
いいとこ取りの極み。スニーカーサンダルが夏の足元事情を大きく変える
暑い時季は足元も涼しげにしたい。ただ、サンダルは長時間の着用には向いていないことが多い。そこで提案したいのがスニーカー要素を盛り込んだスニーカーサンダルだ。
スニーカーとサンダルの利点を両得。スニーカーサンダルが今、アツイ
スニーカーサンダルとはその名の通り、スニーカーとサンダルの特徴を併せ持つハイブリッドなシューズで、昨今の足元シーンにおいて欠かせないトレンドアイテムの1つだ。その魅力は、それぞれの長所が互いの欠点を補い合うことにある。例えば、暑い夏場などスニーカーだとどうしても熱がシューズ内にこもってしまい暑苦しく感じてしまいがちだ。一方、サンダルだと一日中外出するときなどは、歩きにくさやそれに伴う疲労が気になることも……。しかし、スニーカーサンダルであれば、サンダルならではの通気性の良さによる快適さを持ち、さらにスニーカー特有の機能性、クッション性やフィット性などが向上し歩きやすさを担保してくれる。つまり、夏シーズンは特に間違いなく重宝できる1足といえるわけだ。
どっちがお好み? スニーカーサンダルを大きく分けるとこの2タイプ
スニーカーサンダルと一概にいっても、その成り立ちは2種類に分かれている。スニーカーを主に展開するメーカーが、そのデザインを持たせたままモデルチェンジさせたタイプと、元々サンダルだったものに機能性を付与すべく進化させたタイプ。たどり着いた先は同じだとしてもアプローチが異なるので、選ぶ際の見方も変わってくるだろう。
タイプ1
スニーカーからサンダルへと移行したタイプ
例えば『ナイキ』の「エア マックス」や『リーボック』の「インスタボンプフューリー」などの歴史的な人気モデルの場合、それらをアップデートしたモデルが毎年のように発売されている。そうした流れの中で、夏仕様として必要最小限のパーツに絞り込んでサンダル化させたというのが、スニーカーからの移行の大きな流れだ。最もわかりやすいのは、スニーカーブランドが打ち出すサンダルの中で、デザイン的に既視感があるものと考えればいいだろう。魅力は、スニーカーとして完成されたデザインがモチーフになっているため、コーディネートに落とし込んでもサンダルほどラフになりすぎないという点である。
タイプ2
サンダルにスニーカー要素をドッキングしたタイプ
続いてサンダルにスニーカーの要素を取り込んだタイプだが、こちらはサンダル作りに定評のあるメーカーが主にアウトドア機能を追求して進化させていく中で実現したものが多い。例えば、歩きにくさを払拭するためスニーカーのようにソールにミッドソールを加えたり、脱げるリスクを回避するためにヒールカップをつけたり、岩場などでの怪我を防止するためのトゥガードをつけたり、といったものがそれに当たる。つまり、サンダルがさまざまなシーンで使われるようになり、求められる機能性を付加させていった結果としてたどり着いたというわけだ。
大人の足元に取り入れたい、おすすえスニーカーサンダル20足
ここからは、すぐにでも使えるおすすめのスニーカーサンダルを紹介していこう。上記にて説明した「スニーカーからサンダルへ移行したタイプ」と「サンダルにスニーカー要素をドッキングしたタイプ」に分けてセレクトしたので、好みに応じてぜひチェックしてみてほしい。
▼その1:人気のスニーカーをサンダル化したタイプ
まずはスニーカーサンダルとして人気を誇るスニーカー発祥モデルから。それぞれお馴染みのスニーカーブランドから提案されているモデルだけに、デザイン性はデイリースタイルに落とし込みやすく、かつおしゃれにキマるものばかり。スニーカーに慣れているならまずここから始めるのが良いだろう。
アイテム1
『ナイキ スポーツウェア』ナイキ エア リフト ブリーズ
ケニア人ランナーからインスピレーションを受け、グレートリフトバレーの断層をモチーフにしながら日本の足袋のようなスタイルで仕上げられた「エア リフト」。エア搭載型のスニーカーながらも、足の自然な運動を促す構造と足が露わになる独特のルックスは1996年の発売当時から斬新で、スニーカーサンダルの走りといっても良い名作モデルだ。本作ではアッパーにナイキ テック ウルトラ メッシュを採用することで、軽さと通気性の向上を果たしている。
アイテム2
『リーボック クラシック』インスタポンプフューリー サンダル
1994年にシューレースを用いない画期的なクロージャーシステム、ポンプユニットを採用しスニーカー業界の注目をかっさらった「インスタポンプフューリー」。そんな傑作モデルの外観と機能を持ちながら、サマーシーズン用にアップデートされたのがこれだ。足を快適にホールドするスリッポンスタイルで、トゥとヒールをオープンにしたことでサンダルらしい清涼感をプラス。軽量かつエアリーなテキスタイルアッパーは履き心地も軽快だ。
アイテム3
