
ガラスの中で育てるテラリウム。作り方や育てやすい植物の種類を紹介
作って、飾って、楽しめるテラリウム。インテリア性が高く室内で楽しめることもあり人気を集めています。初めてでも楽しめるテラリウムの作り方や育て方をご紹介します。
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おしゃれでインテリアとしてもおすすめのテラリウム
テラリウムとはガラス容器を使い、その中で植物を育てること。苔をはじめ、エアプランツやランなどの植物を使い、ガラス容器の中に小さな庭や世界観を作り出すことができます。インテリア性が高いため「育てるインテリア」として楽しまれています。
難しくない? テラリウムの作り方
テラリウムはガラス容器の中で、小さな庭や借景を作るイメージです。作る工数としては多くはありませんが、ガラス容器の中でピンセットを使い作業をするので多少難しく感じるかもしれません。その分完成したときの充実感は高いですよ! 以下では必要なものと作り方をご紹介します。
▼まずは必要なものをチェック
その1
用土
清潔で栄養素の少ない無機質な土が向いています。手軽なのはテラリウム専用の土を使うこと。自身で赤玉土などをブレンドするより、手間が省けて手軽です。腐葉土など栄養がある土は緑色の藻がガラスに付き、カビや菌の発生の原因になるため、テラリウムには不向き。使い古しの土や庭から持ってきた土なども避けてください。
その2
口が広めのガラス容器
育てる植物の種類に合わせて容器を選ぶと管理がしやすくなります。ふた付きのガラス容器は、湿度を保てるので苔テラリウムや湿度を好む植物に最適。エアプランツ(チランジア)や多肉植物などは風が当たるようにふたがないものが向いています。どちらもガラスの厚みが薄いほうがきれいに見えて、容器の口が広いほうが管理しやすいですよ。
その3
苔などの植物
テラリウムには、湿度を好む種類の植物が向いています。代表的なものが苔。苔だけの苔テラリウムがあるほど相性が良く、種類も豊富です。容器に入れる植物同士、近しい性質のものを選ぶほうが管理しやすいのでおすすめ。特に強い日光を必要としないタイプのものを選ぶのが望ましいでしょう。
その4
ピンセット
ガラス容器の中で細かい作業を行うので、ロングタイプのピンセットがあると便利です。苔、多肉植物など植物は水分を含んでいますので、錆びにくいステンレス製のものが良いでしょう。手元に短いピンセットしかなく、割り箸で代用できないかとチャレンジしたことが筆者にはありますが、作業が進まず断念した経験が……。作業効率が上がるだけではなく、メンテナンスにも必要なのでマストアイテムです!
その5
ステンレス製ハサミ
ピンセットと同様に錆びにくいステンレス製のハサミが適しています。細かい作業がしやすいのは、水草のトリミング用ハサミです。容器の深さがある場合は、持ち手が長いタイプのハサミもあると便利。伸びてきた苔や植物のトリミング時にも使えるので用途に合わせて選びましょう。使い終わった後は水気をとってから片付けるようにしてください。
その6
霧吹き
テラリウムを作るときにも、普段の管理にもマストなのが霧吹き。水を取り込む部分がスイングするものがおすすめです。逆さにしたり、角度を変えたりしてもスプレーしやすく、水が少なくなってもストレスなく使えます。ロングノズル付きの霧吹きは、深さのある容器でもしっかりとスプレー可能。
その7
水差し
テラリウムの水やりに必要です。ジョウロや大きい水差しでは水の勢いが強すぎて、土をえぐってしまう原因になることも。水差しはノズルが細いので、細かいところにピンポイントで水やりができるのも良いところ。テラリウムを崩すことなくやさしく水やりをすることができますよ。
その8
お好みで石や砂、流木
テラリウムの飾りやアクセントに使えるのが砂や石、流木、バークチップなど自然の素材たち。これらが入るだけで、メリハリが出ます。小さなフィギュアを入れてジオラマ感を出すのもおすすめ。ガラスの中で自分だけの景色を作り出せるのがテラリウムの楽しみの1つでもあります。
▼手軽に挑戦できる。テラリウムの作り方
手順1
容器に土を入れる
ガラス容器の1/3くらい土を入れます。最低でも2cm程度の高さがあると良いでしょう。石や砂、土などで層を作っても素敵ですよ。
手順2
石を配置する
