
ガスバーナーの賢い選び方&使い方。キャンプで役立つ信頼の11モデルを手に入れよう
ガスバーナーはアウトドアの必需品。キャンプでの本格的なアウトドア料理にはもちろん、釣りや外遊びに持っていけばいつでもどこでも温かいコーヒーが淹れられますよ。
”ガスバーナー常備”はアウトドア好きなら常識です
アウトドアで使うガスバーナーとは、キャンプで料理をするときにマストな火器のことですが、一体型や分離型など、いろいろなタイプがあることをご存じでしょうか? キャンプに限らず、アウトドアやレジャーシーンでも、いつでもどこでも温かい食事を取ることができるとあって、アウトドア好きには欠かせないアイテムとなっています。
海辺で釣りをしながら、あるいは山頂から絶景を眺めながら食べるカップラーメンは最高ですし、遠出したドライブ先で湖畔や展望台に車を止めて、コーヒーを淹れるひとときは、とっても贅沢! また最近では、停電など緊急時用の火器としても一家に1台常備しておくのが常識となっています。
用途別に最適なものを。ガスバーナーの選び方
一般的にアウトドア用のガスバーナーには、2口コンロのようなツーバーナータイプと、1口タイプのシングルバーナーの2種類があります。さらにシングルバーナーは、燃料缶の上に直接取り付ける「一体型」と燃料管にホースで接続する「分離型」に分けられます。このようにさまざまな種類があるので、それぞれ用途に合わせて選ぶのが得策。以下で詳しくご紹介していきましょう。
▼1. 燃料は「ガス缶」か、「ホワイトガソリン」か
ガスバーナーを選ぶ前に、燃料によって使い分けが必要であることを知っておきましょう。燃料には、カートリッジ缶を使う「ガス缶」と液体燃料の「ガソリン」タイプがあります。
タイプ1
「ガス缶」は、季節(気温)に合わせて使い分けましょう
手入れも使い勝手も便利なガス缶には、カセットコンロで使うCB缶と、アウトドアショップやホームセンターで買えるOD缶があります。ガスバーナーは主にOD缶を使いますが、なかにはアタッチメントを使ってCB缶が共用できるタイプもあります。なお、ガスの種類によって、寒いときには使えないことがあるので注意が必要。温かい季節ならブタンやイソブタンが使えますが、冬キャン用にはプロパンを使用したハイパワーなガス缶を使用しましょう。
タイプ2
「ガソリン」バーナーはポンピングの覚悟が必要
一斗缶で購入できるホワイトガソリンは、燃料の単価的には安価でリーズナブルですが、使う前にピストン作業を100回ほど繰り返す「ポンピング」という作業が必要です。またすすがこびりつきやすいので、鍋はもちろんバーナー部もマメに手入れが必要です。使用回数が多い方にはおすすめできますが、年に数回しか使わないのでしたら、何かと手軽なガス缶タイプを推奨します。
▼2. 使用スタイルに合わせてバーナーの形状を選ぶ
ソロキャンプでお湯を沸かすぐらいなら1口バーナーで十分ですが、ファミリーキャンプでご飯を炊いて、料理を作るのに、1口では時間がかかって非効率です。バーナーの形状は、使うシーンに合わせて使い分けましょう。
タイプ1
どこへでも持っていけるコンパクトな「一体型」
OD缶に直接取り付ける「一体型」は、バーナー&五徳部分がコンパクトにたためて、持ち歩きしやすいのが特徴です。ただし、五徳に鍋を乗せたときの安定性を考えると、小鍋でお湯を沸かすといった簡単な調理をするぐらいが適当でしょう。1つ注意したいのは、燃料缶を立てた上に鍋をセットするため、鍋からの輻射熱で燃料缶が熱くなること。高さのあるバーナー台を使う、鉄鍋を使用しないといった正しい知識を持って使いましょう。
タイプ2
安定感と大火力で調理がはかどるのは「分離型」
燃料缶からホースで接続する「分離型」のバーナーは、五徳が大きいものが多いので、鍋を乗せたときの安定感が抜群です。燃料缶と鍋との距離があるので、安全性も高く、火力も強力なので、ダッチオーブンや中華鍋も使えて料理の幅が広がりますよ。その分、多少大型になることと、使用する際にテーブルのスペースを使いますので、それなりの装備が必要です。
タイプ3
料理の腕を振るうなら「ツーバーナー」タイプに限ります
「ツーバーナー」は、もはや持ち運べる家庭用の2口コンロと思って良いでしょう。ガス缶を2つ取り付けるタイプや、ホワイトガソリンを使うタイプがありますが、ポンピングに慣れない方は、ガス缶のタイプが便利です。その代わり燃費が少々かさみますが……。
安全かつ効率的に。正しいガスバーナーの使い方
