
タフな設計でルックス◎。ピストバイクなら、通勤も街乗りもこれ1台
爽快な走りと高いファッション性を併せ持つピストバイクが注目されている。乗り方に多少コツはいるが、故障が少なく、通勤や街乗りに毎日使いたい人にはうってつけだ。
ロードでもクロスでもない。ピストバイクとは
ピストバイクとは本来、トラック競技に使われるシングルギア(一速ギア)の自転車のこと。「ピスト」や「シングルスピード」とも呼ばれ、米国のメッセンジャーたちが街中で乗り始めたことをきっかけに、次第に一般層へと広まっていった。車両の特徴として挙げられるのは、ブレーキなし、ギアが固定式、といった非常にシンプルな設計。しかしご存じの通り、日本においてノーブレーキの自転車は法律違反になるので、購入にあたってブレーキの取り付けは必須事項となる。また、今は固定ギアではなく、一般的に親しまれているフリーギアを搭載したモデルも少なくない。そうした状況から、ピストバイクの定義にはあいまいな部分もあるが、スッキリとした外観とシンプルな構造が共通の特徴といえるだろう。
なぜ人気? ピストバイクが支持される3つの理由
シンプルな構造ゆえのスッキリとした見た目が人気の理由の1つ。さらにシングルギアかつ固定ギアであれば、ペダルを踏み込んだ力がダイレクトにタイヤに伝わり、推進力へと変わる。トラック競技のような、ぐんぐん進む爽快感を得られるのだ。逆に、急な上り坂は苦手なので、注意が必要だ。
理由1
タフでメンテナンスがしやすい
ピストバイクはシングルギアが基本。変速機(シフト)やシフトワイヤーが不要であるため、ギア周りが非常にシンプルな構成となっている。三輪車などと同様に最小構成のパーツのみが装着されている構造なので、当然、故障の原因が少ない。例えば、チェーンが外れるといった、多段変速のロードバイクではよくあるようなトラブルもほとんどなし。万が一故障した場合でも、ロードバイクなどと比べて、パーツ交換が容易なのもメリットだ。
理由2
シンプルゆえ、お手頃価格なものが多い
ロードバイクにおいては、車体価格に占めるフレームとシフト(変速機)のコストが大きい。だがピストバイクはというと、そのシフトが不要であるほか、車体を構成するパーツがそもそも少ないことから、プライスが比較的リーズナブル。そしてその分、一点一点のパーツにコストをかけやすい。自分の好みを反映したパーツをセレクトしたり、より高級な部品に変えたりと、乗るだけでなくカスタムしていく楽しみも大きいのだ。
理由3
ストリートに合うスタイリッシュなデザイン
1980年代にニューヨークなどのメッセンジャーが乗りはじめたピストバイク。シンプルな外観で、街中を颯爽と走る姿から、日本ではファッションに敏感な人たちが着目し、ピストバイクブームに火をつけた。フレームはもちろん、ハンドルやチェーン、クランク、コグなどを変えて、外観や走りのスタイルを自分好みにカスタムできることも支持を集めた要因の1つといえるだろう。
ピストバイクを購入する際に、注意すべきポイントをチェック
ロードバイクを含む一般的な自転車とは仕様の異なるピストバイクには、購入にあたって忘れずに確認しておくべきポイントがいくつかある。特に注意したいのは、前後のブレーキ機構が装着されているか否か。加えていくつかのチェックポイントを挙げていく。
ポイント1
ブレーキの有無を確認!
ペダルとホイールが直結している固定ギアのピストバイクでは、ブレーキなしでもペダルを止めることで減速することが可能。しかし日本国内では、前後両輪にブレーキ機構のない自転車を乗ることは道路交通法違反となる。そのため、初心者であれば最初からブレーキが装備されている完成車を購入するのがベター。それなら購入後すぐに乗りはじめることができるので安心だ。完成車でなく、各パーツをセレクトしてイチから組み上げていくような場合には、必ずブレーキを装着するよう気をつけよう。
ポイント2
初めての人は固定ギアとフリーギア兼用を選択
トラック競技用の自転車の流れから誕生したピストバイクは、本来は固定ギアが基本。固定ギアは、三輪車を想像するとわかりやすい。ペダルの動きとタイヤの動きが連動し、ペダルを踏み込めばタイヤが回転し、止めればタイヤも停まる。だが、今では初心者でも街中で乗りやすいよう、一般的な自転車と同様に、ペダルを漕がなくてもタイヤが回転するフリーギアを設定できるモデルが多い。固定ギアに不安がある場合は、フリーギアを選択できるかを確認しておこう。基本的にどのモデルでもフリーギアに換装できるが、あらかじめパーツとして用意されているかどうかはモデルによって異なるので確認が必要だ。
ポイント3
街乗り派はペダルストラップorトゥークリップを付けよう
ピストバイクで憧れるのが、走行しながらペダルを止めることで、後輪をロックさせて滑らせる「スキッド」というテクニック。そんなスキッドのためには、シューズをペダルにがっちりと固定させる、ペダルストラップやトゥークリップを追加しておきたい。シューズとペダルを固定することで、踏み込んだ力が高効率で伝えられ、無駄のないペダリングが可能になるのだ。さまざまな種類があるので、できれば車体の購入店で相談してほしい。
人気ブランド厳選。おすすめのピストバイクをピックアップ。
ピストバイクの魅力の1つが、自分仕様にカスタムしやすいこと。だがここではエントリーしやすい、買ってすぐに乗れる完成車をご紹介する。まずはこの完成車を基本にして、乗っていくごとに好みのパーツに換装していくのがいいだろう。
アイテム1
『フジ』TRACK ARCV
トップチューブが前傾したパシュートジオメトリーを採用した、ストリート仕様のトラックバイク。大径チューブが特徴的な「A2-SL」軽量アルミフレームに、カーボンフォークを搭載。標準ではフリーギアが装備されているが、固定ギアの装着も可能。固定ギアにすることで、ダイレクト感の高いライドフィールが味わえる。リアブレーキケーブルはトップチューブに内装され、スッキリとシンプルな外観をキープ。
