
名作靴、その一角。ダナーのポストマンシューズをとことん深堀り!
ドレス靴なのに程良くカジュアルで、スニーカー並みの快適さを誇るポストマンシューズ。本記事では米国ワーク靴の名門『ダナー』のポストマンに注目してみましょう。
掛け値なしにマストハブ。ポストマンシューズは1足あって損なし!
ポストマンシューズとはその名の通り、USポスタルサービス(アメリカ合衆国郵便公社)の職員が郵便配達の際に履くために作られた靴。そのためフォーマルなドレスシューズのルックスを備えつつ雨に強くて頻繁に磨かなくとも靴を美しく保てるガラスレザーをアッパーに使用し、芝生を傷つけないようにフラットなクッションソールを採用しているのが特徴です。また、長い時間歩くことを想定して作られた靴のため疲れにくいことはいうまでもなく、幅広い足型の人にフィットするラストを採用しています。そのためややぽってりとしたトゥの素直なシェイプに仕立てられており、スーツはもちろん、ジーンズと組み合わせるカジュアルスタイルまで、さまざまな着こなしにマッチする懐の深さも魅力です。
光沢を備えたドレス顔。『ダナー』のポストマンを選ぶメリットとは?
ポストマンといえば真っ先に頭に浮かぶのが『レッド・ウィング』ですが、本記事であえて注目したいのが『ダナー』。ご存じの通り『ダナー』は1932年にウィスコンシン州で創業したアメリカンブーツメーカーの老舗の1つ。登山靴やロガーブーツからビジネスをスタートした歴史や、世界に先駆けてゴアテックス素材をブーツに取り入れて軽量さと機能性を兼ね備えた名靴「ダナーライト」の存在が証明するように、タフなモノ作りと快適な履き心地を両立する稀有なメーカーでもあります。加えて近年はアメリカ軍向けにタクティカルブーツを制式納入している実績もあるため、“官公庁職員が使用する、タフで履き心地に優れた靴”であることを求められるポストマンを作るのに『ダナー』ほど適したメーカーはそうそうないといえるのです。
メリット1
肉厚ガラスレザーがもたらす、ワークシューズの域を超えたドレス感
ポストマンシューズに使用されるガラスレザーは、原皮をなめした後にガラス板に貼り付けて表面を平滑に加工。最後にラッカーなどの合成樹脂を塗布して仕上げられます。表面の傷や繊維ムラをごまかせるため一般的に質の低い原皮がガラスレザー用に回されますが、『ダナー』のポストマンで使用されているガラスレザーは非常に肉厚。また表面の樹脂加工も『レッド・ウィング』と比較すると厚めに施されており、一見するとガラスレザーというよりもパテントレザーのような強いツヤを放っています。
メリット2
『ダナー』オリジナルのダンキャットソールが快適な歩行体験を提供
ポストマンシューズで重視すべき点はグリップ力。というのも、USポスタルサービスではポストマンシューズに対してスリップレジスタンスというソールの滑りにくさに対する認定試験を義務付けており、試験に合格した靴には“SR/USA”という表記のタグを取り付けています。実際に『レッド・ウィング』では今もポストマンに“SR/USA”タグを採用し続けています。いっぽうで『ダナー』はスリップレジスタンス試験を行っていないものの、マウンテンブーツ作りで培った独自のダンキャットソールを採用。フラットなソールパターンながら全方向に対するグリップ力を確保することで、ポストマンシューズに必要なスペックを実現しています。
メリット3
丸みを帯びたワークシューズ然としたシルエットが、クラシックな空気を醸成
アメリカ靴らしいぽってりとしたトゥとシルエットもポストマンの魅力。『レッド・ウィング』と比較して『ダナー』のポストマンはやや幅広なラストを採用していることもあり、よりぽってりとした雰囲気に仕上がっています。ちなみに『ダナー』は古くからオレゴン州の自社工場のほかに日本の協力工場を使って生産を行っており、実はこのポストマンもMADE IN JAPAN。『ダナー』が有するアメリカンブーツブランドの歴史と日本のきめ細やかな職人技術のコンビネーションによって、ワークシューズらしい武骨さとドレスシューズの気品を両立させているのです。
競合『レッド・ウィング』と『ダナー』、どちらのポストマンを選ぶべき?