ガスバーナーを安全に使うためのポイントを解説しましょう。着火する際の使い方やコツとともに安全に使うためのギアもご紹介。
ポイント1
テーブルの上では輻射熱対策をしっかり
一体型のガスバーナーを使う際は、燃料缶への輻射熱対策のため、調理は小鍋程度に留める必要がありますが、分離型の場合は床面への対策が必要です。特に地面やテーブルの上では、熱を持った鍋からの輻射熱で、芝生やテーブル面が焦げたりすることがあるので、遮熱板や遮熱シートを敷いたり、金属テーブルの上で使ったりするようにしましょう。
ポイント2
シングルバーナーの安定感を高めるギアを使う
燃料缶に直結する一体型シングルバーナーの場合、缶の上に乗せた五徳では安定感が物足りないところがあります。五徳が3本脚のコンパクトバーナーの場合、シェラカップが倒れることもあります。そんなときはバーナーパットを敷いたり、グリルロストルの下で使ったりして、安定感を増してあげるのがポイントです。
ポイント3
風防を使って安定した火力を鍋底にキープ
遠赤外線でまんべんなく加熱する炭火と違い、ガスバーナーは炎が鍋を直接温めます。そこで火力をロスなく使うには、風対策が必要になります。だからといって、テント内で使うことは推奨しかねますので、風防を用意して風から炎を守る工夫をしてあげましょう。燃料缶のサイズによって高さが変わりますので、燃料缶用の台座や、高さの異なる風防の用意をお忘れなく。
ポイント4
冬場には暖房としても使えます
冬のキャンプでは、シングルバーナーにヒーターアタッチメントを取り付けて、暖房として使うこともできます。ヒーターアタッチメントは遠赤外線を発生するので、まるで火鉢のように空気を温めてくれます。足元や手元を温めるのに使ったり、テント内の暖房として使ったりできますが、くれぐれも火事にはお気を付けください。
信頼できるブランドから。ガスバーナーのおすすめ11選
それでは、使いやすいガスバーナーのおすすめモデルをご紹介しましょう。燃料缶を外したときにコンパクトに収納できて、火力も十分ありながら、お手入れも簡単。シングルバナー、ツーバーナーともに、そんなモデルをピックアップしました。最近は安価なバーナーが出回っていますが、安全に使うためにも信頼の置けるメーカーから選びたいところ。バーナーに合わせた燃料缶は、メーカーの指定を守って使ってください。
モデル1
『スノーピーク』ギガパワー 地
五徳をたたむとコンパクトな手のひらサイズに収納できるシングルバーナー。こちらはオートイグナイター(自動点火装置)付きモデルですが、故障時などに予備の着火用火器がないと悲しいことになるので、上級者はあえてイグナイターなしを選ぶ傾向があるようです。
モデル2
『SOTO』ST-330
CB缶専用の分離型シングルバーナーは、安価な燃料が手に入りやすいことから人気のモデル。五徳の径が大きく火力も大きいため、ダッチオーブンや中華鍋も使えます。専用ケースがないのが唯一のネックですが、実は汎用サイズのメスティンとシンデレラフィットすることが知られています。
モデル3
『プリムス』P-TRS エッセンシャルトレイルストーブ
『プリムス』はスウェーデンの燃焼機器ブランド。日本の岩谷産業と提携している信頼の置けるメーカーです。「P-TRS」はOD缶仕様の一体型シングルバーナー。独自設計のラミナー・フロー・バーナーが、低く安定感のあるシングルバーナーとして機能します。点火装置を搭載していないので、ライターやマッチをお忘れなく。
モデル4
『イワタニ』カセットガス ジュニアコンパクトバーナー CB-JCB
『イワタニ』のCB缶専用シングルバーナーは、燃料缶を横置きにして高さを抑えて使用するタイプ。1Lの水が約4分で沸騰する高燃焼で、ソロキャンプはもちろん、釣りや登山、ツーリングなどのアウドドアアクティビティ、緊急時の防災備品としても用意しておきたいアイテムです。
モデル5
『キャプテンスタッグ』オーリック 小型ガスバーナーコンロ M-7900
バーナーとクッカーのセットには、1番小さいサイズのOD缶とセットに持ち運べるバッグが付属。専用ケースにはバーナー部分と、調節部分をバラして収納します。五徳を2段階に開くと11cmから17cm径に拡大するので、大型の鍋が使えるのも便利。自動点火装置付きでこの価格というのは、さすがの鹿番長(『キャンプテンスタッグ』)。
モデル6
『スノーピーク』HOME & CAMP バーナー GS-600SV