『アシックス スポーツスタイル』ゲルクォンタム 90 SD
本格派ランニングシューズとして呼び声の高い「ゲルクォンタム 360」シリーズから派生した、「ゲルクォンタム 90」のソールユニットを採用したスポーツサンダル。バランスの取れたサポート力とそれを持続させる快適性を兼ね備えており、ミッドソールには射出成形のEVAを用いたことで優れたクッション性を実現。アッパーは伸縮性のある素材で調節可能なストラップを搭載しているため高いフィット感を発揮し、履き心地はとてもコンフォート。
アイテム4
『ホカ オネオネ』ホパラ
高いクッショニングを誇る独自の分厚いソールで、トレッキングやランニングシーンだけでなくファッションシーンでも高い人気を集める『ホカ オネオネ』。同ブランドからは、アイデンティティである高反発ソールを備えたマウンテンサンダルを展開している。シンセティック素材とネオプレンを用いたアッパーは柔軟性に長け、足先までしっかりとホールドしてくれるため安定感は抜群。ギザギザに入れたアッパーの切り込みは通気性を与えるだけでなく、足元のワンポイントとしても機能する。
アイテム5
『ニューバランス』MA900GY スポーツ スリップ
今年生誕115周年を迎えたことでも話題となっている『ニューバランス』が提案するスニーカーサンダルは、クッション性・安定性に優れたフレッシュ フォームを搭載したスリッポンタイプ。同ブランドが得意とする、ランニングシューズを思わせるシンセティックレザーとエンジニアードメッシュのコンビアッパーが示すアクティブな外観と、着脱性の容易さからコアなファンの間でも注目を浴びている。ファッションユースとしても最適だ。
アイテム6
『サロモン』リラックス スライド 5.0
2010年に発売され、山岳帯でのセカンドシューズやアクティビティの行き帰りをする際の移動シューズとしても人気の「リラックス モック」をベースに、スライドサンダルへとアプローチした1足。片足200gを切る軽量さが特徴で持ち運びがしやすいため、キャンプサイトや休憩用のサンダルとしても人気を博している。サンダルながらつま先を保護することができるため、水辺や屋外でのアクティビティでも活躍してくれる。
アイテム7
『コンバース』CV サンダル キャンバス
カジュアルスニーカーといえばこちらのブランドは外せない。王道の『コンバース』はシンプルなキャンバス素材をアッパーに採用した、ファッショナブルなシャワーサンダルを提案。ベーシックなブラックとホワイトのツートーンカラーに、「オールスター」のピスネームタグがさりげないアクセントに。インナーにはフォームの入った甲全体を包み込む深めのパターン、足なりに沿った二重構造の圧縮EVAフットベッドを採用。クッション性や履きやすさを追求した意欲作となっている。
アイテム8
『イノヴェイト』レコライト 190 ユニ
2003年に英国のオフロードシューズ市場をターゲットに誕生した『イノヴェイト』。ハイパフォーマンスな機能性と現代の時代性に則したモダンアクティブなルックスで、ファッション業界を中心に注目を浴びているブランドだ。今作は元々レースのビフォー&アフターで着用するリラックスサンダルとして開発されたアイテム。コンフォート感を与える幅広設計や簡単には脱げないクイックシューレース構造を搭載していて、さらに着脱のしやすさまで追求したスグレモノだ。
アイテム9
『コロンビア』ロックントレイナーネイキッド3
アウトドア好きにとって定番の立ち位置に定着する『コロンビア』による1足は、スニーカーの安定性とサンダルの涼しさを兼ね備えたフェスシューズをコンセプトに製作。足先からサイドパート、かかと部分はスニーカーのようなアッパーデザインで自然の中や人混みでの衝撃から足を守ってくれる。また、甲部分は伸縮性のあるバンドとワンアクションで脱着できるベルトによりフィット調整や着脱性を確保。高いクッション性を誇る厚めなソールもポイントだ。
アイテム10
『メレル』ハイドロ モック
一体成形のEVA素材を採用した『メレル』を代表するスニーカーサンダル。そのユニークなデザインが最大の特徴で、所々にホールを作ることで着用時の通気性の確保とウォーターアクティビティでの水捌けの良さを実現している。一体成形ではあるがフィット性とクッション性にも長けており、履き心地と歩き心地の両面で快適さを提供。アウトドアユースはもちろん、この独特なデザインを生かしたファッション使いにも定評あり。
アイテム11
『DCシュー』トランスファー
米国のストリートカルチャーやスケーターシーンを筆頭に根強く支持される『DCシュー』からは、ストリートな履きこなしを体現できるデザインコンシャスなモデルをセレクト。通気性に優れたメッシュアッパーにはワンタッチで緩められるクロージャーシステムを採用し、コンフォートな仕上がりを意識。フィット性を向上してくれるヒールゴアバンドには、お馴染みのブランドロゴを配し、ショーツスタイルやソックスサンダルスタイルとも好相性を見せる。