苔を植えてから石を配置すると苔が潰れてしまうため、先に石を配置します。置くというより、少し埋めるようにしてください。どこに何を置いてどんなテラリウムを作りたいか、完成イメージをあらかじめ考えておくとスムーズです。
手順3
土全体を水で湿らせ、苔などを植えていく
霧吹きか水差しで土全体をよく湿らせます。その後、ピンセットで苔を土に差し込むように植え付けていきます。苔は一気につけないで、細かく分けて少しずつ植えるのがポイント。植物も同じように行います。ただ置くのではなく、ちゃんと土に植えることが大事です。
手順4
水を霧吹きして完成。砂やフィギュアでアレンジしても◎
最後に霧吹きで水を与えて完成です。苔や植物だけでも十分素敵なテラリウムになりますが、お好みで化粧砂やフィギュアを使ってアレンジをしても◎。フィギュアは、テラリウム用の小さくピンが付いているものが使いやすくておすすめです。砂や石は清潔なものを使ってください。
ちなみに……
手軽にできるテラリウムキットもおすすめ
自分で一から作るとなると道具と植物を選ぶだけでも手間がかかりそうだし難しそう……。そんな人におすすめなのが、テラリウムキットです。土やアレンジ用の石や砂も必要な分だけセットになっているので簡単に始めることができます。キットもいろいろ種類があるので完成イメージから好みのものを探してみてはいかがでしょうか?
テラリウムを育てるポイント。正しい管理で上手に育てよう
苔、観葉植物、エアプランツなどテラリウムの中に入れる植物の種類のほかに、ガラス容器のふたの有無でも管理方法は異なります。メンテナンスをすることも、きれいに育てるには大事なこと。長く楽しむために知っておきたい育て方や管理方法についてまとめました。
ポイント1
水のやり過ぎに気をつけよう
湿度が保たれるため毎日の水やりは不要です。ふたがある場合は週1回程度を目安に、ふたがない場合は乾きやすいので週に数回を目安に、霧吹きや水差しで水やりします。どちらも植物の乾燥具合によって水やりの頻度は変わるので、植物や土の状態をチェックしながら水やりをしてください。また、容器に水がたまらないように、やりすぎた場合はティッシュで吸い取るなどして余分な水を減らすようにしましょう。
ポイント2
エアプランツの場合は、水やり後は風に当て乾かしてから飾る
エアプランツの場合は、ガラス容器から取り出して水やりをします。最低でも週1~2回くらい霧吹きでたっぷりと株全体を濡らしてください。水やり後は水を切って風に当て、しっかり乾かしてから容器に戻します。エアプランツは風が好きな植物です。湿気がこもりやすいガラス容器の中に置くより、水やりのとき以外にも定期的に取り出して風に当てるほうが良いでしょう。
ポイント3
室内の直射日光を避けた場所で管理
テラリウムを置く場所で気をつけたいのは直射日光。特に夏は気温が上がるので、テラリウム内の温度が上がり、蒸れたり傷んだりする恐れがあります。そのため、涼しい場所に置いて管理するのがおすすめ。窓辺に置く場合はレースカーテン越しに置くなどの工夫をすると良いですよ。
ポイント4
日光が足りない場合には植物育成用LEDライトを
日光が足りない場合に、植物育成用のLEDライトを使うのも1つの手です。選ぶときは植物専用のものを選ぶようにしてください。植物によって適したルクス(照度)がありますので、購入する前に確認してから選ぶようにしましょう。光量が強すぎると、葉が焼けてしまう原因になりかねません。ライトの位置を高くしてテラリウムと距離をとるなどし、光量を調整して使用してください。
育てやすくておすすめ。初心者向きの苔や植物はこの10種類
ビギナーでも比較的育てやすい苔や植物の種類をいくつかピックアップしました。近い性質のもの同士を選ぶと管理しやすくなるのでおすすめです。
種類1
タマゴケ
胞子嚢(朔といいます)が玉のようにまんまるな苔です。ふわふわしたライトグリーンの葉が明るい印象を演出します。暑さには弱いので、夏場は涼しいところで管理してください。葉が茶色くなったら枯れているのでトリミングをして枯葉は取り除くようにしましょう。
種類2
スギゴケ
明るい環境を好む苔なので、寺院や庭園などの植栽にも使用されています。明るい環境を好むといっても木漏れ日くらいの日光がベスト。直射日光は葉が傷むので避けて管理してください。苔の中でも高さのある種類なので、高低差でメリハリをつけたいときに使えます。
種類3
ヒノキゴケ
