
本場ではこちらが売れ筋。パラブーツのアヴィニョンに頼りたい
『パラブーツ』のUチップといえば「シャンボード」が有名ですが、実はパリジャンに愛用者が多いのは別のモデル。隠れた名靴といえる「アヴィニョン」にフォーカスします。
準礼装にももってこい。『パラブーツ』の「アヴィニョン」って何モノ?
アッパーに独自のレザーを使用しているだけでなく、ソールまで自社で生産している稀有なブランドが『パラブーツ』。日本では男性だけでなく女性からも支持されており、なかでもUチップ&チャッカなチロリアンシューズの「ミカエル」と、登山靴に由来するノルウェイジャン製法で仕立てられたタフなドレス系Uチップ「シャンボード」は、同ブランドを代表する二大巨頭です。しかし、実は本国であるフランスではそれらよりも売れているUチップがあるんです。それこそが「アヴィニョン」。本記事では、隠れた名靴である「アヴィニョン」の魅力についてご紹介いたします。
「シャンボード」と「ミカエル」の魅力は、撥水性に優れたリスレザーをアッパーに使ったぽってりとボリューム感のあるシルエット。カジュアルなスタイリングに品を持たせたり、ジャケパンスタイルをこなれた印象に仕上げたりしたいときのキラーシューズとして人気を集めています。一方で、「アヴィニョン」はそれらと比較するとよりドレッシーな雰囲気。トラッドなスーツと組み合わせれば好相性を描くのはいうまでもなく、ジャケパンスタイルをカジュアルアップしたいときにも活躍してくれます。さらにはクリーンなジーンズと合わせたカジュアルなスタイリングにも◎と、さまざまなスタイリングに活躍してくれる万能選手が「アヴィニョン」なのです。

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3つのポイントで覚えよう。『パラブーツ』の「アヴィニョン」はココが特徴
カジュアルからドレスまでさまざまなシーンで履きこなされている『パラブーツ』の中でも、なぜ「アヴィニョン」がそれほどまでにさまざまなシチュエーションで使える靴なのか。ここではその秘密を解説します!
ポイント1
足元に品の良いアクセントを添える、Uチップとスプリットトゥ
「アヴィニョン」が採用する“Uチップ”とは、もともとフランスでは狩猟靴として使われてきたカントリーシューズ。そのためドレス靴ながらどことなくカジュアルで武骨な雰囲気を残しており、それが足元に程良いアクセントを加えてくれる秘訣となっています。またUチップの中でも2枚の革をトゥの先端で縫い合わせるスプリットトゥというディテールを採用しているのも「アヴィニョン」の特徴。ラストの形状と相まってシャープでドレッシーなトゥに仕上がっています。また、モカ縫い部分もサイドの革の上に甲革をかぶせることでフラットな縫い目に仕上げる“乗せモカ”を採用している点もポイント。スプリットトゥと乗せモカという2つの仕様が組み合わさることで、履いたときに品良く見えるのです。
ポイント2
甲が低いシャープなシルエットが、ドレス感を担保する
一般的なフランスのUチップはぽってりとしたトゥのものが多いですが、「アヴィニョン」の場合は親指の付け根からトゥに向かって先細りになったシルエット。そのため靴のサイズは同じでも捨て寸が長めに見えるため、一層ドレッシーな雰囲気を醸します。そして「アヴィニョン」が採用している194ラストはダブルモンクの「ウィリアム」でも採用されているのですが、大振りなストラップとトゥキャップがつく「ウィリアム」ですらスッキリとまとまりがあることからもわかる通り、194ラストは甲がかなり低めの設定。レースアップシューズの「アヴィニョン」であれば、よりシャープに履きこなすことができるのです。
ポイント3
サイドビューも抜かりなし。ラバーソールモデルも、薄めのグリフ2を採用
そして『パラブーツ』の製法的な特徴が、自社でラバーソールの生産をおこなっていること。実はこれが意外に重要で、他のシューズメーカーでは中底+コルクフィラー+シャンク+ミッドソール+アウトソールという構造が一般的なのですが、ソールを自社生産するパラブーツの場合はこの組み合わせにとどまらずさまざまな構造の靴を作ることが可能で、つまりはサイドビューも自由自在ということ。「アヴィニョン」の場合はグリフ2というやや薄めのラバーソールを採用しており、グリップ性や耐久性を確保しつつスマートなルックスを両立させています。
似ているようで、ちょっと違う。「アヴィニョン」と「シャンボード」の違い
購入の際に「アヴィニョン」と比較対象になるのが「シャンボード」。ともに雨に強いリスレザーをアッパーに使用したUチップであり、履きシワが大きく入り磨けば強い光沢が出るという美点は共通しています。両者の見た目上の違いでいえば、フォーマル度の高いスッキリとしたシルエットとディテールの「アヴィニョン」に対して、「シャンボード」はよりフランスのUチップらしいぽってりとしたシルエットであること。同じく甲の高さも、「アヴィニョン」よりも「シャンボード」のほうが高め。そのため甲が低めの人は「アヴィニョン」が、甲高幅広な足型の人は「シャンボード」のほうがマッチしやすいといえるでしょう。
外側から見えない部分での違いでいえば「アヴィニョン」がグリフ2をアウトソールに採用し、中底+コルクフィラー+シャンク+ミッドソール+アウトソールという組み合わせを採用していることに対し、「シャンボード」ではシャンクと緩衝材一体型のパラテックスソールを採用。中底+ソールという、シンプルな構造を採用しているんです。もちろん歩き心地も両者で異なりますが、大きく違うのはソール交換時。「アヴィニョン」はアウトソールを剥がすだけで張り替え可能ですが、シャンボードでは出し縫いをカットしてアウトソールを剥がし、再び縫い合わせる必要があります。「シャンボード」は特殊な構造のため、ソール張り替え前と同じ歩行感を得るためには純正のパラテックスソールを使う必要があることに留意しておきましょう。
『パラブーツ』の「アヴィニョン」、色と素材で選ぶ5種
さて、ここまで「アヴィニョン」の魅力について語って物欲が高まってきたところで、今度はカラーや素材展開について解説しましょう。ワードローブでそれぞれ独特の個性を放つ、多様な「アヴィニョン」の表情をご覧ください!