▼その2:サンダルにスニーカーの要素を足したタイプ
サンダルの機能性や実用性をグレードアップさせたモデルは、アウトドアユースを筆頭にその需要は高まる一方。サンダルらしい個性を残しながらも、水辺や岩場もなんのそのというハイテク感が新鮮な足元を構築してくれるはずだ。また、スニーカー派生型にも負けないデザインのバリエーションにも注目してほしい。
アイテム12
『キーン』ユニーク スニーク
『キーン』を代表する名作サンダル「ユニーク」をベースにスニーカーライクな履き心地を追い求めたアップデートモデル。独自性に溢れるアッパーデザインはそのままに、肉厚なミッドソールとフィット性の高い履き口をプラスすることで快適性を向上させている。高い通気性と速乾性に優れるメッシュライニングを採用しているので、普段履きだけでなく水辺のアクティビティでも使い勝手は抜群。リサイクル素材を使い、環境面にも配慮している。
アイテム13
『シャカ』ネオバンジー
1990年代に実在した南アフリカ共和国のサンダルブランド『シャカ』。最近ではセレクトショップを中心に広く展開されるようになり、サンダルシーンでも多く見受けられるように。この「ネオバンジー」は同ブランドを代表するモデルで、厚手でそり返しを施したソールが特徴。つま先部分の足の運びを楽にし、耐久性とクッション性に長けたフットベッドも相まって抜群の歩きやすさを実現する。スポーティなストラップ式サンダルが、夏らしい佇まいへと誘ってくれるだろう。
アイテム14
『メイ』リサイクルナイロン3ベルトサンダル
1970年代にカリフォルニアで誕生した『メイ』は、地元に根ざしたアウトドア・サーフスタイルをベースにしたアイテムで人気を集める。新しくリリースされたこちらは、スポーティな3ストラップスタイルながらも、グリップ力とクッション性に長けた地厚なアウトソールで安定感を確保。シンプルかつボリューム感のあるルックスはトレンドファッションとの親和性も高く、ユニセックスで楽しむことが可能だ。5,000円弱という高コスパも特筆すべき点。
アイテム15
『テバ』オムニウム フォックス スエード
アウトドアサンダル界の雄『テバ』のスニーカーサンダルは、2009年に発売された逸品のアーカイブモデル。限りなくスニーカー寄りにデザインされた本作は安全性を追求しており、足先のガードや簡単には脱げないためのフィット性に注力している。また、スパイダーラバーを採用したアウトソールが優れた耐久性とトラクションを発揮し、水辺のアクティビティでも安心して使うことができる。ワントーンで仕上げられたことで洗練さが増し、普段使いもお手のもの。
アイテム16
『スイコック』ビタV
実用に則した高い機能性とファッション性に長けたデザインを両立する『スイコック』からは、独特な出で立ち1足をレコメンド。素足でも快適に履きこなせるように設定されたネオプレンのアッパーは、足袋をモチーフにしたことで長時間の歩行でも疲れにくいようアプローチ。また、『ビブラム社』製のソールを採用しているので安定感も申し分なし。この独特なデザインは足元に唯一無二の存在感を示してくれるため、他の人と被りたくないのであればぜひ一度お試しを。
アイテム17
『エアーズ』ストラップ ベルクロサンダル
“まるで空気のような究極な履き心地”を目指すフットウェアブランド『エアーズ』。その名に恥じぬ軽快な履き心地を追求したストラップサンダルは、スニーカーソールをドッキングさせたことで快適な歩行性能を誇り、ファッション性の高い1足へと仕上がっている。さらに、弾力性や柔軟性、軽量感に優れたシリコン素材を採用したことで、よりコンフォート感を味わえる仕様に。シックなモノトーンカラーはさまざまなスタイルで活躍してくれること請け合いだ。
アイテム18
『チャコ』オデッセイ
『チャコ』を代表するモデルである「Zサンダル」の履き心地と、ウェビングシステムを継承した水陸両用のハイブリッドモデル。新しく開発された軽量EVR製のフットベッドは軽量かつ高反発で、さらには耐久性も高いため長時間のサポートを可能に。素足感覚で履けるフィット感に加え、速乾性に優れたエンジニアドメッシュアッパーを採用しているので、ボートやサップといった動きの多いウォーターアクティビティにもおすすめ。
アイテム19
『トモアンドシーオー』ブリティッシュエアサンダル
ドメスティックブランドやセレクトショップとのコラボシューズで話題の『トモアンドシーオー』。特にサンダルは他にはないデザイン性とこだわりのディテールで、ファッション界でも注目の的だ。こちらはオリジナルモデルで、ブリティッシュアーミーのサンダルをデザインソースにしたもの。履きやすさを追求した特殊ソールはクリアになっており、見た目としても新鮮だ。アッパーにはマイクロスエードを使用し、異素材の面白みも味わうことができる。
