは350mlと1,000mlの2タイプですが、ガラスの容器に目盛りが書かれていて、お湯の量を調整するのが簡単。カラーはシルバー(スチール)とブロンズ(コッパー)の2種類です。
ブランド2
『ビアレッティ』フレンチプレス オミーノ
マキネッタで有名なイタリアの老舗キッチンツールブランド『ビアレッティ』が販売しているコーヒーメーカーは、メタルフレームがおしゃれ。キャラクターのシルエットをくり抜いたデザインがさりげなく個性的です。見た目より軽量で扱いやすく、粉っぽさがないのに豆の個性が感じられるコーヒーを淹れることができます。サイズは350mlと1,000mlの2タイプ。
ブランド3
『ハリオ』ハリオール ブライト N
耐熱ガラスメーカーとしてさまざまなキッチンツールを展開している『ハリオ』の逸品。デザインがスタンダードなのに加え、リーズナブルな価格で手に入るので、フレンチプレスのコーヒーをとりあえず試してみたい人にもぴったりです。容量は300mlと600mlの2種類から選べます。
ブランド4
『デンビー』コーヒープレス
デイリーユースを意識したストーンウェア(炻器)を展開しているイギリスのブランド『デンビー』。フレンチプレス用のコーヒーメーカーにもブランドの特徴が生かされていて、陶磁器ならではの表情が高級感を放っています。容量は1,150ml。カラバリはグレー系のグラデーションに加え、ホワイトとネイビーも展開しています。
ブランド5
『アフタヌーンティー』ビームスデザイン ビタントニオ 2WAYコーヒープレスステンレスボトル
人気セレクトショップの「ビームス」が手掛ける『ビームスデザイン』の監修によるシリーズは、“Family Oasis”がテーマ。アーティストの神山隆二氏によるグラフィティアートを全面的に用いています。このアイテムは、キッチン&生活家電ブランド『ビタントニオ』のコーヒープレスボトル「コトル」がベース。蓋を付け替えることで、ステンレスボトルとしても使える2WAY仕様の優れモノです。容量は420ml。
ブランド6
『ジョージズ』カフェプレスマグ
マグタイプのコーヒーメーカーです。手軽に1人分のコーヒーを淹れることができるのがポイント。ただし注意も必要で、そのまま飲むと抽出時間が延びてしまいます。味にこだわるなら、他のカップに移すなどの工夫をしつつ活用しましょう。カラーはホワイトとネイビーの2色をラインアップ。

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