アイテム2
『フジ』FEATHER
シングルスピードの定番モデル。フレームに、鉄を主な原料とするクロモリ鋼を採用することで、細身でシンプルなルックスとなっている。主張の少ないデザインのため、普段着との相性は抜群。クランクには、高い精度・品質・美しい処理で世界中から高い支持を得ている『スギノ』を採用。標準ではフリーギアを装備しているが、別売の固定ギアの装着も可能だ。
アイテム3
『チネリ』ガゼッタ
『チネリ』は、1948年にプロ自転車選手であったチーノ・チネリ氏によって設立されたイタリアの自転車メーカー。この「ガゼッタ」は、トラック競技で培ってきたノウハウを、アーバンバイクへと落とし込んだモデルだ。素材のほとんどをクロモリに仕上げた1品は、ロングライドでも安定したライドが楽しめます。車重も9.7kgと少々重量があるものの、乗り心地においてはピカイチ。加えて、前後ブレーキが取り付けられているため、初心者でも安心して乗ることが可能だ。
アイテム4
『フジ』STROLL
フラットバーや、側面が肌色のサイドスキンタイヤを装着するなど、シングルスピードのなかでもタウンユースの雰囲気を漂わせた1台。パンツの裾の巻き込みやチェーンの油汚れ防止にもなるチェーンガードを標準装備しているので、普段の通勤通学にもおすすめだ。それでいて細身かつ軽量なバテッドクロモリフレームと、シングルギアならではのダイレクトな乗り味を実現している点が魅力。
アイテム5
『カーテルバイクス』ライザーバー
東京西麻布にあるピストバイク専門店「ダイナー」のプライベートブランド『カーテルバイクス』からの1品。軽量かつ耐久性に優れるフレーム素材を採用。フレームは自然と前かがみになる設計なので初心者でも漕ぎやすく、ライドする楽しさを十分味わえるだろう。ブラック1色で統一されたデザインは街中で映えること間違いなし。
アイテム6
『カーテルバイクス』アベニュー
前述の「ライザーバー」と同様、同ブランドではエントリーモデルに位置づけられ、共通ポイントも多い。カーボンやアルミが主流の中、こちらはフルクロモリでしなやかなライドが楽しめるだろう。また、トップチューブのホリゾンタルがピストバイクのシンプルさとスタイリッシュさに拍車をかけている。
アイテム7
『ジオス』ヴィンテージ ピスタ
1948年創業の、イタリア名門ブランド。細身のクロモリフレーム採用の人気ロードバイク「ヴィンテージ」をベースにした、シングルスピード用フレーム。トップチューブが地面と水平なホリゾンタル仕様。ギア比は、信号で停まるところも多い街中でも走りやすいように、44T×16Tに設定されている。ブランドカラーである鮮やかなブルーのボディに、白いハンドルとシートを組み合わせたデザインは、スポーティかつ爽やかな印象。
アイテム8
『マジ-』Sesto Single Speed
ロードやトラックレースの世界で著名な、イタリア生まれのブランド『マジー』。フレーム素材にTIG HI-TEN steel(ハイテン鋼)を採用しクラシカルな印象を残した小径モデル。雨天でも制動力が落ちにくいディスクブレーキや、リラックスした姿勢で乗れるフラットバー(ハンドル)を採用するなど、街乗りに最適な設定としている。小径とシングルスピードならではの小気味良い走りを体感可能だ。
アイテム9
『ブリュアン』ピストバイク
複数のメーカーのコラボにより開発されたピストバイク。タイヤ、サドルやグリップなど、細かい箇所にも高級素材を仕様しているため、長時間乗車しても疲れにくいモノに仕上がっている。総重量は10.7kgと、ピストバイクの中では標準的な重さだが、ペダルが非常に軽く推進力は申し分なし。ギアはフリーと固定のいずれでも設定可能で、初めての1台としておすすめ。
アイテム10
『スピードワールド』ピストバイク
『スピードワールド』が手掛けるこちらのピストバイクは幅広いシーンで使えるスポーティなデザイン。フレームはクロモリで、リムやハンドルなどはアルミを使用。安定感と軽量性の良い塩梅に仕上がっている。シルバーで統一されたスタイリッシュな見た目もGOOD。
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『フジ』 TRACK ARCV
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『フジ』 FEATHER
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『チネリ』 ガゼッタ
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『フジ』 STROLL
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『カーテルバイクス』 ライザーバー
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『カーテルバイクス』 アベニュー
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『ジオス』 ヴィンテージ ピスタ
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『マジ-』 Sesto Single Speed
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『ブリュアン』 ピストバイク
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『スピードワールド』 ピストバイク
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