明るい黄緑のふさふさとした尻尾のような姿の苔。その見た目から「イタチのシッポ」とも呼ばれています。成長すると10cmくらいになるのでレイアウトで高さが欲しいときに使いやすい苔です。乾燥が苦手で、ふたのない容器の場合はこまめに霧吹きをするなどして湿度を保つときれいに育ちます。
種類4
マメツダ
マメツダは、“ツタ”という名前ですがシダ植物です。山などの岩壁や木にたくさん付いているのを見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。その名の通り、葉が豆のような形状をしています。湿地を好み、直射日光が苦手なため、乾燥すると葉が枯れてしまうので、ふたがない容器で育てる場合はこまめに観察すること。写真のように流木に着生させてもかっこいいですよ。
種類5
シノブ
シノブは多湿を好み耐陰性のあるシダ植物。丈夫な性質なので初心者でも育てやすくおすすめです。ただし、明るい緑色の葉は柔らかく細いので乾燥に弱く、乾燥しすぎるとクルンと葉先がカールし茶色くなっていきます。直射日光と乾燥を避けて管理しましょう。
種類6
ジュエルオーキッド (マコデス ペトラ)
ビロードのような質感の葉にキラキラと輝く葉の模様。まるで宝石のように輝き、美しいジュエルオーキッド。なかでも「マコデス・ペトラ」は手に入りやすい種類です。春先からかわいらしい小さな花を咲かせることもあります。湿度を好みますが、寒さと暑さが苦手なので、夏は涼しく冬は暖かい場所で管理してください。
種類7
フィットニア レッド
網目のような模様が特徴的な小型の観葉植物で、赤い葉脈が美しいフィットニア。湿度がある環境のほうが好ましいのでテラリウムにも使いやすいです。直射日光を必要とせず、日が入りづらい室内でも育てることができます。寒さが苦手なので気温が下がる時期は暖かい場所で管理をするように。
種類8
チランジア・イオナンタ
チランジア(エアプランツ)をテラリウムで育てる場合は、ふたがない容器がおすすめ。チランジアの中でも定番でポピュラーなイオナンタは初心者でも育てやすい植物です。小さめサイズでも、小石やバークチップ、砂を入れて置くだけでも立派なテラリウムになります。冬は水やりの回数を控えめにしましょう。
種類9
チランジア・ブルボーサ
くねくねした葉が特徴的なブルボーサ。前述のイオナンタと同様に、ふたのない容器で風に当てて育てるのが向いています。チランジアの中でも水を好みますので、育てる環境に合わせて週に数回水やりしてください。冬は水やりを控えめにし、暖かい場所で管理をしましょう。
種類10
レックス・ベゴニア
ベゴニアは数時間でも日が入るような室内でも育てることができ、湿度を好むのでテラリウムとは相性の良い植物です。冬場でも直射日光は避けて管理しましょう。美しい葉の模様が特徴的なので、1つあるだけでもアクセントになり華やかな印象に。丈夫な性質なので育てやすくおすすめです。
部屋をおしゃれに彩る、テラリウムのインテリア例
テラリウムは実際どんな風に飾るのかが気になるところ。小さいものならばデスクのお供に置いても楽しめます。注意したい環境として先にお伝えした、直射日光を避ければ室内のどこでも楽しむことができます。
インテリア例1
やさしい光が入る窓辺にまとめて飾る
コンパクトなサイズのテラリウムはデスク横などにも収まりが良いので、仕事の休憩中に愛でることもできて、癒やされそうですね。直射日光を避ければ窓辺でも問題はありませんので、置き場所の方角と日当たりを確認してから置きましょう。場所をひとまとめにしておけば管理もしやすいですよ。
インテリア例2
容器にこだわって、植物はシンプルに
インテリア性の高い容器を使えば、部屋のアクセントとして存在感を発揮します。容器が印象的な分、中に入れる植物はシンプルでもOKです。近くに霧吹きを置いておけば、うっかり枯らしてしまった……なんてことも予防できるはず。
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タマゴケ
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スギゴケ
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ヒノキゴケ
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チランジア・イオナンタ
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