世界初のゴアテックスブーツ。ダナーライトの質実剛健さに惚れ直す

世界初のゴアテックスブーツ。ダナーライトの質実剛健さに惚れ直す

アウトドアを出自とするブーツの中でも絶対的な定番に位置付けられる「ダナーライト」。名靴として愛される理由は、質実剛健さと登山靴の常識を覆した履き心地にあります。

遠藤 匠

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2021.01.14

アウトドアファッションを語るなら必修。「ダナーライト」とは何モノだ

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アウトドア要素を盛り込んだファッションが勢いづく中、足元を固める名靴として再び脚光を浴びつつあるのが、「ダナーライト」です。1979年の誕生から40年以上経た現在も愛され続ける理由は後程解説するとして、まずは誕生した背景とこれまでの歩みを振り返ってみましょう。

「ダナーライト」が生まれた当時のアメリカは、1960年代に巻き起こったバックパッキング&トレッキングブームの真っ只中。1932年にウィスコンシン州で創業し、当時からブーツの需要が高かったオレゴン州ポートランドに拠点を移した『ダナー』もこの波に乗るべく、1973年に「マウンテントレイル」という軽量トレッキングブーツを開発してすでにその名を轟かせていました。そんな『ダナー』の名声を決定づける1足として市場に投じられたのが、1979年にデビューを果たした「ダナーライト」でした。

アウトドアファッションを語るなら必修。「ダナーライト」とは何モノだ 2枚目の画像

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詳しくは後述しますが、何よりも革命的だったのが、ゴアテックスを世界で初めて採用したブーツだったこと。完全防水にして軽量というその革新的ブーツは、本国アメリカはもとより、第一次アウトドアブームのうねりが押し寄せていた1980年代の日本でも絶大な人気を博しました。そして現在も、MADE IN USAによって保たれた揺るぎないクオリティによって絶対的な信頼を獲得し続けており、アウトドア靴のマスターピースとして認知されています。

「ダナーライト」はなぜ愛され続けるのか。知っておきたい3つの理由

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さて、ここからは「ダナーライト」が名靴と呼ばれる理由を、この靴を特徴付けるディテールから読み解いていきましょう。

理由1

ゴアテックスをブーツで初めて使用した、歴史と機能を備える1足だから

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前述したように、「ダナーライト」という靴の革新性を象徴するのが世界で初めてゴアテックスをライニングしたブーツだったという事実。最先端素材をいち早く採用した当時のハイテクブーツという位置付けだったわけですが、この素材を採用するにはゴアテックス社の厳しい基準をクリアしなければならないというのは有名な話。製造した靴をゴアテックス社に提出し、同社が設定した何段階にも及ぶテストに合格しないと製品化できないというのは当時も現在も変わりません。例えば、ウェットフレックステストはその1つ。これは靴を水に浸した状態で屈曲を切り返すことで、歩行する動作によって浸水しないかどうかをテストするもの。他にも靴の中に水を入れた状態で高速回転させるセントリフューガルテストなども有名です。機能性を保証するために設定されたハードルをクリアした靴だからこそ、その性能の高さに絶対的な信頼を置けるというわけです。

理由2

圧倒的な堅牢さと、ステッチダウン製法によるしなやかな足運びを両立しているから

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「ダナーライト」はステッチダウン製法によって底付けされています。この製法は軽量化を図りやすく足に馴染みやすいという特徴がある半面、アッパーの革に直接縫い糸を施しているため防水性が確保しにくいという弱点があります。この弱点を解消する役割を担うのが、ゴアテックスです。防水透湿素材をライニングすることによって完全防水仕様を実現しながら、ステッチダウン製法の持ち味である軽さと足馴染みの良さも享受できるブーツに仕上がっているのです。ちなみに『ダナー』はイタリア製のビブラムソールを他社に先駆けて採用したブーツメーカーとしても有名で、「ダナーライト」にも同社のクレッターリフトソールが採用されています。同ソールは確かなグリップ力を発揮する一方、つま先とヒールをゆるやかな曲線でつないでいることにより岩場などの段差に引っかかりにくい形状となっています。

理由3

米国製らしい重厚さをも備えた、完成されたブーツデザインだから

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SHOETIME

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アッパーに採用された素材も、「ダナーライト」の質実剛健さを象徴する意匠。防水加工を施したフルグレインレザーは非常に厚手で、切り替えを施したコーデュラナイロンは堅牢性の高さが自慢。コバに走るステッチダウン製法の縫製糸も非常に太く、タフさがみなぎっています。その一方で、革とナイロンをコンビ使いすること自体がクラシカルな登山靴としては珍しく、総レザーの「マウンテンライト」と比べるとスポーティさが感じられます。フォルム自体も細身ではないものの、つま先に向かって程良くシェイプされているため武骨過ぎない印象。カジュアル使いがしやすく、合わせるパンツを選ばない点も長く愛されている理由といえるでしょう。