アイテム20
『オニツカタイガー』デンティグレ ストラップ
春夏シーズンに適した軽快感のあるストラップ構造のサンダルスタイルと、ラギッドな印象でありながらも快適な履き心地を備えたスニーカーライクなソールとを組み合わせたハイブリッドモデル。スニーカーを軸にファッションアイテムも広く手掛ける『オニツカタイガー』らしい、街履きとしてのスタイリッシュさを重んじたデザインが特徴だ。セットアップの崩しから、ストリートなショーツスタイルのお供まで幅広いスタイルで重宝するだろう。
街の洒落者たちも多数愛用。スニーカーサンダルの履きこなしサンプル
おすすめのスニーカーサンダルをご紹介したところで、ここからは実践編。アウトドアやアクティビティでの使用だけでなく、ファッションアイテムとしても活躍が期待できるアイテムだけに、いかにおしゃれに履きこなすかも同時に学んでおきたいもの。ここでは5名の素晴らしいコーディネートへの落とし込み方をご紹介するので、ぜひ参考に。
コーデ1
普遍的なモノトーンコーデを個性的に導く
普遍的に着こなせる黒T&白パンツのモノトーンコーデは、得てして“普通”に落ち着いてしまうのが定石。もちろん、定番を求めるならばそのままでも優れたスタイルだが、人と差をつけるなら細かい部分までこだわるのが吉だ。旬のオーバーシルエットでそれぞれをまとめつつ、Tシャツをタックイン。そしてアクセサリーで独自性を持たせたスタイルに、同様のオーラを漂わせる個性的な『メレル』の「ハイドロ モック」をプラスすることでオリジナリティに拍車をかけた。
コーデ2
セットアップをストリートに着こなすポイントに
ラフな素材感とゆったりとしたサイズ感がキモのカジュアルセットアップを主役に、ストリートスタイルへとアプローチ。足元に用いた『リーボック』の「ビートニック」はぽってりとしたフォルムがストリートシーンでも人気の1足で、写真のようにハズしやワンポイントへの使用が真骨頂だ。スニーカーサンダルのボリューム感に負けないよう、合わせたソックスはタイダイ柄など主張があるものを選択し、インナーのロゴTを同系色で合わせて統一感を出したのはお見事だ。
コーデ3
武骨なミリタリーウェアをスポーティに味付け
上品なテンションでまとめた大人ミリタリースタイルは、落ち着いたカラーリングとプレーンなアイテム選びがミソ。柄やロゴなどの余計な装飾を省くことで、ミリタリーながらも洗練された印象へと促すことができる。ただ、それではシンプルすぎてしまう……ということであれば足元で遊びを加えたい。スポーティなストラップサンダルをソックス併用することでアクティブな要素が加わり、大人らしい適度な遊び心を演出することが可能となる。
コーデ4
ヴィンテージTシャツを足元の肌見せでいなす
TASCLAP世代であれば多くの人が通ってきたであろうアメカジスタイル。そのコテコテの香りを感じさせてくれるヴィンテージTシャツを軸に、リラックス感漂うホワイトパンツを合わせれば柔和なイメージに仕上げることができる。さらにTシャツをタックインすることで、ルーズにならず小ぎれいにまとめられるだろう。足元には『ナイキ』の「エア リフト」を選択。効果的に肌見せさせることでパンツ同様の抜け感を表現可能。アメカジを今風に仕上げたいなら、ぜひ真似したい好例といえる。
コーデ5
レトロな柄パンを今風に飾れるアクティブ感
クラシック回帰が囁かれる昨今のファッションシーンで、注目されているレトロなチェックパンツ。その扱い方はクラシックに寄せるのではなく、程良く今っぽさを加えることが大切だ。そこで用いたいのが落ち着いたカラーリングのポケットTシャツと、『ホカ オネオネ』のスニーカーサンダル。伝統的な柄を使いつつも、アウトドアな雰囲気をプラスすることで今っぽいMIXスタイルへと落とし込んだ。また、パンツの色合い含め、落ち着いたトーンで揃えたのも効果的。
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『ホカ オネオネ』 ホパラ
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『コロンビア』 ロックントレイナーネイキッド3
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『メレル』 ハイドロ モック
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『DCシュー』 トランスファー
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『オニツカタイガー』 デンティグレ ストラップ
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