CB缶をセットするシングルバーナーは、一昨年の登場時に話題となったモデル。家庭用カセットガスコンロの大きさで、ダイニングテーブルで鍋料理にも使えます。バーナー部分を本体(カセットガスを収納する部分)に収納すると、筒状にトランスフォームするという、デザイン的にも画期的なモデル。最近は類似品も出回っていますが、これが本家本元の元祖です。
モデル7
『コールマン』シングルガスストーブ120A
『コールマン』から期待の新作シングルバーナーが登場。OD缶専用バーナーですが、ガス容量の大小を問わず使え、交換時もコンロから鍋を卸さず燃料缶の角度を変えて交換できるので長時間の煮込み料理もしやすいモデル。五徳とウインドスクリーンがセットになっていて高さがあるので輻射熱の心配もいりません。
モデル8
『SOTO』ST-527
2021年モデルのCB缶専用のツーバーナー。家庭用のカセットコンロと燃料が共用できるので何かと便利です。本体に高さ54cmで使える折りたたみ式の脚が付属していますが、オプションで立ったまま使えるシステムスタンドと専用のウォータージャグ(スタンドの重りとして使用)、フッ素樹脂加工されたアルミグリドル(鉄板)もリリースされています。
モデル9
『プリムス』P-COJ-BK オンジャ(ブラック)
ウインドスクリーンと一体型のツーバーナーは、X字に開いて設置。収納時は本体にストラップを取り付けてショルダーバッグのように持ち運べるスタイリッシュなデザインですが、さらに収納バッグも別売りされています。収納時、本体の蓋となる付属のウッドプレートは鍋敷きとして使用可能。従来のシルバーに加え、今年ブラックが登場しました。
モデル10
『ユニフレーム』ツインバーナーUS-1900
アタッシェケースを思わせるシルバーケースがかっこいい、キャンプ場でも目立てるツーバーナー。火力調節ツマミが、ガスコンロ風で使いやすいのも便利なデザインです。CB缶のバーナーは火力に不安があるかもしれませんが、MAX3900kcal/hのハイパワーバーナーゆえ安心。風防を取り外せば、フルフラットな状態で中華鍋を振ることもできます。
モデル11
『ジェットボイル』バーナー
素早く安全にお湯を沸かすなら絶対これ。冬場どんなに風防を使ってもなかなかお湯が温まらない……という経験があるキャンパーは、このジェットボイルに手を出すといわれるぐらい信頼性の高いバーナーです。クッカーを外せば鍋も使えますが、コーヒーやカップ麺用と割り切って使うユーザー多数です。
この記事の掲載アイテム一覧(全11商品)
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『スノーピーク』 ギガパワー 地
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『SOTO』 ST-330
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『プリムス』 P-TRS エッセンシャルトレイルストーブ
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『イワタニ』 カセットガス ジュニアコンパクトバーナー CB-JCB
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『キャプテンスタッグ』 オーリック 小型ガスバーナーコンロ M-7900
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『スノーピーク』 HOME & CAMP バーナー GS-600SV
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『コールマン』 シングルガスストーブ120A
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『SOTO』 ST-527
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『プリムス』 P-COJ-BK オンジャ(ブラック)
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『ユニフレーム』 ツインバーナーUS-1900
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『ジェットボイル』 バーナー
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