アウトドアMIXから、きれいめコーデまで。「ダナーライト」はこう使う

次は、「ダナーライト」の強みである、カジュアル使いのしやすさを見てみることにしましょう。旬のアウトドアMIXコーデはもとより、都会的なストリートスタイルに男らしさを加味する1足としても力を発揮してくれます。アウトドア靴としては屈指の守備範囲の広さには脱帽です。

着こなし1

ボリューミーなフリースと足元の重厚感が好バランス

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ボアフリースジャケットもパンツもゆったり目を選んだ、今どき感あるアウトドアMIXスタイル。「ダナーライト」の重厚感あるフォルムはビッグシルエットの服とのバランスが取りやすく、コーデ自体を男らしい印象にまとめる役割も果たしてくれます。このコーデでは黒の「ダナーライト」や黒パンツによって、ベージュのフリースを都会的な印象に寄せている点も見逃せません。

着こなし2

トラッド感を味方につけた装いとの親和性も抜群!

トラッド感を味方につけた装いとの親和性も抜群!

WEAR

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こちらはマウンテンパーカーに濃紺ジーンズを合わせ、第一ボタンまで留めたシャツでラギッド感とトラッド感をブレンドさせたスタイル。こうした温故知新な大人カジュアルの佇まいにもばっちり映えるのが、「ダナーライト」の良いところです。革&ナイロンのコンビ使いが際立つ配色によって程良い軽快さも加味され、総レザーのブーツとはまた違うあか抜けた印象に導くことが可能になります。

着こなし3

都会的なブラックコーデに、「ダナーライト」で力強さをプラス

都会的なブラックコーデに、「ダナーライト」で力強さをプラス

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シェルアウターを主役に、全身をブラック中心でまとめた大人目線のストリートスタイル。これで足元が黒スニーカーというのも悪くはありませんが、あえて黒の「ダナーライト」を投入するとどうでしょう。足元がグッと力強い印象になり、黒コーデならではの男らしさがより際立っているのがわかるかと思います。パンツも黒なら、ブーツインした際のすっきり感もひとしおです。

密かにナンバリング。「ダナーライト2」を知っているか?

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シュガーオンラインショップ

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パッと見では見分けがつかないかもしれませんが、実はこれ、「ダナーライト2」という派生モデルの1つ。基本仕様はオリジナルの「ダナーライト」とまったく同じですが、サイドパネルの切り替えの形状だけが微妙に異なっています。

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e-ShopSmart

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「ダナーライト」との唯一の相違点が、このサイドパネルの形状。レザーの部分が広く取られたフォルムによってよりタフな印象に導かれています。レザーによって包み込まれる面積も増えるので、厳密にいうとフィット感やホールド感でも微妙な違いが。もし両モデルを試着できるショップが近くにあれば履き比べてみて、自分好みの横顔と履き心地のモデルを選ぶのも手かもしれません。

6万円は高い……、という方へ。半額以下で買える「ダナーフィールド」も

6万円は高い……、という方へ。半額以下で買える「ダナーフィールド」も

SHOETIME

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「ダナーライト」が名靴であることは歴史が証明していることですが、本国での生産に強いこだわりがあるゆえに価格を抑えることが難しく、発売当初から高嶺の花的な靴であったことも事実。そんな声がダナー社に届いたのかどうかは定かではありませんが、オリジナルの魅力を残しながら価格を半分以下に抑えたモデルも作ってくれています。それが、この「ダナーフィールド」。そのスペックはオリジナルとほぼ同等で、ゴアテックスによって防水透湿性を確保し、アッパーの革も同じようにフルグレイン・ウォータープルーフレザーを採用。もちろんゴアテックス社の認証を得ているので、オリジナルと比較しても決して見劣りする靴ではありません。では何が違うのかというと、アメリカではなくベトナムの工場で製造していること。革に関しても、ベトナム周辺の地域のものを使うことで製造コストを抑えています。

6万円は高い……、という方へ。半額以下で買える「ダナーフィールド」も 2枚目の画像

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ディテールを見てみると、微妙な違いを見て取れます。革自体が変わったことで、オリジナルのフルグレインレザーと比べると幾分マットな質感に。また、シューレース周りに関しても、オリジナルは上3つがフックになっているのに対し、「ダナーフィールド」はこれらがハトメに変更されています。より細かい違いとしては、オルソライトというオリジナルより柔らかいインソールを採用している点も挙げられます。通気性や速乾性に優れるインソールでもあるので、よりスニーカーに近い履き心地をもたらしてくれます。また、厳密にいうとゴアテックスの使い方もオリジナルとは異なりますが、防水性に関してはほぼ同等の性能を実現。安心してアウトドアにも繰り出せます。

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遠藤 匠

紺ブレもビーサンも守備範囲。雑食系服飾ライター

遠藤 匠
モノ雑誌と男性ライフスタイル誌の編集を経て、現在はフリーライターとしてメンズファッション誌、ライフスタイル誌、WEBを中心に執筆。ファッション遍歴は、渋カジから英国系テーラードを経て、再びアメカジに回帰。現在は無国籍状態に。
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