1足目
ノワール/ブラック
まずは1足押さえておきたいのがこちら。黒やブラックというよりも、フランスらしく“ノワール”と呼びたい潔い黒さが魅力です。またアッパーのリスレザーは撥水性を確保するためにブライドルレザーのようにたっぷりとワックスが含まれているため、特に履き始めのころは気温が下がると蝋が表面に析出するブルーミング現象が起こります。拭けば再び革の内部に戻りますが、その変化を楽しむのもこの色ならうってつけでしょう。
2足目
カフェ/ブラウン
ブラックと並んで購入候補に挙がるのが、夏場のリネンスーツや秋冬のツイードジャケットなどに軽さと温かみを加えてくれるとあって、シーズンを問わずに活躍してくれるブラウン。濃過ぎず明る過ぎず、控えめな赤みをたたえる絶妙な茶色はさすがレザーの色出しに長けたフランスのブランド、といったところです。
3足目
グリンゴ/オイルドヌバック
先程のブラックとブラウンはアッパーにリスレザーを使ったモデルですが、こちらはオイルドヌバックを用いたグリンゴ。ヌバックといっても毛足の短い革にさらにたっぷりオイルを入れているため一見するとスムースレザーのようで、防水性も兼ね備えています。化学薬品は一切使わず植物タンニンとミネラルだけを使ってなめされており耐久性に優れ、ぶつけてもオイルを入れれば傷が消えやすい点も魅力です。
4足目
スエード/マロンベル・スモーキー
アッパーに使用するレザーにも一家言あることが伝わってくるのが、こちらのスエード。一般的な明るいブラウンではなくダーティーバックスのような絶妙にスモーキーな色出しのおかげで、カジュアルな印象になりがちな素材に落ち着きを加えています。他人とカブりにくいアイテムのため、ワードローブに個性を演出する飛び道具として活用してはいかがでしょう。ちなみにやわらかな革のため、足あたりも良好です。
5足目
コードバン
こちらはアメリカが誇る名革、ホーウィン社のシェルコードバンをアッパーに使用したモデル。ホーウィン社のコードバンは透明度の高さと肉厚さが特徴で、オイルもたっぷりと入っているためしなやかで靴に適した素材として知られています。また、コードバンは雨に濡れるとシミが出るなど繊細なイメージがありますが、その後に丁寧に磨きをかければ消えるなど意外と丈夫な革でもあります。
2019年登場。「BBR」シリーズにも「アヴィニョン」が
『パラブーツ』の中でも、素材やディテールを変更して発表されるシーズン限定ラインが「BBR」。過去には「ミカエル」や「シャンボード」を題材に発表し、これが若者を中心に人気を集めましたが、2019年には「アヴィニョン」も仲間入りしています。カーフの質感を備えつつオイルと樹脂を含んだドライレザーをアッパーに使用しており、ドレッシーながら雨に強く頑丈。また、通常の緑タグから「BBR」ラインの象徴であるトリコタグへ変更されている点も所有感をそそります。

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『パラブーツ』 アヴィニョン ノワール/ブラック
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『パラブーツ』 アヴィニョン カフェ/ブラウン
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『パラブーツ』 アヴィニョン グリンゴ/オイルドヌバック
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『パラブーツ』 アヴィニョン スエード/マロンベル・スモーキー
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『パラブーツ』 アヴィニョン コードバン
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『パラブーツ』 アヴィニョン BBR
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