さて、ここまで『レッド・ウィング』と『ダナー』のポストマンの違いについて比較しながら解説してきましたが、では実際はどちらがおすすめかというと、究極的には個人の好み。ポストマンシューズとしての歴史やアメリカ靴らしいラフな作りを重視するなら『レッド・ウィング』を、足の作りが甲高幅広で海外製ブーツが足に合わない、細かなステッチ目まで揃った丁寧な作りの靴が好み、ということなら『ダナー』を選んでみてはいかがでしょう。また『ダナー』のほうが実売価格で1万円ほど安く手に入るため、懐事情と相談しながら選んでも良いかもしれません。
『ダナー』のポストマン、そのバリエーションをチェック
官公庁職員のサービスシューズという性質上、本来はブラックのガラスレザーを使用するのが正統なポストマン。しかしガラスレザーはオイルが入らないため手入れする楽しみがないことや、シワが入った部分からひび割れが起こるといった理由から敬遠する人がいるのも事実です。また、コーディネートによっては黒以外の靴を履きたいこともあるでしょう。そのためもあってか『ダナー』ではブラックのガラスレザー以外の素材を使用したバリエーションモデルもラインアップしているんです。
バリエーション1
ポストマンブーツ
郵便局員のためのサービスシューズとして誕生した「ポストマン」のチャッカタイプであり、オリジナルは警察にも納入されていたモデル。『ダナー』ではオックスフォードとチャッカともにダークブラウンのガラスレザーをアッパーに採用したモデルをラインアップしており、より幅広い着こなしに取り入れることが可能です。
バリエーション2
ポストマン2
『ダナー』の中でも30年以上にわたって愛されているベストセラーである「ポストマン」のラストやデザインはそのままに、アッパーにオイルドレザーを用いたモデル。ダンキャットソールよりも軽くクッション性に優れたビブラム社のEVAFLEXソールを採用し、よりライトな履き心地を手に入れています。
何でも合う、を実証。『ダナー』ポストマンシューズのおしゃれなコーデ実例
カジュアルなファッションからジャケパンスタイル、トラッドな装いまで幅広いシチュエーションで活躍するのがポストマンシューズの魅力。ここでは2種類のコーディネートを参考に、その実力を確かめてみましょう。
着こなし1
カジュアルなドレスシューズとしてポストマンを履きこなす
もともとサービスシューズとして作られたポストマンは、トラッドなコーディネートを程良くドレスダウンさせるのにぴったりなアイテム。こちらではミドルゲージのフィッシャーマンセーターとホームスパンのスラックスというシャギーなアイテムにスムースなツヤ感のあるポストマンを合わせ、素材感でコントラストをつけています。
着こなし2
ハードなインディゴ&デニムをポストマンでクリーンに
そしてポストマンはアメリカンワークシューズとしての出自も有しているため、ジーンズとの相性も良好。ジャケパンスタイルにジーンズ&ポストマンを取り入れるのはもちろんのこと、ハードなダメージジーンズと組み合わせたカジュアルなスタイリングでも品良く見せることが可能です。
あれ、これはポストマンじゃない? 『ダナー』の「マナワ」と何が違う?
最近はアウトドアブーツだけでなく、ドレスラインやサンダルなど、さまざまなアイテムをラインアップしている『ダナー』。その中でも同じ外羽根式プレーントゥのため、パッと見で「ポストマン」と間違えそうになるのが「マナワ」です。違いとしては「マナワ」はアッパーにクロムエクセルを採用しており、セパレートタイプのビブラム タイガソールを採用していること。またポストマンシューズはサービスシューズがルーツですが、「マナワ」は戦前のクラシックなワークブーツがモチーフ。ステッチダウン製法を採用しているためアッパーの革が分厚くコバも張り出し気味のため、ジャケパンやビジネスカジュアルに合わせるならポストマンシューズのほうが良いでしょう。
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